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・・・・・・・バリ爆弾事件に思う・・・・・・・ |
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神々が住む島、バリ。
私はバリから人間として大切な事をたくさん教わった。
バリから得たものは計り知れない。
もらいっぱなし。
そんな平和の象徴とも言えるバリを選んで起こった今回の暴力。
許せないし、やるせない。
バリでは、バランスを大切にする。
朝夕、女性が祈りをあげる姿は、普通の観光客だってきっと目にする光景だと思う。高い祠に供物を捧げ、優雅で流れるような動きで聖水をピッピッとかける。そして、そのままスッと腰をかがめ、今度は地べたに生息する“ブトカロ”という下界の神や魔物にも、同じように祈りを捧げる。
一連の流れるような動きは、何度見ても心がスゥっと清廉になる。
これは、神様だけを大切にしていると魔物がひがんで暴れ出すから、人間はその両方ともバランスよく付き合っていきなさい....という、バリヒンドゥーの教えを具現化したものだ。
その他にも、チャロナランという土着の奉納劇は、聖獣バロンと魔女ランダの終わり無き戦いだ。深夜に始まり、眠い目をこすりながら観ていると、明け方になってようやく決着がつく。でも、結果は決まって引き分けだ。立場が変われば勧善懲悪は成り立たないという考え方があるように思う。
また、バリ人の日常には、ホワイトマジックとブラックマジックが暮らしの中に存在している。それは、人間の持つ「善」と「悪」の二面性を認めた上で、そのバランスを大事にしなければならないことを教えてくれている。
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私は、バリからその大切なバランス感覚を教えてもらった。
今、世界はいろんなバランスが崩れてしまっている。
その歪みから起こるテロという暴力。
この暴力の連鎖を断ち切るには、地球に住む人間の一人ひとりが、ちゃんと自分で考えてバランス感覚を身につけて、自分にとって何が大切なのかを見極めて自立しないといけないんだと思う。人間としての精神的な進化が必要なんだと思う。
バリでは、事件の後、島中のあちこちで祈りを捧げる儀式が執り行われたという。現場は、世界中から訪れる観光客で賑わう店だった。そして、現地人であるバリ人は、基本的には立ち入り禁止だったらしい。ある意味、バリに在って、バリではなかった場所。
世界は、今こそ、バリから学ばなければならない事が多いと思う。
争いを起こさないバランス感覚。
地球を宇宙の楽園にする為に、今もっとも必要なもの。
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