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kenjiroの空間
自然と人生 文化 文化



 明治の作家、徳冨蘆花による随筆、小説、論説からなる作品集。漱石以前の名文家と称された蘆花は、今からちょうど100年ほど前、しばらくの間逗子に住んでいました。この作品集に収められた「湘南雑筆」は、当時新聞連載していたもので、世に湘南の名を知らしめる契機になったといいます。逗子の蘆花記念公園にある郷土資料館へ向かう坂道に、この「自然と人生」の一節を記した立札がいくつも並んでいるのを目にした人もいるでしょう。
 100年も前の文章なので、読みづらいところも多々あります。途中で投げ出さずに楽しむには「湘南雑筆」や「自然に対する五分時」から読み始めるとよいでしょう。絵の好きな人は「風景画家コロオ」もいいと思います。
 著者曰く「眼に見耳に聞き心に感じ手に従って直写したる自然及び人生の写生帖の其幾葉を公にしたるもののみ」とあり、漢詩、英詩の素養を活かした凛としたリズム感、季節の移ろいをサッと切り取る観察眼がとても素晴らしく、この地を知る人には是非ともオススメの一冊です。


【シゼントジンセイ】

徳冨蘆花
岩波書店
600円

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2004/7/17 登録
3852クリック
感想
04/7/17 なおちん  以前逗子に住んでいたとき、「自然と人生」の立て札を読みながら坂を上りました。あの坂を私は「ミニいろは坂」と呼んでいます。
04/8/1 kenjiro  ミニいろは坂の傍らには月日の巡りと共に次々といろんな草花が咲きますね。いまはアキノタムラソウ。そろそろタデの花も咲きそうです。
なおちん  花の名前をよくご存知なのですね。知っていると楽しさが倍増しますね。葉山に越してから行ってないけど、今度寄り道してみようと思います。
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