| | 万感とまでは言わないが,同じ町に住み、趣味を同じくする友人として「水彩学」の出版は待ち望んだものであった。
読み終えた翌日,パンを取りにきたミュージシャンのSさんは、テーブルの上の本を手にして「難しい内容なんでしょ…」と読みたいけれど、自分には無理だろうと残念そう。「でも…」と言いかけたが,美術書の部類には間違いがない。分野違いの人には辛い部分が確かにあるかもしれない。
グラフィックデザイナーのH君は「美術を志した人間には染みるんですよー」と評した。そうそう。この本には青春が滲んでいるからね。美術に強いKは「小説みたい」と。わかる。全体の構成,ディテールの表現が、単なる水彩の技術書,美術史関係の枠を大きくはみ出ていて、引き込まれる。それについては,渡辺さんも別の角度から述べている。http://d.hatena.ne.jp/...
身内であることからの「ひいき目」を割り引いても、僕は「名作だ!」と思った。英国画家の人名の羅列ほか美術用語にさえ耐えられれば,著者の「水彩」を巡るストーリーに魅せられていくはずである。多くの人に勧めたい。
| | | 【すいさいがく-よくまなび-よくえがくために-】
東京書籍 2.500円
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2007/11/8更新 2007/11/8 登録 2535クリック/ 4回更新 |
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