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懐中時計のお話
和装には誰が何と言おうと懐中が似合う。最近「和装用」と称する懐中が出ているけども、正直作りがチャチっぽくて持つ気になれない。金や銀のメッキなどをかけてあるけど、せいぜい10ミクロンがいいところで、ということは10年使うとメッキがハゲハゲになる。ただし銀色でも、ステンレスを磨いてあるだけのケースは、あたりまえですけど一生使えます。
で、お勧めは昔の機械式の懐中時計。なぜクオーツを勧めないのかというと、結構ちゃちいものが多いから。現行の機械式も結構安っぽくて、着物と合わせていくうちに鬱になる(笑)と書いてみたものの、中にはイイモノもありますねえ。現行品でもIWCの懐中みたいにとてつもなくイイモノはあるけど(上図参照)、お値段は100万コースです。。。昔の懐中時計なら、今のIWCとクオリティの物が1/30の値段で買えるので、そっちを地道に探した方が絶対いい。
で、ブランドはいろいろあるけど、着物に合わせるなら、できるだけ薄い時計がいい。気づかない人が多いけど、分厚い時計は帯に挟むとかなり窮屈です。それと、女性なら小ぶりの物を選んだ方がいいと思う。直径48mmなんてのは男のサイズで、できれば42mmとかそれ以下のサイズの方が、手のひらにすっぽり収まってカッコイイ。ただしそこまで条件を絞ると、見つけるのが大変なのも事実だ。女性物の中には彫金がしてあったり、七宝細工が施してあるものもあるけど、汎用性を考えると普通の金張りや銀無垢を選んだ方がいいように思う。
着物を着る人で、時々骨董市で懐中を見つけてくる人がいるが、正直そういうところで買うのはお勧めしない。第一イイモノが少ないし、あったとしても高い。というわけでヤフオクで探した方が、コンディションを含めてまともなものを探せる可能性が高い。3万も出せばかなりいいものが買える(当時家が買えたぐらいの値段の時計が!)ので、それを1万で修理して、懐中用の組紐をあわせれば十分使える。組紐は道明でキマリ。というかそれだけの値段を出せば、どんな着物を着ようとおさおさ見劣りしないだろう。
買うときのポイントは2つ。一つは文字盤がきれいかどうか。昔の懐中には、文字盤が陶器でできてる物がある。これはすごく味わいがあるんだけど、ひび割れていたらまず直せません。もう一つ、時間がそこそこ正確かどうか。そこそこ正確な時計なら、修理すれば一日15秒程度の遅れ進みに調整できる。つまり、十分実用に耐えうるわけ。使うときの注意点は、絶対に落とさないこと、水気にさらさないこと、そして磁気にあてないことの3点。とくに磁気にあてないってのがやっかいで、無造作に携帯のそばに置くと、時計が磁気を帯びて絶対に狂う。だから携帯からは最低5cm離して置きましょう。特に、帯に挟むときは気をつける必要がある。まあ難しく考える必要はなくって、この3つの条件さえ守れば、あなたの懐中は100年は使えるでしょう(マジで)。
中古を買って大丈夫なの?と不安な方は、ヤフなりで見つけたホスィ時計を教えてください。いいか悪いかぐらいはお教えできますので。 |