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花兎の空間
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2008.8.31 [日] 

私的日本一うまい三笠のことを思い出していたら、私的日本一うまいロールケーキが家にやってきた。生地からしてプリンみたいです。クリームもたっぷり、値段も1000円以下。日本酒ケーキなんてのもあって、これはお酒に弱い人だと酔っぱらうくらい、本気で日本酒が含まれてます。お取り寄せ可。
デパートとかに入っている都会のお店ではなくて、田舎の知る人ぞ、というところですがおいしいです。

 ※

手元の反物を私もなんとかしないと!
そして着ないと!
それで、まず着物を自前で買うようになった頃にセールで購入した黄八丈をやっと仕立てに出す。

黄八丈といっても、本場物でなく、モドキ。
そしてその頃は、本場とモドキの違いも相場も知らなかったのよね・(そういうことを教えてくれても良かったんじゃないの?とその呉服屋さんに対しては今でも思う。)
でも、ま、気に入っているので、出来上がって来たらこの秋は着たおそう。

2008.8.30 [土] 11:03 am

水害に遭われた方、お見舞い申し上げます。
うちは大丈夫でしたが、通勤路はかなりヤバかった。
そしていまだに雷がごろごろなっています。

 ※

みなさんの日記に反応して、おなかがぎゅるるるる・・・

京都下河原の阿吽坊!>Kさん日記
ずいぶん前に一度伺ったきりですが、たいへんおいしゅうございました!

そのすぐ側の「下河原 阿月」の三笠は、私の中では日本一おいしいどらやきです(あ、どらやきじゃなくて、三笠か)
地方発送もしてくれます。おつかいものにしても大好評です。
と、書いているうちに、自分が食べたくなってきた・・・

 ※

『美の壺』男の着物、うとうとしながら見ていました。
でも人形作家の方の手書きの羽裏はしっかりと見ました。すてきでした。
印伝の帯というと、紬に印伝で模様付けしたという帯は見たことがあって、それか?と思ったのですが、番組で紹介されたのは、鹿革の、正真正銘印伝だったのですね。びっくり。

2008.8.28 [木] 7:26 pm

アフガニスタンの伊藤さん、本当にお気の毒です。
ご冥福をお祈りします。

お父様の、よくやったと言ってやりたい、息子を誇りに思う、という言葉が胸に響きます。

2008.8.27 [水] 『おしゃれ工房スペシャル』

NHK教育『おしゃれ工房スペシャル』「江戸の女性のきれいを磨く」という放送が、今。
再放送は今晩9時です。

篤姫や和宮の小袖も紹介されています。刺繍についても。

 ※

おもしろかったー!
内容は、篤姫の作ったという細工物(上手だった)、江戸時代の大奥の衣装(篤姫、和宮が実際使用した小袖、ドラマ内で用いられている衣装など)、ドラマのセットで調度について解説、髪型、化粧法などについて。

特に小袖に施された刺繍についての説明に、ふむふむ、とうなずく。

びっしりと刺された刺繍は精巧で、京繍いの職人さんが、
「私が一人でやったら一年はかかる」
「昔は刺繍をする人も多くて、分業したのだろうけれど」
ということを話していた。

また、糸や刺し方が、今はほとんど使われないものだそう(その職人さんが刺している映像によると、まず下繍い?し、その上から撚りをかけない糸で平繍い?するので立体感が出る)。

でも、この技法は、刺繍部分が傷みやすそうでもある。いや、大奥の方は傷むほど着なかったのかな。
(大奥勤めもあるレベルになると、年間60両=約600万円の衣装代がもらえたそうだし)

また、三井越後屋の台帳に残った記録(三井文庫に残っているらしい。それによると、大奥からの御用をうけても、納得のいくまでいいものを作ると、ほとんどの場合損が出た、とか)も面白かった。

あと、刺繍が武家に好まれる技法だった、とか、金糸が武家に好まれたという説明があった。
のだけれど、それが何故かは説明されず。

化粧については、KWになっている伊勢半のミュージアムや、江戸時代の化粧マニュアル本が登場した。
それによると、紅花から採った紅は塗り重ねると玉虫色(笹紅と呼んだそう)になるのだが、紅は大変高価なもの。
なので、一般のそれほど富裕でない女子は、唇に薄く墨を塗ってから紅を重ねたりしたそう。
番組では、紅を塗り重ねた場合と、墨を下塗りした場合を比較していたが、素人目にはほとんど違いがわからなかった。

番組最後に、横浜生麦村出身の関口千恵という女性が紹介された。
江戸時代後期に生麦村の農家の娘として生まれた千恵は、江戸の商家に奉公し、その後御殿奉公、結婚。30歳ころ夫が死ぬと婚家から離縁してもらい、将軍家斉の側室の部屋子として大奥に再就職した。
10年勤めて実家に帰ったあとも、大奥から助言を求められたり、年に一度は大奥に上がったりしていたそう。
すごい。そういうことが可能だったとは。

 ※

ところで、案内役の女優さんにハラハラ…
天璋院の腰巻に顔を近づけ、ほとんど指を触れんばかりにしてしゃべっているのだが、指先で刺繍糸をひっかけるんじゃないか、くしゃみをするんじゃないかと、見ていて気が気ではなかった。

「小袖展」の名古屋展でも、同じようにしている観客がたくさんいて、見るたびにハラハラしたのだけれど…

触れるほど近づきたいという気持はわかるけど、長い年月を経て残っているものには、さらに長く残ってほしい。そのためにはやはり、配慮がほしいと思う。

2008.8.27 [水] 

家ではまだ息子の「ムーミン」祭(笑)が続いている。
親は親で何か見ようと、古いビデオを引っ張り出し、ひとりで市川雷蔵の映画を何本か。

特に面白かったのが「濡れ髪三度笠」。
雷蔵が旅がらす、いい仲の姐さんが淡路恵子、売られていく村の娘が中村玉緒、若様が本郷功次郎。
特に内容がどうの、というのではなくて、とにかく楽しい。「お約束」だらけなのだけれど、それがいい感じ。

で、見ていて、おーっ、と思ったのが、登場人物の浴衣。
8月に公開された映画ということで、画面にはスイカが出てきたり花火が出てきたりするのだが、登場人物も宿に泊まる度に浴衣になる。
すべて紺白の浴衣なのだけれど、ものすごーくかっこいい。
特に雷蔵と本郷功次郎の着る浴衣がすてき。
幾何学模様だったり、網目に魚?だったり、渦巻きだったり。
一番すごかったのは、雷蔵の着ていた絞りらしいもので、大部分が匹田、左肩からぐるりと背中を回って右肩に、大きな魚が白く浮き上がっているというもの。
ほれぼれ。

2008.8.26 [火] 

今日までの催事に、京都から「やゝ」さんが来ている。
昨日見せてもらったあの帯が、夢に出てきた〜

 ※

『質屋蔵』(CD、『枝雀独演会』)を聴く。
かつぎの呉服屋さんが、黒繻子の帯を長屋のおかみさんに見せて、
「祝儀不祝儀で重宝します」
「柄にはやりすたりはありません」
なんて説明するくだりを聞き、宮尾登美子『錦』を思い出す。
『錦』にも、若き日の龍村平蔵が最初に黒繻子の帯を商う場面があった。
確かに、昔の一般庶民の女がいい着物で出かけるなんて、祝儀か不祝儀くらいなことだろうし、そういったところではものすごい礼装など着ることもなく(たとえ持っていても、着たら親類縁者の注目の的になってしまうだろうし)、せいぜい帯をちょっとよくするくらいだったのかもしれない。

ところで、この落語に出てくる担ぎの呉服屋さんのセールストークとか、つい買っちゃうおかみさんとか、おかみさんが亭主に安く値段を言っちゃうところとか、ものすごーくリアル。
ていうか、既視感?(笑)

蔵の化け物たちの姿も、妙に納得がいき、昔の人たちには蔵とか質屋とか、なじみ深かったんだろうなと思った。

2008.8.25 [月] 9:08 pm

明日は亡くなった祖母の誕生日。
最後の誕生日は入院中で、持っていったショートケーキを一緒に食べたんだなあと思いだす。

私の喪服一式は、祖母が用意してくれたものだった。

喪服は、喪に使う前に、正装として(なにせ五つ紋だから)お祝い事でおろしておくといい、と年上の友人に教えてもらった。
その友人は、戦前の東京で修行した長唄の師匠にそう教わり、舞台で袋帯を結んで下ろしたそう。

その話をして、自分も何かの機会に…と言ったところ、祖母に大反対された。
曰く、
「これは、自分の葬儀の時に初おろしするために用意したものだから、それ以外でおろすことはまかりならん」

その時は、呆れるやらおかしいやらだったのだけれど、いざその時になったら、私は妊娠中でかなり腹もせり出し、普通にはとうてい着られず、困ってしまった。

そんなときの着付け方法は、誰に聞いてもわからず、そのうち、「無理にきものにしなくてもいい」と言われ。

それでも、諦めきれず、当時ちょっとだけ通っていた、らくやの着付け教室に電話で訊ねた。
最初、お店にいた杉山優子さんが丁寧に教えてくれ、電話を切った直後、お店に来られたという石田節子先生自ら電話をくださって、いろいろ教えていただいた。
感謝してもしきれない。

2008.8.21 [木] 

あいち女性国際映画祭が今年も開催されます。
成瀬監督作品もスクリーン上映されますよ。
この映画祭で上映されるドキュメンタリーも毎回面白く、今年は赤坂小梅の生涯を追った「小梅ねえさん」、日本人初の女性心理学博士を紹介する「心理学者 原口鶴子の青春」という映画も。

何年か前までは、澤登翠さんの活弁と楽団による無声映画上映もあったのだけれど、このところはお休みみたい・・・再開してくれないかなあ。

 ※

『美しいキモノ』を立ち読み(スミマセン)していたら、『篤姫』特集ページが。
通常ドラマで使用される打掛の袖は短いが、篤姫が二十三才まで振り袖を着ていたという記録があり、今回は振袖の打ち掛けを新調したそう。
またドラマ内では大奥に入るまでの篤姫は織の打掛け、大奥に入ってからは染めと繍いのものにしたそうです。

2008.8.20 [水] 

そうですよね!>小袖展

大河ドラマ『篤姫』で、この数回、刺繍入りらしきものを着ているのを見た以外は、大奥といえば織の豪華なものを着ていますよね。
でも、明治以前は錦は主に打掛け用に織られた、というような説明も読んだ気もするのですが、どこでだったのか思い出せません〜

 ※

外来診察へ。
異常なしということで、よかったよかった。
しかし手術跡がケロイドになりやすい体質ということで、それを改善する内服薬をもらう。
ケロイドは、傷を治そうとしてコラーゲンが過剰に出て来くることが原因だそう。
私の体内にそんな余分なコラーゲンがあったとは。
というか、コラーゲン諸君、そんなことをしている暇があったら、目元とか口元とかの小じわのフォローをしてくれ。

2008.8.17 [日] 幕末太陽伝&ムーミン

図書館でビデオ発見。
長いこと見たいと思いながら見られなかった映画なので、喜んで借りてくる。

ものすごーく面白い。
昔の映画なのに、違和感ない。
世の中の暗い部分もきっちり描かれていて、死と隣り合わせのような佐平治の表情とか、すごい。
それでいてストレートに面白い。

女優陣も美しい。
お歯黒も、落とした眉も、こうやって見ると色っぽいねえ。

居残り佐平治(フランキー堺)が、ひょいと投げた羽織に袖を通すシーン。
そういえば、『鬼平犯科帳』TV版にフランキー堺が出演した回で、自分でこのパロディをしてたっけ(そこではうまく着られなくて、「昔はできたんだけどなあ」とか言っていた)。

 ※

同じく図書館で、息子用に借りて来たビデオとDVD『楽しいムーミン一家』。
70年代、私が夢中で見ていた『ムーミン』とは別の物で、90年代に作られたもの。
今回初めて見たのだけれど、なるほどこちらの方が原作に忠実。
そして思っていたよりずっと丁寧に、安易な刺激に走ることなく作られていた。

ところで驚いたことが二つ。
一つ目。10代後半の女子たちと話していたら、
「ムーミンって、リアルタイムでは知らないからなあ」
と言われたこと。
そうか、90年代というのは10代の子には既に「昔」なのよね。

二つ目。
ウィキペディアで知ったのだけれど、ミイはスナフキンの叔母さんだった。
そしてムーミンとフローレン(ノンノン)は別の種族だった・・・

2008.8.16 [土] 

常葉菊川×智辨
途中、常葉菊川にばかすか点が入り、唖然。
特にどっちの応援をするわけではないけれど、なんじゃそりゃー、という展開で、13×2に。
しかし8回、9回に智弁が10点まで追い上げる。
点が入るたび、智辨の選手たちが嗚咽していて、もらい泣き。
結局13×10で試合は終わりましたが。

小・中・高校生のスポーツを見ていると、レベルの差はあれ、「負けること」も一つの学びなのかと思う。
勝ったり負けたりを通して、客観性とか計画性とか、なまじなことではへこたれないような気持のもっていき方とかを覚えるのかな、と。



DMより、覚え書き。

第7回合同雅楽演奏会
名古屋雅楽会・若竹雅楽会・舞楽はなのみち会
●8月24日(日)
●千種文化小劇場
●13:30〜15:00
●無料

第130回記念 大呉座の市
●名鉄百貨店本店
●8月20日(水)〜26日(火)
●各種呉服、リサイクルきもの(京都/やや、東京/山田屋、大阪/寿屋、神戸/最旦館)
「むら田」も参加。

2008.8.15 [金] 

塚田選手に感動。
直後のコメント「これが結果です」
そして笑顔を見せた表彰台(時折泣きそうになるものの、それを押さえ込んで)。
負けたのは残念だけど、すてきでした。

2008.8.15 [金] 1:25 pm

NGO沖縄アジアチャイルドサポートの代表理事・池間哲郎氏の講述録を、知人からもらう。

貧困も戦争も、今も世の中にあり、忘れてはいけないのだけれど忘れがちになる。

2008.8.14 [木] 

北島選手!
Liveで見逃してしまいました〜
でも、録画で見てもドキドキする、すごい泳ぎでした。

 ※

甲子園、大阪桐蔭×愛知東邦。
こちらは見逃さないぞー、と思っていたのに・・・
昼寝していて、テレビつけたら7回裏。
しかも桐蔭7点、東邦0点?!

でも、そこからの東邦の追い上げがすごかった。
きっちり守ってがんがん打って、最終的に5点まで入れていた。
そして印象的だったのが、ピッチャーはじめ、メンバーの表情。
0点の時でも楽しくてたまらないという笑顔で投げていて、おばちゃん、もー、目頭熱くなっちゃったよ・・・

2008.8.13 [水] 玉藻の前

岡本綺堂の『玉藻の前』
殺生石伝説を下敷きに描かれた小説です。
あの伝説の悲しい面を描き出していて、なんであの話が人の心を奪うのかが納得できます。

で、昨日書店で立ち読みをしていたら、波津彬子さんがこの『玉藻の前』を原作にした連載を始めていました。
ちょっとうれしい。

 ※

ごろごろと、小説呼んだり、漫画読んだりしているわけですが。
この夏の私の心のベストテン第一位は『うさぎドロップ』(宇仁田ゆみ)。
30歳独身彼女なしの「大吉」君が、死んだ祖父の隠し子(6歳女児)を育てることになる、という話です。
この大吉のキャラクターがすばらしい。
また、男女年齢問わずに考えさせられることがたくさんあります。
そのうちドラマ化するんじゃないかな、ていうかして欲しい。したら見る!

2008.8.13 [水] 『名探偵芥川龍之介と夏目漱石』

中日新聞11日夕刊芸能欄『エンタメモ』より。
宮崎駿監督が、こんな構想を記者に話したそう。
「漱石山房や大震災前の東京の風景なんかはきちんと描いてね。学生時代のさわやかな竜之介は、一番のヒーローだと思う。」
「見てくれるのは三千人くらいかなあ」

見たい!

 ※

芥川作品の私の一番のお気に入りは、未完の『邪宗門』です。『地獄変』の続編。

 ※

おお、男子の前髪!
名古屋地区だけかと思ってましたが、他の地域の男子もダッカールとか使うのですね。
今年は見なかったけれど、昨年あたりだと、登下校時にさえしている男子もいたし。
それどころか、女子に「忘れちゃったー。予備持ってない?」「あるよ。貸してあげるー」とやっている男子もおります。

2008.8.12 [火] ユニクロ×北斎漫画

ユニクロ×北斎漫画というTシャツが。
http://ut.uniqlo.com/...

芸艸堂の木版画をもとにしているそう。
芸艸堂は河鍋暁斎の本も出しているので、そのあたりのTシャツも作ってくれないかな。

2008.8.12 [火] 高校野球など

ハハの気分で見てしまいます。

昔風の白地に校名だけ、というユニフォームっていいですね。
ベンチ入りできなかった野球部員が、帽子もかぶらず応援しているのも(熱中症が心配だけど)けなげ。
眉毛をいじってない選手も、いじり過ぎな選手も、それはそれでよし。

練習したって甲子園に行けるとは限らない、甲子園に出たってプロになれるとは限らない、プロになったからといって成功できるとは限らない。

でも、続ける、っていいですね。
野球にしろ、他のスポーツにしろ、もちろん勉強や他のことにしろ。
若い子にしろ、大人にしろ。

 ※

図書館で借りて来た『雨月物語』(溝口健二監督)を見る。

衣装や化粧に能が取り入れられていて(この世の者ではない感じを出したかったのか?)、どの方が協力したのかな、と思ったり。
(黒澤明『乱』では金春流・本田光洋師が能関係の指導をしたそう。やはり着付けはプロでないと難しいらしい)。

幽霊役の京マチ子を見て、眉毛を剃ってしまうのが美しく見える場合もあるんだ、と思ったり。
(塚本晋也監督『双生児』で、眉毛なしの人がぞろぞろ出てきた時には、まったく納得できなかったけど、この古い映画では置き眉がたいそう美しかった)

また、白黒映画にもかかわらず、色彩が感じられて、なるほどすごい映画だったんだ、と納得。

2008.8.11 [月] 船弁慶

『船弁慶』、大好きな能です。歌舞伎にもなってます。
シテは前で静御前、後で知盛(なので、初めて見た時には、静御前の怨念が知盛の亡霊を呼んだのかと思いました・笑)

この曲の、知盛の亡霊と弁慶の対決のパロディが、先日聞いた落語『舟弁慶』に取り入れられています。

で、いろいろ、考えることがありました。

 ※

先日きいた時は、この部分があんまり能がかってなく、ちょっと中途半端に、迫力不足に感じられて残念だったのだけれど、それは、たまたま自分が元ネタが大好きだからそう思ったのか?
この噺がつくられた当時は、元ネタが広く知られていたのだろうけれど(だからこそ取り入れられたのだろうけど)、現代ではどれくらい認知度があるのだろうか?

 ※

ことばについても、いろいろ考えることが。

CDで聞いていた時には、「割り前」「いかき」という言葉が出て来て、現代の人に通じるのかな?と思っていた。

先日は「割り前、割りカン」、「いかき、ざる、ね。いかきの・・・」と、現代でも通じる言葉をさりげなく挟んでいて、なるほど工夫してるなー、と思った。

でも、落語にはこの手が使えても、狂言や能には無理だよな・・・

 ※

言葉や感覚の変化は当然あることで、昔の言葉が通じなくなることなんて当たり前なのだけれど、そういうことに出会うと、ついついいろいろ考えてしまう。

2008.8.10 [日] 小田原提灯

以前、家庭画報だったか婦人画報だったかに、林真理子さんが書いていたこと。

芭蕉布だか上布だか、とにかく張りのある夏の着物を着たら座っちゃいけない、きものの皺が「小田原提灯」みたいになる、とお友達に言われたとか。

『きものサロン』2005年夏号にあった、自然布の衣を着るときのアドバイス(p175)。
皺になりやすいので、水スプレーを持参して、皺部分に吹き付けて引っ張ったりするというもの。

そんなのを読んでいたにもかかわらず、しっかり正座して、スプレーも持っていなかった昨日のワタクシ。
さぞ巨大な、動く「小田原提灯」に見えたことだろう、と、着物を畳みながら反省。

2008.8.9 [土] お笑いまん我道場 名古屋篇

桂まん我さんの『お笑いまん我道場 名古屋篇』へ。

色事根問(笑福亭呂竹)
平林、お玉牛、舟弁慶(桂まん我)

楽しかったです。
あほうを、楽しく明るく屈託なくやれるって、いいですね。
と思えば、あら、この方も思いの外やさぐれてましたよ。

大笑いできて、ますますファンになりました。

次回『お笑いまん我道場』は大須演芸場で。
11月11日(火)18:30〜
2,500円

 ※

今日の会は、行こうかよそうか、行けるか無理か、ぎりぎりまで迷っていたのだけれど、思い切って行くことに。

で、せっかく出かけるなら、と、これも「生きていたら着ましょう」(<-大げさな・笑)と思っていた麻小紋(青土の麻×一衣舎の更紗)をやっと初おろし。
ぎりぎり迄迷ったので、帯はてきとー(色が合わなかったけど、まー、仕方ない)

思い切って行ってよかったです。
笑ったり泣いたり、着物着たり。
これって、よく考えれば、生きて体力あって、(それなりに)平和な地域に住んでいればこそできること。
そういうことに、感謝。

2008.8.9 [土] いろいろ

開会式で打ち上げられたスマイリー君の花火を見ながら、スマイルしている場合じゃなかろう、と思ったり。
とはいえ、チャン・イーモウ監督はやはり好きだ、と思ったり。

紛争のいろいろについてもだけれど、人工的に天候をコントロールすることに対しても恐怖を感じたり。

2008.8.8 [金] 麻 その他

私の「いつかいつかリスト」(笑)に載っているものの一つが、麻の礼装。
男物は現代モノでも見たことがあるけれど、女物はアンティークでしかお目にかかったことがない。
たとえ誂えることができたとしても、私の生活では着用機会もなさそうなのだけれど、あこがれです。

 ※

礼装ではないのだけれど、家にあった古い古い麻の着物。

一枚は、祖母の娘時代の小千谷縮。
曾祖父が農業のかたわらしていた保険代理店の関係で、お中元としてもらったとか。
一般の家庭でも、反物がお中元として機能するような時代(大正末だか昭和初期だからしい)の実例に出会って、おもしろかった。
黄色にナデシコが散らされた柄で(そして祖母が気まぐれに描いた銀色のトンボなんかも飛んでいて)、なかなかいい感じ。
なのだけれど、ずーっとタンスの底にあったせいか、広げたとたんに肩山やら袖山やらが裂け、ずたずた、ぼろぼろ、ほろほろ・・・

もう一枚。
やはりタンスの底にあった麻の着物。
なんだかよく分からないのだけれど、蝉の羽のようで、ちょっといいものらしい。
こちらは生地もしっかりして、まだまだ着られそう。

聞いたところによると、若くして亡くなった大伯母の形見らしい。
その時代、農家の嫁の身では、夏に長着でどうこうという機会は少なく、その上病臥も長かったそうで、弟の嫁にあたる祖母の手元に来た時には、袖を通した形跡もなかったという。
嫁入り道具に持たせた曾祖父母や、大伯母のためにも、私が着ます!と言いたいところだけれど、身幅が・・・
辛うじてきることので着た数年前のサイズにまで、なんとかしぼらなくちゃ(汗)

 ※

麻畑サポーターのHP、見てきました。
その話を母にしたところ、
「むかしはうち(愛知県)でも作ってたよ」という返事があって、ちょっとびっくり。

昭和20年代まで、母の実家でも栽培していたそう。
育った麻を刈り取り、葉っぱや小枝は切り落として、ため池に放置。
余分な部分が腐敗して落ちた頃、引き上げて、洗ったり叩いたりして繊維を取り出し、牛の手綱やら作業用の綱やらを作っていたそうだ。

 ※

ゴーヤー。
私が子供の頃は、「レイシ」と呼んでたっけ。
ご近所の庭で、夏になると見かけた不思議な植物だった。
そのお家のお年寄りに、「熟した頃に、真っ赤なタネの周囲のワタをしゃぶると甘いよ」と教えてもらったけれども、あのタネのあまりのビビッドな赤にに腰が引けて、食べられなかった思い出があります。
今、栽培したり、店先で見かけるものとは種類がちょっと違うのか、小さい(携帯電話くらい)のサイズでした。
あの頃、今みたいにポピュラーな食材になるとは、思いもよらなかったなあ。

2008.8.7 [木] 

竪絽の蛍ぼかし、うらやましー>nさん

 ※

さて、帰宅したら、小包が届いていた。
数ヶ月前に頼んだ、某店の誂え足袋、試し用。
これを最低三回洗濯するくらい試して、具合を連絡すると、その他の足袋(6足1セットなので)が出来上がってくるというシステム。

んが!

ぶかぶか・・・
そういえば、採寸時は、手術決定前。
さいこーに足がむくんでいた時だった・・・
今、入院で寝てばかりいてむくみも解消された足で履いてみたら、えらいことに・・・(つーか、どんだけむくんでたんだ?)

もちろん、採寸してくれた若い職人さんの責任ではなく、私にも想定外のことだったのだけれど・・・いったいどーしたものだろう。

この先またむくませる?
いやそれもね・・・

この先、この足サイズがキープできる?
いや、どうだろう・・・

 ※

足袋屋さんに電話して確認。
まずはぬるま湯でのりを落とし、“地詰め”すると縮むので、それを間隔をあけて3度ほど繰り返してみてくれとのこと。
はい、やってみます。

2008.8.6 [水] 5:06 pm

ちょっくら入院&手術をすませ、十数日ぶりに娑婆の空気を吸っています(笑)
病院は冷暖房完備でいいんですが、やっぱり飽きますね。ということで、ちょっと早めに退院。
大きな荷物を自力で運んで帰宅すると言ったら、
「縫い目がハチキレてもしらんよー」
と主治医に笑われましたが、途中で綻びることもなく、無事に帰れました。

しかし、今回しみじみ思ったのは、
「日本に住んでて、よかったー」
生まれた地域とか住んでいる地域によっては、保健制度やら技術やらなにやらで、十分な医療を受けることができないわけで。

そして、この程度で済んでよかったー。
同じ病気の、もっと進行してから手術を受けた人の体験談を聞いていたら、卒倒しそうになりました。
決して重大とは思われていない病気なんだけれど、
「ほっとくと、大変なことになりますよ」
ってのがシャレにならない。

せっかく医療制度の(問題は多々あるものの)整っている地域に住んでいて、これくらいですんだのだから、今後はもう少し身体に気をつけようと思いました。
なにせ、一生ものといえば、これくらい一生もののものはないわけですものね。

そしてユニセフにでもどこにでも、ちょこっとだけでも寄付しようかと、殊勝なことも思ったり。

2008.8.5 [火] 6:38 am

竪絽や絽縮緬について、先々月、東京系某老舗の夏のセールで教えてもらったメモによると、
竪絽(6月上旬)->絽縮緬(6月半ば以降)->絽
という順序で着るそうです。
でもそれは昔ながらの話で、今はそこまで区別することも少ないから、竪絽、絽縮緬とも夏に着ても大丈夫と説明されました。
秋単衣のことは聞き忘れましたが、同じでいいのかな?違いがあるのかな?

2008.8.3 [日] 2:18 pm

『十三妹』読了。
はー。
おもしろかった。
ラスト近く、十三妹と白玉堂が対峙するシーン、久しぶりにドキドキした。すばらしい。
あとがきによると、作者は続編を構想していたらしい。実現しなかったのが残念。
同じくあとがきによると、朝日新聞連載時、挿し絵は芹沢けい介だったそう。
図書館なら1966年刊の単行本もあるだろうから、一度見てみよう。

2008.8.2 [土] 10:45 am

訳あってこもっています。
まだしばらくこの状態なので、黒田商店の催事にも行けず、ましてやきものも着られず…
ひたすら仕事と読書と落語CD。
落語は枝雀文我師弟をipodに入れて。
「昆布巻芝居」「ほうじの茶」なんてのを聞いているんだけど、文我師匠て芸達者だなあ…
(と同時に、「昆布巻芝居」って狂言「千鳥」に似てる!)

読書は「十三妹」(武田泰淳)。
中国の有名な小説に材を取った武侠小説で、あとがきによると、登場人物は宮本武蔵とか義経クラスの有名人らしい(そういえば香港チンピラ映画「古惑仔」シリーズでカレン・モクが「十三妹」を名乗っていたっけ)
で、ここに登場する白玉堂という人物が、ものすんごーく私好みで嬉しい。これは元ネタも読まなくては。

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