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涼みがてら、ひっそりとした京都市美術館で、
京都市美術館コレクション展第一期「時空を旅するー美術にみる物語−」をみました。
まず思いもかけずに中村大三郎の「ピアノ」。
絵の中の楽譜は正確で、シューマンの「小さなロマンス」と「トロイメライ」。
弾き手の若い女性がしめたエキゾチックな帯が印象的でした。
この人の描く「婦女」でモデル・入江たかこが履いている草履が
私の草履の好みの原点です。
また沖縄の伝説の島を題材にしたという菊池契月の「南波照間」に描かれた女性二人。
どちらも絣の二部式の着物をきているのだけど、袖からみえる襦袢がつややかな紅型で、目をひきました。
さらにまつ本一洋の「鵺」。
こちらはあの鵺が題材で、ちょうどうつぼ舟で流されるというシーンのところ。
それが、血色をした袴をつけ、確かに鵺らしき動物の紋の袿をかけた女性が、
泣き崩れるお付き二人と小舟にのっている絵になっていました。
環境音楽も流れていて思いがけず楽しめた展示でした。 |