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(夢なのでところどころ現実とは違う設定や状況になっていることをご了承いただきたい)
ロケに出ている。
ディレクターであるおでん抜きに撮影は出来ないにもかかわらず
スタッフの誰にも何のことわりもなく抜け出し、
独りで“結城紬を織っている巨大工場”にお邪魔している。
主なのだろうか?のおじさんと、
その奥さん?織り手?のおばさんと、
どんな色が好きだとか、こんな柄柄はイヤだとか話をしながら
ダンボール箱にギッシリと重ねて詰め込まれている布を
片っ端から探している。
どうやら“せっかくこの地方に来たからには、記念に気に入った布を買って帰りたい”というつもりらしい。
と、そこへスタッフがおでんを探しにやって来た。
「黙っていなくなるなんて困りますよ」と
怒りを通り越して呆れ顔で説教する若い彼に
「そうだよね。悪かったね〜みんなに迷惑かけて」と
殊勝に言うおでん。
工場をあとに、外に待機しているロケバスに向って歩きながら考えていたのは、撮影のことではなく
“あー、もっと布見たかったなぁ…”。
おわり |