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2010.11.28 [日] ご結婚おめでとう |
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秋晴れ・日本晴れの日曜日。
姪(姉の次女)の結婚式・披露宴に出席のため、朝早く出かけた。
30代の2人は、結婚式場やホテルでなく、いわゆるハウスウェディング。
チャペルでの式の後、庭に面した側はガラス張りの2階まで吹き抜けの明るい部屋で、
和やかに落ち着いた素敵な披露宴。
シェフが登場して料理の説明をしてくれても全部は覚えていられなかったものの、
2人が心を砕いて選んだ・決めたという飲み物・料理もなかなか美味しく、
母も元気に出席できて、一緒に祝えたのも嬉しかった。
兄の五十日祭が済んでいるのも、心に掛かることがなくお祝いできて、よかったと思う。
結婚はゴールではなくスタート。 どうぞ末永くお幸せに!と願う。
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着物: 黒留袖。 金駒刺繍。 格天井・正倉院文様。
帯: 袋帯。 薄香色の引き箔錦。 獅子狩猟文。 (小森) (お初)
帯締め: 白・金色。 金色紐の亀つき。
帯揚げ: 縮緬。 白地 桜文入り。
履物・バッグ: 盛装用草履バッグセット。 金・銀の「幾何文様」。 (紗織)
留袖だからキチンと着たくて、自分で着るのは止めて会場で着付けてもらった。
帯と、肌着や着付けの小物などは大半、新しいものを下ろして、ささやかなお祝いの気持。 |
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2010.11.27 [土] バレエ(シンデレラ) |
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午後、アシュトン振付のバレエ「シンデレラ」を観に新国立劇場に出かけた。
クリスマス時期に「胡桃割り人形」と並んで人気のある「シンデレラ」だけれど、
うたい文句の「素敵なクリスマスを新国立劇場でどうぞ」には早過ぎでしょと思っていたが、
劇場の入口のリースといい、オペラ劇場内の大小のツリーといい、クリスマスムード一杯。(笑)
それに、お洒落した子供達も一杯(大笑)で、成る程クリスマスだわね〜と思う。
このバレエには継母は出て来ないのに、義理の姉たちが強く、
実の父親が愛情はあるのに頼りなく、悲しい思いをしているシンデレラの物語。
豪華な宮殿、ガラスの馬車など、美しく華やかなのは、前に観た時の印象どおり。
男性ダンサーが演じる義理の姉たちのコミカルな動きは、意地悪感より滑稽感が強く、楽しい。
この部分はあまり覚えていなかったため、一層おかしく、笑いながら楽しんだ。
今日のシンデレラは、さいとう美帆で、軽やかで愛らしかったし、
仙女の川村真樹も、4人の春夏秋冬の精も、軽やかで華やか。
そして、道化の八幡顕光がとっても印象的。
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着物: 小紋。 墨流し染。 灰藤に薄墨・薄茶色等。
帯: 袋帯。 灰みの赤藤色地。 地色に近い霞のような蔦葉に、銀糸などの蔦葉。 「蔦葉霞」
帯締め: 五嶋紐。 紫色、白・金色入り。
帯揚げ: 縮緬。 灰紫色。 肌色・白色で大きな四つ葉のクローバー柄入り。
履物: 薄浅紫色のパールエナメル台。 淡水色・桜色の五嶋紐の鼻緒。 (お初)
バッグ: オストリッチ。 黒色。
コート: 道行きコート。 瑞鵬織(二重紗)。 黒・赤色の亀甲花紋。
翌日は3年半ぶりに留袖を着るので、重い着物に慣れておこうと、紬は止めて縮緬地を着た。
それに、この季節向きの帯は少し煌きもあって紬には合わないし..
やわらかものでも気楽な小紋にしたが、着物姿の中には訪問着の方もいらして、
オペラ劇場の1階中央の前の席だし、もう少し華やかな着物でもよかったかしらと思った。
草履は台の色で下ろしたのだけど、鼻緒の色が淡く、秋より春向きみたいで、ちょっと失敗。
今日もバッグは、先日の兄の五十日祭で使った洋服用の黒色のオストリッチのまま。 |
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2010.11.26 [金] 狂言の会 |
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夜は今月5回目の国立能楽堂。 我ながら、よく行くこと。(笑)
今月最後の主催公演は「狂言の会」で、分かり易い狂言だけなので気楽に楽しんだ。
大蔵流「福の神」、和泉流「止動方角」、素囃子「中ノ舞」、大蔵流「政頼」。
「福の神」は年越しの参拝での話だから、時期的にはひと月早いけれど、笑い溢れる楽しい曲。
シテ・善竹十郎、アド・大二郎、忠亮。 地謡つきで、地頭は吉次郎。
今日も楽しく観て、気持もホンワカ明るくなったものの、
これを初めて観た時のシテは茂山千作さんだったから、それが問題。大問題。(笑)
まだ能楽に通い出して程ない頃で、あまり覚えていないのに、千作さんの福の神の印象は強烈。
幕内の笑い声から素晴らしく、福の神そのもののような雰囲気を味わったので、
一度で要求度が高くなってしまったらしい。
その後は何度観ても、どなたが演じても、いつも何となく違う感がしてしまうのが、難しいところ。
「止動方角」も楽しい曲で、狂言でお馴染みのわがまま・見栄っ張りの主(アド)に
苦労する太郎冠者(シテ)の腹いせが、然も有りなんと思えて、おかしいのはいつも通り。
ただ、馬の前足の動きと馬上のシテ、アドの足の動きが、途中から左右が違ってしまったのは残念。
シテ・野村萬、アド/主・万蔵、小アド/伯父・祐丞、小アド/馬・吉住講。
素囃子の後が、初めて観るので楽しみにしていた「政頼・せいらい」。
シテ/政頼・山本東次郎、アド/閻魔大王・泰太郎、立衆/鬼・則孝、則秀、凛太郎に、
地頭・則俊と、立衆/鬼に遠藤博義と若松隆も出てはいるが、山本東次郎家総出に近い。
こういう出演者の多い曲は、やはり東次郎家か茂山家になるわね〜と思いながら楽しんだ。
閻魔大王に獄卒の鬼がずらっと並んだところは壮観。 面・衣裳の違いも楽しい。
鷹匠の政頼のしたたかでちゃっかりしたところと好対照に、
狂言にでてくる閻魔さまって、きまって(多分)お人好しで、丸め込まれるのが何ともおかしい。
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能楽堂通いの前は、
いつもはネットでお世話になっている大阪の呉服店の、初めての東京でのアウトレット展に寄った。
用事があって出かけたので、買物するつもりはなかったのに、面白いものを見せられて結局..
しかも、ネットで見つけた時には無事自制した(笑)大島紬訪問着まで..安いからって..(大汗)
仕立てを待っている着尺も絵羽もいろいろあるというのに、本当に困ったもの。
狂言の後は、友人とまた「五万石」のとやま料理。 今月2回目で多過ぎかも..
すっかり我々の定番になったミニ会席にお酒を少しなのは、いつも通り。
変わり映えしないけれど、料理は時期時期で変わるから、何が出て来るか楽しみもある。
先付けが蕪寿司になっていて、いよいよ冬だわねぇ〜と思う。
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着物: 色大島紬。 五倍子染。 変わり市松。 (東郷)
帯: 名古屋帯。 黒地。 ハーメルンの笛吹き。 (きくや)
帯締め: 五嶋紐。 紫色、白・金色入り。
帯揚げ: ちりめん紬。 京友禅。 灰藤色、白・灰・肌色入り。 (京姉小路)
履物: 黒色台。 黒・白色の五嶋紐鼻緒。
バッグ: オストリッチ。 黒色。
コート: 道中着。 黒地。 青紫色の糸菊?模様。
久しぶりの着物。 ほぼ2週間ぶり。
ゆっくりし過ぎて慌てたら着付けがちょっと気に入らず、でも見切り発車でそのまま出かけた。
狂言だから遊び心のある柄の着物。
帯も、遊び心の詰め込まれた大阪のきくやのオリジナル帯。
締めたところをお見せしようと.. いい客だわ〜(爆) |
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2010.11.20 [土] 朗読発表会 |
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所属サークルの1年半ぶりの発表会が無事終了。
前回は体調が悪く不参加だったので、私は3年目にして今回が初参加。
会場の開館時刻直後から会場準備、その後にリハーサルがあって、午後が本番。
語りと登場人物別の担当での人形劇・朗読劇などが中心で、
私がもっていた朗読のイメージとは少し違うけれど、
私は新人が多く担当した朗読劇に参加。 と言っても、語りなどは先輩たち。
言わば内輪の発表会で、あがることはないと思うのに、それでもやっぱり上がってしまった。(笑)
自分の出番までは何でもなかったのに、会場に立ったら突如.. まあ、あがり性だから..
ここ何ヵ月か発表会に向けての練習主体で、朗読というより劇サークルみたいだったので、
私自身はもっと朗読主体の練習をしたくて発表会には消極的な感じでいたが、
70代、更には80代になっての、あのパワー・意欲は素晴らしく、圧倒される感じ。
多くの会員は発表会を楽しみに練習なさっているのだと認識して、発表会の意義を考えた。 |
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2010.11.19 [金] 能「俊寛」 |
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「俊寛」は歌舞伎の人気演目のひとつで上演回数も多く、少し食傷気味のきらいもあるが、
お能では今まで縁がなく、今回が初めて。
歌舞伎の松羽目ものは、元の能・狂言とは随分違っていることもあり、
見比べることを楽しみに今回もチケットを取った。
楽しみだったのに始動が遅く、能楽堂に着いたのはギリギリで、一呼吸したら、もう開演5分前。
まずは、狂言・和泉流「鳴子」。
今日のお能が短いからか狂言は長めの曲で、狂言には珍しい作り物も出て、期待感一杯。
謡を謡いながら鳴子を鳴らす小舞謡、酔って鳴子を鳴らしながら舞う様子などが楽しい。
前にも観たのを思い出して、あれはいつだったかしらなどと思いながら、楽しく観た。
「鳴子」を鳴らして鳥を追う曲だから、季節的にはもう少し早い方がいいのだけれど、
今は、歌舞伎だけでなく文楽もお能・狂言も、季節に関わりなくなってしまっているのが少し残念。
シテ/太郎冠者・佐藤融、アド/次郎冠者・井上靖浩、アド/主・佐藤友彦。
能・観世流「俊寛」。
舞がなく謡いで進む曲は、他の演劇に近いような印象。
康頼・成経と俊寛の関係・それぞれの人柄が、歌舞伎とは少し異なる感じで、
歌舞伎は役者中心で役者が引き立つような筋立てだと改めて実感。
シテ・山本順之、アド・西村高夫・谷本健吾、ワキ・福王和幸、アイ・三宅右近。
笛・藤田次郎、小鼓・曽和正博、大鼓・國川順、後見・浅見真州、地頭・観世銕之丞など。
面はこのお能の専用面の俊寛で是閑作だったが、実に独特。
今日もまた着物でなく洋服で行ったら、顔見知りの方に珍しいと言われてしまった。
着物にいい季節になったというのに、今月は着物を着損なうことが多くて..
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今日は友人は来ないので、改装の終った駅前のユーハイムのハンバーグで晩ご飯。
新装開店後、まだ7日目だそうだが、明るくスッキリした店内は気持がよい。
ただ、ハンバーグは神戸牛になっていて、当然のように以前より懐にキツイのがちょっと難。(苦笑)
LOが9時半になって30分遅くなったのはうれしい。 |
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2010.11.18 [木] ヌーボー解禁 |
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年に一度のお祭りだからと、今年もちょっと贅沢なヌーボーを通販で予約購入。
この通販業者からは有機栽培のブラッドオレンジジュースばかりで、ワインはヌーボーだけ。
午前中指定にしても、いつもは正午前後になる宅急便業者だが、今回は10時過ぎに届いた。
今日飲むか迷っていたら夜遅く息子が来たので、早速開けて一緒にニコニコ飲んでしまった。
トリシャールのヴィラージュ・ヌーボーは、ボージョレ・ヌーボーにしてはワインらしく、
久しぶりの家でのワインを楽しんだ。
それにしても、溜まったまま放置状態のワインが心配。 そろそろ家ワインを再開したいけれど.. |
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2010.11.13 [土] 能楽鑑賞 |
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今週2度目の国立能楽堂通いで、今日は昼過ぎからの普及公演。
折角の解説つきの普及公演なのに、始動が遅く、残念ながら解説はパス。
狂言・和泉流「貰聟」と能・金剛流「三輪」の鑑賞のみ。
狂言「貰聟・もらいむこ」は、夫婦・父娘のやりとり・人情がなんとも楽しい。
酔って登場の聟の酔っ払いぶりと酔いが醒めてからの神妙ぶりの対比がおかしい。
聟は、途中で幕に入り、衣裳を替えて出てくるし、アドでなくシテかと思う感じだったが、
舅の留の台詞で、これのために聟でなく舅がシテなのかと納得。
でも何故、貰聟というのか.. 分からないまま。
シテ/舅・松田高義、アド/聟・野村小三郎、アド/妻・奥津健太郎。
能「三輪」は、いろいろ動きがあって最後は神楽だし、私向き。(笑)
こういうお能だと、楽しく観られてうれしい。
シテ・松野恭憲、ワキ・村山弘、アイ・野口隆行で、後見・金剛永謹、地頭・今井清隆など。
笛・松田弘之、小鼓・観世新九郎、大鼓・佃良勝、太鼓・徳田宗久。
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着物: 江戸小紋。 梨の切口。 蘇芳色。 (小宮康孝) (お初)
帯: 袋帯。 青灰色地。 黄・白・紫の菊・桐・垣の柄。「菊花良園」 (岡文)
帯締め: 伊賀組紐。 灰紫色、片側に薄黄緑・白色入り。 撚り房。 (松山好成)
帯揚げ: 縮緬。 灰紫色。 肌色・白色の大きな四つ葉のクローバー柄入り。 (お初)
着物は柄が細かく少し離れると無地に見える江戸小紋で、今回がお初。
結構好きな色みで、以前は小豆色・ワインレッドの洋服を結構着たのに、着物はこれ1枚だけ。
この着物ならと、この季節が似合う袋帯を合わせて、先月末に続いての着用。 |
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2010.11.12 [金] オペラ(アンドレア・シェニエ) |
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昨日に続き2日連続の新国立劇場通い。
とは言え、昨日は小劇場、今日は大劇場(オペラ劇場)で、まるで違う劇場。
フランス革命前後の時代を背景にしたジョルダーノのオペラ「アンドレア・シェニエ」の公演初日。
フィリップ・アルローの演出・美術・照明での舞台の5年ぶりの再演。
音楽も歌も何も覚えていなかったが、舞台装置には見覚えがあって、
観て(聴いて)いるうちに、ああ、そうだった..と思い出しながら、楽しんだ。
フィナーレでのソプラノのノルマ・ファンティーニの突き抜けんばかりの素晴らしい声♪
これだけでも、聞きに行った甲斐がある。
新国立への出演も多い歌手だが、これほど惹き込まれたのは久しぶりかも..
ジェラールを歌ったガザーレも印象的。
私でもタイトルは知っているのに、歌手が揃わないと上演できないオペラだそうで、
日本での上演は滅多にないらしい。
それで日本の観客に馴染みが薄いためなのか、しかも再演のためもあってか、
1階のサイド・後方、2階後方などに空席が結構あって、勿体無いと思った。
指揮: フレデリック・シャスラン
アンドレア・シェニエ: ミハイル・アガフォノフ
マッダレーナ: ノルマ・ファンティーニ
ジェラール: アルベルト・ガザーレ など
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着物: 小紋(千總)。 変わり織。 銀鼠色。
帯: 袋帯。 黒に近い濃紺・白・灰色。 月と萩柄。川島睦郎「晩秋の月」。 (村田) (お初)
帯締め: 五嶋紐。 灰紫色、片方に極薄青紫色と金。
帯揚げ: 縮緬。 灰みの赤紫色。 雪輪に模様入り。
履物: 灰みのパールの型押し台。 パールグレーの鼻緒。 (胡蝶)
コート: 道行きコート。 紫色。 花・観世水の刺繍入り。
帯は日本画家の「川島睦郎 美の世界−四季を謳う−」シリーズの「晩秋の月」を初めて締めた。
11月中旬の夜の公演だから、今この帯を締めないでいつ締めるのかと、まず帯が決まって、
それから着物を選んだので、久しぶりの小紋。 少し離れると(離れなくとも・笑)無地に見えるもの。
仕立て(柄置き)が悪く、着る度に失敗したと悔やむものの、生地自体は色も柄も好きなのだけど、
専ら大島紬ばかり着ていた者には、重い・暑い。(爆) |
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2010.11.11 [木] 演劇(やけたトタン屋根の上の猫) |
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昼からテネシー・ウィリアムズの代表作「やけたトタン屋根の上の猫」を観に行った。
騒々しく、浅ましく.. でも憎めない.. 軽薄なのに重く.. 考えさせられる.. いい芝居。
多分、まず戯曲がよく、そして役者もそろって..
寺島しのぶ、北村有起哉、木場勝巳、銀粉蝶、広岡由里子、三上市朗ほか。
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着物: 色大島紬。 薄灰色地に渋めの鼠・茶などで小紋風?の織。 「綾の舞(竹千雅)」
帯: 染名古屋帯。 薄い灰色地。 菊花。 青・白色の染めに金の刺繍。
帯締め: 唐組紐。 白・藤・紺・青に金入り。 「波の緒」 (道明)
帯揚げ: 縮緬。 渋い山吹色。 草木染(刈安?)。 (紀波)
この菊花の帯をもう一度締めておきたくて.. 次はもう来秋かしらねぇ。 |
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2010.11.10 [水] 能楽堂→展示会→洛趣会 |
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国立能楽堂の定例公演、狂言・大蔵流「左近三郎」と能・宝生流「葵上−梓之出」を観に行った。
寝そびれてしまい居眠り覚悟で行ったけれど、特にお能を堪能して、行ってよかったと思った。
狂言「左近三郎・さこのさむろう」は、シテ/左近三郎・善竹忠重、アド/出家・大蔵吉次郎。
楽しく観たが、終盤近く意識が飛んだところがあって..少し残念。
能「葵上」は、眠気を払い払い必死に観たほど印象的なお能だった。
「葵上」は前にも観たことがあると思うのだけれど、
観始めた頃は何を見たのか曲も内容も覚えていないから、初見みたいなもの。
小書「梓之出」による特殊演出というが、違いが分からないままながら、大いに楽しく観た。
シテは橋掛りへの登場直後から独特の印象に惹きこまれたが、
初めに出るツレもワキツレも、皆それぞれがクッキリした印象で、
居眠りしかけては寝るとは勿体無い・寝てはならじと自分を叱咤。(爆)
シテ/六畳御息所の生霊・當山孝道、ツレ/照日の巫女・小倉伸二郎、
ワキ/横川の小聖・森常好、ワキツレ/臣下・則久英志、アイ/従者・善竹十郎、
後見・中村孝太郎、地頭・近藤乾之助など。
囃し方は、笛・杉市和、小鼓・孝清次郎右、大鼓・河村大、太鼓・小寺佐七。
*****
お能が短く終演が早かったので、友人とお茶を飲みながら暫くノンビリおしゃべり。
お能・歌舞伎・着物..と話題はいろいろ。
ガラスの窓から入ってくる陽射しが暖かで長閑な気分。 でも、やはり春でなく秋らしさを感じる。
その後は、帛撰の「新高機組の会」の展示を見に、有楽町のジャパンシルクセンターに回った。
いいわねぇ〜と思う帯・絵羽・着尺など、いろいろあるものの、
昨年の吉野間道のように心をわしづかみされるものはなく、無事に眼福だけ。
あの吉野.. 同じように織ってくださると言うけれど、先立つものが..(汗)
日本橋に出て、洛趣会@三越で、ご案内をいただいた長久堂であれこれ購入。
頂戴したお茶席券で、最後のお茶席に入れていただいた。
お手前の方もお運びの方々も慣れていない感じがあったが、それにしても、
お席で周りに聞こえる声で自分達の間の話しをする方がいらして、
お茶を飲み終るや否や席を立たれ、他にもお手前の途中で席を立つ方が少なくなく、
落ち着かないお茶席だった。
お菓子・お抹茶をいただくだけでなく、折角の機会なのだから少し落ち着かれたらよいのに..
時間が足りず、他にも見たい店があったのに駆け足になったのが残念。
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着物: 泥大島紬。 黒みの茶泥。 細かい総柄。
帯: 八寸名古屋帯。 木立柄。 胡粉色地。 木々は紅葉・黄葉色。
帯締め: 伊賀組紐。 黄緑色、片側に灰深緑・茶色入り。 (松山好成)
帯揚げ: 縮緬。 茶色。 露芝?柄入り。 (お初)
履物: 銀鼠色の変り台。 京くみ紐の遊汀花緒。 細井憲司の挿げ。 (Run)
コート: 道中着。 黒地。 青紫糸菊模様。
これ以上着物を着ないでいると、着ることができなくなりそうで、頑張って着物を着た。(笑)
この時期以外に締められそうもない季節限定の帯を締められて、ホッ。
長襦袢を、このところ着ていた揚柳生地の単衣から、綸子の袖無双にして、漸く秋仕様。 |
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2010.11.9 [火] 通し狂言「国性爺合戦」@国立劇場 |
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今日は夕方からの歌舞伎公演を観に国立劇場に出かけた。
間に他の公演が入らず飛び飛びだが歌舞伎見物が3回続いて、久しぶりに歌舞伎を満喫した感じ。
通し上演の多い国立劇場の今月の歌舞伎は、通し狂言「国性爺合戦」で、
序幕「大明御殿」、「肥前国平戸の浦」、2幕目「千里ヶ竹」、3幕目「獅子ヶ城楼門」、
4幕目「獅子ヶ城甘輝館」、「同・紅流し」、「同・元の甘輝館」。
「大明御殿」は観たことがなく楽しみにしていたが、なかなかよかった。
これがあると後のつながり・事情が分かり易く、いつもながら、通しは好きだわぁと思った。
和藤内を20年ぶりの團十郎、錦祥女を37年ぶりの藤十郎、甘輝を初役の梅玉。
母・渚の東蔵も初役で、珍しい幕の上演もあって他にも初役の人が多いようだが、いい芝居だった。
あと、父・老一官を左團次、明の皇帝を家橘、李蹈天を翫雀、呉三桂を右之助、
皇帝の妹・栴檀皇女を亀鶴、それに、松江、市蔵など。
藤十郎、團十郎、梅玉の3人が、夫々それらしく、東蔵も初役とは思えぬ感じ。
東蔵は立役でも女形でも、右之助も(久しぶりの立役だが)、何を演っても上手い。
歌舞伎は主になる役者(だけ)でなく、こういう役者に支えられているのだとまた思った。
それに「大明御殿」で逆臣の李蹈天を演った翫雀が、期待以上?にいい感じ。
以前はあまり上手くないと思っていた(ゴメンナサイ)が、最近は存在感のある役作りをしている。
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始動が遅いことが多いので、今月2回しかない夕方からの公演のチケットを取ったのに、
今日も着物は着られず、3回の歌舞伎見物は3回とも着物でなく洋服になってしまった。
思いがけずパッタリ出会った友人は、体調が悪かったそうなのに、秋らしい着物姿。
涼しくなって雨の心配もない着物日和で、着物の方も多いのに、何たることと自分でも思う。
パスせず出かけただけでも、まあよかったと思うしかないものの、
この時期を外すと締め難い帯をいつ締めるか、それが問題。 |
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2010.11.8 [月] 吉例顔見世大歌舞伎のメモ |
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今月の新橋演舞場の顔見世歌舞伎は、昼の部は3日に、夜の部は5日に観劇。
体調はイマイチで出かけたが、どちらも楽しんで観られて、やっぱり歌舞伎は楽しいと思った。
昼の部は、通し狂言「天衣紛上野初花−河内山と直侍」。
「河内山」と「直侍」は、別々に上演されることが殆どで、
「湯島天神境内」から「河内山妾宅」までの通し上演は、25年ぶりとか。
通しだと両方の筋・人物が絡み合い、観たことのない場面もあって、ちょっと楽しい。
河内山宗俊を幸四郎、直次郎を菊五郎。
直次郎は菊五郎が一番いいと思っているが、幸四郎の河内山もよくて、楽しく観劇。
あと、三千歳を時蔵、金子市之丞を段四郎、松江出雲守を錦之助など。
夜の部は見取りで、「ひらかな盛衰記−逆櫓」、「梅の栄」と、「都鳥廓白浪」。
今月の夜の部は、実は..という役が多いのは意図的なのかどうか、何となく面白い。
「逆櫓」は、船頭松右衛門実は樋口次郎兼光を幸四郎、漁師権四郎を段四郎、
女房およしを高麗蔵、お筆を魁春、畠山重忠を富十郎など。
槌松実は駒若丸は幸四郎の孫の金太郎。
先月は休演した富十郎が今月は出演して、あの若々しい声を聞けたのはうれしかった。
「都鳥廓白浪」は、観たことはある(多分)と思うのに筋も場面も思い出せなかったので、
楽しみにしていたが、記憶から浮き上がってくるような場面に思わず嬉しくなった。(笑)
菊五郎が忍ぶの惣太と木の葉の峰蔵の2役。
「おまんまの立ち廻り」の場で、峰蔵を楽しんで演じている感じに、十二夜の坊太夫を思い出した。
菊之助が傾城花子実は天狗小僧霧太郎実は吉田松若丸、
時蔵がお梶、歌六が宵寝の丑市、團蔵が葛飾十右衛門など。
間の舞踊「梅の栄」は芝翫。 このところ芝翫は孫との共演が多いが今月は宜生。
2人の登場前の種太郎・種之助・米吉の兄弟・従兄弟に尾上右近の踊りが当たり前だが若々しい。 |
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2010.11.7 [日] 松茸スペシャルディナー |
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今日でなくてもよいものの、近いうちに銀座で済ませたい用事があったので、
早く用事を済ませて、大渕座で松茸三昧の夕食をいただこうと、夕方から出かけた。
大渕さんは、以前の代官山に戻って新しい店を開く予定で、銀座の店を締めたのに、
紆余曲折があったそうで、元の銀座の店に戻って前のまま再開。
思わぬどんでん返しで大変だったろうと思うので、こんなことを言っては申し訳ないけれど、
私には銀座での食事処がなくならずに済んで、その点では嬉しくもある。
この時期ならではの、季節限定の評判メニューの贅沢な松茸づくしディナー。
松茸入り冷製スクランブルエッグ、スライスした松茸に覆われたピザ、松茸入りのコンソメスープ、
松茸のパスタ、真鯛のポワレ松茸添え。
更に追加選択の、黒毛和牛肉ロース肉の網焼きに松茸たっぷりのサラダ添え。
昨年は食べ損なってしまったので、少し多いものの、魚も肉もいただいた。
デザートは、チョコレートケーキ・プリン・マスクメロンの3点盛。
マカロンとオレンジピールなどプチガトーなども、うれしくペロリ。
食べるぞうスイッチが入って(笑)、お腹一杯ながら、ニコニコといただいた。
独特のピザは相変わらず美味しく楽しいし、どの料理も贅沢に松茸を使っていて、
松茸の香り・食感を楽しみながらいただいたが、家に帰っても寝るまで口の中に香りが残っていて、
不思議な贅沢気分。 これで、今年は松茸の食べ納め。でしょうねぇ。 |
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2010.11.6 [土] ここ最近は |
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2日: 母を訪問
先月の28日に驚いた母の記憶の混乱状態はなく、兄のことも分かっていて、ホッと一安心。
3日: 吉例顔見世大歌舞伎・昼の部を観劇
観劇後は日本橋に出て、デパートで呉服の展示を見てから資生堂パーラーで、夕食。
メインは飛騨牛のハンバーグにしたが、なかなか美味しくて、ニコリ。
4日: 検査の結果を聞きに病院へ行き、フランス料理でランチ
検査結果は、多少あれこれ悪い所はあるものの、歳相応らしい。
通院治療や投薬の必要はなく、経過観察でOKとのこと。
心配はなさそうと分かると、やはりホッとする。
ホッとしたところで、美味しいものを食べたいと、ランチはフランス料理にした。
新丸ビルのオーグードゥジュール・ヌーヴェルエールに、久しぶりに入れていただけた。
多分1年半ぶりくらい? で、フロアスタッフは殆ど変わっているが、
シェフは不動なので、料理は前と同じく美味しくて、うれしい。
久しぶりだから、魚も肉も食べたいとフルコースにした。
オードブルの前にアミューズを、デセールの後にプティデセールをサービスしていただき、
ウェルカムシャンパンの後、白ワインも頼んだので、満腹、満足。(笑)
5日: 吉例顔見世大歌舞伎・夜の部を観劇
6日: 母が脳梗塞らしいとのことで慌てたが、ひどくはないらしいので、ひとまず安堵。
検査を受けてホームに戻った母は、特段変わった様子もなく穏やかな表情で、ホッとした。
やはり軽い脳梗塞だそうだが、急性でなく数週間前になったらしい。
兄のことがあった時期になったのかも..
自覚症状は殆どないようで、何度も会っているのに私も気づかなかった。
大事に至らなくてよかったけれど、これからも気が抜けない。
姉も家に居た上の娘と駆けつけて来たが、姪は姉を心配して付き添いの意味もあったらしい。
またごちゃごちゃになっている母の荷物を少し整理して、夕食時間になったので辞去。 |
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2010.11.1 [月] 古典の日に能楽鑑賞 |
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2ヵ月毎のカレンダーが残り1枚になってしまうと、重い腰は未だ上がらず別段何にもしないのに、
それでも何だか気忙しく思われてくるのが不思議。
その11月1日は古典の日!だそうだ。
2年前に宣言されたらしいが、今まで認識していなかったので、それなあに?と少し驚いた。
何はともあれ「古典の日」記念の特別公演で、能の大曲「姥捨」が上演されるので、
夕方から国立能楽堂に観に行った。
番組は、狂言・大蔵流「箕被・みかずき」と、能・観世流「姥捨」。
能「姥捨」は、終始抑えた謡は単調ともいえる感じで、ゆったりした序ノ舞は長いが、
激しい動きも大きな変化もなく、それが2時間半以上続く。
それなのに、未だにお能の分からない私のような者にも、観応え十分。
演者は無論、観客も集中して、ピーンと張り詰めた緊張感が漂っている感じだった。
演者が揃って凄い!という印象で、いいお能を見せていただいた充実感があった。
何より、ご高齢のシテが長い序ノ舞も含むこの長いお能を演じられる気力・体力に脱帽。
能の間(あい)の中で最重要な役のひとつというアイも、同年齢だし、
初めから登場して後場の途中まで謡の多いワキも、お2人より僅かにお若いだけで、
人間国宝の方々の、若さ・鍛え上げられた芸の力には感服するばかり。
シテ・片山幽雪、ワキ・宝生閑、アイ・野村萬で、ワキツレに宝生欣哉など。
笛・藤田六郎兵衛、小鼓・大蔵源次郎、大鼓・亀井広忠、太鼓・観世元伯。
後見・観世清和、観世銕之丞、青木道喜で、地頭・梅若玄祥。
囃し方の後見も亀井忠雄ほかの見事な顔ぶれ。
人間国宝、各流の宗家、現在の中核を担っている人、これから受け継いでいく期待の人など、
粒選りで、これでいい舞台にならないはずがないというような、素晴らしき陣容。
お能の前の狂言「箕被」は、シテの予定だった茂山千之丞さんが病気休演で、
シテ・山本東次郎(予定のアドから回った)、アドに茂山七五三。
これも、よくないはずがないというお2人の共演を楽しんだ。
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現行曲最長というお能だから終演は遅かったが、とやま料理の「五万石」に入れていただけた。
友人と伺う時の、すっかりお決まりになったミニ会席に、今日はお酒が進んで少し多め。
先付けの柿のなますに季節感を感じた。
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着物: 訪問着(古都染人)。 「野に咲きあふるる」。 青灰色に黒色の縞。 花模様。
帯: 袋帯。 「蔦葉霞」。 灰みの赤藤色
帯締め: 伊賀組紐。 灰紫色、片側に薄黄緑・白色入り。 撚り房。 (松山好成)
帯揚げ: 縮緬。 灰みの赤紫色。 雪輪に模様入り。
履物: 灰みパールの型押し台。 パールグレーの鼻緒。 (胡蝶)
コート: 道行きコート。 紫色。 花・観世水の刺繍入り。
特別公演だし、この季節限定の帯に合わせ、訪問着を着用。
準備が終って出かける寸前、ドアノブに袖を引っ掛け、ビリッと破いてしまう。(涙)
着替える時間はないし、それほど目立たないだろうと、そのまま出かけたものの、
幸先悪い気分だったが、素晴らしい公演に、満足感一杯のいい日になった。 |
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