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2011.11.30 [水] 今月最後は、能楽堂通い |
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昼から国立能楽堂の定例公演に出かけた。
駅からの銀杏並木はまだ色づき出したばかりで、今年の黄葉は随分遅い。
番組は、狂言・和泉流「酒講式」と、能・喜多流「野守」。
狂言「酒講式・さけこうのしき」は、初めて観たが、
酒に酔って弟子を折檻する呆れた大酒飲みの老僧に意見しに行く弟子の親とのやり取り。
親が持って来た手土産の酒を飲みながら、酒の功徳を語っているうちに、酒癖の悪さを露呈。
親が怒っても、弟子が来なくなっても酒さえあればいいと、平気の平左。
こんな師匠が居たら、自分とかかわりがあったら、堪ったものではないが、
他人事としてなら、呆れ果てた坊主だが、可笑しさタップリで憎めないのが、何ともおかしい。
シテ・野村萬、アド・万蔵。
能「野守」は、謡中心で動きの少ない前場と、[舞働]の動きの多い後場との対比が印象的。
前シテ/野守の老人・後シテ/鬼神・栗谷能夫、ワキ/山伏・森常好、アイ/里人・山下浩一郎、
後見・狩野了一、地頭・友枝昭世など。
笛・一噌隆之、小鼓・観世新九郎、大鼓・亀井広忠、太鼓・小寺佐七。
面は、前シテが三光尉、後シテは小べし目。
食事制限があり、珈琲もダメなので、終演後は真っ直ぐ帰宅。
午後遅めと言っても、まだ日が沈む前だったけれど、何となく疲れたというか眠い。
で、早々に、乳幼児並みの時間に、就寝。(笑)
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着物: 泥大島紬。 泥黒色。 様々な模様が経に織り込まれた地空き。
帯: 袋帯。 野蚕紬。 切嵌。 多色、いろいろの縞・格子。
帯締め: 伊賀組紐。 灰紫色。 紫・小豆色入り。 撚り房。 (松山好成)
帯揚げ: 緑みの灰色。 雪輪に模様入り。
履物: 藤・金・白色の五嶋紐の鼻緒に、銀色台の草履。
コート: 長道中着 まほら紬 |
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2011.11.29 [火] 2日続きで通院を済ませる |
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28日は、大腸がん検診のための、内視鏡検査。
2年前にポリープを取ってもらったばかりだし、何もないだろうと気楽に検査してもらったら、
取った方がよいというポリープがまた見つかって、今回も取ってもらうことになった。
前回で懲りて今回は鎮痛剤を使ってもらったおかげで、痛みも無くスムースに終了。
ただポリープ切除のため、10日間の食事制限があって、それが辛い。
お腹を空っぽにしての検査だから、前日の夜8時前に食事をしたのが最後。
当日と翌日の2日間は流動食のみ.. その後も3日間は離乳食的な食事.. 更に..
検査が終ったら食事するのを楽しみにしていただけに、が〜ん..
空っぽにしたお腹をかかえ、食べられないのが辛い。 お腹が空いて.. 空いて..(苦笑)
それに、珈琲を10日も飲めないのも辛いと、ちょっと罰当たりなことを考えてしまう。
29日は、前日の1日がかりの検査で疲れたのと食事制限で、力が出ない。
午後には歯科の予約もあるし、それじゃ医者通いの一日にしましょうと、
昼前には目薬をもらいにツキイチ通う眼科に出かけ、診察もしてもらう。
午後の歯科診療のあと、夕方には先日の健康診断の結果を聞きにクリニックへ。
コレステロールが高いけれど、経過観察でOKで、一段落。
それにしても、1日に3箇所の通院はやっぱり疲労感あり。 若くないのだから.. |
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2011.11.25 [金] 笑いのはしご |
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午後は落語で、夜は狂言で、ともに楽しく笑って元気をもらってきた。
昼過ぎに家を出て、まずは「五代目圓楽一門会」@国立演芸場。
立川談志の訃報についにその時が来たかと思ったが、
五代目三遊亭圓楽が亡くなってから早2年経って、一門が総力挙げての3日間公演。
初日は、仲トリが総領弟子の鳳楽、トリが当代の圓楽で、他は、楽大、神楽、小圓朝に、楽之助。
今日の出演者では、やはり鳳楽と圓楽が群を抜いて聞かせる。
色物は太神楽の丸一仙翁社中、あと法律漫談はどうも男性向け?で好きになれない。
でも、後の席の女性が高らかに笑っていたから、女性でも気にしない人は楽しめるのかも..
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夜の公演までは時間があるので、また可否道に寄って、主と話しながら美味しく時間つぶし。
オリジナルコーヒーと海苔チーズトーストをいただいている時に、常連さんがいらして、
演芸場に居たでしょうと言われて、それから落語、歌舞伎、着物..あれこれ会話が進んだ。
存じ上げない方だったが、私は着物だったので目についたらしい。
お替りに、またアメリカンを飲んでから、移動。
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夜は、国立能楽堂の「狂言の会」。
大蔵流「靱猿」、和泉流「酢薑」、素囃子「中ノ舞」、大蔵流「鬮罪人」。
「靱猿・うつぼざる」は、子方が演ずる猿の可愛さはいつもながら、
今日は、初めは勝手で強引な大名が、途中から実に可愛く?見えたのが楽しかった。
それに猿引が、猿に繋いだ綱を調節する様子もよく見える席だったので、それも合わせて楽しんだ。
シテ/大名・茂山千五郎、アド/太郎冠者・正邦、アド/猿引・七五三、子方/猿・莢。
地謡・逸平ほか。
「酢薑・すはじかみ」は、動きの楽しい「靱猿」とは一転して、台詞の楽しさ。
息の合ったやり取りに、他愛無い台詞の楽しさが際立って、面白い。
シテ/酢売り・野村万作、アド/薑売り・石田幸雄。
休憩後は、素囃子に続いて、「鬮罪人・くじざいにん」。
主人に叱られてばかりいる太郎冠者の、客の町衆を楯にした口達者の強かぶり..
苦々しく思う主人が図に乗る太郎冠者を睨む様子も、
睨まれた太郎冠者が、主人を恐れながら、だんだんに調子に乗ってくる様子も、おかしい
シテ/太郎冠者・大蔵吉次郎、アド/主・彌太郎、立衆/客・善竹十郎ほか。
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着物: 色大島紬。 五倍子染。 変わり市松。 (東郷)
帯: 染名古屋帯。 結城紬。 茶色地、葉と花の柄。 (谷本一郎)
帯締め: 京組紐。 茶色に、焦げ茶・白入り。 (渡敬)
帯揚げ: 薄小豆色に、生成り。
履物: 銀鼠色の変り台の草履。 京くみ紐・遊汀鼻緒。 (細井憲司挿げ) (Run)
コート: 道中着。 濃墨色地。 青紫糸菊模様。
笑いのダブルなので、大島紬で遊びの印象の一番ある着物にして、
今シーズンもそろそろ終い気分の、菊模様の道中着。 |
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2011.11.24 [木] 歌舞伎@国立劇場 |
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千穐楽近くになってしまったが今月3箇所目の歌舞伎見物に国立劇場に出かけた。
開場45周年記念の「歌舞伎を彩る作者たち」と云うシリーズが、先月の馬琴で始まり、
今月は近松で、「日本振袖始」と「曽根崎心中」。
あまり気が乗らなかったものの、観ないのも残念だと安いチケットを取ったのだが、
予想外にいい舞台(ゴメンナサイ)で、行ってよかったと思う。
「日本振袖始」は、上演の多い八岐の大蛇退治の「出雲国簸の川川上の場」だけでなく、
序幕の「出雲国簸の川川岸桜狩の場」がついて、発端が分かるのがいい。
梅玉の素戔鳴尊に、魁春の岩長姫実は八岐の大蛇。
東蔵の足摩乳、松江の侍女くまざさ、歌江の乳母いたどり。
稲田姫を梅丸が演っていたのが、役が重すぎて、いくら何でも気の毒な感じ。
どうにも好きになれない「曽根崎心中」だが、藤十郎のお初がよくて正に至芸かと..
筋立ての好き嫌いとは別に、確か歌舞伎座さよなら公演で同じことを思ったことを思い出した。
相手役の徳兵衛を翫雀、九平次を亀鶴、平野屋久右衛門を竹三郎、天満屋惣兵衛は錦吾。
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着物: 白大島紬。 有色絣。 雲取唐花。
帯: 京袋帯。 名物裂、經錦、花文暈繝錦。 (龍村)
帯締め: 五嶋紐。 深緑色、上下端は灰色。
帯揚げ: 薄紫色、薄緑・薄黄色入り。
履物: 薄浅紫色のパールエナメル台の草履。 淡水色・桜色の五嶋紐の鼻緒。
バッグ・コート: 前日と同じ。 |
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2011.11.23 [水] オペラ「ルサルカ」 |
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午後、ドヴォルザークのオペラ「ルサルカ」の初日公演に出かけた。
ドヴォルザークの名くらいは知っていて、交響曲「新世界より」を作曲したと聞いても、
音楽に疎い私にはあまりピンとこなくて、オペラも作曲していることなど思いもよらず、
当然聞いたことのないオペラだけど、オペラパレスに初登場の折角の機会なので聴きに出かけた。
最近は時には空席が目立つこともあるが、今日は客がギッシリ入っていた。
人気のオペラなのかしら? それとも聴く少ない機会だから?
水の精ルサルカの悲恋を描いたオペラで、人魚姫やオンディーヌを基にかかれた作品だそう。
演出のお蔭もあってかファンタジーの印象が強い。
主役のオルガ・グリャコヴァは6月にも蝶々夫人を歌ったが、
他は初めて聴く歌手も多かったけれど、日本人歌手も含め、歌手の声を楽しんだ。
指揮: ヤロスラフ・キズリンク、 演出: ポール・カラン
ルサルカ: オルガ・グリャコヴァ、 イェジババ(魔法使い): ビルギット・レンメルト、
王子: ペーター・ベルガー、 ヴォドニク(水の精): ミッシャ・シェロミアンスキー、
外国の公女: ブリギッテ・ピンター、 森番: 井ノ上了吏、 料理人の少年:加納悦子、
水の精: 安藤赴美子、池田香織、清水華澄、 狩人: 照屋睦
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着物: 塩沢紬。 草木染。 漆黒色、絣のグラデーション。 「泡沫の優暈」 (林宗平)
帯: 名古屋帯。 銀杢地。 鹿の象形文。 「万葉」 (野渕)
帯締め: 五嶋紐。 生成り・柿色のグラデーション。
帯揚げ: 薄桃色。 むじな菊柄。
履物: 濃墨色のZULEN台の草履。黒・白・金・銀色の組紐の鼻緒。 (紗織・ブリヂストンのコラボ)
コート: 長道中着。 まほら紬。 紺地、臙脂・灰色等の格子柄。 |
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2011.11.22 [火] 栄養補給 |
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ご飯はまだ? 今日のおかずはな〜に? と聞かれないのは助かるけれど、
それはつまり、食事するには頼る人も無く自分で用意するしかないということだから、
体調が絶不調の間は手抜きもいいところで、栄養不足・偏りが心配。
で、多少体調がよくなったところで、美味しいもので栄養補給。(笑)
20日(日)のランチは、天麩羅@みかわ是山居。
以前よりは食べなくなったので、最近は昼に行くと少し品数の少ないランチを揚げてくれる。
海老・きす・烏賊・銀杏・季節もののはぜ・穴子、選べる野菜はアスパラと松茸。
この時期にここで松茸を食べられるとは思わなかったので、ちょっと驚いたら、
いつも野菜を仕入れている八百屋に松茸が入荷したと言われて、久しぶりに入れたのだそう。
追加料金がかかろうが、そんなことは承知の助。(爆)
松茸があるなら、やっぱり食べたい。
1本丸ごと揚げてくれると、味も香りも封じ込められたようで、いつもながら美味!
小柱のかき揚は、天丼にしてもらうのが、私のランチのお約束。
間の口直しのお椀が、菊のイメージのシュウマイ?風で、楽しい。
そうか〜 めごちが無かったのは、はぜが入ったからなのね〜と今更ながらの認識。
それでも十分満足。
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昨日21日は、B級グルメ。(大爆)
サークルの練習の前に、こうかいぼうのラーメンでランチ。
このところ長い行列に諦めることが多かったので、久しぶりにニコッ。
少しくらいなら待つのはいつものことで、OK。
練習の後は、月曜定休の近為が営業していたので、まだ早いものの夕ご飯。
月曜の営業は縁日の15日・28日だけだと思っていたら、震災以来、休み無しで営業中とか。
深川風お茶漬けセット?があったので、期間限定に弱い私は迷わずにこれ。
持ち帰りの漬物は、千枚漬が売り切れで、赤かぶと長いも。
お腹一杯で、おやつに寄るつもりだったケーキ店は流石にパス。
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今日22日も美味しいもので栄養を取りたいと思ったのに、敢え無く空振り。(涙)
ランチにフランス料理と思ったら2店ともダメ、もう1店は定休日だし..
気を取り直して、夜はイタリア料理にトライしたがやっぱり満席。
用事で午後ゆっくり出かけたので、食べて帰ろうとデパートでシーフードカリーなど。
う〜ん.. 気持も舌も、ちょっと不満足。(苦笑)
でも、末富の週2回だけの生菓子がまだあったので、ニコリ。
庶民には少し高いのだけが玉に傷だが、品のよい味は好みで、あるとつい購入してしまう。 |
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2011.11.19 [土] 能楽鑑賞 |
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先月上旬の久しぶりの強い眩暈以降すっかり体調を崩してしまい、アップアップの生活。
この半月は特に酷く、先週の歌舞伎には辛うじて出かけたが、あとは殆ど寝て曜日。
先週の土曜日の能楽は、狂言・お能ともに観たことが無く、楽しみにしていたのに、ダメ。
健康講座も殆ど休んでしまい、本当に健康とは程遠い生活になってしまった。
でも18日は、頑張って夕刻から着物を着て出かけて、どうにか開演直前に滑り込んだ。
狂言・和泉流「宗論」と、能・金剛流「通小町」。
狂言「宗論」のシテは人気者の萬斎で、このところ空きもあった能楽堂が久しぶりの大入り。
歌舞伎の連獅子でもお馴染みの宗論だが、歌舞伎では獅子に衣装替えする間の繋ぎ・時間稼ぎ、
要は添え物的で、浄土僧と法華僧が同格の印象だし、狂言とは雰囲気が違う。
勤行の間に2人の経文が入れ替わってしまうところは同じだが、
やはり「宗論」を楽しむには、狂言だわね〜と思いながら観た。
能「通小町」は、小書き「替装束」つき。
小野小町は能作者に創作意欲を余程起こさせたらしく、他のを観たこともあるし、
いろいろあるのは知っていたが、7曲もあって七小町と言われているらしい。 さすが小町!
「通小町」では、前シテかと思える小野小町はツレで、シテは後場から出てくる深草少将。
アイが出ず、中入りも無く、前場の後、シテが登場するまでツレの小町は後座で控えているだけ。
衣裳も替えなかったし、「替装束」って? 少将の衣裳が普段と違うのかしら?
百夜通いきれず、99夜で息絶えた少将の怨念の凄まじさ。
ワキの僧に、仏戒を授かり成仏したいという小町(の亡霊)を遮り、
2人一緒でも地獄の責めは苦しいのに、1人残されて堪るかと小町の袂を掴んで引き止める。
[立廻リ]で見せる、通い続けた苦しさ・執念..
鑑賞の手引きによると、
少将の好意が真摯であるほど、小町の気まぐれに翻弄される姿が滑稽かつ惨めに見え、
妄執が深いほど、被害者を装った小町の内にある驕慢さとの対比が鮮烈..
[立廻リ]で、のたうちまわるごとくに舞う少将の背後に、
女の本性に隠された嗜虐性と冷酷なまでの残忍さ、罪深さが、
美しい装いを透過して私たちの心深く焼き付けられていく.. とあって、
能楽堂に行く電車で読みながら、これを書いたのは絶対男よね〜と署名で確認。(笑)
創ったのも男だから.. そういう視点から創ったのかもしれないけれど.. どうなんでしょ。
体調がよくない上に寝そびれてしまったため居眠りつきになって、時々カク、カクッ(涙)。
でも、行くことができて、観ることができて、よかったと思いながら帰宅。
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着物: 付下げ。 灰藤紫色地。 裾暈し。 遠山模様? (お初)
帯: 袋帯。 川島睦郎の「晩秋の月」。
黒に近い濃紺地と灰色の市松。 銀・白・灰色で全面に萩と月の模様。 (村田)
帯締め: 五嶋紐。 紫色。 片方に極薄空色・金色入り
帯揚げ: 灰みの赤紫色。 雪輪に模様入り。
履物: 薄金色の台の草履。 龍村の白地に金色の唐草柄の鼻緒。 (お初)
コート: 道行長コート。 山岡古都の銀無地(薬墨染)。
この帯を年に1度は締めたいけれど、紬では合わないので、付け下げを下ろした。
この付け下げは、ちょっと見には柄が目立たないところが気に入って仕立てたものの、
柔かものには手が伸びなくて、漸くの着用。 これからはもう少し着てやりたい。
草履も、洒落着用のかかとの低いものが多いので、訪問着・付け下げ用に求めたもの。 |
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2011.11.11 [金] 11:11 pm |
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数字の並び!でしかないとも言えるものの、何とも楽しい並び。
それも1が並んでいるのも、これから始まる感じがいい。
もっとも、午前11時なら兎も角、午後は23時だという声もあるらしいが、
遊び、何となくの縁かつぎ(?)..だから、その辺りは大目に..(笑)
ラジオで聞いた話では、国によっては結婚式が多いそうだが、
日本でも、結婚式は難しくても、届出は多くなりそうな気がする。
忘れない日になるでしょうしね〜
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2日連続で検診。
昨10日は健保の健康診断。
レントゲン・心電図・触診とも取り敢えず問題は見つからなかったものの、
検査結果は2週間後とか..
今日11日は区の5年毎の歯周疾患検診。
特に不都合も感じていず、歯からの出血も無く、気にしていなかったら..
油断は禁物.. 歯茎が落ちて血が出るほどの歯茎が無いだけで、酷い状態とか..(涙)
暫くは、歯医者に通うことになった。 |
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2011.11.9 [水] 顔見世大歌舞伎・昼の部 |
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今日は顔見世歌舞伎の昼の部を観に、朝からまた新橋演舞場通い。
「傾城反魂香 土佐将監閑居の場」、「道行初音旅 吉野山」、「新皿屋舗月雨暈 魚屋宗五郎」。
通称ども又の「傾城反魂香 土佐将監閑居の場」は、絵師・浮世又平を三津五郎、妻おとくを時蔵。
三津五郎・時蔵の又平夫婦が、すっきり心に入ってきて、いい夫婦像。
将監夫婦は彦三郎・秀調。 あと、権十郎、松也など。
舞踊「吉野山」は、佐藤忠信を松緑、静御前を菊之助。 逸見藤太は團蔵。
この舞踊は本当によく舞台にかかる。 年に何度か観ている気がする。
生世話物「魚屋宗五郎」は、宗五郎を菊五郎が勤める。
妹を殺された経緯を知って、禁酒の誓いを破って飲み出してからの酒乱ぶりが見どころだが、
菊五郎の宗五郎は、この酔っていく過程が秀逸で、酒好きの面目躍如(笑)。
酔っ払って飛び出すまでと、酔いが醒めて正気に戻ってからの怯えぶりとの差が、
おかしくほろ苦い。
女房おはまを時蔵、父太兵衛を團蔵、小奴三吉を松緑、召使おなぎを菊之助、
磯部主計之助を三津五郎、家老浦戸十左衛門を左團次、など。
昼の部の時蔵は、2役とも夫を支える市井の女房で、いい女房ぶり。
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お弁当は、いわて銀河プラザの海鮮ミニわっぱ。 おやつの生菓子も購入。
海産物販売をしていたので、終演後にも寄って、牡蠣くん、その他いろいろ購入。
京橋まで歩いて、イデミ・スギノで、ケーキにいつものダブル・エスプレッソと、土産に焼き菓子。
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着物: 紫根染紬。 菫、灰緑、灰茶色などの縞。 「平泉」(紅花の里工房)
帯: 袋帯。 縞大島紬。 緯双。 茄子紺色に黒色。
帯締め: 伊賀組紐。 灰紫に、紫・小豆色入り。 撚り房。 (松山好成)
帯揚げ: ちりめん紬。 京友禅染。 灰薄緑色と灰茶色の染分け、中央は白茶。 (雪華)
履物: 濃深緑色の天・鼻緒。 ラバーソール台。 (菱屋のカレンブロッソ)
着物と帯は、暫く着用していなかったものを、久しぶりに出した。
どちらも昨年は着ていず、着物は1年前、帯は1年半以上も前に着たきりだった。
たまに着ると気分も変わっていいが、もう少し着てやりたい。
バッグ・コートは一昨日と同じ。
帰りに寄った呉服店2軒で、コートの風合いやら色使いやらが楽しいと褒めていただいて、ニコッ。
大島紬なのに、塩沢風というかサッカー地のようなサラッとした感触のおもしろい風合い。 |
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2011.11.7 [月] 吉例顔見世大歌舞伎・夜の部@新橋演舞場 |
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今週も先週に引き続いての歌舞伎見物。 今週は、新橋演舞場の顔見世。
今月の歌舞伎では一番観たかったのに、どういうわけか、単なる歳のせいか(苦笑)、つい忘れて、
チケット発売が先だった中村座を取ってしまってから気づいたので、こちらは後になって、今週。
出演者は菊五郎、時蔵、三津五郎、松緑、菊之助などで、
恒例の顔見世というより、いつもの菊五郎劇団+時蔵 に 三津五郎が加わった感じ。(笑)
顔見世と言っても、今年は7世梅幸・17回忌と2世松緑・23回忌の追善興行だから、
子・孫の菊五郎、松緑、菊之助..となれば、まあこういう出演者になるのは当然かしら。
まずは夜の部で、「外郎売」、「京鹿子娘道成寺」、「梅雨小袖昔八丈 髪結新三」。
歌舞伎18番の内の「外郎売」は、成田屋のお家芸に思えるが、別に専売特許じゃなく(笑)、
外郎売実は曽我五郎を松緑が初演した時に、祖父二世松緑が工藤祐経を演じたという。
私は観ていないが、松緑にとっても贔屓にとっても想い出の舞台だろうと思う。
松緑のサ行などの滑舌の悪さが、最近は大分聞き易くなったと思っているが、
早口言葉をよどみなくつらねて、成長ぶりを楽しんだ。
三津五郎が工藤祐経、父・松助の7回忌にあたる松也が曽我十郎。 あと、萬次郎、権十郎など。
女方歌舞伎舞踊屈指の大曲という「京鹿子娘道成寺」は、1時間余かかる。
七世梅幸が得意としたようだが、残念ながら私は観ていない。
衣裳を引き抜きも含め何度も替えるし、扇・花笠・手拭・鞨鼓・鈴など持ち物も替わるし、
体力的にも、多少の年齢制限というか、旬の期間がありそう。
先月亡くなった芝翫は、最近まで随分長く踊っていたけれど..
菊之助が挑むのは12年ぶりだそう。
前に観たのはそんな前だったかと、私にはその方が感慨深い。(笑)
「髪結新三」は、菊五郎の新三が何と言っても見応えがある。
小悪党の呆れた奴だけれど、菊五郎が演じると実に格好いい。
江戸市井の小悪党が好きなわけじゃないけれど、この芝居ならやっぱり菊五郎だと再認識。
意外なことに、菊五郎の新三は東京では8年ぶりだそう。 新三は菊五郎のが断然いいのに何故?
これからも、菊五郎が新三をやるなら、まだまだ観たい。(爆)
時蔵が手代忠七、菊之助が下剃勝奴、左團次が弥太五郎源七、三津五郎が家主長兵衛など。
三津五郎が実に楽しそうに強かな家主を演じている。
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着物: 泥大島紬。 黒みの茶泥。 細かい総柄。
帯: 八寸名古屋帯。 胡粉色。 紅葉色の木々の柄。
帯締め: 五嶋紐。 中央に薄紫、上下に白、端に肌色。
帯揚げ: 縮緬。 茶色。 芝柄入り。
履物: 鼻緒と天が灰色のオストリッチ。
バッグ: 金泥バッグ。 焦げ茶色に金と漆で花・草のような柄。 サブに古代裂バッグ。
コート: 道中着(単衣仕立て)。 大島紬。 黒地。 子持縞。 リング糸入り。 (藤絹) |
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2011.11.6 [日] 行き損なってしまった |
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楽しみにしていたのに、講演会をパスしてしまった。
葛飾区の博物館の、開館二十周年記念の企画展「江戸小紋を伝える 小宮家のわざと人」。
4代目(修行中?)の康正さんの講演は今日だけだから、残念だけど無理は禁物、仕方無い。
でも企画展自体、製作工程、康助・康孝・康義さんの小宮家3代の作品と4代目の仕事紹介に、
江戸小紋を支える職人の仕事(防染糊、伊勢型紙、丹後ちりめん、染料など)の展示は
まだ暫く続くので、どうにか会期中に行きたいと思う。 行かれるかしら?
講演会の後に伺うつもりだった霜月・手の仕事展にも行きそこなってしまった。 重ね重ね残念。
作品もカフェも楽しみだったし、ご相談・お願いしたいこともあったし.. ままならない。 |
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2011.11.3 [木] 十一月大歌舞伎・夜の部@平成中村座 |
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一昨日に続いて、また隅田公園の仮設劇場まで出かけての歌舞伎見物。
3日続いたが今日で月初の観劇は一段落。 来週はまたポツポツ..
夜の部は「猿若江戸の初櫓」、「伊賀越道中双六 沼津」、「弁天娘女男白浪」。
「猿若〜」は、彌十郎は出るけれど、勘太郎・七之助を中心にした全体に若い役者の踊り。
期待していた「沼津」が、やはり楽しめた。
仁左衛門の十兵衛に、勘三郎の平作、孝太郎のお米など。
前に仁左衛門・勘三郎で観た時も、今回同様に仁左衛門が十兵衛で歳の若い勘三郎が平作。
逆は考えられない(爆)けど、勘三郎もまだこの役には若くて勿体無い感じ。
でも、勘三郎も楽しそうに演っているし、好きなのかしらね〜ああいう役。
「弁天娘女男白浪」は、「浜松屋見世先」と「稲瀬川勢揃い」。
弁天小僧菊之助を七之助、南郷力丸を勘太郎、など。
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着物: 白大島紬。 短冊に入ったいろいろの柄が経に並んだもの。
帯: 袋帯。 野蚕糸。 柿渋暈し。(焦げ茶・生成り)
帯締め: 伊賀組紐。 臙脂に白入り。 撚り房。 (松山好成)
帯揚げ: 丹後ちりめん紬。 京友禅。 薄灰茶色・薄灰赤茶色などの染分け。 (洛舟)
履物: 銀鼠色の変り台。 焦げ茶・白色の京くみ紐の遊汀鼻緒。 (Run)
バッグ: 野蚕紬バッグ。 薄茶色。 (伊と忠) サブバッグも野蚕紬。(こちらはお初)
コートは、持っていったものの着ないまま。
バッグは帯に合わせて野蚕糸のものにした。
私には少し小さめで使い勝手が悪かったので、同じく野蚕糸で作られたサブバッグを購入して、
初めて一緒に使ったが、2つ使えば容量もまあまあで、少し使い易そう。 |
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2011.11.2 [水] 人待つ虫の音 |
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古典の日記念の「人待つ虫の音」という企画公演を観に国立能楽堂に行った。
番組は、筝曲「小督の曲」、狂言・大蔵流「月見座頭」、能・観世流「松虫」で、
虫の音を聞く曲ばかりだからか、夜の公演。
筝曲「小督の曲」は、山田流(山勢派)の演奏で、お琴3面、三味線が1棹に、笛。
琴の演奏だけだと思っていたから、演奏前から期待感が膨らんだが、
お琴は合奏だけでなく、部分的にパートに分かれたり、
琴と三味線の奏者は歌も歌い、しかも4人で歌い分けたりして、初めて聴く演奏を楽しんだ。
筝:山勢松韻・武田祥勢・奥山{u勢、 三弦:山勢麻衣子、 笛:福原徹。
狂言「月見座頭」は、山本東次郎と則俊の兄弟コンビ。
座頭が虫の音を楽しむ様子や来合わせた者との酒宴までは、観ていても愉しいのだけれど、
別れた後でアドが急転換してシテの座頭をいたぶろうと戻って来てからが、
屈折した心情・人の本質を抉り出していると言われても、いつ観ても心が痛む。
能「松虫」は初めて観たが、後場の[男舞]の変形という[黄鐘早舞]のおかげもあって、楽しかった。
面は、前シテは直面、後シテは小渇食。
能面をつけていなくても、お顔が直面という面になるって、凄いといつも思う。
シテ・梅若紀彰、ワキ・福王和幸、アイ・山本泰太郎、地頭・梅若玄祥など。
囃し方は、一噌仙幸、大蔵源次郎、山本孝。
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着物: 塩沢紬訪問着。 黒に灰色の経縞。 黒色の垣の草花模様。
帯: 袋帯。 引箔地。 森林・切株に小鳥・花の柄。 「日溜り」 (吉織)
帯締め: 江戸組紐。紫色、片方に渋い緑・黄色入り。 (五嶋紐)
帯揚げ: 縮緬。 草木染。(刈安?) 渋い山吹色? (Kinami)
準備するのがギリギリになってしまったので、帯を替えただけで、あとは昨日のまま。
暑いのでコートは着ずに持っていくつもりが忘れてしまったが、無くてもよかった。 |
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2011.11.1 [火] 歌舞伎と連弾で聴くドビュッシー |
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今年もあと2ヵ月しかないというのに、私ときたら遊びモード全開。(汗)
観劇は趣味でなくまるで仕事みたいな、行かねばならない気すらするのは、問題よね〜
でも、私の体力・気力がいつまで続くかは未知だし、事があればそちらが優先するのだし、
心残りの無いように出かけられるうちに行っておきたい。
昼は浅草・隅田公園の平成中村座で、今日が初日の歌舞伎を楽しんだ。
芝居小屋が建つようになっても、家から少し遠いことや安い席が無いことなどで、
関心はあったものの行かないままだった。
常設劇場に比べ、この仮設劇場は狭い=座席数が少ない ためか、席料の差が小さく、
今月など一番安い席が国立劇場の会員割引で買う一番高い席並み。(苦笑)
今月は仁左衛門が出るし、病気休養していた勘三郎の全面復帰もあるし、
何より芝居小屋自体が見たかったし..と重い腰を上げて観に行くことにした。
初日だから、小屋開きの芝居を観たいと、まずは昼の部から。
昼は、「双蝶々曲輪日記 角力場」、「お祭り」、「義経千本桜 渡海屋:大物浦」。
「角力場」は、橋之助の濡髪長五郎、勘太郎の放駒長吉で、勘太郎は山崎屋与五郎と2役。
「お祭り」は、無論絡みはあるけれど、勘三郎がひとりで15分踊って、元気そうな様子。
「義経千本桜 渡海屋:大物浦」は、仁左衛門に、橋之助、孝太郎、弥十郎、勘太郎、七之助など。
どれも何度も観ている狂言だから、今日は芝居より何より小屋が愉しかった。
ただ、履物を脱いで上がるので、家に帰って足袋を脱いだ時に、裏が汚れていてビックリした。
とは言え、仕方無いだろうから、次回は汚れるのを承知で行きましょうっと..
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夜は小屋から間近に見えるスカイツリー近くに行く予定。
直行したい近さだが、開場まで4時間あるのでノンビリ歩くにしてもまだ早すぎる。
でも、家に帰ったらまた出かけるのは億劫になりそうだから、日本橋に行って、
急がない用事を2件、今日が最終日の展覧会にも寄って、時間つぶし。 少し疲れた。(苦笑)
夜は、天真庵クラシックライブで音楽を楽しんだ。
1台のピアノを2人で弾く赤松林太郎・東桂子さんのDuo HIBIKIで、ドビュッシーの連弾曲。
2台のピアノでの連弾ならともかく、1台のピアノをプロが一緒に弾くのを見る・聴くのは初めて。
同席になった方が言われたように、2人で弾く様子はセクシーな印象もする。
久しぶりにお会いできたメンバーとお話しながら帰り道をご一緒できて、それも嬉しかった。
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着物: 塩沢紬訪問着。 黒に灰色の経縞。 黒色の垣の草花模様。
帯: 袋帯。 青灰色地。 黄・白・紫色の菊・桐・垣模様。 「菊花良園」 (岡文)
帯締め: 江戸組紐。紫色、片方に渋い緑・黄色入り。 (五嶋紐)
帯揚げ: 縮緬。 草木染。(刈安?) 渋い山吹色? (Kinami)
履物: 黒・白・金・銀色の組紐の鼻緒。 濃い墨色のZULEN台。 (紗織・ブリヂストンのコラボ)
バッグ: 金泥バッグ。 焦げ茶色に、金・黒色の模様。 サブに古代裂バッグ。
コート: 道中着。 黒地。 青紫の太い糸菊?模様。 |
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