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2012.9.23 [日] ハプニング付きの落語

落語を聞きに、昼から国立名人会@国立演芸場に出かけた。
雨だし、体調的にも着物を着る意欲がなく、またも洋服になってしまった。
前座の「寿限無」のあと、桂米福「鮑のし」、歌武蔵は飛ばして、春風亭一朝「淀五郎」で、仲入り。
休憩後は、歌武蔵「鹿政談」で始まって、柳家喜多八「片棒」、曲芸の後、トリが桂米丸「宇宙戦争」。

一朝は、歌武蔵の出番は後になったというだけで理由を明らかにしない。  気を持たせるわね〜
皆ハプニングは何かと興味津々だったが、荷物に羽織が2枚入っていて着物がなく、
着物が届くまで待っていたという。 商売衣裳を忘れちゃだめでしょ。 でも、ありそう。(笑)
ハプニングはそれだけで、噺はスムーズに終わって、ちょっと物足りないような..(爆)

米丸は、まくらが長くて、ひょっとしたら噺よりまくらの方が長かったかも..
でも、長老がお元気に高座を勤められるのを見る・聞くのは、うれしいもの。
ここの落語は、やはり名人会に限るな〜と、全体に楽しく聞いた。

2012.9.21 [金] 羽衣を観る

午前中はチケットを取りにぴあの窓口に行ったりリハビリに行ったり、そこそこ元気だったのに、
午後、気づいたら何故か調子が落ちていて、3時頃には起きていられずダウン。 で、午睡。(笑)
出かけるにはもう準備しなくちゃ..と思いながら動けずにいたら、姉からの電話。
電話が終って直ぐに洋服のまま飛び出して、開演少し前に滑り込んでの能楽鑑賞。
狂言・和泉流「口真似」と、能・宝生流「羽衣 磐渉(ばんしき)」。

狂言「口真似」は主のいう通りにしろと言われた太郎冠者が、愚直に(装って)真似をして、
主を怒らせる曲で、「察化 さっか」と同じような展開。 初見だと思うけれど既視感も..
ただ、「察化」より短くて(多分)、これで終っちゃうの..という印象。
名古屋在住の又三郎家の狂言も何度も観ているのに、
何故か今回に限り、他家との印象の違いを強く感じたのが不思議。

能「羽衣」が以前より華やかな印象だったのは、小書きの磐渉(ばんしき)のためかしらね〜
シテ/天人・金井雄資、ワキ/漁師白龍・福王和幸、地頭・今井泰行など。
シテをはじめとして、能楽師は若手(能楽師としては・笑)。
囃子方は、藤田朝太郎、亀井俊一、安福光雄、小寺佐七。
シテの面は泣増。

2012.9.19 [水] トリートメント、そして

仕立てを頼んでいた帯が出来上がったと連絡をもらっていたし、
着物も今日には仕立て上がる予定というので、今月で完全閉店の青山みともに受け取りに赴いた。
寂しいけれど、最後にこの店らしい帯などとご縁があったのが少し慰めになる。
店長にも急な話だったとのこと。 別の形でもいいから再開して欲しいと思う。

*****
銀座に行くならと、その前に身体の手入れをしてもらった。
ボディは背中から足までのバック、それにフェイシャルに、頭皮マッサージも。
結局2時間半掛かったけれど、お任せして、していただく心地良さと、後の身体の軽さ..
気分転換もでき、実質的にコリも軽くなって、怠け者の私には素晴らしい贅沢な時間。
少し贅沢しすぎとも思うけれど..

2012.9.15 [土] 四天王寺の聖霊会

国立劇場の今年の雅樂公演は「四天王寺の聖霊会」で、チラシも読まずに出かけたら、
始めはあれっ声明だった?と思ったくらいで、声明と雅樂・舞楽を同時に聴き・観ることができた。

長い歴史のある四天王寺楽所の舞が、旧四天王寺楽人の指導を受けた人々を中心に、
研鑚・努力を重ねて今も伝統継承されているとは、職業としてではないだけに感嘆しながら
その素朴な雰囲気も含めて楽しんだ。

今まで雅樂・舞楽は宮内庁楽部の演奏・舞しか知らなかったので、
楽部の演奏・舞がいかに洗練されているかも分かって、それも感慨深かった。

*****
終演後は、夜の予定には間に合わないのでアッサリ諦めて、ノンビリと今週2度目の可否道通い。
ブレンドに海苔トースト、お替りのコーヒーはアメリカン。
文楽の人は帰った後だろうと思っていたが、雅樂の後の方々が多かったようで、満員盛況。

*****
塩沢絣(単衣)。 藍色地。 黒・鼠縞に黒の飛び柄。
八寸帯。 紋博多。 白地、多色の縞。 「恵比寿細工」
五嶋紐。 焦げ茶色、片端は白色と茶色。
絽縮緬の帯揚げ。 灰色。 丸紋入り。

暑さの中、着物で出かけたが、雷雨の心配もあり、10日前にも着た着物。
帰ってから風を通すためハンガーに下げて、背中の柄の脇にに少し縮みがあるのに気づいた。
汗で縮んだのでしょうね〜 う〜ん..

2012.9.14 [金] お見舞いに

父の命日だが、墓参りはもう少し涼しくなってからにして、再入院中の弟の見舞いに出かけた。

例年、母のお供をして父の墓参りに行っていたが、母が今年はもういい、行かないと言う。
暑い盛りの8月下旬に聞いた時だけでなく、9日に行った時にも行きたいと言わない。
近年は義兄の車で、昨年は車椅子も借りて行ったのに、墓所はそれなりに広いから、
暑さの続く中、体調・体力に自信がなくなっているらしい。
父が83年に亡くなってから30年近く続いていた命日の墓参が終った。
無理しても仕方無いし.. でも、母が衰えをそれだけ自覚しているのかと、それが寂しい。

姉も私も予定を空けてあったので、母が行かないなら墓参はもう少し涼しくなってからにして、
弟のお見舞いを優先させて、一緒に出かけることにした。
まだまだ元気だし、逆縁にならないよう弱音を吐かずに治療すると約束したものの..
お大事に.. そして、どうぞ頑張ってね〜 

2012.9.12 [水] 文楽 第一部

一昨日に続いての文楽鑑賞で、今日は第一部。
昨夜はよく眠れず体調が悪かったけれど、どうにもならないことにクヨクヨしても仕方無い。
気力不足で着物は止めて洋服になったが、兎も角も出かけて、どうにか開演前に滑り込んだ。
「粂仙人吉野花王 くめのせんにんよしのざくら」と、「夏祭浪花鑑」。

「粂仙人吉野花王」は歌舞伎の「鳴神」で、観たいと思っていたが今まで機会がなく、私は初見。
国立劇場では平成3年以来21年ぶりの上演だそう。
歌舞伎の「鳴神」に比べると、文楽の方がアッサリしている感じだが、私は結構好きだった。
花ますを千歳大夫、粂仙人を三輪大夫、三味線を團七などに、人形遣いは清十郎、玉也など。

「夏祭浪花鑑」は、「住吉鳥居前」、「内本町道具屋」、「釣船三婦内」に、「長町裏」の各段。
私が初めて観た文楽がこの「夏祭浪花鑑」で、玉男さんの遣う団七九郎兵衛に心を鷲掴みされ、
文楽にはまったのだった。
家に溜まっているパンフを見たら、平成5年の9月だから、いつの間にか、
私の文楽鑑賞も、もう20年目に入ったのかと、自分でも今更ながら感嘆。(笑)

「三婦内」の切を語る予定の住大夫が休演で、文字久大夫が代演。
文字久は「道具屋」の奥を語った直ぐ後で、どうかと思ったが、頑張って語っていた。
「長町裏」は、団七を源大夫、舅の三河屋義平次を英大夫の掛け合い。三味線は藤蔵。
襲名の頃から体調を悪くしていた源大夫さんは、お声が小さい。
やっぱり体調が回復していないのでしょうね〜
人形遣いは、団七を玉女、義平次を勘十郎、三婦を紋壽、徳兵衛を玉輝、徳兵衛女房お辰を蓑助、
団七女房お梶を勘壽、玉島磯之丞を勘彌など。
第二部で遊女梅川を遣う勘十郎が、ここでは義平次を遣っていて、この人の幅広さは見事。

人形遣いは蓑助さんも文雀さんも出演されたし、三味線の寛治さんはお元気そうだけれど、
清治さんは休演で、住大夫さんの休演もあって、源大夫さんも体調に不安があるとなると、
これからの文楽が少し不安。 中堅のみなさんに頑張ってもらわないと..

2012.9.11 [火] パフェからパフェ

突然の体重増で自制していたものの、少しはいいだろうと、ランチは2ヵ月ぶりのフランス料理。
日本橋に出かけ、オーグードゥジュール・メルヴェイユに入れていただいた。
オードブルは、野菜のパフェ! を選択。
南瓜のムース、トマトのジュレなどに、いろいろの野菜が入っていて、楽しい。
魚は、カダイフ(小麦粉で作った極細い麺状の食材)で包んで揚げたもの。
サクサクした食感と、敷いた胡瓜等の野菜のやさしさに、梅と紫蘇のソースが爽やか。
肉は、ハンガリーの国宝豚マンガリッツァのソテー。
添えられた夏野菜との取り合わせが、彩りも味もうれしい。
デザートは、トロピカルフルーツを使ったエキゾティックパフェにして、
パフェ仕立てのオードブルで始まりデザートもパフェで終わることに独りでニヤリ。(笑)
ウェルカムシャンパンに、白ワインも頼み、サービスのアミューズもプチデザートもペロリで、
今日もしっかり食べて飲んで、満腹満腹。(爆)

*****
腹ごなしに京橋に移動し、「建築を彩るテキスタイル展−川島織物の美と技」@LIXILギャラリー。
狭いギャラリーだけど、じっくり楽しく拝見。
京都に行くことができたら「織物文化館」に寄らなくちゃ..と心にメモ。
来月19日(金)の夜、講演会「川島織物・今につなぐ美と技」があるらしい。
聴きたいと思うものの既に予定があってダメ。 どなたか、レポートをしてくださらないかしら。
建物好き、内装好き、織物好きな方々、いらっしゃいますよね〜 どうぞよろしく。 ペコリ。
かんからさん、どうでしょうかねぇ〜 と勝手に期待。(爆) 

*****
夜、思いがけない辛い連絡が入った。
多少の覚悟はあっても、まだ早過ぎるとしか言いようがない。

2012.9.10 [月] 文楽 第二部

今週は文楽鑑賞週間(笑)で、第二部から観に行った。
「傾城阿波の鳴門」と「冥土の飛脚」。

「傾城阿波の鳴門」は、「十郎兵衛住家の段」。
語り・三味線は、前が津駒大夫・寛治、後が呂勢大夫・藤蔵。
人形遣いは、女房お弓を文雀、阿波十郎兵衛を玉也、娘おつるを紋吉など。
藤蔵は休演の清治の代演。 前日は急病で休演の文雀は、1日だけの休演で復帰。
観始めた頃はお元気だった文雀さんだが、近年は足腰もお顔の表情にも急速にお歳を感ずる。
この日も段差を動く時は介助つき。 でも、人形の表情は素晴らしい。

「冥土の飛脚」は、「淡路町の段」、「封印切の段」に、「道行相合かご」。
「淡路町」を咲大夫・燕三、「封印切」を嶋大夫・富助で、「道行」は掛け合い。
人形遣いは、忠兵衛を和生、梅川を勘十郎、母妙閑を勘彌、八右衛門を文司など。
歌舞伎の「封印切」では敵役の八右衛門が、文楽では友達思いの男なのが一番大きな違い。
それだけに、短気と見栄で自滅する忠兵衛のダメ男ぶりの印象が強く、
惚れているとは言え、その道連れに成る梅川が一層哀れ。
先日ラジオで某大夫が、文楽はダメな男と哀れな女の話だと語っていたけれど、本当。

*****
小紋(単衣)。 京友禅。 灰白・消炭色で、葡萄文。
名古屋帯。 遠州本麻。 手描き友禅。 渋〜い色合いで、柳に、色紙に桔梗などの花柄。 (お初)
五嶋紐。 赤茶色、片端は白色と赤茶色。
絽縮緬の帯揚げ。 海老茶色。 絞り入り。  (お初)

2012.9.8 [土] 能楽鑑賞

暑い昼下がりに、国立能楽堂の普及公演を観に行った。
解説・能楽あんない「龍田の神々」、狂言・大蔵流「庖丁聟」、能・金春流「龍田」。

狂言「庖丁聟」は、数ある聟入りもののひとつだが、私は初見だと思ったら、
上演が稀な曲で、国立能楽堂では初演だとか。
聟入りの作法を知人に尋ねたところ、庖丁の作法でなく相撲の取り方の文書を偽って渡され、
信じ込んで、庖丁でなく相撲を始めた聟に、事情を呑み込んだ舅が調子を合わせてくれて..
舅の大人の対応・優しさに、その後のてんやわやの楽しさ。
シテ/聟・山本則孝、アド/舅・東次郎、アド/太郎冠者・則秀、アド/妻・則重、
アド/教え手・則俊。

能「龍田」は、紅葉の龍田川に関わる曲。
前シテの巫女も後シテの龍田明神も華やかで、最後の神楽も楽しく鑑賞。
シテ・桜間右陣、ワキ・高井松男、アイ・遠藤博義、地頭・本田光洋など。
囃子方は、赤井啓三、幸清次郎、亀井実、三島元太郎。

*****
上代お召し(単衣)。 灰色地、 花織「花楼漫」。 (木村竜之・染)
名古屋帯。 夏紬。 茄子紺色。 灰みの紺色の暈しの丸。
五嶋紐。 青鼠色と黒のような濃い焦げ茶の縞。
絽の帯揚げ。 薄鼠色。
麻の台の草履。 鼻緒・巻は革。 薄茶色、臙脂色入りの鼻緒。 (沙織)

2012.9.7 [金] 閉店ショック

歌舞伎見物を楽しんで銀座に回ったら、コアで一度に落ち込む大ショックに遭遇。

青山みともが閉店というか..
シャッターが下りていて、臨時休業の張り紙。 棚にも壁にも、着物も帯も小物もない。
1週間前の8月末日から閉まっていると他店で聞いて、戻って聞いたら社員にも突然だったとか..
千葉よしのさんの冷染めの帯に舞台から飛び降りてしまってから、まだ10日。
着物・帯の仕立ては今月中にあげて納品も済ませ、今月末で完全に閉店だそう。
紬系も多く、私の好みにも合っていたのに、突然の閉店に呆然として、ただ驚くのみ。

和服離れが進み、呉服店の倒産・廃業が続いているとは聞いていたが、
それにしても、この店までとは.. これから着物は..と思うと、本当にとっても心配。

*****
KWでご紹介のあった山口伊太郎氏の「源氏物語錦織絵巻展」に行って、
素晴らしい織を拝見して感嘆しても、気分転換にはならず。
道の反対側の「ぶどうの木」でデザートとコーヒーで気分転換を図るが、やっぱりショックは癒えず。

日本橋に移動し、真空パックでない栗きんとん@恵那の寿やを買い、
母に頼まれたものを買ってから、漸く思い出して、
生誕125年 東と西の出会い「バーナード・リーチ展」を駆け足で観た。
7月下旬に行った日本民藝館での展覧会と同じ(ような)作品もあれば、雰囲気の違う作品もあり、
両方観られてよかったと思いながら、観て回った。

*****
帰宅して、栗きんとんでお茶をいただいても、ショックは消えない。
本当にまあ..

2012.9.7 [金] 歌舞伎・昼の部

火曜日に続いての秀山祭九月大歌舞伎で、昼の部を見物。
「菅原伝授手習鑑 寺子屋」と、「天衣紛上野初花 河内山」。

「寺子屋」は、休演の染五郎に代わって吉右衛門が松王丸、吉右衛門の代わりに梅玉が源蔵。
福助の千代、芝雀の戸浪。 あと、又五郎、孝太郎、錦吾など。
吉右衛門の松王丸が大きくて素晴らしい。 ただ源蔵の影が薄い感じで、少し..

「河内山」は、吉右衛門の河内山に、梅玉の出雲守、魁春の後家おまき、歌六の和泉屋清兵衛、
又五郎の高木小左衛門、錦之助の数馬、米吉の腰元浪路など。
吉右衛門の河内山も梅玉の出雲守もとってもよくて、楽しく見物。

*****
泥大島紬(単衣)。 茶黒色地。 いろいろの柄を段に織ったもの。
名古屋帯。 夏紬。 藍色地。 蔓草?柄。
五嶋紐。 極薄桃色。 (お初)
紋紗の帯揚げ。 紺色と白の染分け(紺色を出して)。
下駄。 黒塗りの台。 小千谷縮の鼻緒。
アタ織り網代トートバッグ。 内側は多色の銘仙。

終演後、新橋演舞場→銀座→京橋→日本橋と歩き、展覧会にも寄ったりしたら、汗ビッショリ。
う.う. まだまだ夏だわぁ..

2012.9.5 [水] 能楽で俊寛を初見

定例公演@国立能楽堂の今日の番組は、狂言・和泉流「栗焼」と、能・喜多流「鬼界島」。

狂言「栗焼」は、栗を焼くよう主に言いつけられた太郎冠者の、言わば、独り芝居。
焼く様子の楽しさ、理屈を付けて一つ味見して止まらず全部食べてしまう件、主人への言い訳。
楽しさ・おかしさを、存分に味わった。
シテ/太郎冠者・野村萬、アド/主・野村萬蔵。

歌舞伎では数多く観ている「俊寛」も、お能では今まで観る機会がなく今回が初見。
他流では「俊寛」と題するようだが、喜多流では「鬼界島」だとか。
歌舞伎との違いも含め、興味深く鑑賞。
シテ/俊寛・香川靖継、ツレ/成経・内田成信、ツレ/康頼・佐々木多門、
ワキ/赦免使・殿田謙吉、アイ/船頭・野村万緑、地頭・友枝昭世など。
シテの俊寛は生きている成人男子ではあるものの、直面でなく「俊寛」という専用の面を使用。
被り物は、プログラムの写真と違い頭巾でなく、後も短いもののあれも黒頭なのかしら。

*****
塩沢絣(単衣)。 藍色地、黒・鼠縞。 黒角の飛び柄。
八寸帯。 博多織。 羅。 間道・葡萄唐草文。 薄ベージュ、薄緑・薄紫・水色。
五嶋紐。 白に薄緑・銀入り、一方の端は薄朱色。 (お初)
紋紗。 薄緑・極薄緑の変わり市松。
梅茶色のアタ編の台の草履。 白革の巻。 白黒格子の鼻緒。

2012.9.4 [火] 歌舞伎・夜の部

7・8月は体調的に少し抑えた観劇も、秋の声を聞く9月にはもういいだろうと、従来どおり復活。
チケットを取った時には、こんな暑さが続くとは思ってもいなかったけれど。

今週は、歌舞伎と能楽を2回ずつ。
まずは吉右衛門が中心の、秀山祭九月大歌舞伎@新橋演舞場の夜の部を見物。
「時今也桔梗旗揚 ときはいまききょうのはたあげ」と、「京鹿子娘道成寺」。

「桔梗旗揚」は、吉右衛門の武智光秀(明智光秀)に、歌六の小田春永(織田信長)。
あと梅玉、魁春、芝雀、又五郎、錦之助など。
歴史で習った(知っている)つもりの織田信長・明智光秀とあまりに印象が違っていて、
随分前、初めてこの芝居を観た時には、驚いたものだった。
歌舞伎では、光秀は主殺しの謀反人ではあっても、悪人には描かれていない。
傲慢・横暴な春永(信長)と、智将の光秀の、相性の悪さのような関係があって、
春永から受けた恥辱の数々に耐え切れず、ついに光秀の怒りが爆発した感じで、
いわば続くパワハラに耐え切れずに反乱した無理からぬ体に見える。
でも明るいとは言い難い筋・展開なので、あまり好きな芝居ではない。

が、好き嫌いなど忘れてしまうような、見応えのある舞台だった。
吉右衛門は無論、大怪我で休演の染五郎の代演で急に春永を演った歌六もよくて、
見損なわずによかったと思った。

あと、芝翫を偲んでという「娘道成寺」は、福助の花子で、松緑の押戻しがつく。
鐘供養より押戻しまでというものの、道行がカットされ所化とのやりとりがない等々、
いつもとの違いに寂しさも。

*****
大島紬(単衣) 緯・絹、経・綿。 泥染。 黒に白灰の横絣。 「霞」
八寸帯。 京くみひも三軸組織。 辛子色系。 変わり斜格子。「綾ひと衣」
(三田清冶・染、室門耕一郎・組織)
五嶋紐。 極薄緑色に茶色入り。
絽ちりめんの帯揚げ。 黒色。 薄茶色の小さな野菜が並んだ柄。
下駄。 濃い茶色のたたみ表の台。 薄茶色に薄紫鼠色の七宝文の鼻緒。

1日に単衣を着たので、もう薄物に逆戻りはできず、
でも、とっても暑いので、経が綿の大島紬を着たけれど、やっぱり暑かった。(笑)

2012.9.1 [土] 10周年記念パーティ

着物好きがネットで繋がった真楽の10周年!
私の参加は半分の5年だけど、記念パーティに参加し、楽しい午後を過ごした。
訪問着から浴衣まで、それぞれの個性を表した着物姿が60名も集まると、本当に華やか。
久しぶりにお会いする方が多いものの、初めての方も含め、いつも通り違和感がないのが嬉しい。
準備に実施に活躍くださったメンバーに感謝しながら、お近くの方々と話し、飲み・食べた。
朝からの度々の雨に、パーティ中にも強い雨が降ったものの、往き帰りは降られず、
真楽パワー効果かしらと、ニコニコ。
パーティの後は、夜の用事のため速攻帰宅したのが残念ながら、出席できて本当に楽しかった。
ありがとうございました。

*****
訪問着(単衣)。 本塩沢。 白地に200色の縞。
袋帯。 絽綴。  市松秋草柄。 銀鼠色地、空色・桃色入。 (まいづる「羽衣」)
五嶋紐。 薄緑色、銀糸・一部に薄橙・紫入り。
絽の帯揚げ。 青・空色の染分け。
薄いパ−プルシルバーの台の草履。 白色の皮シコロ織の鼻緒。 (長谷川商店)

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