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2013.11.29 [金] あちらこちらに

小旅行から深夜に帰宅して、2日間は疲れ休めみたいに何となくグタッとしてしまったので、
今日は一転、朝からあちらにこちらに忙しく動き回った。

洗濯機を2度回し干し終わってから、3週間も前の検診結果を聞きに医者に行った。
検診の結果は、問題個所はいつもと同じで、来年までこのまま要観察。 
大腸ガン検診は、2度のうち1度が引っかかって、以前と同じ病院に紹介状を書いてもらう。
予約を取って.. また内視鏡検査になるのでしょうね〜  年内に済むかしら?

*****
その後は、また今月も1度だけになってしまった食いしん坊で、天ぷらランチ@みかわ是山居。
季節ものの追加はなしのランチコースだけでいいかと思っていたのに、
どうしますかと訊かれて、やっぱり頼んでしまう食いしん坊。(笑)

3品の付出しのあと、車えび2本・兜2つ、きす、烏賊2つ、季節のハゼ、穴子。
めごちの替りに今月もハゼ。 季節的にはうれしいけれど、めごちをそろそろ食べたい気もしている。
途中の口直しの野菜は銀杏、お吸い物は菊花風の海老真薯で、ともに先月と同じ。
季節種はタラの白子だったが、私のは他の方の3分の1くらいの大きさで、
形状にこれは..と思ったら、ピンポ〜ン。 特別にフグの白子だった。
客に出すにはまだ小さいので、今月はタラの白子を揚げているそうだが、
私にはフグを出してくれたのがうれしく、小さくてもニンマリ、ペロリ。
選択の野菜2品はアスパラと椎茸にして、小柱のかき揚げは天丼。 蜆椀と香の物も美味しい。
デザートのお福豆もいつも通りのうれしい味。

*****
満腹、満足の後は、両国の江戸東京博物館の開館20周年記念特別展を見に行った。
「明治のこころ モースが見た庶民のくらし」
近いのにあまり行かなくて今回で3度目くらいだから、もう20周年なのかと時の経つ速さに驚く。
初めて見る物もあるけれど、懐かしい風景、懐かしい物もいろいろあって、ゆっくり見て回った。
足が疲れたと思ったら2時間近く経っていた。
常設展示室の企画展「幕末の江戸城大奥」も、ざっと見てから移動。

上野のトーハクに、特別展「京都 洛中洛外図と障壁画の美」を見に回った。
12月1日の日曜日に終了なので、終了の3日前。 土日よりはいいだろうと出かけて正解。
金曜日は夜8時まで開館していて昼間ほどには混まないことが多いから平気だろうと思った通り、
それなりに混んではいたたものの、混雑というほどではなかった。
が、最初の「洛中洛外図屏風」の「舟木本」の前は、人がギッシリで、
並んで待っている人の列もそこそこの長さ。
待つのが嫌いな私はガラスの前まで行けなくてもいいと、後方の人の間から見て次に回った。
他はそれほどの混み方ではなく、スムースに一回りしてから、少しは空いていた「舟木本」を再見。
その後、本館の国宝室、仏像などを見てから退館。

甘味で一休みしようと、みはしに寄って、甘味の前に茶飯おでん定食を頼んだら、
おでんはいつも通りの味だったけれど、今日は茶飯が少し..
初志貫徹で甘味も食べる。(笑) 餡を粒餡にしてもらって、白玉小倉あんみつ。

2013.11.27 [水] 八重山諸島へ小旅行

24日の午後に出発し26日の夜遅く帰る八重山諸島へのツアーに参加。
石垣島、西表島&由布島、竹富島、小浜島と、先島諸島のうち八重山諸島は概ね訪問。
どうせなら宮古島にも行きたかったのだけれど、日程的に都合のよいツアーが無く今回は諦め。

石垣島のサンゴ礁でできた地底洞は島の鍾乳洞としては予想以上の広さで楽しかったし、
西表島のマングローブ林クルーズも楽しめ、巨木も見応えあり、
由布島に水牛車で海を渡ったり、竹富島の赤瓦屋根の集落を水牛車でノンビリ回ったり、
石垣島では、島踊りも見てグラスボート遊覧もして.. 楽しく行って来られてニコリ。

*****
実は、この時期に5〜6日くらい京都にでも行きたいと思っていたのだけれど、
9月下旬に宿を取ろうとしたら、紅葉の時期で満室ばかり。
ならば暖かい所に行こうかとツアーをチェックしていた時に来た息子にひょいと聞いてみたら、
行ってもいいよとの返事で、初めての親子旅行になった。

2夜とも食後に飲みに出るのに付き合って、島の夜を経験できたのも、ちょっと楽しかった。
特に1日目の店は地元の方の集う店で、つまみに頼んだ料理も雰囲気も楽しめた。
2日目はその店は休みだったので別の店。 居酒屋と日本南端の餃子専門店とかをはしご。
1人だったら行かないから、それも楽しい体験だった。

退職時に貰った旅行券を使わないまま持っていたので、旅行代金はそれを使って私が払い、
家を出てから戻って別れるまで、オプション代や飲食費など追加費用は息子持ち。
無論、私の負担の方が断然多いものの、旅行券の使用で直接の負担は少しで済んだから、
負担感が無くて、旅先の出費は息子担当だから、まるで招待旅行みたいな気分。(笑)

残念だったのは、2日目の昼食後に口を漱ごうと指輪を外したまま忘れてしまって失くしたこと。
プラチナとゴールドのコンビのと、ゴールドの細工物との2つ。
もう25年〜30年くらい、もしかしたらもっと長い間、使ってきた使い勝手のいい愛用品。
気づくのが遅くて、慌てて戻ったものの、やはり無くて事務所にも届いていない。
好きな指輪を失くしたショックで少し凹んだが、
まあ減価償却は済んでいるだろうし(爆)、指輪で済んでよかったと思うことに..
これからは外で外したら必ずバッグに入れるなど注意しようと自戒。

2013.11.22 [金] 3ヵ月ぶりの落語

国立演芸場で年に1回3日連続で行われる五代目圓楽一門会の初日公演を聴きに行って来た。
今年はこの時期に旅行したいとパスするつもりでいたが、思うに任せず短い旅になったので、
3日のうちではこの日の噺家で聞きたいと思ったのだけれど、当たり前かもしれないものの、
噺家によって上手い・下手が随分はっきりしているわね〜が印象。 
思わぬハプニング?で少し遅刻したので、1人目はロビーのモニターで聞いて終わってから入場。
仲トリの鳳楽でホッとして、トリの圓楽(6代目)も相変わらず聴かせるし、それなりによかった。
が、圓楽の噺が「ねずみ」で、8月に聴いた歌丸と同じだったので、無意識に比べてしまう。

終演後は、また可否道で店主とおしゃべりしながら珈琲で休憩。
新聞に載ったという記事を見せてもらったりしていたら、1時間経っていて時間の経つのが早い。

*****
塩沢紬。 草木染。 黒色。 「泡沫の優暈」 (林宗平)
爪掻き本つづれ帯。 白色系の地色に、紅葉する山々のような模様。
五嶋紐。 白色。 房は薄桃色。
草木染の帯揚げ。 たんから染。 極薄橙色? (松原)
黒色の本漆台の草履。 黒・白色の五嶋紐の鼻緒。
コートは前日と同じ。

前帯は一方にしか柄がないのを忘れていて、締めるときに慌てた。
逆巻だと、いつものように無意識に身体が動くわけもなく、理屈を考えながら締めたものの、
お太鼓の柄の出方も気に入らず、結局締めなおす羽目になった。
逆巻で苦労しないためには少し練習が必要だわね〜

2013.11.21 [木] 幕見で再見のつもりが楽をして

2日に前半をパスしてしまった歌舞伎座の顔見世大歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」の昼の部、
観損なった「刃傷」と、ついでに「切腹」・「城明渡」を続けてもう1度観たいと、幕見するつもりが、
幕見席で座って観るには9時頃までには並ばないとダメらしく、体調的に行かれないままだった。
が、運よく3階席1列目を入手できて、ニッコニコ。
2時間遅い11時の開演時刻間際でいいのがありがたい。

通し上演時の人形の口上も、大序の初めも、観損なっても構わないと思っていたが、
心構えが違ったのか(笑)、着物を着ても開幕に十分に間に合って、じっくり観て来た。
菊五郎に梅幸の面影を珍しく強く感じて、それが印象深かった。

*****
再開発による一角の建て直しで一時閉店セール中の銀座の店に久しぶりに寄ったら、
担当者が持ってきてくれた反物の中に郡上紬があって.. 大好きな色合い(紺)と生地感に..
着られる枚数には限りがあるのに、どうするんだろう私..(滝汗)

昨日買い忘れてしまった来年の手帳のレフィルを買おうと銀座店に行ったら、
ここでは取り扱いがないというので、ガックリ。
京橋のイデミスギノのケーキとダブルエスプレッソで息をついてから、
無料のメトロリンクバスで日本橋の本店まで回って入手。
デパートによって扱っていない店もあるが、同じデパートでも店舗によるらしいから、
毎年のことだし、どこで買えるか覚えておかないと..

*****
江戸小紋・お召十。 白山紬地。 茄子紺色。 (小林義一染・六谷泰英型)
袋帯。 友禅染め。 金茶色系の地。 紅葉の山並木々・風景柄。 (お初)
伊賀組紐。 焦げ茶色。 薄茶色・薄黄色入り。 (松山好成)
草木染(刈安?)の帯揚げ。 渋い山吹色。 (Kinami)
薄金色台の草履。 金・白色の五嶋紐の鼻緒。
長道中着。 薄灰茶色地。 襷格子地紋。 秋草文。

2013.11.20 [水] 奇跡譚の能

昼からまた国立能楽堂の定例公演を観に行った。
狂言・和泉流「仏師」と、能・観世流「盛久」。

狂言「仏師」は、「六地蔵」などと同じ展開で、
信心からお堂を建てた田舎者が本尊を求めて都にやってきて、すっぱ(詐欺師)に騙されるものの、
すっぱの化けた仏像が気に入らず手直しを頼むので、すっぱは仏師になったり仏に化けたり..
結局、仏像はすっぱが化けていたことが露呈して..というドタバタがおかしい。
狂言師は、名古屋在住の井上松次郎と佐藤友彦。

能「盛久」は、観世元雅の作で、壇ノ浦の戦いを生き延びた数少ない平家の武将の奇跡譚。
囚われて鎌倉に護送され処刑される時に、信仰している清水の観世音の助けで奇跡が起こり、
赦されて、盃を受け、所望された舞を舞う。
シテの盛久の言葉で始まり、シテとワキの土屋が問答しながら登場するのが独特で、
鎌倉に着くまでの海道下りの地名の数々、シテの潔さとワキの思い遣りも快く、
処刑の場でワキツレの太刀取が光に驚いて太刀を落とすと太刀が折れる奇跡も印象深く、
その後の物着で武将姿になって舞う[男舞]も見応えがある。
シテがずっと直面なこともあって、独特の印象を持ったお能だった。
シテ:野村四郎、ワキ:宝生閑、ワキツレ:宝生欣哉、ワキツレ/輿舁:大日方寛・野口能弘、
アイ/土屋の従者:佐藤融、後見頭:浅見真州、地頭:浅井文義など。
囃子方は、一噌隆之、 飯田清一、安福建雄。

*****
終演後は、顔見知りの知人と何度かお目にかかっているその友人に誘われて、暫くおしゃべり。
主にご友人の方と着物談議になって、気づいたら1杯の珈琲で1時間も経っていて驚いた。

帰りに日本橋に寄って、手帳の来年のレフィルを買う予定が、他の物を買っているうちに失念。
何で覚えていられないのか.. 2つ、3つを1度にしようとすると大体1つは忘れてしまう。(汗)
それにしてもメインの用事を忘れるって.. 我ながら..哀しい。

*****
付下げ。 灰みの藤紫地。 裾暈し、遠山風景?
袋帯。 薄鼠系に青銀・枯れ金地。竹・紅葉・鳥の柄。 睦郎・美の世界「粋」(おりたけ)(お初)
五嶋紐。 薄桃色。 臙脂・金色入り。
草木染(コチニール)の帯揚げ。 紫色。
薄金色の台の草履。 白地に金色の龍村の唐草柄の鼻緒。
道行きコート。 瑞鵬織(二重紗)。 黒・赤色の亀甲花紋。

川島睦郎氏の帯が結構好きで、前回締めた同じような紅葉の名古屋帯があるのに、
この帯に一目惚れしてしまったのが運の尽き(苦笑)、逡巡しながら購入してしまったもの。(汗)
今月締めないと来秋まで締め損なうと頑張って、着物も紬とはいかないから柔らか物。

2013.11.15 [金] 修羅能でも

姉は定期的に整体に行っていて、それで体調をどうにか保っているという話を思い出し、
どうも私の体調が思わしくないのは、身体が凝り固まっているためもありそうだと思いついて、
昼から近くの中国整体で60分の全身マッサージをしてもらった。
ぎっくり腰になりかねないと心配になるほどガッチガチだった身体がいくらか柔らかくなり、
背中が肩から腰まで随分と楽になった。 もっと早く思い付けばよかったのに..
こんなに違ってくるなら、これからは時々揉みほぐしてもらいに行こうと思う。

*****
夜は2週間ぶりの能楽鑑賞で、国立能楽堂の定例公演を観に行った。
狂言・大蔵流「箕被 みかずき」と、能・観世流「通盛 みちもり」。

狂言「箕被」は、前にも観たことがあるが、飛び飛びだった記憶が今回つながって、
ああ、そういう展開だったかと思いながら観た。
連歌に夢中で家に帰るのも忘れる男が、帰ったと思ったら連歌の当番の準備を妻に頼む。
妻が、お金もないし連歌を止めて欲しいと必死に説得するが、聞く耳を持たないので、
離縁を望むと、すぐに承諾して、暇の印に妻の使い慣れた箕を渡すという、覚えている通りの展開。
狂言に出てくる男によくある道楽ぶり、経済観念の無さ..に苦笑気味で観ていたら、
箕を被いだ妻の後ろ姿を見て発句を詠み、妻が脇句をつけると、
妻と連歌ができるなら、外に行かずとも家で妻と連歌をすると言って、
妻との離縁を止め、盃事をし、舞を舞って、めでたく収まるという、狂言らしい楽しさ。
シテ/男・善竹十郎、アド/妻・大蔵千太郎

能「通盛」は、平家の滅亡に伴う平通盛と小宰相局の話。
修羅能でも、修羅の苦しみでなく、愛する者との別れ・愛情が描かれているのが独特。
ツレの小宰相局は前場・後場ともに出るが装束は同じ。
シテの中入りの間は後見座で控えていて、後場でも直にワキ柱の傍にワキと並ぶように座るのが、
おもしろいというか変わった印象。
後シテの通盛が少し柔らかな印象がしたのと合わせて、他の修羅能との違いも感じた。
シテ・角寛次朗、ツレ・角幸二郎、ワキ/旅僧・殿田謙吉、アイ/所の者・大蔵教義、
地頭・武田志房、後見・木月孚行 など。
囃子方は、松田弘之、観世新九郎、國川純、小寺佐七。
面は、前シテ/老人が三光尉(だったと思う)、後シテ/平通盛が今若、ツレが小面。

*****
国立劇場近くの珈琲店の常連のおひとりが着物で来ていらした。
能楽堂でもよくお会いするが、着物をお召しの時にお会いするのは初めてだったら、
歌舞伎座で歌舞伎を観ていらした後だそうで、歌舞伎の時は着物を着るようにしたとのこと。
仕付け糸がついたまま箪笥に仕舞い込んだままだった着物を着始めたというので、私もニコリ。
シックな紬で、とっても素敵。 どんどん着てねと褒めまくった。(笑)
帰りに、もう一人の常連さんに声をかけていただき、駅までご一緒しながら、
着物を着ようと思っていると聞いてから随分経つので、そろそろ貴女も着てねと励ました。(爆)

*****
紬訪問着。 大島紬。 古代染色純泥染。 黒地。 箔散らし柄。
名古屋帯。 薄鼠銀色系引箔地。 紅葉柄。 睦朗・美の世界「紅葉栄樹文」 (都) (お初)
五嶋紐。 橙色がかった茶色のグラデーション。
草木染(刈安?)の帯揚げ。 渋い山吹色。 (Kinami)
雨コート。 紫色。 糸巻の地紋・細乱れ縞入り。 (和田織物)

昼からの雨に、いつものように雨に強い大島紬にして、帯は季節柄のもの。
紬に締めようと買った帯は、引箔地だからベタ紬には難しそうで思ったより使い難くて、今回がお初。
家を出たら雨は止んでいて傘も差さずにすんで、よくもあり何だとも思ったり..

2013.11.14 [木] 花形歌舞伎・昼の部

月曜の夜の部に続いて、花形歌舞伎@明治座の昼の部を見物。
着物で行くつもりで準備していたが、体調的に諦めて洋服。 でも開幕前に滑り込めてホッとした。

序幕は「鳴神」で、右近・笑也の鳴神上人・雲の絶間姫。
次は「瞼の母」で、獅童の番場の忠太郎。
あと、金町の半次郎を松也、金五郎を猿弥、忠太郎の妹・お登世を春猿など。
忠太郎の母・水熊のおはまに秀太郎、半次郎母おむらに右之助が、昼の部のこれだけに出演。
期待以上に見応えがあったが、母役2人のお蔭でグッと歌舞伎らしくなった感じ。(笑)
最後は舞踊「供奴」で、松也の奴松平。
どれも花形らしく若い印象。 

終演後は、明治座の前に移った水天宮の仮宮にお詣り。
銀座から人形町そして浜町(甘酒横丁の明治座寄り)に移った「らくや」を覗いてから、
柳屋で鯛焼きを、双葉でがんもどきと焼豆腐を購入して、帰宅。

2013.11.13 [水] バレエ・シーズン開幕

オペラに遅れること1ヵ月余、新国立劇場のバレエの2013/2014シーズンが漸く開幕。
夜、「バレエ・リュス」— ストラヴィンスキー・イブニング を観に行った。
シーズン初日なのに、平日のためか、観客の装いがバレエらしからぬ地味さで少し驚いた。
いつも通り女性が多いのに、勤め帰りの人が多いのか黒っぽい服の方が多くて華やかさ不足。
でも、バレエは楽しんで観られて、深夜の帰宅も苦にならなかったから文句なし。(笑)

ストラヴィンスキーの音楽を軸に、フォーキン、バランシンそしてニジンスカの3人の振付家による
「火の鳥」、「アポロ」そして「結婚」の3本立ての上演。
私は中でも「火の鳥」が楽しく観られた。 短いけれど人気のクラシックバレエ並みの印象。
「アポロ」の動きは、モダンバレエでもありクラシックバレエでもあるような..
「結婚」の動きも独特で、不思議に印象的な群舞が中心で、ソリスト歌手・合唱団の歌声つき。
バレエと歌声を、ともに楽しめた。

それにしても、オペラよりバレエの方が私の感性に合うことを再認識。
要は、音楽が分からないだけなのだろうが..

*****
付下げ。(訪問着?) 無線友禅・濡れ描。  薄鼠色地に暈し。 秋草文。 (に志山) (お初)
袋帯。 茶色系に金糸。 (じゅらく「浜田庄司文様」) (お初)
伊賀組紐。 灰・白・金色。 (松山好成)
極薄い青磁色の帯揚げ。 金糸の七宝柄など入り。
金彩暈しの草履。 鼻緒・草履天・踵に金彩の市松色紙など。 (お初)
道行コート。 絵羽。 葵文。 (小倉淳史)

着物は1日の古典の日に着る予定で仕付け糸も取っておいたのに着損なった付下げ(訪問着?)。
桔梗文や菊文、蔦などの秋草模様が染められているので、今月中には着たいと着用。
仮絵羽になっていなかったので付下げだと思っていたし、
仕立てあがったのを見た時は、落ち着いた色目で模様も濡れ描なので地味な印象だったが、
着ると、衽・前身頃から後ろ身頃まで続く絵羽模様のため訪問着の印象で、地味という程でもない。
でも、これから10年どころか15年くらいは着られそう。って、何歳になるのか..(爆)

帯は、古典の日に締める予定だったものでは、バレエ鑑賞には収まり過ぎの感があり変更。
陶芸家・浜田庄司の美を表現したという帯にした。
紬に締めるつもりでネット購入したら、画像と実物と印象が違って、
茶色系と言っても金糸が目立ち、合わせられる紬は限られそうで、今回の着用になった。
実物を見ないでの購入は難しいと思う。(なのに、つい購入しては反省を繰り返したり..)

2013.11.12 [火] 生命力

朝顔の生命力に驚嘆している。

涼しいを通り越して寒くなった今月11月になっても、まだ花を咲かせる凄さ。
夏も終わった頃になって漸く芽を出してきたのが何本かあって、
夏に芽を出さないなら来年まで待てばいいのにと思っていたが、
しぼんだ花の種を取るため撤収しないでおいたら、蔓は伸びないまま、
あちらで一輪こちらでも一輪と、気づくと花が咲いている。
夏に比べれば小さな花だが、芽を出したら花を咲かせ種を作るという植物の生命力の素晴らしさ。
昨年より今夏(今秋?)は遅くまで季節外れの花が多かった。

来年はもっと早く種を蒔いて、夏の盛りに全部花を咲かせられるようにしてやりたいと思う。

2013.11.11 [月] 花形歌舞伎

明治座の花形歌舞伎の夜の部を観て来た。
獅童を中心に、右近、笑也など澤瀉屋と、澤瀉屋常連の門之助、それに松也などが出演。

幹部連出演の歌舞伎座の顔見世と、藤十郎を中心とした国立劇場の歌舞伎を観た後では、
当然ながら小粒で比べるわけにはいかないが、花形の歌舞伎としては、まあ、悪くない。
観なくていいかと思いながらもチケットを取ったのだが、観てよかったと思った。

初めが、獅童の粂寺弾正で「毛抜」。
團十郎に習ったのだろうと分かる弾正で、團十郎の大らかな愛嬌はないものの、
義太夫狂言でない、こういう役は合っているのかもしれないと思いながら観ていた。
あと、門之助の小野春道、笑也の小野春風、松也の秦民部、猿弥の八剣玄蕃、
笑三郎の腰元巻絹、春猿の秦秀太郎、弘太郎の八剣数馬など。

「連獅子」は、右近・弘太郎の親子獅子。
身体もよく動くしキリリとしていい。 が、華やかさには欠ける。 華ってホント難しい。

「権三と助十」は、獅童の権三に松也の助十で、笑也の権三女房おかん、弘太郎の助八、
右近の家主六郎兵衛、笑三郎の小間物屋彦三郎、猿弥の左官屋勘太郎など。
賑やかに可笑しく、中で家主の右近の上手さが目立った。
それに、赤姫ばかりだった笑也が、若衆だけでなくこんな役をするようになったのが楽しい。
ただ、この顔ぶれだと、歌舞伎なのか江戸を舞台にした芝居なのか、という気分も..

全体に、花形歌舞伎としては悪くないのに、1階から3階まで空席が結構あって、少し寂しい。
松竹の取り扱い分は全日程売り切れだったから、劇場分が残ったのだろうが、
もう少し多くの座席を松竹で販売したらいいのにと思っていたら、
20日以降の公演は松竹でもまたチケットを販売している。もっと早くそうすればよかったのに..

*****
泥大島紬。 黒みの茶泥。 細かい総柄。
八寸帯。 胡粉色地。 紅葉した木立の柄。
灰色に、薄い灰色の入った帯締め。 撚り房。
ちりめん紬の帯揚げ。 灰薄緑色と灰茶色の染分け、中央は白茶。 京友禅(雪華)
ラバーソール台の草履。 濃深緑色の天・鼻緒。 (菱屋のカレンブロッソ)
金泥バッグ。 焦げ茶色に金・黒。
道中着。 黒地。 青紫糸菊模様。

出かけようと外に出たら雨。 降るとの予報の昨日は降らず、降るはずじゃない今日に雨とは..
大急ぎで、和傘を持ち草履などを変えて、そのまま外出。
下に降りたら、もう止んでいて、結局降られないままで、拍子抜け。
余分な荷物を持って行ったのに、何だかな〜と思う。

2013.11.11 [月] あれこれ

8日(金): 検診と予防注射
 検診とインフルエンザの予防注射を受けてきた。
 帰りに大腸がん検診の検査キットをもらう。
 早く提出できれば、検診結果と一緒に結果を聞くことができるそうだけれど..
 がん検診は、今まで乳がん検診だけが有料で他は無料だったのが、今年から全部有料になった。
 受診率が低いらしく、検診を受けるように広報しているのに、何故?と思う。

9日(土): 朗読サークルの発表会
 練習会場のセンターでの発表会。 この発表会に向けての長期間の練習の成果発表。
 センターが開く朝9時に集合で、朝に弱い私は15分くらい遅れてしまった。(汗)
 恐縮して慌てて行ったが、それぞれ時差集合だった。(笑)
 まず会場設営というか会場の準備をしてから、マイクの確認も兼ねて、簡単にリハーサル。
 役員さんが手配してくれたおにぎり弁当とお茶で昼食。
 その後、衣装の準備など。 私は横着して本番の服で行ったから着替えなしで楽。
 午後から、いよいよ本番。 人によっては知り合いも聞きに来ているらしい。

 私は、5話のうち、短い初めの2話に出演し、朗読というより芝居の裏方も担当。
 私がサポートしていた方は、結局、指導の先生が本番直前に出演は無理と判断。
 急遽、私が自分の分と合わせてその方の分も担当して2人分言うことに変更。
 本人は出る気でいたから気の毒だけど、先生との話し合いで了解した模様。
 でも、出演させてあげたいと頑張ってサポートしてきたから、拍子抜けと私には敗北感も..
 その他には特にハプニングもなく、無事終了。

 終了後は、近くのオーガニックカフェでコーヒーとケーキで一息ついてから帰宅。
 サークルの練習日がこの店の休業日に当たってしまっているので、久しぶり。
 夜は、疲労感があって休もうかと一瞬迷ったが、気を取り直して健康講座に出席。
 土曜の講座は先月は初回に出席しただけで後の3回は眩暈などで休んだんだから、
 これ以上休んではマズイと出かけ、頑張っていつも通り1時間の運動。

10日(日): 学生時代の友人と数十年ぶりの電話
 最近は年賀状の交換だけになっていた学生時代の友人から電話をもらって、
 久しぶり(40年ぶりくらい?)に、声を聞き、話しができて、とてもうれしかった。
 大阪の郊外にお住まいなので、会うことも電話で話すこともないまま歳月が経ってしまったが、
 お孫さんの七五三で上京されたそうで、ホテルから電話をくださったとか。
 お互い懐かしさに近況やら何やらと話が弾んで長電話。
 携帯電話の番号を聞き、メルアドを教え合い、今後は少し頻繁に連絡し合いましょうと異口同音。
 新しい今の知り合いもいいものだけれど、昔の友はまた格別。

2013.11.7 [木] 立冬

律儀な気候で、立冬になった途端に冬入りのような..

朝から雨で、強くはないが結構長時間降っていたら、止んでも、体感気温が急に低くなった。
夕方いつものように自転車で健康センターに講座を受けに行ったら、
往き帰りには寒さにちぢこまる感じで、手袋かハンドルカバーが欲しいと思った。

秋は、一雨ごとに深まって、冬になる感じだけれど、それにしても、もう冬? 
気持ちのいい季節、秋が短いのはイヤだわ。

2013.11.6 [水] レインボーレッド

福岡県産のキウイの、レインボーレッドが楽しい。

一般の緑色のキウイとも、黄色のゴールデンキウイとも違う、多分新種のキウイ。
皮はゴールデンキウイに近く、もう少し果物っぽいというか下膨れ?形。
断面は、皮の近くは薄緑色で中央近くに赤色が放射状に入っている。
味も今までの2種とは違い、何とも言えない独特の甘みが強い。

袋に印刷された宣伝文句は、とっても甘くて、すっぱくない新食感キウイ! キラキラ・キウイ。
福岡だけなのか各地で栽培されているのか不明ながら、最近、我が家のキウイ在庫に加わった。
でもまだ、売り場にあったり無かったり。

*****
夕方、ヘアーカットに行って、ほぼいつもに近いボブに切ってもらった。
真夏バージョンで短かったので、伸びるのを待っていたが、襟足にかかるのが気になって、
中途半端な状態だけど切ってもらったら、いつもの内巻ボブにはならず(できず)、
移行期型ボブ。(笑)

2013.11.5 [火] 顔見世大歌舞伎・夜の部

歌舞伎座の夜の部で「仮名手本忠臣蔵」後半を楽しく見物。
でも、食事の後は居眠りが出るから、要注意。(汗)

五段目・六段目で、菊五郎の早野勘平を、改めて、いいわね〜と思う。
前から勘平は菊五郎で観たいと思っているが、「山崎街道鉄砲渡し、二つ玉」も「切腹」も、
文句なしによくて、勘平はやっぱり菊五郎がいい!と思う。
あと、女房お軽を時蔵、母おかやを東蔵、不破数右衛門を左團次、千崎弥五郎を又五郎、
一文字屋お才を魁春、判人源六を團蔵、斧定九郎を松緑。
花形で松緑だけが来月でなく今月の出演なのは、何故なのか?
でも、スッキリいい男の悪役・定九郎だった。  痩せた?みたい。

七段目の「一力茶屋」は、吉右衛門が昼の部から続いての大星由良之助。
遊女お軽を福助、寺岡平右衛門を仁左衛門の休演で替って梅玉。
(初めは平右衛門を演る予定だと思っていた吉右衛門は初めから由良之助で、
 平右衛門は仁左衛門の予定だった。 全くの私の勘違い。)
お軽・平右衛門が、どうも.. 
梅玉の平右衛門には、こういうのもアリかもと思うものの、やっぱり違和感もあり、
福助のお軽も、ちょっと精彩がないような..

最後が十一段目の「討ち入り」で、忠臣蔵らしくスッキリ楽しく観られたが、
こうなると、観損なった「刃傷」を観たい気持ちが大きくなるけれど、幕見できるかしら?

*****
色大島紬。 草木染(五倍子・藍)。 みじん格子。 (東郷)
名古屋帯。 総絞り。 赤香色に白などで、道に木々・花の柄。 (きぬたや)
五嶋紐。 深緑色で、上下・裏は灰色。
暈し入りの鶯色の帯揚げ。 「幻雪」
黒色の本漆台の草履。 黒・白色の五嶋紐の鼻緒。
袖なしの変り長羽織。 大島紬地。 黒・灰色。 (着物に合わせての着用は初めて)

長羽織は、今までは洋服の上に着ていたものの、今回漸く着物の上に着られて喜んだのも束の間、
大島on大島は滑ってダメ。 着物と帯で経験済みなのに、うっかり忘れての着用。(汗)

2013.11.3 [日] 歌舞伎公演@国立劇場の初日

昼からの歌舞伎公演に、着物を着て行って来た。
2日連続で着物を着られず、昨日などは前半は諦めて後半分しか観られなかっただけに、
3日目の正直?じゃないけれど、ちょっとうれしい気分で出かけたのが、自分でもおかしい。

仕事を辞めてからは、土日祝日はお勤めの方が観にいらっしゃるからと、
日にちを選べる歌舞伎・文楽には平日に行くようにしているが、
今月は日にち調整が上手くいかず、珍しく土日連続での観劇になってしまった。
日曜日の初日なのに、空席が結構あるのが少し寂しい。

今月の歌舞伎は、通し狂言「伊賀越道中双六」。
小劇場で9月に文楽で通し上演されたばかりの「伊賀越道中双六」だから記憶に新しく、
文楽に比べると歌舞伎は役者中心だと、今更のように実感しながら観ていた。
役者を強く印象づけるような場面・動き.. 歌舞伎だわね〜と思う。
2部制での上演の文楽に比べ時間が短いため、通しと言っても半通しの感もある。

剣豪・荒木又右衛門が義弟の助太刀をした「伊賀上野の敵討」を題材にした芝居で、
その唐木政右エ門(芝居では)を巡る幕は、座頭の藤十郎は出ず、橋之助、孝太郎が中心。
橋之助の政右エ門、孝太郎の女房お谷で、あと彦三郎、萬次郎、亀鶴、市蔵、亀蔵など。
人気の「沼津」は、藤十郎が呉服屋十兵衛を勤め、翫雀が親・平作、その娘・お米を扇雀で、
親子共演でも、老け役をしない藤十郎と長男の翫雀が逆転の役柄なのが何とも楽しい。
藤十郎の歩み・動きなどは随分遅くなってきたが、年齢を考えれば、それでも若いと感心する。
でも、そろそろ、若くない役で観たいと思うけれど..

*****
紬訪問着。 塩沢。 黒地。 垣の草花模様。
袋帯。 青灰色。 黄・白・紫の菊・桐・垣の柄。 (岡文「菊花良園」)
五嶋紐。 灰みの紫色、片方に薄藤色・金色入り。
濃淡紫色の帯揚げ。
薄金色台に金・白色の五嶋紐の鼻緒の草履。
道中着。 薄灰茶色地。 襷格子地紋。 秋草文。 (お初)

2013.11.2 [土] 顔見世大歌舞伎

昨日が初日の顔見世大歌舞伎@歌舞伎座を見物。
今月は、昼夜で「仮名手本忠臣蔵」の通し上演。
昼の部だけだったのに、何と体調的に前半は諦めての四段目からの見物。(涙)
パスするかとも思ったが、「切腹」と「城明渡し」は観損ないたくないと、
どうにか四段目には間に合う時間に出かけた。
菊五郎の塩冶判官の切腹の場は観応えがあるし、吉右衛門の由良之助もいいし、
四段目はしっかり観られたから、これを見逃さないで済んだだけでもよかった!と思う。
後の「浄瑠璃 道行旅路の花聟」も続けて観たけれど、
「大序」や三段目の「進物の場」などはともかくも、「刃傷」も観たいので、
日程的・体調的に行かれるようならば、幕見したいと思うけれど、どうなるか..

終演後に外に出たら雨。 止みかけてはいたけれど、地下道を通って銀座に出る。
途中、お着物姿で夜の部の見物に向かわれるなずなさんにお会いして、うれしいビックリ。
着物はいいわぁ〜と思いながら暫く立ち話。
後で、まさか開幕に遅れたりなさらなかったでしょうねぇと、少し心配になった。

呉服店に寄って意見を聞いたり、ちょっとした買い物をしてから帰宅。
動けそうなので、木曜日に続いて、健康講座に出席。  後で筋肉痛になったけれど..

13/11/5 なずな
ボーッと歩いていたら、前方から、いつもの上品な笑顔のむかし桜さん!
私もビックリ、で、短い時間でしたが、お話ができて、うれしかったです。
(時間、余裕で間に合いましたよ。)
実は、昨日は昼の部を通しで幕見してきました。
おっしゃるとおり、菊五郎さん、吉右衛門さん、素晴らしかったです。
今、「菊五郎の色気」という本を読んでおり、菊五郎さんへの思い入れが強くなっていて、
もう一度、刃傷の場と切腹の場を観たい!と思っています。(厳しいかな…)
13/11/7 むかし桜
開幕には間に合ったとのご連絡ありがとうございます。(笑)  ホッとしました。
「菊五郎の色気」、私も久しぶりに引っ張り出して写真を眺めました。
思い出させてくださって、重ねてありがとうございます。

2013.11.1 [金] 集中力切れ

お能「道成寺」を堪能した帰りに、日本橋のデパートで用事を済まそうと神田駅で下車。
歩いて向かう途中、三井記念美術館の前を通り掛かったのが4時で、閉館まで1時間あると入館。
特別展「国宝『卯花墻』と桃山の名陶 —志野・黄瀬戸・瀬戸黒・織部—」。
いつも通り、ゆっくり観て回っていたが、半ば過ぎたあたりで、集中力が切れたのを実感。(涙)
年齢のせいも体調のせいもあるだろうが、そうなるまで思いつかない思慮不足にガックリ。
息を詰めてお能を観た後だから仕方ないと自分を慰め、
まだ会期はあるのに、つい寄ったのが悪かったと反省。
後半は、いつもよりざっと見てというか、見ながら通り抜けて、早々に退館した。

デパートで友の会の継続手続を済ませ、来年のカレンダーを貰って、ここでの用事は終了。
でも、催事の大中央区展に寄って、気になったラーメンを食べ、菓子などを購入。
次いで、メトロリンクバスで移動し、母からの頼まれ物と自分用の買い物なども済ませてから、
週2日だけ販売の末富の和菓子が珍しくまだあったので、つい買ってしまい、
更にクリームあんみつ@叶匠寿庵を食べる。

このところ太め安定どころか太め増進中なのに、これじゃ当たり前。(大汗)
いい加減にしなさいと自分に呆れ猛省し、自分を叱りながら帰宅。 ホントにまあ..

2013.11.1 [金] 古典の日に、能「道成寺」

いよいよ11月。 今年もあと2ヵ月だけだと思うと、いろいろあったわね〜と感慨深い。
11月1日は、昨年制定された古典の日。 
国立能楽堂開場30周年記念および古典の日記念の特別企画公演を観に昼過ぎに出かけた。
番組は、仕舞・宝生流「海人」と、能・金剛流「道成寺 古式」。

歌舞伎では道成寺ものを毎年何回か観ているが、基のお能には今まで縁がなくて今回が初めて。
漸く機会があった能「道成寺」の初見なので、しっかり観たいと正面席を取ったら、
幸いに1列目のいい席が取れて、期待一杯。
開演の1時間前の開場に合わせて出かけてプログラムを読んでおくつもりが、体調的にとても無理。
前知識なしでの云わば、ぶっつけ本番の鑑賞になった。
用意しておいた着物も着られず、でも、どうにか開幕前に滑り込めて、ホッ。

仕舞「海人」は短い5分だけなので、能「道成寺」への助走の感。(笑)
期待の内に「道成寺」が始まり、囃子方と地謡が侍烏帽子・長裃で登場して、期待が膨らむ。
ワキツレの従僧2人を連れて登場したワキの道成寺住僧が、常のワキより存在感のある動き。

そして、狂言方によって鐘が運び込まれ吊り上げられたが、その独特の一連の動きにまず感嘆。
担ぎ棒の前後に2人のアイの能力がついて、4人の狂言鐘後見との6人がかり。
前を担ぐ?能力の東次郎さんは、身長的に棒に手が届かないためか、ずっと爪先立ち!の見事さ。
能力2人で竹竿を使って滑車に綱を通したら、能楽師の鐘後見が吊り上げるが、
吊り上げる後見2人に、後見の腰を押さえる後見の後見?など、5人の鐘後見の動きも見応えあり。
吊り上げた後、能力(の東次郎さん)が舞台を独特の歩調で、脇正面を歩み目付柱近くへ、
更に正面から笛座へと歩んだのが印象的だったら、「鐘楼固め」と言うらしい。

それから前シテの白拍子の登場で、この登場も印象的だが、烏帽子を着けた物着以降が凄い。
橋掛かりの一ノ松から、大鼓が急調に転じたと思うと、シテが舞台に駆け入る迫力。
更に、シテに向かい合うように座り直した小鼓との、2人での真剣勝負とでもいうような展開。
わずかな足遣いだが緊張をはらんだ動きで、時折、面の中での息遣いが聞こえてきて、
真正面かぶりつきで観ていた私も息を詰めて、力を溜めた足遣いに目を見張って観ていた。
これが[乱拍子]だと後で知って、ああ〜、あれが能「道成寺」の[乱拍子]なのかと納得。

そして、鐘入り。  流により型が違うと言うが、何しろ初見だから、目を凝らして注目。
烏帽子を払い、鐘の外から縁に扇を当て、鐘の下に入って飛び上がった途端、鐘が落ちてきた。
シテが飛び上がるのと鐘後見が鐘の綱を手離すのと、見事なタイミング。
落ちてくる鐘にシテが飛び込むと思っていたので、派手さは感じなかったけれど、
シテと鐘後見の息が合わなかったら、数十キロという鐘に頭を打たれて大事になるから、
「道成寺」の鐘後見の役割の重さが分かった。

落ちた鐘の音に驚いた能力2人の掛け合いのおかしさに、緊張感が少し緩んで息をつけた。
鐘が落ちたと聞いて見に行った住僧が従僧に鐘の謂われを語る[カタリ]の後、聴き慣れぬ鐘の音。
鐘の中で後見の手伝いなしに、ひとりで面・装束の付け替えをしたシテが、
準備ができたことを知らせる鐃鉢(にょうばち)を鳴らす音だったと、これも後で知った。
準備ができた+命に別状ない ことを知らせる.. う〜ん、やっぱり凄い。

鐘が上がり、蛇体の後シテが登場してからは、ワキの僧(の祈り)との闘い。
シテ柱に纏い付き、唐織を脱ぐのが印象的だが、これも「柱巻き」というらしい。
僧の法力に負けた蛇体の後シテが逃げ失せるまで、お能「道成寺」を堪能した。

シテ:金剛永謹、ワキ:福王茂十郎、ワキツレ:福王和幸・知登、アイ:山本東次郎・則俊、
地頭:宇高通成、後見頭:廣田泰三、鐘後見:金剛龍謹など、狂言鐘後見:山本則秀など。
囃子方:藤田六郎兵衛、大蔵源次郎、亀井広忠、観世元伯。

面は、前シテが孫次郎、後シテが般若。
後シテの面は、般若でも蛇に近い印象で、恐ろしいというより哀しさを感じた。

大曲「道成寺」の初見に、秋草模様の着物を下そうと前以て仕付け糸を取っておいたのに、
着物を着損なったのだけが少し心残りだったけれど(爆)、満腹状態で能楽堂を後にした。

長らく観たいと思っていた「道成寺」だが、縁ができたら不思議なもので来月にも観る予定。
数年間チャンスがなかったのに、おもしろいな〜と思う。

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