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2014.10.31 [金] 雪景色 |
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夜は古典の日記念〈雪景色〉という文化庁芸術祭主催の企画公演@国立能楽堂に出かけた。
末とは言えまだ10月なのに雪景色!?と思わないでもなかったが..(笑)
番組は、新作小舞「雪づくし」と「雪逍遥」、舞踊・筝曲「鉢の木」、能・金剛流「雪」。
最初の新作小舞2曲は、作詞・作曲・作舞すべてを舞手自身が工夫を凝らしたものだそうで、
「雪づくし」は野村万作、「雪逍遥」は山本東次郎の、2人の競演。
短いと言っても小舞としては通常の長さの「雪づくし」と、小舞にしては長い「雪逍遥」で、
趣きは全く異なるものの、どちらも目も耳も惹きつけられる狂言小舞だった。
次が、舞踊・筝曲「鉢の木」で、能「鉢の木」の内容を縮約し1曲にまとめた山田流筝曲があって、
今回その曲をできるだけそのまま活かしながら初めて舞踊化したものだそう。
山勢松韻さんなどの歌・筝は何度か聞いていて好きだけれど、舞踊には殆ど馴染みがないので、
どんな感じだろうかと漠然と思っていたが、知っている話で内容が分かるためか、
とても楽しく観ることができて、こういう舞踊もいいわね〜と思った。
最明寺入道時頼:西川箕乃助、佐野源左衛門尉常世:花柳寿楽。
歌・筝:山勢松韻・武田祥勢・奥山益勢、歌・三弦:山勢麻衣子に、
笛:福原徹、小鼓:望月左太郎、大鼓:福原百之助 など。
最後が、能「雪」で、現在は金剛流のみで舞われるそうで、小書「雪踏之拍子」つきでの上演。
1場だけの能で1時間弱と短いけれど、キリリとした中に優しい感じもある雪の精が印象的。
足拍子で音を立てないのは、雪を踏みしめ舞う心だそうだが、これも印象的。
シテ/雪の精:金剛永謹、ワキ/旅僧:宝生閑。 地頭:今井清隆。
笛:一噌仙幸、小鼓:大倉源次郎、大鼓:安福建雄。
シテの面は、かつて秀吉が愛蔵した雪月花の小面のひとつの、龍右衛門作の「雪の小面」。 |
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2014.10.28 [火] 至高の芸—狂言 |
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帰宅後少し休んでから、気分転換に、夜は予定通り狂言を観に行った。
東京文化発信プロジェクトの「至高の芸、そして継承者—狂言」@国立劇場で、
3人の人間国宝がそれぞれの継承者と共演する。
和泉流の「三番叟 神楽式」は、野村万作の三番叟で、千歳は萬斎。
笛は一噌隆之、小鼓は大倉源次郎に脇鼓が田邊恭資と飯冨孔明、大鼓は亀井広忠。
地謡は石田幸雄、高野和憲、月崎晴夫、内藤蓮で、後見は深田博治と中村修一。
幕から一歩出た橋掛かりでの後見(多分)による切火で開幕。
三番叟と千歳とのやり取りがあったりして、能の翁での三番叟より時間的にも長く、独特。
じっくり拝見しながら、万作さんの80代とは思えぬ身のこなしには感嘆するばかり。
中盤にぴょんぴょんぴょんと跳ぶところは、軽やかとは言えないが心配することもない動きで、
若い頃からの鍛え方が違うのかと、いつものように驚きながら楽しんだ。
続いて、大蔵流の「木六駄」。
山本東次郎の太郎冠者に、主が凜太郎、茶屋が則重、伯父が泰太郎で、後見は則俊と則秀。
初めて「木六駄」を観たのは万作さんのシテで、それ以来もう一度観たいと思い続けているが、
機会がないままで、今まで観たのは他の方のだけ。
今日は東次郎さんで観られるので、万作さんとの違いも含め楽しみにしていた。
同じ「木六駄」と言っても万作さんだと和泉流で、大蔵流(東次郎家だけ?)だとあれこれ違うが、
1人で何頭もの牛を追うところの見事さ、茶屋との酒盛りのおかしさ・楽しさは同じ。
最後が、和泉流「舟渡聟」で、野村萬の船頭に、聟は万蔵、船頭の妻は万禄で、太一郎が後見。
何度観ても、船頭の酒意地の悪さと舅と聟だと分かってからの面目なさがおかしい。
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小紋。 本藍。 熊野染。 暈し経涌。 明るい藍色。 (お初)
名古屋帯。 総絞り染。 赤香色に絞りの白など。 道に木々・花の柄。 (きぬたや)
江戸組紐。 生成りに濃紫色。 龍村・唐花雙鳥長班錦入り。
縮緬の帯揚げ。 光沢のある焦げ茶色に灰緑色の染め分け。
パールパープルの台の草履。 生成り他薄色の五嶋紐の鼻緒。
道行コート。 絵羽。 葵。(小倉淳史)
さっさと直しておけばいいのに、着る予定の大島紬の袖付けのほつれを縫っていたら、
時間がかかって、しかも変なのに気づいて(涙)、急遽、目に付いた着物に変更。
春に着損なっていた着物で、色合いが秋向きとは言えないので、帯で秋を演出。(爆)
出かける時にエレベーターでご一緒になったお顔に覚えのない方にお声を掛けていただいて、
私の着物姿を記憶してくださっている方の多さに改めて驚く。
着たい気持ちはあるけれど、夫々のご事情で着られないでいるらしく、着物姿が気になる様子。
できれば着物をお召しになる方が1人でも増えると嬉しいと思っているのだけれど.. |
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2014.10.28 [火] |
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母の誕生日。 昨年までは誕生日のお祝いにホームの外に出かけて姉と3人で食事をしていたが、
今年は残念ながらできなかったけれど、97歳の誕生日を迎えられたことにホッと一息。
せめて花だけでもと小さなアレンジメントを作ってもらっていって、
姉夫婦から届いた大きめのアレンジメントと一緒に小箪笥の上に置いたら、
部屋が明るくなって、花好きの母がきっと喜んでくれるだろうと思いながら眺めた。
昨日は具合が一層悪くなったとの報せで飛んで行ったが、小康状態。
今日は医師の説明を聞き、こちらの希望を入れての今後の対応の相談。
医師との話し合いのため10:30までに来るようにと兄の連れ合いから夕べ電話があったので、
間に合うように出かけた。
姉は手首の3度目の手術について医師との面談のため、こちらでの話し合いには間に合わないが、
終了後に急いで来たので、一緒に暫く母を見守り、反応があると2人してホッとして喜んだ。
私は遠くないのに、軟弱なことに、連日通っていると疲れが溜まって来ている気がするから、
片道1時間半から2時間かかる姉は、さぞ大変だろうと思う。
でも、当分できるだけ来ましょうねぇと2人で話し、まだ居るという姉を残して私は先に帰宅。 |
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2014.10.26 [日] 芸術祭寄席 |
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午後は、文化庁芸術祭主催大衆芸能公演という芸術祭寄席@国立演芸場で落語を聴いてきた。
桂小南治「写真の仇討ち」、北見マキの和妻、仲トリの春風亭小柳枝「抜け雀」、
柳家喜多八「五人廻し」、林家正楽の紙切り、トリの柳家小三治「長短」。
「写真の仇討ち」は初めて聞いたが、中で語られた中国の故事も今まで知らず初耳だったので、
噺そのものより、その故事の方が、真偽は確かめていないが、印象的だった。(笑)
晋(しん)の国で、趙襄子(ちょうじょうし)と、彼に殺され智伯(ちはく) の家来の予譲(よじょう)との、
敵討ち話で、人の執念の見事さ・恐ろしさ。 いずれ、真偽を確認しておきたいけれど..
*後になって、いや、いや、この話は、お能か何かで聞いたことがあると思い出したけれど..
詳細はやっぱり不明、と言うか思い出せない。
噺そのものは、やっぱり、小柳枝と小三治が聴き応えがある。
特に小三治さんの語り分けは見事としか言いようがないが、今回の「長短」は短縮版で、
いくらなんでも短くな〜い? 聴いた気がしな〜い!と思ったら、当人もそう思ったのか、
サゲの後で幕が下がり始めると、それを制して暫く芸談。
勉強会でも、噺家の身分によって、やっていい噺、まだ分不相応な噺などがあること、
寄席での話の組み方、客を噺に上手く入り込ませる順番による噺家それぞれの役割というか
仕組みなどを自分の失敗談を引き合いにひとしきり話して、 それが楽しく、和やかに終了。。
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終演後は「半音」に寄って、珈琲とスコーンで一息。
コーヒーのお替りをしたかったが、次々と入って来る客に長居は申し訳ないと席を立った。
日本橋に寄りたい気もあったものの、このところ疲れ気味なのでまっすぐ帰宅。
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染小紋。 大島紬地。 濃淡藍色。 更紗風?の総柄。
袋帯。 ベージュ色系。 唐花模様に花献上。 (山喜「紹巴萬葉」) (お初)
伊賀組紐。 紺色、片方に緑色入り。 撚り房。 (松山好成)
縮緬の帯揚げ。 鶯色の暈し。 「幻雪」
ラバーソール台の草履。 黒色の天・青色の鼻緒。 (菱屋カレンブロッソ)
雨コート兼用の対丈コート。 西陣お召し。 吉野格子。 緑・薄茶色。
青い着物だから、少し秋らしさが欲しいと、帯は秋にもよさそうな色の紹巴萬葉を下した。
午後から雨との予報に、降り出さないうちに出かけ、そのまま降られずに済んでよかったものの、
雨対策の着物・草履にコートで拍子抜け。(爆) |
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2014.10.25 [土] 文楽素浄瑠璃 |
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午後、「文楽素浄瑠璃の会」@国立劇場に出かけた。
まず、豊竹咲甫大夫・鶴澤清介による「楠昔噺 碪拍子の段」、
次が、豊竹咲大夫・鶴澤燕三の「菅原伝授手習鑑 寺子屋の段」、
そして、豊竹嶋大夫・野沢錦糸で「恋女房染分手綱 道中双六より重の井子別れの段」。
途中のツレは豊竹靖大夫・鶴澤寛太郎。
「楠昔噺 碪拍子の段」は、文楽では観たことがないが、楽しく聞いた。
あとの2つは文楽・歌舞伎で頻繁に上演されるが、義太夫と三味線だけでも十分に聴き応えがある。
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泥大島紬。 黒地。 様々な模様の地空き。
袋帯。 青灰色地。 黄・白・紫色の菊・桐・垣の柄。 (岡文「菊花良園」)
伊賀組紐。 灰紫色。 片側に紫・小豆色入り。 撚り房。 (松山好成)
縮緬の帯揚げ。 草木染(刈安?)。 渋い山吹色。 (Kinami)
薄水色のエナメル加工の台の草履。 紬地の鼻緒。
道中着。 黒地。 青紫色の乱菊模様。 |
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2014.10.24 [金] チューリヒ美術館展 & 志づ香で和食 |
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昨日は、今月初旬に脳梗塞を起こしてから具合のよくない母の体調がひどく悪いとの報せに、
慌てて飛んで行ったが、まあまあの様子でホッと一息。
この前は私のことはよく分かっていたものの場所の認識が無くて、母の記憶のヌケが心配だったが、
その2日後に姉が行った時は認識してもらえずガックリしたとのことだったし、
体調のいい日と、体調が悪く殆ど認識できない日があるようで、昨日は認識できている様子にホッ。
と言っても昨日は自分からの発話は殆どなく、分かるわよ..くらいで会話にならないが、
少なくも私たち(私も、後から来た姉夫婦も)の覚えはあるらしいし、
食事もゆっくりで3分の1か4分の1くらいだったが自分で食べられたので一安心。
でも2度目の脳梗塞で今回は範囲が広いらしいから、今後のことはまるで予測がつかないらしい。
心配しても何もできないし、少しでも長く元気でいて欲しいと願うばかり。
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今日は天気がいいので旅行中に着た服などの洗濯をしてから、パスポートを受け取りに行った。
10年以上前に切れたまま、海外旅行ができる体調ではなく、そのままになっていたが、
漸く体調回復してきたので、そろそろ海外旅行もしたいと思っての取得。
ついで国立新美術館にチューリヒ美術館展を観に行った。
同館の日本初の展覧会だそうで、モネ、セザンヌ、ピカソ、ダリ、ジャコメッティなどの作品の展示。
初来日で最大の注目作というモネの大作「睡蓮の池、夕暮れ」は、夕暮れ時の微妙な色合いの池が
横長のキャンバスいっぱいに広がり、よく観るさまざまな睡蓮の絵とは違った印象。
スイスと日本の国交樹立150周年を祝う「日本におけるスイス年」の重要イベントのひとつとかで、
セガンティーニ、ホドラー、ヴァロットン、クレーなど、スイスにゆかりの深い画家たちの作品も
まとめて見られて、目の保養に、気分転換もできた。
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展覧会の後は、気軽な割烹「志づ香」@門仲で和食をいただいた。
いつものようにカウンター席で、料理はお任せで一通り。
ほうれん草と菊花のお浸し、お造り(平目、鰤、蝦蛄に、鰹のヅケ)、穴子の白焼き、
鱸の蕎麦くず煮?、牡蠣のネギ味噌焼き(雲丹焼きは次回にした)、海老芋の蟹あんかけ、
あと一品あった気がするけれど..これだけだったかしら.. 思い出せない。
〆の稲庭うどんは生姜味にして、お酒も黒龍を1合だけ飲んで、美味しいひととき。
帰りにお不動様の前の通りのウフレで「深川カステラ」を購入。
他人様に差し上げたことはあるのに、大きいので自分では食べたことがなかった。
いつもは自分の美味しいと思うものを差し上げるので、気になっていたから自分用に買ってみた。
日持ち10日だし、ゆっくり賞味しましょうっと。 |
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2014.10.22 [水] 日中韓 棟梁の技と心 |
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雨の中、24日までの「日中韓 棟梁の技と心」@ギャラリーエークワッドを観て来た。
日中韓の各国を代表する3人の棟梁を通じ、職人の姿、ものづくりの精神を垣間見られる。
紫禁城、景福宮、薬師寺という東アジアを代表する建築ゆかりの最高峰の職人たちで、
中国の李永革、韓国の大木匠の申鷹秀、日本からは宮大工の小川三夫の3氏。
数は少ないが、彼らが手がけた建築模型や大工道具、設計図などが展示されている。
3人の映像作品が上映されていて、それぞれ15〜20分と短いけれど、
仕事とそれを通じた話に触れられ、また共通点を感じたりして、印象的だった。
竹中大工道具館30年記念巡回展で、この後、神戸と名古屋に巡回するらしいが、
東京では無料展示なのに、神戸では多少の入館料が必要。 名古屋は?
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夕方は、昨日までの旅の疲れを取るのと、急な寒さに震えあがった身体のメンテに、
近くの中国整体で1時間のマッサージを受けて、ホッと一息。 |
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2014.10.21 [火] 四国めぐり |
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19日から21日まで2泊3日で、四国4県を巡るツアーに参加。
鳴門、金刀比羅宮、道後温泉、内子、宇和島、四万十川・沈下橋・舟下り、32番札所・禅師峰寺、
桂浜、大歩危峡、祖谷渓・かずら橋・琵琶の滝などを駆け足で回って来た。
尤も、私が行きたかったのは、愛媛県の南西部にある宇和島と内子。
もう半世紀近くも前の学生時代の旅行中に回れなくて、それ以来、行きたいと思っていた土地。
だから別に四国全体を回らなくてもよかったが、そう都合のよいコースは無くて、しかも、
どちらもメジャーな観光地ではないから、このツアーの中ではマイナーな扱いで滞在時間が短い。
それを承知の上で、気に入ればまた個人で行けばいいと思いながらの参加。
往復飛行機で、往きは7:20に羽田発という早朝の出発で、6:30集合。
どうにか始発に近いメトロに乗ったら集合時間の大分前に到着。 もう大勢来ていらしてビックリ。
学生時代の1週間の一人旅と違い、慌ただしかったものの、
盛りだくさんの訪問先も、夫々の滞在時間が短いことを除けば十分に楽しめて、総じて満足な旅。
飛行機代、宿泊料、観光バス代などを考えたら参加費用が安く、文句など言えないけれど..
以前に行った土地も、記憶が薄れ、様子もすっかり変わっていて、初めてのように楽しめた。
金比羅さまの石段を上り参拝もできたし、道後温泉では坊ちゃん湯にも入ったし、
坊ちゃん電車も、走っている様子も夜の止まっている様子も見られたし、
店1軒なかった祖谷渓の観光地化に改めて驚きながら、かずら橋も渡れたし..
それに空港への往きのモノレールから日の出も見られたし、
飛行機の窓から富士山を、前(横?)からも上からも見られたのもうれしかった。
とは言え、琴平の金丸座も、内子の内子座も、外からすら見ることができなかったのは残念。
いずれ、これらの芝居小屋で、こんぴら歌舞伎、文楽を観たいとは思うけれど.. |
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2014.10.17 [金] 「吹取」、「松虫」 |
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夜は、定例公演を観に能楽堂通い。
狂言・和泉流「吹取」、能・観世流「松虫」。
狂言「吹取」は、申し妻もので、参籠して神様にお願いし霊夢に従い妻を得る話で、
その点は、「釣針」や、文楽・歌舞伎の「釣女」と同じだが、
「吹取」では、「名月の夜に五条の橋で笛を吹き、その音につれて出た女を妻にするように」と、
お告げに季節感があるのと、アド・何某が舞台上で笛を吹くのが独特。
笛の吹けない男が懇意にしてもらっている人に頼んで吹いてもらったら..という展開もおかしい。
舞台で笛を吹ける狂言師は多少限られるのか、今回も前に観た時と同じ萬斎。
今回も、上手いものだと思って笛の音を聴きながら、3人の遣り取りを楽しく観た。
シテ/男・野村万作、アド・野村萬斎、小アド/乙・月崎晴夫。
能「松虫」は、初見だと思っていたが、観ているうちに前にも観た気もしてきて..どうなのか..
シテ・岡久広、3人のツレ/男、ワキ/市人・高安勝久、アイ/所の者・高野和憲など。
後シテは、黒頭に、筋怪士(すじあやかし)の面。 他はすべて直面(ひためん)。
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紬訪問着。 大島紬。 古代染色純泥染。 黒地、箔散らし柄。
袋帯。 臈纈染。 極薄青磁色地。 老竹色の山葡萄柄。
伊賀組紐。 焦げ茶色。 片側に薄茶色・薄黄色入り。 (松山好成)
縮緬の帯揚げ。 緑みの灰色。 雪輪に模様入り。
墨色の台にレトロな?花柄の鼻緒の草履。 (金鷲)
前日と同じコート。
お能が「松虫」なので少し秋らしさが欲しいと、色合いで帯を選び、着物は帯に合わせて選んだ。
山葡萄の柄は少し遅いかと思いながらも、柄より色の印象の帯だからと締めたら、
会った顔見知りの方に、秋らしいと言っていただいて、内心ニンマリ。(笑) |
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2014.10.16 [木] オペラ「ドン・ジョヴァンニ」 |
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夜、モーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」@新国立劇場の初日公演を観に(聴きに)行った。
2日にシーズン開幕したばかりなのに、もう2曲目の上演。 バレエはまだなのに..
「ドン・ジョヴァンニ」は、ここで今までに何度か聴いていて、
音楽に弱い私でも流石に聞き覚えのある音楽・歌だから、楽しんで聴いた。
特に今まで印象の薄かったドンナ・アンナとドン・オッターヴィオが重要な役だと初めて納得できた。
冒頭から、おおっ!とうれしい思いで聴いて、そのまま楽しめたのがうれしい。
休憩時間に友人もよかったと言っていて、私の印象も的外れではなかったらしいとニコリ。(笑)
それから、タイトルロールの歌手の雰囲気が実にドン・ジョヴァンニらしく(爆)、はまり役。
前にも他の役で聴いたらしいが、その時の印象はあまりなくて、この劇場に初出演かと思ったほど。
演出のせいもあったかもしれないが、役に合う合わないは歌舞伎と共通するわねぇと思った。
ただ、初日なのに1階・2階の後方には空席があって、少し寂しい気がした。
オペラは遅れたら次の幕まで入れないから、平日の6時半開幕だと勤め人には厳しいだろうし、
今月2曲目だし新制作でないこともあってかしらねぇ..
指揮: ラルフ・ヴァイケルト、 演出: グリシャ・アサガロフ
ドン・ジョヴァンニ:アドリアン・エレート、 レポレッロ:マルコ・ヴィンコ、
ドンナ・アンナ:カルメラ・レミージョ、 ドン・オッターヴィオ:パオロ・ファナーレ、
ドンナ・エルヴィーラ:アガ・ミコライ、 マゼット:町英和、 ツェルリーナ:鷲尾麻衣、
騎士長:妻屋秀和 など。
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紬訪問着。 白山紬。 オフホワイト地。 波文。
本袋帯。 濃紺地錦。 枯れた銀引箔。 鉄柵葡萄唐草文。
伊賀組紐。 草木染(コチニール)。 薄灰色。 薄灰緑色・白入り。 (松山好成「雅趣一敬」)
縮緬の帯揚げ。 緑みの灰色。 雪輪に模様入。
白色の皮シコロ織の鼻緒の草履。 薄いパ−プルシルバーの台。 (長谷川商店)
道行きコート。 瑞鵬織(二重紗)。 黒・赤色の亀甲花紋。
今月は大島紬ばかり着ていたので、いくら好きでも気分を変えたくなって、
塩沢にしようかと出してみたが、重さを実感して、軽い白山紬にした。
着物の軽重の差は結構大きい。 涼しくなったのでコートを着たが、着るとやはり暑い。(苦笑) |
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2014.10.15 [水] 花形歌舞伎@新橋演舞場 |
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2日空いて、猿之助の奮闘公演の昼の部を見物。
夜は長い通し狂言だったが、昼は「俊寛」と三代猿之助四十八撰の内「金幣猿島郡」。
猿之助の他、澤瀉屋一門がほぼ勢揃いで頑張っている。
三代猿之助(現猿翁)と同座していたことのある歌六、錦之助、門之助などの出演も懐かしい。
まずは、右近の俊寛僧都で「俊寛」。
海女千鳥を笑也、丹波少将成経を笑三郎、平判官康頼を弘太郎、瀬尾を猿弥の、澤瀉屋揃い。
丹左衛門は男女蔵。
右近は上手いけれど華が無いのがねぇと思っていたけれど、いやいや立派なもの。(笑)
そして「金幣猿島郡 きんのざいさるしまだいり」は、大喜利所作事「双面道成寺」がつく。
猿之助が4役(如月尼娘清姫 、右衛門尉藤原忠文、白拍子花子実は清姫の霊、
狂言師升六実は忠文の霊)を勤め、夜同様に早替わりもあるし、宙乗りもあって、
澤瀉屋らしい観客を楽しませようという舞台は3代目譲り。
「双面道成寺」での三つ面の踊りが軽妙。
他は、如月尼実は乳人御厨を歌六、北白川の安珍実は文殊丸頼光を門之助、寂莫法印を猿弥、
およし実は将門腰元桜木を春猿、将門妹七綾姫を米吉、能力の白雲と黒雲を隼人と弘太郎など。
最後に押し戻しつきで、田原藤太秀郷を錦之助が勤めている。
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色大島紬。 薄茶色・濃い灰色などで半身替わりのような柄。 (たけがわ「綾の舞(竹千雅)」)
染名古屋帯。 薄い灰色の縮緬地。 青・白・金色の菊花に金の刺繍入り。
伊賀組紐。 灰紫色、片側に薄黄緑・白色入り。 撚り房。 (松山好成)
ちりめん紬の帯揚げ。 京友禅。 灰藤色に、白・灰・肌色入り。 (京姉小路)
ラバーソール台の草履。 濃深緑色の皮の天・鼻緒。 (菱屋のカレンブロッソ)
春〜秋用の雨コート。 青色系。 着物衿。
着物は、私は色大島紬と思っているが、端切れに付いているラベルでは白大島紬となっている。
色大島というのはないのかしら? |
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2014.10.12 [日] 歌舞伎「獨道中五十三驛」 |
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国立劇場の歌舞伎、歌舞伎座の勘三郎追善大歌舞伎の次は、新橋演舞場の花形歌舞伎を見物。
こちらは、猿之助の奮闘公演。
私にしては珍しい連休中の観劇だけど、今月は芸術の秋らしく予定が多くて仕方ない。
休日ではあるけれど、国立は兎も角、歌舞伎座よりも、客の入りがいいのに改めて感心。(笑)
夜の部は、三代猿之助四十八撰の内、通し狂言「獨道中五十三驛 ひとりたびごじゅうさんつぎ」。
「京三條大橋より江戸日本橋まで」東海道五十三次の宿を巡って江戸に上る趣向。
猿之助に、澤瀉屋の右近、笑也、寿猿、猿弥、弘太郎などに笑三郎、春猿も少し顔を出して、
あと、門之助、男女蔵、亀鶴、竹三郎に、錦之助も。
若手の隼人が大きな役で、米吉とともに、若手の育成?(爆)
三代目が復活・作り上げただけあって、これでもかとばかりに主役が出ずっぱりの狂言。(大爆)
善悪入り乱れた複雑な人間関係に、ケレン味たっぷり、化け猫も出て、宙乗り、早替わり、
本水での立ち廻りに、切りの所作事まで、スピーディーに展開し、猿之助の体力・気力が凄い。
18役の早替わり!は、演じる猿之助は無論だが、支える澤瀉屋一門も見事。
三代目に鍛えられたのが財産になっているわねぇ..と思いながら楽しんだ。
切りの、浄瑠璃 お半長吉「写書東驛路 うつしがきあずまのうまやじ」では、早替わりに、
猿之助の踊りも楽しめるのが何より嬉しい。 この年代では抜群に踊りが上手いと再認識。
それにしても、この、芝居も踊りも上手い猿之助を歌舞伎座で観られないのが寂しく残念で、
そろそろ歌舞伎座にも出てくれないかと思っているのだけれど..
何があったやら、出ないわねぇ〜
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色大島紬。 五倍子染。 変わり市松。 (東郷)
八寸帯。 黒地。 白・灰色の抽象文様。 (弥栄)
江戸組紐。 黄色。 片側半分に薄緑・肌色・金線入り。 (中村正)
ちりめん紬の帯揚げ。 京友禅。 薄灰茶色・薄灰赤茶色などの染分け。 (洛舟)
白色の天・黒色の巻・灰色の鼻緒・赤い前坪の草履。 (伊と忠)
着物の市松に織られている柄が抽象的だから、帯も抽象柄で合わせ、1人でニンマリ。(笑) |
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2014.10.11 [土] 「鳴子遣子」、「歌占」 |
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午後は、能楽堂の普及公演を観に行った。
解説・能楽あんない、狂言・大蔵流「鳴子遣子」、能・喜多流「歌占」。
冒頭に、林望氏の「『狂ふ』ということ」という題での解説・能楽あんない。
かつてお能を嗜まれたという林氏の解説は話し上手もあって楽しいことが多いが、
今回も楽しく聞いたものの、いつもより何となくピンとこないというか物足りないような..
別にいつもの着物姿でなく洋服だったせいでもあるまいが..(笑)
狂言「鳴子遣子 なるこやるこ」は、鳥追の仕掛けは「鳴子」か「遣子」かで言い争い、
一腰(刀)を賭け、茶屋の亭主に判定を頼み、双方が賄賂を渡して勝とうとするが、
結局、賭けた双方の刀を亭主に取られる話で、狂言らしい話・展開を楽しく観た。
シテ/茶屋:山本泰太郎、アド/何某:則孝・則秀。
能「歌占 うたうら」は初見だが、「歌占」という和歌による占いが楽しい。
一度死んで蘇生したが白髪になっていた男神子が、歌占によって、生き別れた我が子と再会する。
「歌占」、「地獄の曲舞」、神が人間に取り憑く「憑き物の物狂い」のさまと見どころが多く楽しい。
ただ、「地獄の曲舞」は、先月の「百万」で観たばかりなのに、覚えていないのが悲しい。
囃子も舞も覚えていることができず、その時限りなのが情けないけれど、
お能に限らず、オペラもバレエも、時によっては歌舞伎だって、覚えられないのよね〜
でも何となく覚えていることも少なくないから、まあそのうちに..きっとそのうちに..と思う。
楽観的すぎるかしらねぇ..
シテは、「尉髪」(老人の蔓)か、「白垂」(白髪の蔓)をつけ、
「邯鄲男」、「若男」、「今若」などの気品のある若い男の能面をかけるのが一般的だそうだが、
今回は、直面(素顔)で、真っ白な髪も地毛だそう。
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色大島紬(泥染)。 灰青色地。 花火?のような模様の織。
染名古屋帯。 縮緬紬地。 薄鈍色。 燻し金・銀色の薔薇柄。 (幸春)
唐組紐。 白・藤・紺・青に金入り。 (道明「波の緒」)
草木染(ブナ染)の帯揚げ。 薄黄色の暈し。 (冨田五郎) |
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2014.10.10 [金] 勘三郎追善大歌舞伎・夜の部 |
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中2日で、今日は大歌舞伎の夜の部を見物。
「菅原伝授手習鑑 寺子屋」、「道行初音旅」、「鰯賣戀曳網」。
「寺子屋」は、仁左衛門の松王丸、玉三郎の千代、勘九郎の源蔵、七之助の戸浪。
仁左衛門の松王丸、玉三郎の千代が、言うことなしの素晴らしさ。
2人の追善の気持ちが入っているためか、観ていて私もいつも以上にじ〜んとした。
先輩2人を相手に、勘九郎・七之助の源蔵夫婦も期待以上で、いい追善狂言になったと思う。
追善と言えば、仁左衛門の松王丸の衣裳がいつもの黒でなく銀鼠で少し雰囲気が違うが、
銀鼠を着ていた中村屋への思いを感じて、しみじみとした。
あと、扇雀の園生の前、亀蔵の玄番、国生のよだれくり など。
次の「道行初音旅 吉野山」は、気分一転の華やかさ。
藤十郎の静御前、梅玉の忠信で、早見藤太は橋之助。
藤十郎の、80歳を超すとは思えぬ若さ、美しさには、ただ溜息。
この舞踊で藤十郎を観ると團十郎とのコンビをいつも思い出してしまうが、
今回は、梅玉の端正さが藤十郎によく合っていると思いながら観ていた。
最後が、勘九郎の鰯賣猿源氏、七之助の蛍火で「鰯賣戀曳網」。
彌十郎の海老名なあみだぶつ、獅童の博労六郎左衛門、家橘の亭主、市蔵の薮熊次郎太に、
傾城は、已之助、新伍、児太郎など。
勘九郎は、声・動きなどが勘三郎にそっくりで、本当に似ているわね〜と、いつも思う。
似ているだけだと2番煎じで、個性の強かった勘三郎に敵う訳がないから、
勘九郎らしさを、どう出すかが、これからの課題。
前から上手くて真面目で、楽しみな勘九郎だから、大いに期待している。
幕間にびわさんがお声を掛けて下さり、華やかで優しい笑顔に、私も優しい気持ちになって、
癒されるのがありがたく、久しぶりに少しお話できたのも、嬉しかった。 ありがとうございます。
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色大島紬。 草木染(五倍子・藍)。 みじん格子。 (東郷)
八寸帯。 南風原の手織ロートン花織。 藍・白色の市松に茶の縞。 (知念幸徳「市松間道紋」)
伊賀組紐。 濃淡紫色の菱形に極薄緑色入り。 蛸足房。 (松山好成)
縮緬の帯揚げ。 藍染。 藍色の濃淡。 薄色の方を出して締めた。 (松原)
パールパープルの台に生成りなど薄色の五嶋紐の鼻緒の草履。 |
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2014.10.8 [水] ブレス・オブ・ライフ |
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夜は、演劇(久しぶり!)を観に新国立劇場へ出かけた。
「二人芝居 —対話する力— 」シリーズの第一弾で、「ブレス・オブ・ライフ〜女の肖像〜」。
ロンドンで興行記録を塗り替えた話題作の日本初演だそうで、蓬莱竜太の演出。
出演は若村真由美と久世星佳で、2人の対話で進んでいく劇で、今日が初日。
随分久しぶりの小劇場で、椅子の上にクッションが置かれていて、腰痛持ちにはうれしい工夫。
劇自体は、どう見せてくれるのか楽しみにしていたのだけれど、残念ながらあまり楽しめなかった。
ストレートプレイ、もろ演劇というのに暫くご無沙汰していたので、
私の理解力・楽しむ力が低下したのかと思って少し凹み気味で帰って来たが、
幅広く観劇される方がやはり楽しめなかったと後で知って、
私のせいだけではないかもしれないと、少しホッとしたり..(苦笑)
3ヵ月連続のシリーズだから、あと2話は楽しめるといいのだけれど.. 期待しましょう。
観劇中、話が佳境に入ったところで、後ろでガサガサ騒ぎがおきて、煩くて仕方がなかった。
真後ろあたりらしく通路を隔ててもいたし、少し振り向いても見えず、何が何だか分からないまま、
いつまでもガサガサ音が続くので、迷惑な音を出して何をしているのかしらと思っていたが、
具合の悪くなった人がいたらしく、お連れが有り得ない!と思う驚くべき対応を試みていたらしい。
紙袋に吐かせようとしていたと、知人が呆れて書いていらして、ビックリした。
車中ではなし、外に出るのが普通の対応でしょうに、ホント、人様の考えることって不思議。
観る気持ち・集中力を殺がれたのも、楽しめなかった一因かしらねぇ..
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白大島紬。 有色絣。 雲取唐花。
八寸帯。 黒地。 白・臙脂色などの花・葉・唐草文様。 (弥栄)
江戸組紐。 生成り・濃紫色に、龍村の唐花雙鳥長班錦入り。
草木染の帯揚げ。 紫みの焦げ茶?色、灰茶色の絞り入り。 (堤木象)
薄水色のエナメル加工の台の草履。 紬地の鼻緒。
小劇場だと着物は私だけかもしれないと、洋服の中でもあまり浮かなそうな装いにしたが、
やっぱり他にはいらっしゃらなかったみたいで、少なくも私は気づかなかった。
でも、最近はめげずに着物で出かけることが多い。 成長したものだわね〜(爆) |
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2014.10.7 [火] 勘三郎追善 大歌舞伎 |
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17世勘三郎の27回忌と18世の3回忌追善の大歌舞伎を観に歌舞伎座に行った。
今日は昼の部で、「新版歌祭文 野崎村」、舞踊「近江のお兼」・「三社祭」、「伊勢音頭恋寝刃」。
18世の2人の息子、勘九郎・七之助が祖父・父の当たり役に挑戦し、頑張っている。
仁左衛門・玉三郎が支え、藤十郎・梅玉なども出演しているが、
三津五郎と福助がいないのが寂しい。 元気になって戻って来て欲しいと願うばかり。
「新版歌祭文 野崎村」は、七之助が初役のお光を勤めているが、
なかなかよくて、上手くなったわね〜と嬉しくなる。
ただ、田舎娘の垢抜けなさ素朴さがなくて、町娘みたいで、そこがちょっと..と思う。
扇雀の久松、児太郎のお染、彌十郎の久作に、秀太郎の油屋後家お常。
珍しく顔を見せる老母を歌女之丞、お染に付いてくる下女は芝喜松。
児太郎のお染が、大きな役を頑張って勤めてはいるものの、う〜ん..と残念な気になる。
お染がよくないと、この芝居全体がイマイチになってしまう。 成長してくれることを願う。
竹本の葵太夫・壽治郎の床のお蔭で、いい舞台になった感じがする。
「伊勢音頭恋寝刃」は「油屋店先」と「同 奥庭」で、勘九郎が福岡貢、七之助がお紺を勤め、
梅玉が今田万次郎、玉三郎が万野、仁左衛門が料理人喜助なのが追善らしい。
あと、橋之助のお鹿、児太郎のお岸で、秀調・桂三の北六・岩次に、小山三が千野で出ている。
玉三郎の万野は切れ過ぎて、上方でなく江戸の雰囲気がするのが.. いつもちょっと..
児太郎のお岸は、「野崎村」のお染に比べるとずっとよくて、ホッとしてニコリ。
間は、長唄舞踊「近江のお兼」を扇雀、清元舞踊「三社祭」は橋之助の悪玉、獅童の善玉。
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終演後は、ご案内のあった呉服店の感謝祭に伺ったら、
無い袖は振れないから見せていただくだけのはずが、出会ってしまった。(汗)
玉藍染の松原工房の孝司さんが伝統染織展に出品のために染められた着尺!
いらした松原孝司さんに、1点限りで同じものは染められないと言われるし、
それに驚くような特別価格で、すご〜く無理すれば.. でも、どうなるやら..
行くとこれだから、行かなければいいのだけれど、でも見たいから困るのよねぇ..
小林義一さん、玉虫正直さんもいらして、あれこれ、眼福というか目の毒というか..(笑)
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松屋の茶の葉に伺ったら珍しくスンナリ入れて、お勧めいただいた季節限定の栗三昧にした。
栗おこわ少しと栗の菓子にお煎茶。 いただきながら気持ちを落ち着かせた。
日本橋に移動し、高島屋の特別食堂で野田岩のかさね重。 久しぶりの鰻を堪能。
でも、行く度に高くなっている感じなのに、鰻は小さくなって、資源枯渇が心配になる。
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泥大島紬。 黒みの茶泥。 細かい総柄。
染名古屋帯。 東京手描友禅。 紬地。 青灰色地。 栗の柄。 (熊崎和人)
京組紐。 茶色に、焦げ茶・白入り。 (渡敬)
縮緬の帯揚げ。 草木染(刈安?)。 渋い山吹色。 (Kinami)
銀鼠色の変り台の草履。 焦げ茶・白色の京くみ紐の鼻緒。 (Run) |
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2014.10.4 [土] 通し狂言「双蝶々曲輪日記」 |
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国立劇場でも秋からの歌舞伎シーズン到来で、今日が初日。
幸四郎・染五郎を中心に、通し狂言「双蝶々曲輪日記」。
初日でなくても..土日祝日でない方が..と思うけれど、他の予定との関係で土曜の初日観劇。
9月文楽公演の第1部に続いて、今月の歌舞伎公演でも同じ「双蝶々曲輪日記」の上演で、
ダブル観劇キャンペーンという初の試み(多分)があって、
文楽公演の入場者に、この歌舞伎公演のプログラムの無料引換券が配られた。
歌舞伎のプログラムは買ったり買わなかったりだけど、
今月は「特典案内チラシ」を持っていって、うれしく無料入手。
もう1枚のチラシを後の列の若い3人連れのお嬢さん方に差し上げて喜んでもらい、私もニコリ。
今回の「双蝶々曲輪日記」は、序幕「新清水」、2幕目「堀江角力小屋」、3幕目「大宝寺町米屋」・
「難波芝居裏殺し」、4幕目「八幡の里引窓」の各場。
文楽で見たばかりだが、文楽にあった珍しい「橋本」がなく、濡髪長五郎が中心の筋立。
幸四郎が濡髪を勤め、染五郎が南与兵衛後に南方十次兵衛・山崎屋与五郎・放駒長吉の3役。
それに、魁春の長吉姉おせき、芝雀の藤屋都後の与兵衛女房お早、東蔵の母お幸、
高麗蔵の藤屋吾妻。 それに、大谷友右衛門、錦吾、廣太郎、廣松など。
序幕の、山崎屋番頭権九郎に松江、幇間佐渡七に宗之助が、2人とも珍しい役。
上演回数の多い「角力場」と「引窓」が、やはり見ていて楽しいが、
染五郎の早替わり、与兵衛の傘を差してのふわふわ宙乗りも、楽しい趣向。
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白大島紬。 経柄。
袋帯。 手織。 草先染。 墨色。 少し紫も。 吉野格子。 (米沢・新田「よしの」) (お初)
伊賀組紐。 青みの紫色、片側は極薄桃色・緑色。 撚り房。 (松山好成)
渋い山吹色の帯揚げ。 草木染(刈安)。 (Kinami)
黒・白色の五嶋紐の鼻緒の草履。 黒色の本漆台。
休憩時間に偶々隣に座ったご婦人に着物をお褒めいただいて、恐縮しながらニコリ。
着物って洋服と違い声を掛け易いようで、言葉を交わす機会が増えて、それも嬉しい。 |
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2014.10.2 [木] シーズン開幕 |
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新国立劇場の2014/2015シーズンが開幕し、今日はオペラ「パルシファル」の初日。
今シーズンから芸術監督に就任した飯守泰次郎が、自身で指揮をする就任第一作。
ワーグナーの最晩年の傑作という「パルシファル」が、ハリー・クプファーの演出で、
開場18年目(もうそんなに経ったのかと感慨深い)の、この劇場に初登場。
歌手もワーグナー歌手として活躍中の今望み得る最高のキャストでの上演との謳い文句。
豚に真珠、猫に小判、私に音楽(笑)だし、全く聴いたことの無いオペラだし、
楽しめるか否か不安もあって、でも、シーズンチケットだから行かないという選択肢はないし(爆)、
6月以来の久しぶりのオペラにワクワク気分もあって、不安と楽しみ両方で出かけた。
2回の長い休憩を挟んで5時間40分。 ワーグナーらしい長いオペラ。
第1幕は、疲れて気力が持たないかと心配したが、2時間近くを疲れることもなく楽しく観られた。
が、第2幕では、これでもかと言わんばかりの迫力ある歌声に途中から疲れてしまって..
ワーグナー歌いはテノールだけでなくソプラノも凄〜い!のだと実感。
ヴェルディの曲なら歌声を楽しめるのに、ワーグナーだと聞く方も気力が必要だと再認識。
これでは最後まで私の気力・体力が続かないかと思ったが、第3幕は一転して、大分楽に聴けた。
それにしても、ワーグナーのオペラって、凄いわねぇ!と思い、好き嫌いが分かれるのに納得。
休憩時間には友人と、観た・聴いたばかりの各幕の話から関連した話まで、次々に話が展開。
ハリー・クプファーが新国立劇場での上演のために新しく演出した舞台は、
LEDを使った斬新でありながら奇抜ではない舞台装置と相俟って、印象的。
テーマが時代を超えた普遍的なものだから、どの時代・場所の設定でもOKだし..
ただ、演出家の解釈らしく、終幕で生き残る人・死ぬ人が違っていて、あれれ..
装置:ハンス・シャヴェルノッホ、 衣装:ヤン・タックス、
照明:ユルゲン・ホフマン、 映像:トーマス・ライマー。
歌手は、パルジファル:クリスティアン・フランツ、 グルネマンツ:ジョン・トムリンソン、
クンドリー:エヴェリン・ヘルリツィウス、 アムフォルタス:エギルス・シリンス、
クリングソル:ロバート・ボーク、 ティトレル:長谷川顯 ほか。
フランツ以外の外国人歌手は、この劇場に初登場で、当然ながら私も初めてだったが、
一時疲れを感じはしたものの(笑)、いい歌声を十分に堪能して、楽しく聴けた。
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スワトウ刺繍訪問着。 銀鼠色・墨色。 縞大島紬地。
袋帯。 多色の間道。 螺鈿入り。 (都喜ヱ門「螺鈿大島間道」) (お初)
伊賀組紐。 草木染(コチニール)。 薄灰色。 薄灰緑色・白入り。 (松山好成「雅趣一敬」)
縮緬の帯揚げ。 草木染(臭木)。 極薄緑色。 (Kinami)
白色の皮シコロ織の鼻緒の草履。 薄いパ−プルシルバーの台。 (長谷川商店)
金泥バッグ。 焦げ茶色に金・黒色で木・葉・花柄。
シーズン開幕初日だから、お祝いの意味で、やっぱり訪問着よね〜と訪問着を着た。
でもベタ訪問着でなく、全体がスワトウ刺繍ながら少し紬感覚というかメリハリ感のあるもの。
他の着物を着るつもりだったが、このオペラにはこの着物が合いそうだと、直前に思い出して着用。
2〜3度着て、お手入れに出してから着ていなくて、5年ぶり。 |
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2014.10.1 [水] 芸術の秋 |
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今日から10月。 芸術の秋、読書の秋、実りの秋、食欲の秋、スポーツの秋..
まずは芸術・芸能の秋を堪能。
午後は国立能楽堂の定例公演、夜は「伝統芸能の交流—日本とモンゴルの歌と踊り」@国立劇場。
更に、夜の公演前に、さんまを食べて、食欲の秋も味わえたとニコリ。
能楽公演の番組は、狂言・大蔵流「鎧」と、能・観世流「三輪」。
狂言「鎧」は初見だが、「末広がり」などと同様で、主人に頼まれた買い物に都まで行き、
すっぱ(=詐欺師)に騙されて別物(この曲では鎧についての書付)を買わされて、
主人に得々とすっぱに聞いたことを語る様子がおかしいし、縅と脅しのオチも楽しい。
それに観る度に何と言ってもおかしいのが、狂言のすっぱは、登場すると橋掛かりなどで、
自分から「心の直ぐに無いもの」と名乗ること。 あれは何なんでしょうねぇ。
シテ/太郎冠者・茂山千五郎、アド/果報者・宗彦、アド/売り手(すっぱ)・千三郎。
能「三輪」は何度か観ているが、今回はとても楽しめて、うれしかった。
後シテの三輪明神が何とも言えず素敵に見えて、長く続く笛の音など囃子方も聴き応えあって、
最後の神楽も、前半の御幣を持っての舞も、後半の扇での舞も印象深く楽しく観られた。
シテ・浅井文義、ワキ/玄賓僧都・宝生欣哉、アイ/所の者・茂山茂。
囃子方は、藤田六郎兵衛、飯田清一、亀井忠雄、観世元伯。
面は、前シテ(里の女)が曲見、後シテ(三輪明神)が増だと思うけれど、掲示は逆だった。
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文化庁芸術祭オープニングの「伝統芸能の交流—日本とモンゴルの歌と踊り」は、
日本からは、真言声明「唄・散華」(対揚付き)、尺八連管「鹿の遠音」、民俗芸能「落合鹿踊」。
声明は舞台での「云何唄 うんがばい」の後、通路に降りてきて「散華」と「対揚」。
今回も通路脇の角席を取ったので、直ぐ近くで唱えられる声に浸り、
特に、中央の2通路に並んで向き合っての「対揚」では、声の中に包まれる感じで印象深かった。
尺八の音色も楽しめたし、花巻市の鹿踊(ししおどり)の独特な出立・踊りともに楽しかった。
モンゴルからは、踊り、器楽演奏、民謡、民俗舞踊など。
軟体芸には、驚愕的な身体の柔らかさに、ただただビックリ。
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能楽の後は、お誘いいただいて、暫くおしゃべり。
お別れして移動したら、半蔵門からの道にある大衆食堂に新さんま定食の貼り紙を見つけ、
ニコニコと今年の初さんまをいただいてから、可否道へ。
能楽堂でもお会いした常連さんお2人が夜のモンゴル公演の前にお寄りになって、暫くおしゃべり。
内お1人は能楽堂の後でも話した方なのに.. 今日1日で何日分か話した感じ。(笑)
今日は3人それぞれ別々に、同じ公演をはしごしたのが、何となく楽しい。
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白大島紬。 プラチナボーイ。 (田畑安之助「グヅメ三色墨ネズ五釜格子」)
八寸帯。 紹巴。 灰紫色地。 獅子狩文。 (志まや)
灰みがかった薄緑の帯締め。 辻ヶ花柄入り。 (小倉淳史)
ちりめん紬の帯揚げ。 灰薄緑色と灰茶色の染分け、中央は白茶。 (京友禅 雪華)
ラバーソール台の草履。 濃深緑色の皮の天・鼻緒。 (菱屋カレンブロッソ)
春〜秋用の雨コート。 青色系。 着物衿。
涼しくなったので、暦通りに着物は袷にしたが、雨コートを着るとやはり暑い。
帯は、夜のモンゴルに合わせ獅子狩文。 いろいろの方に褒めていただいてニコニコ。
着付け小物は、夏用は全部仕舞って、袷時用の物に替えた。 |
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