KIMONO真楽
ホーム
キーワード一覧パーソナリティ一覧つながり一覧ニュースヘルプ
キーワード最新5: 「さよならは別れの言… | KIMONO真楽同窓会 | 猫心〜にゃんはーと | 和服猫 | ホセイン・ゴルバ「時… | ...more

むかし桜の空間
最近の5件
2016年 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月
2015年 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月
2014年 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月
2013年 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月
2012年 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月
2011年 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月
2010年 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月
2009年 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月
2008年 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月
2007年 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月


2014.11.30 [日] 日本国宝展など

夜、今回は祈りをテーマにしたという「日本国宝展」@トーハクを観て来た。
行けないまま会期末になってしまったので、混むのは嫌だし諦めるつもりだったが、
先週末からは夜8時まで延長すると知って、日曜の遅い時間なら混雑もさほど酷くないだろうと
出かけたのだが、頑張って行ってよかった!と、自分の判断を自画自賛。(笑)

特に惹かれたのは5体の土偶。 21日から国宝の土偶5体が全部展示されているという幸運。
縄文のビーナス、仮面の女神、合掌土偶、中空土偶、縄文の女神。  どれも印象的。
特に縄文のビーナスは、写真ではあまり惹かれなかったのに、息を呑むほど実物の魅力的なこと!
写真と実物の印象の差に、これ1体だけでも観に行った甲斐があったと思ったほど。
2週間だけの展示で最終日だった金印も観られたし、法隆寺玉虫厨子、元興寺極楽坊五重小塔に、
仏像・絵画・茶碗・紅型の着物..
更に、常設展の仏像なども拝見。 でも、今回も東洋館には寄れず、次回回しになってしまった。

その前に「ウフィツィ美術館展」@東京都美術館にも行って、ゆっくり見て回ったし、
更にその前には日本橋で用事を3件済ませたので、
トーハクを出る頃には、歩く度に地面に着く足裏が痛んで、膝も腰も悲鳴を上げた。(涙)
都美とトーハクだけでも4時間歩き続けだから無理もないと思い、
眼福というのも勿体ないほどの品々を観ることができてよかったと、
身体の痛みにも拘らず、満足感一杯。

2014.11.28 [金] 蝋燭の灯りによる能楽

午後は昨日に続いての蝋燭の灯りによる企画公演で、今日は狂言とお能を1曲ずつ。
明るい時間に蝋燭の灯りによる公演?と思わないでもないが、出演者のご都合なんでしょうかね〜
能楽堂の見所に入れば昼夜の違いはないとはいえ、少し奇妙な?気も..(笑)
番組は、狂言・和泉流「八尾」と、能・喜多流「大江山」。

狂言「八尾」は、地謡だけでなく囃子も入って、賑やかで楽しく、
好きな曲だから楽しみにしていたが、期待通りに楽しめてニコリ。
シテ/閻魔大王・石田幸雄、アド/罪人・深田博治。地謡・野村万作ほか。

能「大江山」は、酒呑童子と、鬼退治に来た源頼光の一行の話で、
酒盛り・立ち廻りが楽しいし、アイ2人の遣り取りも面白く、いつもながら楽しさ一杯。
でも、この酒呑童子は乱暴な鬼というより朝廷に追われ隠れ住んでいる先住民的な色彩のため、
単なる鬼退治ではなく、権力を持った者に追われる者の悲しさもある。
シテ・友枝昭世、ワキ/源頼光・森常好、ワキツレ・舘田善博(独武者)ほか、
アイ/強力・野村又三郎、アイ/女・野口隆行。
囃子方は、一噌隆之、曽和正博、國川純、小寺佐七。
シテの面は、前シテ/酒呑童子は大童子、後シテ/鬼は顰(だったかしら?)

*****
付下げ(訪問着?)。 濡れ描。 薄鼠色地。 秋草文。 (染のに志山)
袋帯。 友禅染め。 金茶色系。 山並木々・風景柄。
伊賀組紐。 濃淡紫色の菱形に薄緑色入り。 蛸足房。 (松山好成)
草木染?の帯揚げ。 コチニール。 紫色。
白地に金色の唐草柄の鼻緒(龍村)の草履。 薄金色の台。
道行コート。 薄栗色? 葵の絵羽。 (小倉淳史)

2014.11.27 [木] 蝋燭の灯りによる狂言の会

夜は能楽堂へ出かけた。 3週間ぶりだから久しぶり感。
蝋燭の灯りによる2日連続の企画公演の1日目で、今日は狂言だけ3曲。
和泉流「杭か人か」、大蔵流「鬼の継子」、大蔵流「鬮罪人」で、「鬮罪人」の前に素囃子。
《月間特集・鬼の世界》のため、3曲とも鬼に係わる曲。

でも、鬼そのものが出てくるのは「鬼の継子」だけで、それも、狂言に出てくる鬼の常で、
愛嬌があるというか間が抜けているというか、何とも楽しく愛らしくさえある。(笑)
赤ん坊を「かわいい」と思ったり「うまそう」と思ったりして揺れ動くのが、いつもながらおかしい。
鬼そのものが出ない2曲の展開もそれぞれ楽しく、どれも観たことのある曲だが楽しく観た。

「杭か人か」は、三宅右近・近成の親子共演で、「鬼の継子」は、茂山あきら・逸平。
この2人は伯父甥ではなく、この関係は何というのかしら? 
シテとアドの2人しか出てこない前半2曲に比べ、「鬮罪人」の登場人物は多く、
山本東次郎・則俊のほか、立衆に5人、更に後見も2人と、一家総動員?的な感じ。

登場人物の多寡はあっても、3曲とも長い曲ではなく、あっという間に終わってしまった感じで、
楽しめたものの、少し物足りない気がした。
尤も、上演中は蝋燭の灯りだけで暗いから、長いと客が持たないと思ってなのかしら?
いずれにしても、蝋燭の灯りでの公演は、薪能とは少し違うが、独特の雰囲気が楽しい。

*****
付下げ。 灰みの藤紫色地。 裾暈し。 遠山風景?
袋帯。 黒に近い濃紺・白・灰色。 萩・月等の柄。 (村田・川島睦郎「晩秋の月」)
五嶋紐。 紫色、片方に渋い緑・黄色入り。
縮緬の帯揚げ。 臙脂色〜薄牡丹色〜薄桜色の暈し染。 (五嶋紐「五嶋の彩」)
藤・金・白色の五嶋紐の鼻緒の草履。 銀色の台。
長道中着。 薄灰茶色地。 襷格子地紋。 秋草文。

2014.11.26 [水] 美味しい・楽しい食事

先週は珍しく予定なしの週だったのにダウン。(涙) 
行くつもりでいた展覧会にも演劇にも行けないまま、会期が終了してしまった。
幸い?チケットは取って無かったし、無理しても仕方ない。
木曜と土曜の夜は健康づくり講座に出席しているけれど、先週は、それすら休んでしまった。
ダメだな〜と少し凹んだものの、心身ともに疲れが出たのだろうと自分を甘やかす。

昨日から漸く復活。 雨で寒かったが、まずは用事を片づけようと出かけた。
午前中は、母関連の手続きを聞きに区役所に行ったり電話をかけたり。
出向かなければならない手続きもあることが分かり、まとめてすることにして保留。

昼からは、食いしん坊も復活。 みかわ是山居@門仲で天ぷらランチ。
連休3日間は連日昼夜とも満席・入れ替わりの大盛況だったそうで、皆さん少しお疲れ気味?
この日は平日だったし、昼の遅めの時間帯は空いていて、ゆったり気分で美味しくいただいた。
食が細くなったのか追加なしのランチコースだけで、満腹・満足。(笑)
〆はいつものように天丼にしたが、器が替わっていて、それも楽しい。
先月から何処にもわざわざ食べに出かける気にはならなかったから、元気になったと実感。

今日も一日雨だったが、夜は友人からの誘いで友人宅で鍋を囲んだ。
4時過ぎには行ったけれど、皆もう揃っていたので5時前から早々に始まった。
気の置けない友人たちと、おしゃべりしながら楽しく過ごして、気分転換も十分にできてニコリ。
私の代わりに行って貰ったチケットのお礼も兼ねてだそうで、遠慮なく美味しくいただいき、
知人たちから届いたというジャガイモやらプルーンジャムやらをお土産にいただいてニンマリ。
私のために作ってくれた野菜カレーは明日のお昼にでもいただくつもり。
私も箱買いしたラ・フランスのおすそ分け。
まだ固いけれど、食べ頃になるとあっという間に時期が過ぎてしまうから、いい機会だった。

2014.11.17 [月] 11月初旬の観劇・観能メモ

自分の覚えに印象をメモっておく

4日(火): 顔見世大歌舞伎@歌舞伎座の夜の部
 夜の部の注目は、41歳の染五郎が初役で家の芸とも言える弁慶を勤める「勧進帳」。
 満を持しての挑戦で、富樫に父・幸四郎、義経に叔父の中村吉右衛門という豪華版。
 更に長男の金太郎が太刀持ちを勤め、弁慶が高麗屋にとって大切な役であることがよく分かる。
 高麗屋三代の共演と、弁慶役者でもある吉右衛門の義経という意外性も話題?
 ニンにないと思っていた染五郎の弁慶が予想よりずっと良くて、ほう〜っ!と思ったし、
 それこそニンでない(と思う)珍しい吉右衛門の義経も違和感なくて、楽しめた。
 でも、弁慶の助けはいらないと思える強そうな義経でもあるけれど..(笑)
 四天王は、友右衛門、高麗蔵、宗之助、錦吾。
 その前に、菊之助・松緑の白井権八・幡随院長兵衛で「御存 鈴ヶ森」。
 彦三郎、團蔵などの雲助に、権十郎の飛脚。
 夜の部の最後は、菊五郎のいがみの権太で「義経千本桜 すし屋」。
 菊五郎だと普段と印象が違い、嫌みのない憎めない権太で、個人的にはとっても好き。
 江戸前?の権太で、吉野でなく江戸?の感もするけれど、夜の部ではこれが一番楽しめた。
 弥助実は三位中将維盛を時蔵、鮨屋弥左衛門を左團次、その女房おくらを右之助、
 娘お里を梅枝、若葉の内侍を萬次郎、梶原平三景時を幸四郎など。
 幸四郎の梶原は、通常の赤ッ面ではなく白塗りだった。

7日(金): 能楽@国立能楽堂
 今月は《鬼の世界》という企画公演のみで、狂言にもお能にも、いろいろな鬼が出てくる。
 この日の番組は、おはなし、狂言・大蔵流「清水」、能・観世流「葵上」。
 お能に詳しく話し上手な馬場あき子さんのおはなしは、今回も分かり易く楽しい。
 能「葵上」は、小書「古式」つきで、橋掛かりに破れ車の作り物が出され、青女房も登場。
 楽しく観て、来てよかったと思いながらも、知人に会わないうちにと、早々に帰宅した。

8日(土): バレエ「眠れる森の美女」@新国立劇場
 大原永子新監督の2014/2015シーズン開幕バレエは「眠れる森の美女」。
 プティパの原振付を基に、ウエイン・イーグリングが現代的感覚を交えて新たに振り付けたが、
 基本はトラディショナルだそうで、分かり易く、楽しい。
 リラの精と悪の精カラボスの存在感の強さは従来通りだが、カラボスがマイムでなく踊るので、
 印象が変わり、オーロラ姫もこんなに踊った!?と云う感じがする楽しい新振付だった。
 劇場内外がツリー・リースのクリスマスの飾りつけで、バレエのシーズン開幕初日らしい明るさ。
 演目のためもあろうが、子供たちも多く、劇場内は華やか・賑やかだった。

10日(月): 通し狂言「伽羅先代萩」@国立劇場
 「花水橋」、「竹の間」、「御殿(奥殿)」、「床下」、「対決」、「刃傷」の4幕6場の通し上演。
 藤十郎の乳母政岡を観るのを楽しみに出かけた。 藤十郎は御殿だけで、竹の間は扇雀。
 御殿での藤十郎の政岡は、千松を殺された後に、鶴千代を打掛の中に入れて守るのでなく、
 上手の部屋に入れる独特の演じ方で、1人、柱に手を掛けて立ち身で決まる型がきれい。
 前に観た時もそうだったと思い出しながら観ていた。
 飯炊きが無いのは立ち居を考えれば仕方ないが、それでもよく動いていて、それにも感嘆。
 梅玉の、足利頼兼の鷹揚な大名ぶりも、細川勝元の颯爽とした捌き役も、格好よさで目に残る。
 頼兼は30年ぶりで、勝元は18年ぶりだそうだが、これからも観たいと思った。
 橋之助の初役という仁木弾正もよくて、勝元とのやり取りで拍手が沸き起こったのに納得。
 あと、松江の谷蔵、翫雀の八汐、孝太郎の沖の井、亀鶴の松島、秀調の小槇、
 東蔵が初役の栄御前、彌十郎が荒獅子男之助と渡辺外記左衛門など。

2014.11.14 [金] 奮闘連続公演

明治座の11月花形歌舞伎は、10月の新橋演舞場に続く猿之助の奮闘公演の2ヵ月目。
時間が短いだろうからと久しぶりに通し観劇にしたら、昼の部は短いけれど夜は長かった。(苦笑)
でも昼夜の間が2時間近くあったので、劇場に居続けないで、外に出て気分転換。
そのお陰もあるのか、心配した腰痛も出ず、楽しく観られた。
昼の部は「高時」と「女團七」、夜の部は鶴屋南北の顔見世狂言「四天王楓江戸粧」の通し。

幕開きの新歌舞伎十八番の内「高時」は、市川右近の北条高時。
権力者(執権)の傲慢さと烏天狗に翻弄されるおかしさ、烏天狗の動きの楽しさ.. 
他に笑也の愛妾衣笠、猿弥の大佛陸奥守、寿猿の秋田入道、弘太郎の安達三郎など。

「夏姿女團七」は、「夏祭浪花鑑」の主な登場人物を男から女に書き換えたもので、
舞台も大坂から江戸へ移して、柳橋草加屋、両国橋橋詰錨床、浜町河岸の3幕。
猿之助が半世紀ぶりに復活したものだそうで、猿之助の團七縞のお梶は、男勝りの柳橋芸者。
「夏祭」をそっくり移したような場面の連続で、それも含め面白がって観たけれど、
「夏祭」を知らなくても、楽しめそう。 でも「夏祭」の方が見どころが多い。 
他に、竹三郎の義平次婆おとら、門之助の玉島磯之丞、尾上右近の琴浦ことおはつ、
春猿の一寸お辰、猿弥の釣船の三婦など。

夜の部の「四天王楓江戸粧」は、18年前に国立劇場の開場30周年記念公演の開幕狂言として、
3代目猿之助(現猿翁)が200年ぶりに復活上演した2部を通して9時間という大長編を、
今回およそ5時間(今は4時間半に短縮されている)にまとめての再演というが、
前回も観ているのに、体調が酷く悪かった時期とはいえ、覚えていないのが悲しい。

死者の蘇生・2度の宙乗り・早替わり・だんまり・六方・舞踊的な土蜘蛛退治・大立ち廻りと
見せ場の連続を、セリ上げ・屋台崩しなどの大道具も含めた「究極のスペクタクル」で見せると
謳っているように、様々な趣向が盛り込まれ、目まぐるしく舞台が変る。

猿之助は、辰夜叉御前、袴垂れ実は平井保輔、相馬太郎良門、小女郎狐の精の4役を勤め、
辰夜叉御前と小女郎狐で2度の宙乗りを異なる形で見せるなど、正に奮闘公演。
土蜘蛛は楽しいし、「蘭平物狂」風の立ち廻りには花道の七三と逆七三で二本の梯子が出て壮観。

顔見世吉例の「暫」の趣向もあり、盛り沢山だから、気楽に観るには楽しいが、
幕開きの口上で、筋は2の次3の次、考えずに楽しんで欲しいと言う通り、
筋は飛ぶし、何役か勤める役者も多く、分かろうとすると疲れてしまいそう。(笑)

秀太郎、門之助(澤瀉屋の公演の常連)、竹三郎に、亀三郎、尾上右近も出演していて、
それぞれ存在感があるが、市川右近を始めとする澤瀉屋一門が頑張って支えている印象もある。

*****
昼の部と夜の部の間には、浜町の東京洋菓子倶楽部に行って独特のモンブランと紅茶で一休み。
甘酒横丁の柳屋は長い列。 時間はあるのだからと並んで、鯛焼きを持ち帰り分も含め3つ購入。
夜の部の前に席で食べたが、隣席の昼の部と同じ方が召しあがったことがないそうなので、
よい思い出になると嬉しいと1つ進呈。 美味しかったと喜んでくださって、私もニコリ。
夕ご飯は、人形町今半の黒毛和牛のすき焼き弁当と惣菜。

*****
お召し。 黒地。 いろいろな小紋柄の段取り。
名古屋帯。 薄銀鼠色系引箔地。 紅葉に鳥。(都、睦朗・美の世界「紅葉栄樹文」)
伊賀組紐。 紺色、片方に緑色入り。 撚り房。 (松山好成)
縮緬の帯揚げ。 鶯色の暈し。 「幻雪」

ここで着物を着ておかないと、また億劫になりそうだと、朝から頑張って着物着用。

2014.11.13 [木] 感謝

ご伝言、コメントを読ませていただいているうちに、ジワッとして、涙が出そうになって、
柔になっているのに我ながらビックリ。 でも、もう大丈夫です。
本当に力づけられました。 ありがとうございます。

2014.11.12 [水] 顔見世大歌舞伎・昼の部

芝居見物のワクワク感には程遠かったけれど、そう言っているといつまでも日常に戻れない。
着物だって着なくてはと、母が半世紀近く前に選んで縫ってくれた着物を着ることにして、
まずはそこからスタートだと、前夜のうちに着物と、合いそうな帯を下すことにして準備。
どうにか半月ぶりの着物(喪服は別にして)で、顔見世の昼の部に出かけた。

今年の顔見世は、初世松本白鸚三十三回忌追善と銘打たれ、例年の顔見世とは趣が異なって、
高麗屋が中心で、当代幸四郎の実弟の吉右衛門・播磨屋一門に菊五郎一門も参加の感。
昼の部は「寿式三番叟」に、追善興行らしく白鸚が得意としたという「井伊大老」と「熊谷陣屋」。

幕開けの「寿式三番叟」は、翁に3人の千歳、2人の三番叟で、賑やか。
前半は、我當の翁で、千歳は亀壽、歌昇、米吉。 我當は、ますます足が不自由になった様子で、
動きというより歩行が大変そうで、観ていて辛い気持ちになるのが残念。
続いて、染五郎と松緑の2人の三番叟で、2人の踊り競べの趣き。
派手で賑やかな染五郎の踊りと、動きは抑えられているが身体に芯の通った松緑の踊り。
いつの間に松緑はこんなに踊りが上手くなったのかと驚きながら楽しんだ。

次が新作歌舞伎の北条秀司作「井伊大老」で、井伊大老邸の奥書院より桜田門外まで。
千駄ヶ谷下屋敷の宵節句は割によく観るが、今回は桜田門外の大老の暗殺までの上演。
白鸚の次男の吉右衛門が井伊直弼を勤め、あと、歌六の仙英禅師、芝雀のお静の方、
又五郎の長野主膳、錦之助の水無部六臣、菊之助の昌子の方、歌女之丞の老女雲の井など。
いい芝居だと思いながら楽しく観た。

昼の最後が白鸚の長男で当代の幸四郎の「熊谷陣屋」。
幸四郎の熊谷は分かり易いと言えば分かり易いのだが、妻の相模の反応を探るような様子が..
身替りに一子小次郎を討ったことを知らぬ相模に対する態度にしても、
しつこいというか、やりすぎというか、そう何度も繰り返さなくても..と思ってしまう。
菊五郎の義経、魁春の相模、左団次の弥陀六、高麗蔵の藤の方、松緑の軍次など。

*****
終演後には馴染みの呉服店に寄って店長と暫く雑談。
このところ人と話す気にならなかったのが、漸く話すことが苦にならなくなったとホッ。
もう大丈夫と思えたので、茶の葉にも寄って、お煎茶と和菓子で一休み。
八重洲口の京都館と、日本橋のデパ地下でも買い物。

*****
小紋。 多色。 油絵風?な印象。
染名古屋帯。 塩瀬地。 茶鼠色地。 四角に樹木・尾長鳥・鹿などの柄。 (お初)
伊賀組紐。 灰紫色、片側に薄黄緑・白色入り。 撚り房。 (松山好成)
縮緬の帯揚げ。 草木染(竹染)。 薄い竹色。
生成り他薄色の五嶋紐の鼻緒の草履。 パールパープルの台。
道中着。 薄灰茶色地。 襷格子地紋。 秋草文。

着物はもう暫く着たいから、洗い張りに出して、地味な八掛を選んで仕立て直してもらうつもり。

2014.11.11 [火] 

母のことで、ご伝言、日記へのコメントをいただき、ありがとうございます。
真楽の皆様の優しさに包まれて、心温かい気持ちになって、元気をいただきました。
本当にありがたいことだと感謝しております。

*****
月前半の恒例で今月もいろいろ予定があったため、相変わらずの劇場・能楽堂通い。
家に居たら何もせず(できず)ボンヤリ過ごしてしまいそうで、それが嫌なこともあり、
自身も元気な頃はよく出かけていた母だから、行ってきなさいと言うだろうと思うし、
1日の呉服店での講演会は前日にキャンセルし、葬儀の2日間は友人に行ってもらったけれど、
それ以外の観劇・観能には、予定通りに出かけた。

でも、出かけてはいるものの、何となくボケッとしていて、いつもより更に集中力を欠いて..
我ながら平常心ではないようで、葬儀には改めて誂えてあった喪服一式を着たのに、
その他の外出時には着物も着る気にならず、暫くはこんな調子なのかしら..と思う。

4日は、顔見世大歌舞伎の夜の部で「御存 鈴ヶ森」、「勧進帳」、「義経千本桜 すし屋」。
7日は、国立能楽堂で、おはなし、狂言・大蔵流「清水」、能・観世流「葵上」。
8日は、バレエのシーズン開幕初日で、「眠れる森の美女」@新国立劇場オペラパレス。
10日は、国立劇場で歌舞伎見物。 通し狂言「伽羅先代萩」。

11日は、先月初めにオープンしたフレンチレストラン「ラ ペ」で、ご挨拶がてらランチ。
ご案内いただいたオープニングパーティーも失礼したので、ときわ木の和菓子を手土産。
自分用にも購入して、帰宅後に抹茶でいただいた。

2014.11.8 [土] 旅立ち

11月2日、97歳の誕生日を迎えた5日後に、母が旅立った。
誕生日の前日の10月27日から愈々具合が悪くなって回復することがないままの永眠。
入居していた民間ホームで苦しむことなく穏やかに逝った。

友引があったので葬儀は少し空いて5日、6日。
知人は皆さんご高齢なので殆どご連絡せず、子供・孫、弟、甥・姪など、ほぼ家族だけでの見送り。

年齢的には天寿を全うしたと言えるが、話せなくなってからたったの1週間だから、
娘としては、あっという間の感じで、もう一度話したかったなどと思うし、脱力感もあって... 
27日から告別式の6日まで姉も私もホーム・葬祭ホールに毎日通って見送れたのはよかったし、
大体が、順送りなのだから仕方ないとは思うけれど、どことなく呆然としている。

▽最近の3件 [全8件を表示]
14/11/13 ねこもも
今日拝読いたしました ご冥福をお祈りします。むかし桜さん、お疲れが出ませんようにご自愛のほど。
えりりん
私も今拝読しました。ご愁傷様です。ゆっくりと心と体を休ませてご自愛ください。
むかし桜
ねこももさん、えりりんさん、ありがとうございます。
天寿を全うしたのだから悲しむことはないと思いながらも、
やっぱり何とも言えない喪失感があります。
でも、皆様からの優しいお言葉に元気をいただいております。
本当にありがたく、感謝申し上げます。

メンバーログイン
新規メンバー登録
お店お店
素材素材
着物・帯着物・帯
小物小物
着こなし着こなし
How To & TipsHow To & Tips
メンテナンスメンテナンス
本・雑誌本・雑誌
イベント・場所イベント・場所
ノンカテゴリノンカテゴリ

KIMONO真楽 について | KIMONO真楽の利用規約 | Syndicate this site Powered by 関心空間