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京都御所ゆかりの至宝のチラシが届いた。桂離宮の月字形引手はぜひ見てみたいものの一つ。先月京博工芸室の方の錺金具にまつわる講演をきいて以来、展覧会やお寺のそこここで目に入る襖の引手金具が気になって仕方がない。時代による技法の変遷など写真を交えて実にマニアックな視点で解説され、桃山期の緻密な彫金もすごいけど、技巧のピークを経て流行したという江戸前期以降の意匠の数々が特に興味深かったのです。月の字は桂離宮が観月の名所だからだそうで、ほかにも吉祥的概念を表す舟の櫂や花手桶形。どこの物か忘れたけど機織の杼を象ったのもありました。曰く武家の発想にない宮廷文化を映した意匠だそうで、一つずつの意味や由来がわかれば一層面白いことだろう。
すっかり感化され、先日の御所の一般公開ではレンズが追いつかないカメラで地味に引手を追っていました。 |