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辛夷(こぶし)の空間
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2009.4.29 [水] 藤井さん更紗〜やっとご縁

11時過ぎ、千歳烏山に到着。私は千歳中学出身なので、この辺は同級生の家に遊びに来ていたところ。当然、随分変わったけれど懐かしい…。

一衣舎春展、門をくぐると見事なつつじ群生が出迎えてくれる。エントランスのしつらえの素晴らしいこと!相方はすでに感激モードに入っている。
階段で木村さん&楽艸の高橋さんとすれ違いながらお会いし、ご挨拶。高橋さんからはコーデをおほめいただき、“てへっ”。

お目当ての藤井さんのジャワ更紗を1つ1つご説明いただく。建築物や木細工、畑などの手仕事にものすごく興味関心を持ち、支援もしたいと意気込んでいる相方は、もしかすると私より説明を伺うのに熱心。藤井さんの説明をひととおり伺った後、いろいろ拝見する中で「江戸更紗もいいよねえ…あの藍色が美しい」などとのたまう。
そうこうしているうちに一衣舎さんブログにも出ていた『訳ありジャワ更紗』を木村さんが持っていらっしゃる。その精緻で楽しい柄、美しい色使いの仕事ぶりにぞっこんに!よくもまあ、難易度の高いこの素材に、手描き更紗なぞ出来るもんです。
熟慮した結果、うちの子になっていただくことに…。『訳』部分は“テ”で隠れてしまうし、付け帯にしかならないという長さも気にならない。「もう買わないんじゃなかったの?」という相方のからかいもサラッとかわす。そのぐらい好き!

そうこうするうち、えりりんさんの“足跡てぬぐい”を、相方はいつのまにか選んでお持ち帰りに。

帰りに会場提供の真楽メンバーのKさんとご挨拶しお庭拝見。ステキな竹林。(帰りがけにまたもやご挨拶した高橋さんの小さな江戸っ子コメントにニヤリ。ホントに彼女はカッコイイ!)

お腹がすいてKさんに教えていただいた趣ありそうな店に伺ったが祭日でお休み、残念!
仕方なく昔からある旭鮨で昼間の泡と鮨を美味しくいただく。
帰りは蘆花恒春園に寄る。良い休日であった。

*本日の着物覚書
・ラオス綿アイボリー地に白茶横縞(初下ろし〜昨年の一衣舎春展でGET)
・ラオスシルクのブルーと茶刺し子風九寸
・吉田さんクレイブルーのショール

2009.4.26 [日] 竹の子尽くし

今さらですが本日の夕飯は、今期何回目かの竹の子尽くし。(あー、貝尽くしもしたいもんだ)

ご飯、吸い物、中華風炒め物、温サラダ、あっイサキの焼き物は別。

庭から取れるこの時期の贈り物を軽くたたいてご飯と吸い物に。さんしょの葉。春ランマン!

2009.4.25 [土] アート

この頃はヤマバトの低い独特の鳴き声で目が覚める。良い季節となったが、今日はあいにくの雨と寒さ。
兄の家に行く予定が延期になったこともあり、上野で古くからの知り合いと軽いランチをしながらのおしゃべり後、国立新美術館での会社の後輩の絵の展覧会へ。95回の記念展のため、出展もいつもより多いようだ。とにかく歩く歩く。

100号というサイズの“千年の翠”と名付けられた油絵。美しいグリーンとブルーが生きている彼女らしいフォトジェニックな絵。今年は各種ガラス器の向こうにグリーンが見えるという手の込んだ構図。
会社では50人の現場メンバーを束ねて、実は胃薬が手放せない彼女。ハンサムウーマンを地でいくような行動のカッコ良さ。その彼女の心の美しさがにじみ出ているような絵であった。

その後、工芸部へ。陶器・竹細工・木工・金細工・漆・などだが、今年は例年に増して染と織の展示が多かった。着物も2点。しかし『工芸賞』の“青き風”と名付けられた雨田友子さんの巨大なタペストリーの藍染には息をのんだ。凄い!
文様とか構図とか、説明しようと思えばできるかもしれないけれど、それは失礼にあたると強く思うほど。
そしてその横にあった『工芸奨励賞』の2点対の織物、『樹神』と名付けられた江連房子さんのやはり巨大なタペストリーの色の美しさにも脱帽。しばし座り込んでしまった。
双方とも天井高の上から床までに近い巨大なサイズだが、目を凝らして一本の糸を見つめた時の感動も表現しがたい。

美に対する人間の努力はどこまで続くのか…そんなことを感じさせる一日。

2009.4.25 [土] 去っていく人・去っていくモノ

昨日の夕方、来る6月下旬の株主総会で、勤務先の社長が去ることが全社に知らされた。新しい役員が4月1日に来た時から覚悟はしていたものの、正直、寂しさがよぎる。
真に厳しい人であった。と同時に情熱の人であった。この会社に私が縁をいただいて7年前に来たのも、彼の情熱にうたれたからこそ。
経理畑が長かったが、冷静ではあるものの怜悧さは見せないことが多かった。時々、役割の仮面をはずした時の人としての横顔を忘れない。

そして昨日、知ったこと…
竺仙の浴衣綿芭蕉籠染めが昨年で生産中止になっており、在庫のみであるということ。

綿であるのに、しわになりにくいこと。
江戸文様と色が表裏で違い、裾や振りがひるがえった瞬間、「あっ」と思わせる粋。

皆、去っていく。

せめて…偉大さを数えながら、心からの感謝を捧げたい。

2009.4.19 [日] バタバタな日々

気の張る出張があり、また仕事でハラハラする日々が続いた2週間が終わった。さらに着物を3週間着てなかったせいかイライラ…。

やっと着ることができた土曜日。

家を出てから新国立美術館で開催中の光風会招待状をオフィスに忘れたことを思い出し、仕方なく来週に延期することにした。会社の後輩の力作拝見はお預けに。

まずはサントリー美術館の薩摩切子展。切子好きの私にはたまらなかったなあ…。特にNY美術館からの里帰りしているものが、軒並み好み。それと“ちろり”。これって今購入すると198万円なんだそう。フウ〜。

薩摩切子を使っている自宅そばの薩摩料理店で早くも食事をしたくなったが我慢して横浜へ。用事を済ましてから、7年ぶりのニューグランドホテル本館ラウンジで友人に会う。
過去の思い出話はネタが何にせよあまり好きでない私。だが彼女はそれが好きみたい。15年ぶりだから仕方ないかもしれないけれど、ちょいと退屈な1.5時間。でも美味しいお茶に救われる。

夜、実家で昨日また1つ年を重ねた父を、弟夫婦が送ってきた今半さんの牛肉ですき焼きをして祝う。うーむ、米寿で肉好きでたくさん食べるとはおそるべし!

*本日の着物覚書
・佐藤新一さんの白鷹綾織、アイボリー地に薄金茶縞で胴抜き仕立て(初下ろし)
・縮緬アイボリー地に金茶、古代紫、草色の葵文様染九寸
・道明帯締、黄色よりの枯草色
・白地に黄色飛び絞り帯揚げ
・グリーングレー長襦袢
・エナメル薄黄色台に黒田商店さんの抹茶地幾何学文様帯地の鼻緒
・公長斎小菅のかご

2009.4.9 [木] 華は散ったのだろうか・・・

昨日8日日経朝刊に、小さく出ていた。
熱海伊豆山の蓬莱が星野リゾートに買収された、と。

蓬莱といえば、究極の1つと感じられるおもてなしと共に、女将の古谷青游さんの着こなしが着物好きの中では有名であった。樋口可南子さんや壇ふみさんの本にも出ていたはず。

宿は女将の美意識がすみずみまで感じられたしつらえであった。

あの宿に何が起きたのかはわからない。

仮に運営をほとんど変えなかったとしても、経営母体が変わると必ずその香りは変わる。

今、確実に言えることは、一つの空間と空感が確実に息をひそめた…。

2009.4.7 [火] 先週末

早いものでもう4月、あっという間ですね。

4日(土)
前日の仕事不具合にイラついて寝つきが悪く、起きたら「アンビリバボー!」の時間。集合場所に到着したのは4分前。Sさん、ヤキモキさせてすみませぬ〜。

バスは一路、勝沼へ。
詳細はSさんのレポートで(手抜きですまんこってす!)

私の感動ポイントは3つ。
1.この日は曇ってたけれど、それでも時折差し込む陽射しが、土だと柔らかい。コンクリートとは反射率の違いなのだろうけれどこれだけでも癒される〜。海の陽射しの美しさとは違う種類。

2.輸送時間ゼロだと、ワインはもちろんのこと野菜が本当に美味しい!!!調理の上手さはもちろんあるけれど、やっぱ人間の幸せ原点は農業(水産含む)でしょ、という快適性を再確認。着物の原点も丁寧農業ですもんね。

3.職人さんのこだわりと、山梨県人独特のLOVE&LOVEスピリッツ!の具現性。ま、Sさんを見ればわかりますが(ごめーん)、サービス精神なんて生易しいものではない。LOVEに満ち満ちたアクションですな。

とにもかくにも、ティスティングしすぎて帰りのバスではぐったり!せしめたワインを空ける日が楽しみ!!!

*しかーし、久しぶりの中央高速は嬉ピかった!10代半ばから通った白樺湖合宿所。20代半ばに出来た第二故郷の蓼科の家。遊びまくった松本。また通いたいゾ!!!(なんと今月中、松本までバスが2000円という広告に目が点になって、想いを一気に寄せたのでした)

5日(日)
朝、大量洗濯後、庭の桜をめでる。大正生まれの桜だし、近所迷惑にならないよう、あちこち枝を落とされているのに元気に楽しませてくれる。
昼過ぎ、徒歩300m弱の公的施設の桜を見に行く。崖地なので2階のエントランスからは桜並木の上に新国立劇場とパークハイアットがそびえ立っているように見える面白さ。あまり知られてなく、1階に下りて桜並木の下でお昼寝。
また5分ぐらい歩き、駅2つ分(京王線が地下に潜ったので)の緑道に出来た桜アーチをお散歩。数時間後、用足し後に夜桜をまた緑道で見る。


*りりやっこさん、文字通りの「世界」デビューおめでとうございます!!!

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