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10年近く前に亡くなったお師匠さん(大正生まれ)の娘時代の思い出話。
学校(高女かしら)には絹のお着物を着ていくのは禁止だったそうですが、その日は普段のお召し物を洗濯してしまったため、仕方なく絹で行ったそうです。
教科書を読み上げながら教卓を行き来する教師に、襟元をスルスルっと指でこすられてしまい、
「口に出しては言わなかったけれど、絹はいけないって暗に忠告された」
とのこと。
子供だった私が、(絹は見ただけでわかっちゃうのか)と感心していたら、
師匠「ほんとイヤらしい」
(そこか!!)
びっくりしました。
おばあちゃんだって娘時代があって、その時の気持ちは新鮮に思い出すものだ・・・と私が理解するのはもうちょっと経ってから。
お稽古の合間に昔の話を色々してくれた。いつも着物を着ていた。夏は浴衣だった。恐い先生だった。可愛がってくれた。
年の近いお弟子さんはいないので、こんな話をできる人もいない。ちょっと日記に書き残してみた。 |