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取り壊しの決まった同潤会江戸川アパート。ひょんな事から、こちらに居を構えていらした方の部屋を片づけるお手伝いをする事になり、処分するという着物をたくさんいただいた。明治に生まれ、昭和初期には職業婦人として活躍していらっしゃったという故人の着物達は、ウールや綿などの普段着でありながらモダンでハイカラな物が多かった。柔らかものにありがちな花柄の古典模様みたいな着物は一切無く、縞や無地やツイードなどそのままスーツになりそうな生地を好む方だった様だ。メンテナンスも簡単な物が多い。つまり、今の私の毎日の日常着にピッタリではないか。
そんなわけで、今日は早速、いただいた中の一枚である厚手の綿の着物に袖を通してみた。グレー地に白とピンクの点線っぽい感じの織り柄になっている。裄も着丈も短いので、長襦袢は着ないで、ネルの腰巻きにレースの筒袖半襦袢のみ。ネルの腰巻きは裾捌きは最悪だけど、下半身がとても温かいので部屋着には重宝する。一日ほぼ座りっぱなしなので、背中が平べったい「かるた結び」にしてみる。ラクチン!これは大発見だから、別途キーワードにしよう。
今日は一日、自立した女性の大先輩の着物を着てのデスクワークだった。私も頑張るよ>先輩!ってな気分。明日は、来社予定のクライアントを、このいでたちで迎えてみようか。 |