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この手あぶりは、大切な方からいただいた。
主人と客がそれぞれ手元で使うため、対が基本。
小さいので、ヒョイヒョイと移動できる。
夏の蒸し暑さに対応した日本家屋は、寒い。
我が家も....、寒い。
隙間風がぴゅうぴゅう入る空間だから、
部屋全体を温めるヒーター類は無駄が多くて適さない。
だから、着物を重ね着して、
手だけを炙る手あぶりがあれば、
とりあえず冬をしのげる。
エコな暮らしだなぁ。
実際は、アラジンストーブや囲炉裏もあるし、
今年はついに炬燵の魔力に負けたけど。笑
ま、いろいろあるけど、この手あぶりは好き。
炭火が柔らかく燃えていると、
なんだか心の真ん中からじんわりと温くなる。
鉄瓶からしゅんしゅんと湯気が立ち、
心も部屋も潤ってくる。
冬の浜辺は、空気がカキンと冷えてクリアーだ。
だから、見事な夕焼けによく出くわす。
見とれるうちに日が暮れて、体もすっかり冷えてくる。
そんな時、家に帰り着いて、
手あぶりに炭が熾きていると、とても嬉しい。
火を熾しておいてくれた心遣いが嬉しいのだ。
幸せ。
いろんな事が、簡単&便利になっていくけど、
面倒くさくて不便な中に、
きっと大切なナニカが隠されている。 |