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2006.12.31 [日] 良いお年を

葉山、真名瀬の港に、大漁旗。
元気いっぱいで、新年を迎える。
風を孕む旗のドレープにぞくり。

今年もたくさんのご縁を
どうもありがとうございました。
着物を通して、
どんどん世界が広がります。

今晩は、近所の神社に初詣します。
あったかくして出かけましょう。
甘酒、いただけるかも。ほんわか。。。

では、皆様、
良いお年をお迎えください。

2006.12.30 [土] お正月の準備

近所の和菓子屋さんに頼んでいた鏡餅を受け取りに行き、午後からお正月の飾り付け。
門柱には略式の門松と輪飾り。
玄関のドアには、しめ飾り。このお飾りは、どんど焼きなどで燃やすことを考慮して、すべて可燃性の天然素材で出来ている「環境対応商品」だそうだ。こうゆう配慮は嬉しいなぁ。デザインが好きで、毎年ここのを選んでいたけど、改めて調べたら、「飾一」という会社の製品だった。あ、ここはサイトの情報も豊富なんだね。今更、ふむふむ。
そして、まだ柔らかい鏡餅を、色々代用しながら飾る。居間に飾る中くらいの大きさの鏡餅は、三方は無いので桐の箱で代用、紙四手、裏白、ゆずり葉は庭に無かったので千両の葉で代用、横須賀走水のこんぶ、だいだい。....と、なるべく身近な物で飾って供える。この他に、小さな鏡餅を、玄関と台所とトイレ前の水場に供える。
年神様をお迎えする準備は整った。
さて、煮物。....と、思ったら干し椎茸を戻してない。煮物づくりは明日にしよう。

2006.12.29 [金] 大掃除

朝から一気に大掃除。
さっぱりした空間で暮らしたいので、掃除は嫌いじゃない。特に拭き掃除が好きだ。固く絞った雑巾で水ぶきした廊下は、素足の裏が気持ちいい。モップじゃなくて雑巾。私の人生の持ち時間の中で、掃除に費やす時間は結構多いんだろうと思う。でも、車使ってジムに通うより、家で体使って掃除で鍛えりゃ一石二鳥....なんてね、考えてるからこれでいいの。はたきをかけて、座敷箒で掃いて、雑巾で水ぶき。昔ながらの掃除の仕方は、電気は使わないけど体力は使うのだ。勿論、ウールの普段着の上に、もんぺとひっぱりを着用。
最後は、正月用に花を活ける。ここ数日の強風で倒れた水仙を、自作の器に。この器、夏は蚊取り線香立て、冬は花器になる。来年も、臨機応変にミニマムで。
水仙の香りが、ふわんといい匂い。

2006.12.23 [土] 黄落

東京・九段で、銀杏の黄落。
朝の光に、ハラハラと黄色い葉が落ちる様は、
哀愁が漂い美しいけれど、暖冬ですか?
バリの雨期も、今年は雨が少ない様だったし。
地球の季節は、
少しずつ狂ってきているのかもしれません。

さて、この日はこの後、
ピンクの着物をまとって別人になりました。
真っ黒に日焼けした状態ですが、
ちゃんと選べば似合うピンクもあるんですね。
“ピンクってキャラじゃないし”
“チャラチャラしたピンクなんて”
“似合うわけがない”
ずっとそんな風に考えていましたが、
勝手な思い込みは、
自分の世界を狭めてしまうだけな様です。

ピンクをまとうと、
ふわんと心が軽くなり、
まわりの空気がキラキラ輝いて、
華やいだ気分になれました。
そして、それを楽しむ新しい自分を発見しました。

しり込みせずに、何事にもチャレンジしていこう
....と、思いました。

2006.12.22 [金] 冬至

帰国しています。
南の楽園では、
思いきり羽を伸ばしてきました。

でもね、帰ってきて、
寒さで縮こまった体を、
熱い湯船にざぶんと肩まで浸かった時、
「あ〜、やっぱ日本って最高!」と、
しみじみ思いました。

春、夏、秋、冬。
日本には四季があるからこその
お愉しみがたくさんある....。
ここだって、楽園です。
今日は冬至。
日本の四季を、
もっともっと楽しみたいと思います。

庭の水仙がちらほらと咲いていました。
巡る季節が、ほんとに愛しい今日この頃です。



※写真は、
上:稲作文化のバリは、日本の昔の風景とダブります。
下:クニンガンの子供バロン。獅子舞とよく似ています。

2006.12.4 [月] 南へ

明日から、バリへ南下します。
電脳抜きな環境なので、しばらく消えます。
クリスマス前には帰国の予定。
行ってきます。

2006.12.1 [金] 手あぶり

この手あぶりは、大切な方からいただいた。
主人と客がそれぞれ手元で使うため、対が基本。
小さいので、ヒョイヒョイと移動できる。
夏の蒸し暑さに対応した日本家屋は、寒い。
我が家も....、寒い。

隙間風がぴゅうぴゅう入る空間だから、
部屋全体を温めるヒーター類は無駄が多くて適さない。
だから、着物を重ね着して、
手だけを炙る手あぶりがあれば、
とりあえず冬をしのげる。
エコな暮らしだなぁ。
実際は、アラジンストーブや囲炉裏もあるし、
今年はついに炬燵の魔力に負けたけど。笑

ま、いろいろあるけど、この手あぶりは好き。
炭火が柔らかく燃えていると、
なんだか心の真ん中からじんわりと温くなる。
鉄瓶からしゅんしゅんと湯気が立ち、
心も部屋も潤ってくる。

冬の浜辺は、空気がカキンと冷えてクリアーだ。
だから、見事な夕焼けによく出くわす。
見とれるうちに日が暮れて、体もすっかり冷えてくる。

そんな時、家に帰り着いて、
手あぶりに炭が熾きていると、とても嬉しい。
火を熾しておいてくれた心遣いが嬉しいのだ。
幸せ。

いろんな事が、簡単&便利になっていくけど、
面倒くさくて不便な中に、
きっと大切なナニカが隠されている。

2006.11.25 [土] バリ島の手紡ぎ木綿糸

熱帯の楽園と言われるインドネシア、バリ島。
憧れて最初に訪れた80年代後半から、何度も第二の故郷のように通い詰めている。バリから教えてもらった事はとても多く、日本人としての誇りを感じられるようになったのも、きっとバリに通っていたから。自然と共に暮らし、善悪のバランス感覚に優れ、平和を愛する人々。
人間が地球で平和に暮らす為に、バリから学ぶ事はきっと多い。

観光地としてのバリと、普段のバリはだいぶ異る。
バリの田舎の暮らしは、民族学者がこぞって調査するほど複雑で面白い。最初の頃は、床に穴が開いたオンボロジープでバリ島中を探検した。CDというメディアが出始めた頃、“ジェゴグ”という巨竹のガムランの存在を知り、バリ島の西の果て「サンカルアグン」という村を探してたどり着く。ここで始まった縁は、どんどん広がって今に至るわけだけど、ここには音楽だけじゃなく独自の織物も伝承されていた。バリの他の地域では見かけない浮織は、小さな地機で織った独特の布。素材は木綿で、カラフルな色は草木染めではないらしい。何枚か入手してストールとして使っている。

さて、数年前に訪れた時、このサンカルアグン村で育った棉の手紡糸をもらってきた。手紡したままの状態でビニール袋に一袋。どうしたものかと考えあぐね、一衣舎の木村さんに相談した。その後、アジアの手紡糸を上手に扱う京都の川村成さんを紹介していただいた。川村さんは、ここ数年の一衣舎展でもおなじみの若手のホープ。半巾帯にならないか?と糸を託したら、経緯ともにこの糸を使うと足りないらしい。「とても柔らかくいい糸ですね」とおっしゃってくださるので、ならば無理せず、素材として自由に使っていただく事にした。

そのまま私の記憶から消えていたこの糸は、この秋、素敵なマフラーになっていた。川村さんが、糸を染め、手織りして、プレゼントしてくださったのだ。じんわりと嬉しさがこみ上げる。体に巻くと、木綿の素朴な暖かさに包まれる。手仕事のぬくもり。
この布は、これまで私が授かった縁を紡いで出来た布なのだ。ご縁の結晶。
どうもありがとうございます。大切に使います。

この布を見せたいという理由もあって、もうすぐまたバリに行く。



※写真はマフラー。
上:糸のアップ。生成り色は糸そのままの色。
中:全体的にあったかい茶系が素朴で素敵。
下:バリの地図。赤丸がサンカルアグン。青丸がベースにしているUBUD。車で3時間位の距離。

2006.11.19 [日] 陰影礼賛

日本的な美しい時間が流れていた一日。

冷たい小雨が降る茅山荘に数寄者が集う。
そこかしこの木々が色づき始め、
ハラハラと赤い葉が川面へ散る。
薄暗い屋内から眺めると、
窓の外の景色が絵のように映える。
障子越しの光が映す着物姿の影。
囲炉裏の鉄窯から立ち昇る白い湯気。
日本的な美にとって、
暗さは要なのかもしれないと思った。

音の景色も美しかった。
衣擦れの音。
湯の湧く音。
雨の降る音。
竹薮の上を騒めく風の音。

素養も教養も無い私には分からないけれど、
たぶん、この空間に相応しいそれぞれの道具。

暗くて静かな空間に身を置くと、
脳は情報を得ようと五感を研ぎ澄ませる。
静謐な時間が本来の自分に目を向けさせる。

美しい時間の中で、
人としての格を考えさせられた。

今回の様なイベントでなければ、
立ち入る事の出来ない世界だけれど、
快く一般公開を許してくださった主に感謝します。
貴重な一日をどうもありがとうございました。

2006.11.16 [木] 色無地

先日の日記に書いた葉山庭園ミュージアムのイベントのひとつに、「茅山荘の茶会」がある。“近代最後の数奇者”のひとりに挙げられる畠山一清が創建者で、葉山で最も美しい別荘と言われる茅山荘。ここを会場に、現在のオーナーが席主となり茶会が行われる。お茶の事に詳しくない私でも、なにやらスゴイ....という事がまわりの反応から伝わってくる。今回は、主催する地元NPOのスタッフとしてお手伝いに入るのだけれど、どうも全てにお茶のルールが適用され、NPOスタッフも着物で対応する。

で、そうなってくると、紋付色無地が相応しいとの事。
若い頃に作ってもらって、一度も袖を通していない若草色の色無地があるので、先日実家に取りに行った。帯も、母の箪笥から白地に糸菊の袋帯を借りる。白の冠の帯締めと蘇芳香色の帯揚げも、ついでに母の箪笥から。
これまで色無地は無難な装い....というイメージがあり、あまり興味が無かった。でも、今回ちゃんと手に取って、組み合わせなどを考えていると、これはこれでシンプルで奥が深い装いなのだなぁと、新鮮で面白かった。茅山荘は、山荘風な侘び寂の世界なので、華美でない抑えた装いが似合うと思う。また、「お客様を迎える」という気持ちを装いに表す場合、確かに色無地は控え目で無敵だ。そして、そうした制約の中で、更に“相応しい装い”を目指すのだから、難易度は高い。なんだ、ちっとも無難ってわけじゃないじゃん。(笑)
シンプルだからこそ、ごまかしが効かない装い。
色無地も面白いかも?と認識を新たに、四半世紀寝かせた色無地をもうすぐ着る。



※写真を撮ろうと広げたら、下前に落款が入っていた。
「梶山伸」とある。調べたら加賀友禅の作家の様だ。色無地なのに....?

2006.11.14 [火] 焼き上がり

しょうちゃんも報告してますが、
平川さんの工房で土いじりをさせてもらった結果が届く。

うわぁ〜!素敵だぁ。
いや、土と釉薬が魅力的なので、
形はどうあれ素敵なのだ。
同梱されてた平川さんからの手紙には、

+++++
お二人の作
とても素直にスットして
いて、良いと思います。
+++++

....と、ある。
スットの上に黒ポチ。
嬉しい。
確かに頭であんまり考えずに、
手の作りたがる感じで作った。

しかし、素材というか本質が魅力的だと、
出来上がった物も輝くのだなぁ。
深いなぁ。



※写真は、
上:私の結果/総菜鉢・片口・ぐい呑み
中:ぬほりん作/湯飲み・ぐい呑み・小鉢セット(シチューボール?)
下:私の片口の単体ショット
ちなみに、ぬほりんは初めての陶芸でしたが、ぽってりした湯飲みはとても素敵な仕上がりでした。手に納まる感じも良かった。陶芸、面白いなぁ。

2006.11.8 [水] 葉山邸園ミュージアム

葉山を散歩していると、素敵な昔の別荘や旧家をよく見かけます。でも、最近は急速に開発が進み、そうした建物があっと言う間に壊される現場もたくさん目撃しました。とても哀しく思いますが、とは言えただ単に「残せ!保存しろ!」と声をあげるだけでは、何も解決しないようです。どうすれば、この素敵な景観を次の世代に残せるのでしょう。そんな事を、県と住民が一緒になって考えるため、今年から湘南邸園文化祭が始まりました。葉山邸園ミュージアムは、葉山からの参加企画です。
私の秋は、これらのイベントスタッフとして大忙し。私に出来る事は小さいけれど、でもきっと何もしないよりはまし。頑張ります。

古い建物が好き。
景観保存やまちづくりに興味がある。
そんな人には、なかなか魅力的なイベントもたくさんあります。
締め切った所も多いし、たくさんあり過ぎてちょっと分かりにくいかもしれませんが、秋の湘南方面には掘り出しイベントが隠れています。探してください。
そして、着物が似合う空間ばかりなので、着物で是非!


※写真は、
上:旧宮城道雄別荘「雨の念佛荘」
下:旧畠山一清別荘「茅山荘」

2006.11.3 [金] 田んぼのその後

今年の春に雑草取りを手伝った田んぼが、収穫を迎えたので行ってみた。「不耕起農法」という、無耕起、無肥料、無除草、無農薬、無剪定....な自然農法で育った稲は、収穫量こそ少ないけれど、とても立派に育っていた。何もしなくても、病気にもならずちゃんと育つんだね。籾を剥いて、生のお米をかじってみたら甘かった。今日は、足踏み脱穀機で脱穀作業。なんだか、一粒一粒の籾が愛しい。このお米は、田んぼを手伝った人が集まって皆で食べる。
自然の恵み。
自然に生かされている事を実感する田んぼでの一時。

帰りがけに、もんぺとひっぱりを脱いで、友人のグループ展へ。彫銀の草(kaya)さんのかんざしがとても素敵だった。メキシコで彫金を学んだそうで、モチーフが面白い。和の小物も、こうゆう若いアーティストの新しい感性でもっともっと自由に生み出していって欲しいなぁと思った。

2006.11.2 [木] 形を作る

キーワードにもした先日の平川鐵雄展でひょいひょいと話が進み、昨日は、守谷にある平川さんの工房へ器を作りに行った。もうずいぶん前から「茶碗でも作りにおいで」とおっしゃってくださっていたのだけれど、なかなかスケジュールも合わず実現しなかった。でもそんな事を言っていたらいつになっても叶わない。思い立ったが吉日、いけいけどんどん!
というわけで、相棒としょうちゃんの三人で、巨匠に手ほどきを受ける秋の一日。

平川さんは、いつもハッとする事をぽろりとおっしゃる。見えないナニカを形に表現していくのが仕事だからか、おっしゃる事はシンプルで鋭い。昨日もいっぱい発見があった。
実は“書”に関しても、平川さんは心の師匠なのだ。昔、平川さんの書く文字が好きで、「私もこんな風に書きたいけど、どうすればいいのかな?」と聞いた時、「そんなものお習字じゃないんだから、好きに書けばいいさ。」と言われ、「あぁなるほど。」と、シンプルな気持ちで筆が持てるようになった。
師とは、教えてくれるのではなく、気付かせてくれる人なんじゃないかな?
そういう意味で、平川さんは私の師匠なのだ。片思いかもしれないけど、とにかく勝手にそう思ってる。

器作りは、葉山での陶芸教室通いが役に立ち、扱い難い特殊な土でも、なんとか思い描いた形を作る事が出来た。私は、きっとこの日の為に、陶芸教室で土に親しんできたのかもしれないなぁ。総菜鉢と片口とぐい呑みを作った。
焼き上がりがものすごぉ〜く楽しみだ。



※写真は、
上:工房の内部。のどかで落ち着く空間。
中:片口の肝心な部分、口の先のかえしを作って見せてくださる平川さん。
下:ずらりと並んだ土と薬の見本。土や灰は、日本中を掘りに行ったり集めたり。平川さんの器は、ナニ焼きと分類されないどこまでいっても平川さんの器なのだ。

2006.11.1 [水] 落ち葉の絨毯

霜降が過ぎ、まもなく立冬を迎える今日この頃。
ご近所での会話に「家はストーブを出したよ」
という声も聞かれるようになりました。
今時分に吹く寒い北風を“木枯らし”と呼ぶそうですが、
家のまわりの道や庭にも枯れ葉がたくさん落ちて集まり、
落ち葉掃除が大変です。
でも、カラフルな落ち葉の絨毯もいい感じ。

葉山もそろそろ冬じたくです。

2006.10.30 [月] 10:52 pm

昨日の日記。
ん?ピラカンティスだっけ?あれ?と、調べなおしたら、
「ピラカンサス」が正解!
すみません。訂正します。
ついでに和名の「タチバナモドキ」の方が素敵じゃない。
昨日の日記と頭の中の植物事典を書き換える。

2006.10.29 [日] バザーの収穫

持っていった着物達は売れなかった。
みんなが持参した物があまりに魅力的で、売る気にならず。(笑)
可哀想に思ったお峰さんが、一枚だけ引き取ってくださった。
お峰さん、どうもありがとう。

しかし、収穫の方は、素敵な物をたくさんいただいて帰った。
すっかり一週間経ちましたが、自慢レポートさせてください。

【写真:上】
我が家のここ数日の玄関のしつらえ。
お茶席でご縁のあった百花さん作の古帛紗。
赤の縞がかわいい松本紬。
黒マットな自作の器に、庭のタチバナモドキ。

【写真:中】
・産地不明だけどかなり状態の良い黒地に絣の麻着物。(nekomamaさんから)
・裂き織りの帯?幅が狭く長さも短いけどディティールが素晴らしく渋くて素敵。テキスタイルとしての魅力充分。(キナコさんから)
・黒田商店さんの鼻緒。ユーズドだけどキリリとシック。(くっしーさんから)
これらの組み合わせで、夏にこのまま着こなせたらとても素敵。

【写真:下】
・黄色と赤のリバーシブル木綿の半巾帯。(こゆきさんから)
・ウールの半巾帯、紺。(こゆきさんから)
・ウールの半巾帯、黄色。(こゆきさんから)
・木綿のラスタっぽい縞の半巾。(キナコさんからオマケで)
・クリーム色の絽縮緬の帯揚げ。(ぼたんさんから)
・上品な感じの弓月の絹足袋。(みにひつじさんから)
・竺仙の手ぬぐい。(みにひつじさんからオマケで)
・珊瑚色の羽織紐。(nekomamaさんからオマケで)
・柄物ネル生地を二種類。(かおかおさんからもらう)

今回は、着物好きが集めた素晴らしい物達を、「いいんですか?」というバザー価格で分けていただいた。真楽じゃなきゃ、ありえないよなぁ。皆様、どうもありがとうございます。活用させていただきます。

そして、私が持参して売れ残った着物は、昨日、お向かいさん家のガレージセールでそこそこ嫁に行った。ま、そんなもんさね。(笑)

※追記
そうそう。お峰さん作の大島紬の袋物もいただいて帰ったんですが、差し上げる為にラッピングしてしまったので写真が無い。残念。着物をくださった方へのお礼にしました。

2006.10.24 [火] 四ツ頭茶会

母と一緒に、鎌倉の建長寺で行われる“四ツ頭茶会”に行ってきた。

四ツ頭茶会は中国の宗・元時代、禅院で行われた茶礼作法で、鎌倉時代、わが国に禅と供に伝えられ、禅院での法式・作法等を規定した清規(しんぎ)に従う厳粛な礼法であり、わび茶の源流ともなっています。
(茶券の案内文より抜粋)

いわゆる普通のお茶会とはだいぶ違う様で、「私も四ツ頭は初めてで」とおっしゃる方が多かった。本堂で、建長寺の開山大覚禅師と供にお茶をいただく....という事がこの茶会の本質。席入り前にビデオで作法を予習する。お坊さんの前説が面白く、笑いを誘う。そうゆうお茶会なので、お茶の心得が無い私も参加しやすかった。

薄暗い本堂の中で行われる茶会。
お坊さんの袈裟が、ふわぁ〜っとひるがえる様がダイナミック。
供給の四人のお坊さん達は、動きも呼吸もピタリと合って美しい。
自分で手に持った椀にお坊さんが立ったまま茶を点ててくださる。
凛とした空気が本堂の中に満ちている。
清々しく美味しいお茶だった。

他にも、薄茶席や中国茶席もあり、薄茶席のひとつは、普段非公開の少林窟で行われ、空間的にも大変興味深かった。長い待ち時間もたっぷり母とおしゃべりできた。そうか。つまり、お茶って、良い時間を過ごす為に行われてきた事なのかな。
今日もまた、心地良い時間をどうもありがとうございました。


※写真は、
上:母は紫色の色無地に松の柄のすくい織りの袋帯。花井幸子作。
下:私は松葉色の大島に鳳凰柄の袋帯。礼装類は実家に置いてある為、自宅に持ってきている中でヤリクリ。だいぶイマイチ。(笑)

2006.10.23 [月] またひとつ新しい世界

復活再生○ちく部バザー

出張おちゃめ部●月待ちと縁結びの席



昨日は、色々な趣向がたくさん仕込まれた濃縮ジュースのような一日でした。
真楽メンバーの有志達が自主的に企画して、それを実行に移し、参加したメンバーの誰もが心の底から笑った一日。楽しかったなぁ。
“自分も相手もその他の万人も、ともにうるおう楽しみ”
真楽の意味をそのまま形にしてくれた様な内容で、バザーあり、お茶会あり、オフ会ありで、笑っているうちに夜になってた気がします。これだけの事を、実際に実行するにはとても大きなエネルギーが必要だったと思います。たっぷり楽しませていただきました。ご尽力くださったスタッフの皆様、どうもありがとうございました。そしてお疲れさまでした。エネルギーを使い果たして、今頃、バッタリ倒れていないか心配です。
でも、ものすごぉ〜く楽しかったので、是非また企画してくださいね。

さてさて、個人的にはおちゃめ部のお茶会がヒットでした。
なんとなくこれまでは、おけいこ事の「お茶」というイメージが強く、「柄じゃないし、興味ないもん」と、ずっと距離を置いてきた「お茶」。でも、最近「お茶の本質って何?」と、ちょっとずつ興味が湧いてきていた今日この頃。おちゃめ部のヒネリの効かせ方にも魅かれていました。
そこで、今回思い切って手を上げました。
すると、作法を知らない素のままの自分でも、一服のお茶を美味しく頂く事ができました。茶室という空間の非日常性もなんだかとても居心地良く、美しい時間を過ごさせていただいた様に思います。
おちゃめ部のお陰で、またひとつ、新しい世界が広がりました。素敵なキッカケをどうもありがとうございます。これからは、もっと気軽にお茶に親しめそうな気がします。

そんなわけで、明日は、建長寺の四ツ頭茶会へ行ってきます。
「いきなりかよ!しかも四ツ頭?」と、ツッコミどころ満載ですが(笑)、実はずいぶん前から母に誘われていたのです。たまには母に付き合おうか....と、一緒に行く事にした茶会ですが、なんだか楽しくなってきました。早起きして行ってきます。お天気悪そうですけれど。
そして、来月もお茶会絡みのイベントを手伝わなければなりません。
もしかしたら、お茶と縁が出来てしまった?
とにもかくにも、新しい世界は、わくわくします。



※写真は、持ち帰った色々なお土産。

2006.10.20 [金] 10年パスポート

10年使ったパスポートが
期限切れになりそうだったので更新。
え〜っ?もぉ10年???と思うほど早かった。
今日、受け取ってきた新しいパスポートは、IC付きだ。

今回は着物姿の写真で申請した。
運転免許もパスポートも着物姿。
いいね、いいね、なんだか落ち着く。

運転免許は久留米絣で、
パスポートは館山唐桟。
いずれにしても、木綿の普段着。

ところで、着物姿のパスポートは、
イミグレの印象としてはどうなんだろう?
「こいつ、必要以上に日本人のフリをしたスパイでは?」
なんて思われたりしないかな?(笑)

想像するだけで、なんだか楽しい。

2006.10.19 [木] バザーの準備

お天気が良く、乾燥した日が続いたので、
虫干しと衣替えをした。
着物によって、
ハンガー干しする物、
畳紙を広げるだけの物、いろいろ。

バザーに出す着物を整理して、
値札つけして、梱包&発送。
ふぅ....、とりあえず完了!

普段から着物で生活しているせいか、
「良かったらこれも着てくれないかしら?」と、
私の元には、着物がたくさん集まってくる。
ほんとうに、ありがたいし素敵な物も多い。
でも、とても私一人では無理。
なので、今回はそんな着物達を持参します。
普段着的な長着、羽織など。

そして、この着物をくださった方々に、
真楽メンバーがちくちく作った素敵な作品を
何か選んでお礼に出来たらいいなと思ってる。

なんだか素敵な循環....。

今回のバザーを裏で仕切ってくださった幹事の皆様、
ここまでほんとうにどうもありがとう。
日曜日、楽しみにしてます!
どうぞよろしく。

2006.10.15 [日] 土浦花火

三年ぶりの土浦花火。
正式名は「土浦全国花火競技大会」
毎年10月の第一土曜日に開催される全国の花火師達のプレタポルテだ。
今年は、記録的な豪雨のため桜川が増水し、一週間延期になった。
スターマイン三昧のこの花火大会は、本気でスゴイ。でも、花火って言葉では語りきれない。現場に行って五感の全部で体感しなくちゃ始まらない光の藝術だと思うのだ。
今年も、「あぁ、やっぱり来て良かった。」と、誘ってくれたかずさんに心底感謝。

世界中の火薬は、みんな花火にしちゃえばいいのに....。



着て行ったのは、
レンガ色のウールの長着に半巾帯をカルタ結び。
日が落ちるとぐっと冷えるので、下着は湯文字と絹の腰巻きを重ね着し、足下はネル裏の保多織り足袋。襟元にぐるぐる巻いたマフラーは、バリの手紡ぎ木綿糸を川村成さんが織ってくださったもの。このマフラーの背景には、長い長い物語があるので、後日改めてちゃんと書きます。優しい木綿の風合いが、心までほっこり温かくしてくれました。

※写真は、
上:桜川の夕暮れ。まもなく花火が始まる。
下:升席最前列特等席で開始を待つ花火好き。

ついでに、2002年2003年の花火日記。

2006.10.7 [土] 八掛の妙

以前、フーさんの結婚式で着た千聡の小紋
若い頃に作ってもらった着物だったので、朱色の八掛が付いていた。
着用後、羽織にしようかとも思ったけれど、洗い張りして、少し身幅を出して(笑)、八掛の色を鉄御納戸色に染め直して、仕立て直してもらった。
朱色の八掛の時、だいぶ派手だと思った友禅模様は、驚くほど印象が変わって、「なんだ、まだまだイケルぢゃん!」という程、シックに生まれ変わった。
へぇ〜、これが八掛の妙なのね。
着物ってほんとに面白いなぁ。

こんな風に、
四半世紀着てきた着物を、
生まれ変わらせて、
まだまだ着る。
一枚の着物を大事に、ずっと。

あらゆる物がどんどん消費されていく今だからこそ、
大切にしたい着物の文化。



※写真上:朱色の八掛が付いてた時/下:生まれ変わった着物

2006.10.1 [日] 挿し色の妙

元気になって父が退院。
荷物が多いので、車を出す。
突然の入院だったので心配したけど、
いろんな幸運が重なって、
全てがいい方向へ転がった。
八百万の神様、どうもありがとうございます。

さて、今日の陽気にはこれが着たいと、
引っぱり出した家織りおばあちゃんの綿絹紬
色目は思いっきり“春色”だけど、
なんとなく袖を通したくなって素直にまとう。
結城地に型染の半巾帯をカルタ結び。
そこへ、赤茶色の帯締めを締めてみたら、
とたんにちゃんと秋らしくなった。
挿し色の妙。
この辺が着物の面白いところだなぁ。

紫式部の実も、
秋の景色に一際目を引く紫色。
これは、自然界の挿し色。

2006.9.28 [木] 5:23 pm

ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁ。
illustratorあぷりが落ちやがりました。午後の作業がパー。(T_T)
くやちぃ。(T_T)セーブしろよ、セーブ。
なんでこー何度も同じ失敗を繰り返すのか。はぁぁ。もぉぉ。
どこにもはけ口が無いので、ここで愚痴ってみたり。。。
すみません。こんな事でお知らせ小窓をうるさくして。

でもまぁ、これも近況報告。
後で削除するか書き直しますね。すみません。

夜は、手ぬぐい200枚をチマチマと畳む毎日。
そんな地味な毎日を送っております。はい。ぐすん。


半日かかった作業を1時間半で仕上げる。
A3パンフの印刷データを作っているんだけど、
いっぺんやった作業は悩まないから早い。
そんなもんなのだ。



さてさて、実は日曜日にケガをした。
客人と一緒に千秋楽を見て、そのまま宴会となり、
デザートにマンゴでも切るかと思ったら、種の部分でひっかかり、
左手の親指と人差指の間の水かき部分をスッパリ切った。
真っ白いかやふきんが、みるみる真っ赤に血で染まる。
酔っぱらって刃物を持ってはイケマセンね。
反省しつつ、ひとりでこっそり手当てする。
で、前にもちょっと使って良かったキズパワーパッドを使ってみた。

昨日の夜、はがれそうになっていたので取り替えた。
でね。これ、やっぱり、治るの早いと思う。
傷口は、だいたい4センチだからそこそこ大きなケガだけど、
四日でけっこう治っているもの。
ジンジンと痛かったのも最初の一晩だけだったし。

まぁ、ケガをしないのが一番だけど、
わりと新しい治し方みたいなので、経験談として語ってみました。(笑)

2006.9.20 [水] 彼岸入り

今日は彼岸入りだなぁ....なんて暦を見ていたら、
今年初のヒガンバナが庭で咲く。
まるでタイミングを見計らったようにちゃんと咲く。
不思議だねぇ。

朝ご飯は、いただいた手作りおはぎを二つ。
「おはぎ」という名は、萩に由来するんだって?
うんうん。
庭の萩も小さな花をたくさんつけて、
風にゆらゆら揺れている。

熱さ寒さも彼岸まで。
木綿の着物がちょうど心地良い季節。

2006.9.19 [火] 秋の空

空が高くなったね。
とんびも気持ち良さそうだ。

秋場所が始まって嬉しい日々。
夕方から相撲をリアルタイムで観る人は、
相当な暇人だよね....と、
近所の熟年ニート達が集まってテレビ観戦。

ごくらく、極楽。

2006.9.13 [水] “UDON”な一日

粉部の部活で、「UDON」を観賞し、根津の根の津で、讃岐うどんを食す会。
平日のお遊びは、なんだかマダムな気分。
でも、うどんなんだけど。(笑)

いつもはホームシアター&DVDなので、久々の映画館。
同じ映画をみんなで一緒に観るのも面白い。
いろんな観方があって、なるほどなぁ....って思う。
物事は、いろんな方向からいろんな観方があるわけだもの。

うどん熱が高まって、うどんを食べるコンディションを整えて、
お待ちかねのうどんを食す。
そりゃあ現地で食べる味には敵わないけど、美味かった。

満足した後は、
赤ちょうちんに縄のれんな酒場で芋焼酎を呑み酔っぱらう。
あぁ、なんだかいい気分な夜。
雨までも心地良かった平日の秋の一日。
ご一緒くださった皆様、どうもありがとうございました。



着て行った着物は、
・長着は、かおかおさんに縫ってもらった伊勢木綿
・洗いたいので先日着た麻の長襦袢
・ミンサーの名古屋帯
・帯揚げは、三浦さんの所で抹茶色に染めた絽縮緬
・帯締めは、朽葉色の冠/道明

※写真は、
出がけに、もぐらの穴を踏みつぶすの図。
もぐらが庭のあちこちにボコボコ穴をあけて困るのだ。
これって、ほっといてもいいんだろうか?

2006.9.12 [火] 亀は意外と....

明日は「UDON」だぃ!っと、映画繋がりで思い出した。

半月ほど前だったか、
「亀は意外と速く泳ぐ」という脱力系奥様スパイ映画を観た。
で、
その主人公の挙動が、まるで“のりんさん”だった。(笑)
いや、笑っちゃいけないかもしれないけど、
のりんさんだった。

ぜんぜん期待しないで観た映画だったんだけど、
ものすごぉ〜〜〜く面白かった。

のりんさんは、この映画、観たのかなぁ?
観てないなら観て欲しいなぁ。

まっっっっっったく着物ネタぢゃないけど、
「てすりバー のりん」も気になるし、
忘れないうちに書いておく事にした。密かにオススメ。(笑)

2006.9.9 [土] 蝶とシンクロ、そして散華

入院中の父を見舞うために、今日も東京へ。
最近、ちゃんと着物を着ていないので、
残暑が厳しいとは承知の上で、着物で出かける事にした。
そして、暑いだろうなとは思いつつも、秋色が着たい。
爽やかな色より鈍くてこっくりした色が着たいのだ。
そんな気分で選んだのは、
茶色の単衣の無地紬に、若い頃に母から譲られた織り帯。
長襦袢や下着類はさすがに麻素材。
帯揚げは、手染メ屋さんのワークショップで染めた絽縮緬
出がけに庭に出ると、大きなアゲハチョウが舞っていた。
その色目が、今日の着物姿とシンクロしている。
それで寄ってきたのかな?
アゲハチョウに「行ってくるね」と声をかけ、東京へ。

病院へいく前に、
気になっていた「サルビアの手習い帖展」へ立ち寄る。
それぞれ数点の展示だったけれど、
手仕事のぬくもりが伝わる小さな展示会。
サルビア最新号で特集した木版画の散華をいただいて帰る。
蓮の花のモチーフが色違いで三枚。
散華は思わず巡りあって手に入れる事が多い。
今日も美しくて素敵な散華に出会えた。
ここに導いてくれたたくさんの繋がりに感謝。

移動して病院へ。
リハビリの始まった父は経過も順調で顔色もいい。
回復が自覚できるのか、とても元気で明るい。
あぁ、とにかく健康が一番だ。
なにはなくとも、体が丈夫で元気だったら充分幸せ。
散華は、場を清めてくれるので、病室に一枚貼ってきた。
名前に「蓮」の文字を持つせいか興味を示した甥っ子にも一枚。
三枚の散華は、行くべき所へ手渡された気がする。

2006.9.1 [金] 白いヒガンバナ

心配事の大きな山を無事超えた。
ほっとすると供に、
森羅万象なにもかもに感謝。

人生は、山あり谷あり。
一歩一歩真面目に実直に歩んでいけばいい。
それは、両親の背中を見ながら学んだ事。
ちっともスマートじゃないけれど、
東北人らしい嘘のない生き様が好きだ。

さて、今月のサイトトップは、
白いヒガンバナ。
前の住人が植えたのか、お彼岸の頃、庭に咲く。
私は、ここで最初の秋を迎えるまで、
この白いヒガンバナの存在を知らなかった。
園芸用の改良品種らしいけれど、
白い花が好きなので、
ここに咲いてくれてありがとう....と、毎年思う。

2006.8.26 [土] 三十年前の浴衣

東京の実家と葉山を行ったり来たりな日々。

そんな中で、実家の箪笥から、
高校の和裁の授業で縫った浴衣が出てきた。
三十年前の浴衣。
こんな柄だったっけ?
稚拙な縫い目を見ていたら、
縫っていた時のいろんな気持ちが思い出された。
背縫いの運針が長くて辛かった事。
袖の丸みを作るのが楽しかった事。
着物の形に完成した時の嬉しかった事。
確か、和裁をする母にも教えてもらいながら縫った。

三十年。
あの時の母は、今の私の年齢より若い。
今も小まめに針を持つ母だが、随分老けた。
時の経過は、ある意味残酷だ。
でも、辛い思い出は、時が癒す。
一瞬一瞬の今をどう過ごすか....、
それが積み重なって人生になるんだなぁ。

この浴衣は、
今日から始まる森山神社の例大祭で着るつもり。
三十年経っても着られるところが、
着物って素敵だ。

柄は、芙蓉かなぁ?と思ったけれど、
お峰さんの日記を見て、棉の花かも?とも思った。
柄の繰り返し方からして“注染”の様。
線の強弱にメリハリがあって素敵な図案だ。
どんな職人さん達がこの浴衣地に関わったんだろう。

気持ちまでが三十年前といったりきたりな日々。

2006.8.17 [木] 森戸の浜の盆踊り

2006年8月15日。
11年ぶりに復活した「森戸の浜の盆踊り」は、
老若男女、
漁師のじぃちゃんも、
商店街のおばちゃんも、
レゲエなにぃちゃんも、
上品なおば様も、
今どき風なネェちゃんも、
小さな子供も、
少年少女も、
そして帰ってきていたご先祖様も、
とにかく一つの輪になって、踊った、踊った。

盆バンドの唄と音は、
踊り手たちのノリに合わせてくれるから、
お互いが相乗効果でノリノリになり、
その場にいる人達全てが不思議な一体感に包まれる。
生演奏だからこその心地良さ。

たくさんの人が浜辺に集まって、
子供たちが絵付けしたちょうちんが風に揺れて、
みんな幸せそうな笑顔で、
平和な気持ちに満ちた二時間だった。

浜辺の使用許可の関係で、
当日の夕方から二時間で設営し、
二時間だけの「復活盆踊り」。
そして、当日中に撤収。

だからなのかな?
翌日、跡形も無くなった森戸の浜を見て、
「あれは、夢だったの?」と、
とても不思議な気持ちになった。



※写真は公式カメラマンの宮司さん撮影。
着ていた浴衣は、あやめの入った古典柄の藍染め。白地に赤い格子の半巾帯。昼間の準備段階からたすき掛けして浴衣でドカタ仕事。翌日、洗濯しようと思ったら、汗が結晶化して襟元が白くなっていました。

2006.8.9 [水] 平和を願う

シンプルに純粋に望むならば、願いは叶う。
目に見えない魂や祖先の霊が、
今を生きる私達に力を与えてくれる様な気がする。
そんな出来事に包まれている2006年の今日の私。

61年前の今日、
二発目の核爆弾が長崎の空に炸裂した。
核は、もしかしたら人間の“欲望”なのかもしれない。
腹八分目で「充分、幸せ」と思えれば、欲は無くなる。
そう思えない人間の欲望が、“核”。
もっと力を、もっと贅沢に、もっと便利に....。
核エネルギーの源は、きっと人間の傲や欲なのだ。
無くす事は出来ないのだろうか?
人間から欲望を無くす事が出来ないならば、
せめて、
争いを起こさないバランス感覚を身につけたい。
地球に生きる全ての人々が身につけて欲しい。
あんな物は使っちゃいけない。
長崎を最後にしよう!
平和な地球に進化しよう!

シンプルに純粋に望むならば、願いは叶う。
そう思える今日だからこそ、改めて私は、
平和を願う。



※写真は、KURAさん作の箸置き。
「いただきます」をしているのだけれど、今に感謝する気持ちと「世界平和」を祈っているそうです。

2006.8.4 [金] 海辺のウェディング

一色海岸の海の家「海小屋」で、友人の結婚式。

120名程の来賓が、
トロピカルな花で飾られた海の家に集まって、
若い二人の門出をお祝いした。

結婚式は海に向かって....。
ポロシャツ姿の牧師さん。
Kazzさんの生演奏と波の音。
海風が、花嫁のベールを揺らす。
そして、短い式の間中、
大きなオレンジ色の夕陽が海を照らす。
なんだか、こっちまでじぃぃぃんとする式だった。
全ての自然が二人を祝福してくれていた。
おめでとう、お幸せに!

夏の二ヶ月間しか出来ないけれど、
海辺の結婚式は、とても素敵。
いい時間をありがとう。

そうそう、引き出物はね、
げんべいのビーサンでしたよ。(笑)
葉山っぽくて、オチャメでナイス。



※着て行ったのは、
・白地に蚊絣の麻の着物。男物を対丈で。
・インド綿のスカートをほどいて作った兵児帯。
・足下はモチロン、げんべいのビーサン。
ちなみに相棒は、片身替りの小千谷&しな布の角帯。

2006.8.2 [水] 葉山おきらく着物塾

昨日の話の続き。

盆踊り本番前に、
準備としてのワークショップも企画した。
踊りや飾り付けや浴衣の着付け。
私は着付けの担当。
あまり着物に親しんでいない普通の人に、
浴衣の着付けを教えるのだ。

私は、着付け教室に通った経験が無いので、
これまで自分なりに着物に親しんで得た
様々な経験則や哲学でしか、
人に教える事はできない。

自分の考えている事は、
自分の文章でしか書けないように、
きっとそうゆうものなんだろうと思う。

なので、教材テキストを自分で作ってみた。
簡略化した線画と、簡単な説明。
初心者にも分かり易く。

ふと、この作業は、これまでの映像制作における
台本作成と似ている....と、思った。
複雑な製品を簡潔に分かり易く伝える作業。
うんうん、やってきた事は無駄じゃなかったんだ。
ちょっと嬉しくなった。

なかなかいい感じでまとまったので、
「編集:葉山おきらく着物塾」とクレジットした。

“おきらく”って所が、私の哲学。(笑)

そうそう。
問題は、生徒がさっぱり集まらないってトコだ。
せんせー、こんなに頑張っているのにな。とほほ。

2006.8.1 [火] 復活!浜辺の盆踊り

途絶えていた浜辺の盆踊りを、
11年ぶりに復活させようと、
義妹が中心になって頑張っている。

砂浜を踏みしめ、
潮風に吹かれながら、
波の音と、
生の演奏や歌声が伸びやかに響き、
老若男女が一緒になって
踊る。

この素晴らしい日本の文化を、
子供達に伝えていきたい....。

私も実行委員になって、
ポスター貼りや協賛金集めに回る。
とてもエネルギーを消費する役目だ。

「地域」というリアルなコミュニティの中で、
いろいろなローカルルールを学びつつ、
そこに暮らす人間として、動く。

“個人”が尊重される現代だからこそ、
“みんな一緒に”が、きっと大切なキーワード。

森戸の浜の盆踊りは、8月15日。
みんな一緒に笑いあえる
愉快で楽しい夜になりますように....。

2006.7.26 [水] 花火大会@葉山

クワァ〜っと、やっと夏らしい太陽が輝いた一日。
昼間は汗だくで仕事して、草刈りもして、
夕方には行水して、麻の着物に着替える。

今日は、海岸で花火

トワイライトに暮れていく海岸通りを歩きながら、
その美しい自然に、改めて感動してしまう。

オアシス前で、たくさんの友人達と
「やぁ、やぁ!」と挨拶を交わした後、
波打ち際の特等席を陣取る。

どんどん日が暮れて、海も空も暗くなる。
海風が麻の着物を通り抜けていく。
波打ち際を子供達がシルエットで走っていく。
なんて心地いいんだろう。

葉山の花火は、適度な間合いで派手じゃない。
でもそのおっとりと品良く盛り上げてくれる構成が、
田舎の花火らしくてとても好き。
拍手が湧いて、
そこに居合わせた人達の楽しい気分が、
会場を包み込んでいる。
いい夜だなぁ。

花火が終って、
オアシスのまま処にひっかかって、
楽しく島水を呑み交わし、夜が更ける。



※写真は前を歩く相棒。
随分前に作った浴衣にしな布の帯。
佐渡の団扇を腰に差して、足下はげんべいのビーサン。手にはゴザ。

2006.7.21 [金] 写真で深呼吸。@六本木ヒルズ

友人のニレイさんが、ほぼ日で連載している「写真で深呼吸。」
これが一冊の写真集になり、発売日の今日から三週間、
六本木のTSUTAYAでスライドショーのプロモーションをやっている。
ニレイさんは、展示の為の作り物や設置まで、全部自分でやっていて、
成り行き上、手伝う事に....。
葉山を朝5時出発、六本木ヒルズに6時集合。
眠らない街“六本木”も、朝の6時だと人影もまばらだった。
昔はこの辺に住んでいたし、若い頃の遊び場だったけれど、
なんだか今はすっかり変わって、時の経過をズシリと感じる。
展示は、店に入ったすぐの柱脇というとても目立つ場所で、
脇のスタバからも、お茶飲みながらスライドショーがばっちり見える。
板きれにチョークでラクガキしてあったり、
ひょうたんスピーカーから音がこぼれていたり、
六本木の一画に、ゆる〜い葉山の空気が漂っている。
展示も写真集そのものの様に、ココロも体もふんにゃりほぐれて、
優しい気持ちにしてくれる。
....てなわけで、
六本木にお立ち寄りの際は、ちょこっとのぞいてくださいませ。

ところで、ワタクシこの店は初めて入ったんですけど、
ツタヤに置いてある雑誌や書籍は、座って自由に閲覧出来るのね。
脇のスタバでお茶などしつつ、いくらでも最新誌が読めるのね。
そうか、そうかと、
いつもは買わない着物雑誌をゆっくり拝読させていただきました。
都会って、スゴイんだなぁ。
これならわざわざ買う必要はあんまりないね。
ん〜、それにしても、
出版業界の採算って、私には果てしなく謎。

ニレイさんの本、大丈夫かな?
直筆サイン本も置いてあるから売れるよね?
....と、チョット心配になるオシリレンジャーの伯母なのであります。
みなさま、どうぞ、よろしく、おねがいします。

2006.7.15 [土] 四周年@オアシス

もう四年....。
でも色々なエピソードもたくさんあったから、まだ四年?....って気もする。

真楽設立四周年は、浴衣でゆるゆるとカジュアルなお祝いにしたかったので、葉山の森戸海岸にある海の家「オアシス」に集うことにした。オアシススタッフや周りの方々に、たくさん協力していただいて、とても楽しい浜辺の宴が実現できた。
心から感謝。
どうもありがとうございます。

さて、浴衣姿で集まった真楽メンバー達は、「ふふふ、さすが真楽!」って嬉しくなるほど、皆それぞれが個性的。四年間、“真楽”というバーチャルな空間で、切磋琢磨した結果がちゃんと着姿に現れていた様な気がするよ。
着物というのは、直線断ちしたほぼ同じ形の布を、色々な組み合わせの妙で着こなしていく衣服だけれど、その着こなし方は、シンプル故に無限な広がりがあって奥が深い。だからなのか、みんなの浴衣姿は、“お祭りだからちょっと浴衣着てみちゃった”という人達とは、やっぱりチョット違っていた。オアシスという「場」を考慮しつつ、ちゃんと自分らしさを表現している着こなし。さすがだなぁ。

集まったメンバー達も、葉山の夏をたっぷり堪能した様で、とってもハイテンション!(笑)
海、山、風、波音、砂浜....。自然がみんなのココロを解きほぐしていく。笑いが溢れ、ゆったりとした気分になる。幸せで平和な時間。
一人ひとりの心がこんな風に平和で満ち足りていたら、争い事も無くなるのに。
地球のあちこちで起こっている哀しい出来事も少なくなるはずなのに。
だからこそ、自分の中の平和な時間を大切にしたいんだ。
周りの人達の、平和な時間を尊重したいんだ。

これからもずっと、
平和に着物を纏える世の中でありますように....。



※着ていたのは、
いただき物の綿紅梅。大柄なかすれ麻の葉は、昔着物らしい大胆さがお気に入り。浴衣というアイテムは、どんどん派手に遊んだ方が楽しくて素敵だと思う。
・白地に緑のミンサー半幅を変わり文庫結びに。
・足下はげんべいのビーサン。
・挿し色代わりに、朱色の漆塗りうちわ
・下着は、綿紅梅が結構透けるんだけど、麻の湯文字と胸に晒を巻いただけで、浴衣らしく。

2006.7.13 [木] あわただしい日々

四周年記念の準備でジタバタしてたら、
手ぬぐいの大口注文が入り、
更にあわあわと時間に追われる。
本業の仕事仲間が、
波待ち縞を暑中見舞にしたいと言う。
ありがたいなぁ。

でも、これから手ぬぐいシーズンなのに、
在庫が一気に希少となる。
一番夏らしい柄だったんだけどな。
しかも、夏は糊が緩むらしく、
手ぬぐいの製作には向かないそうだ。
ま、しょうがない、秋まで待つか。
手ぬぐい屋一年生だしね。
ゆっくり勉強しながら、ぼちぼちいきます。

さてさて、あさっての着物を決めなくちゃ。
みんなどんな浴衣姿で現れるのかな。
楽しみ、楽しみ。

2006.7.2 [日] 東京の空

家族の用事で、
甥っ子と二人、日本橋へ。

葉山には電車が走っていないので、
切符を買って電車に乗る....という行為は、
小学生にとってはかなりの“旅気分”らしい。
自分のお小遣いで切符を買うというので、
まずは、切符の買い方から伝授。

地下鉄に乗り、百貨店で両親達と合流し、
用事を済ませる。
お昼は、甥っ子の希望で「なだ万」。
美味しかった。
老人も中年も小学生も満足。

逆のルートで帰る電車の中で、
東京の“屋外”を歩いていない事に気がつく。
ずっと、乗り物や地下道や建物の中に居た。
そう言えば、そんな事、
東京の暮らしでは当たり前だったよなぁ。

葉山に戻って、なんとなくホッとする二人。
海と空が夕焼けでうっすら赤く染まっていた。



※着て行ったのは、
・白地に縞の綿麻グンボウ/入手した経緯
・紅型の名古屋帯は青地にあざみ?orケシ?の柄
・青地の麻の長襦袢
津田さんの布を帯揚げとして
・青山八木オリジナルの鎌倉組み/写真付き日記

2006.7.1 [土] 蓮の花

泥の中から、
すっくと立ち上がる蓮の花。
その姿は、清浄無垢。

仏教でよく用いられるのは、
煩悩に満たされた汚れた世界における
“さとり”を象徴しているものと
考えられたから....。

甥っ子の名前には“蓮”の文字がある。
どんな世の中でも、
清らかな心で生きて欲しい....
という願いが込められているそうだ。

そうそう。
蓮の実も食べられるんだよ。
けっこう美味しくて何粒も食べちゃうけど、
それも“食欲”っていう煩悩じゃん。
食いしん坊が悟りをひらくのは難しい。

2006.6.29 [木] 夏仕様

私の髪も、生い茂った夏草の様になってきた。
ほんとは伸ばそうかな?なんて考えてたけど、
やっぱり無理。
多い・太い・黒いという髪質は、
なんだか頭に分厚い毛糸の帽子を被っている感じ。
放熱しないからボーッとしてくる。
.....それは、いつもか。(笑)
シャンプーもすすぎの水も椿油もたくさん使うので、
環境にも申し訳ないし、シンプルじゃない。

で、我慢が出来なくなって、刈ってもらった。
あー、さっぱり。



※写真は、6月24日の三浦半島の里山。
上:木を覆い尽くす勢いの夏の蔓草。私の頭もこんなふう。
下:よく見かけるけど、苧麻の一種じゃないかな?

2006.6.24 [土] 小袱紗

先日、京都で体験してきた「友禅教室」
課題作品である“小袱紗”が届く。

「熨斗」と「萩」の二枚。

熨斗は、袷に仕立て桐箱に入れていただく。
こちらは母にプレゼントするつもり。
萩は、裏はつけずに自分用。

どちらもとても綺麗に仕上がっている。
ホントに自分の作品か疑ってしまうほど。
でも細い部分など、
ちょっとびくびくしていて、
「あ、そうそう。ここは緊張した所。」と、
あの時の時間が思い出された。

体験した事が、
形になって残るのは嬉しい。

2006.6.22 [木] バリスタイル

ここんとこ、
普段は薄い木綿の着物だったけど、
帯まわりに汗疹ができた。
さすがにそろそろ一日中の着物は暑い。

毎年、汗疹が出来ると、
サロン(腰布)にタンクトップという
バリスタイルに切り替える。
葉山の夏には、しっくり馴染む。

素肌に、一枚布を、
するするっと纏う。
四角い布を体に添わせる感覚は、
とても着物に近い。

バティックやイカット、
布そのものを楽しむ感覚も同じ。
巻き方や柄の雰囲気で、
カジュアルにもドレッシーにもなる。
シンプルだからこそ応用が自在なのだ。

アジア的な、一枚布の文化が好き。
アジア的に、夏を乗り切る。



※写真は、2003年のバリ滞在時。サロンを腰に巻きタンクトップ。
後ろは洗濯して干してあるサロン。縫い目が無いので高温多湿でもすぐ乾く。

2006.6.10 [土] お誂え草履

鼻緒は、蓮糸の布。
去年の一衣舎秋展で購入していた。
一衣舎プロデュースで楽艸さんが製作。
ざっくりした質感が洒落ている。

「鼻緒握りしめて、浅草まで来てくださいね。」
って、言われていたのに、
一年近く、そのまま放置プレイ。汗。

銀座で楽艸さんの展示会があると知り、
鼻緒を握りしめて銀座へ。

アバカ麻の台を選び、すげていただく。
やっと完成。
蓮糸とアバカ麻。
亜細亜な植物同士は、しっくり馴染んだ。

ラオスの藍&泥染め着物にぴったりだな。
普通の紬にも似合いそうだな。
鼻緒がざっくりしてるから、
秋から初夏まで履けそうな感じ。

お気に入りが、またひとつ。
こんな風に、ゆっくりじっくり、長く愛せる物を、
少しずつ揃えていきたい着物まわり。

2006.6.8 [木] 梅の実

京都から帰ったら、梅の実!って決めていた。
六月に入って、どんどんぷっくり育ってきてたし。
で、今日は一気に朝から収穫。
庭には、豊後梅と白梅が一本ずつある。
「ちょうだいね」って頼まれていた友人と二人で、
脚立では届かない実も、木登りして手を伸ばす。
二人ともまるで猿。
午後には、大きな籠にたくさんの梅の実が収穫出来た。

ひとつずつ洗って、磨くようにキュッキュッと拭く。
ぷっくりころりんととても可愛い。

呑んべな我が家は、全部梅酒に。
今年は、黒糖焼酎“まんこい”バージョンと、
“澤ノ井の原酒”バージョンを仕込んだ。
砂糖は、喜界島のザラメ。

ゆっくりじっくり、時間が味を作るのだ。



※写真は、
磨いた青梅。
奥のビンは、2003年仕込みと2004年仕込みの梅酒。
美味いんだなこれが。

2006.6.5 [月] 染色は化学だ!

引き続きフーさん取材に便乗して、今日は「手染メ屋」さんで「天然染料無地染め教室」にトライした。

お店の傍らが工房になっていて、商品は全てこの工房で店主自らが染め上げている。そして、体験教室も店主ご自身が教えてくださる。一緒に体験したのは、フーさんとオモさん。本格派コースなので午前中から夕方まで一日がかりだ。
ところで、染めるアイテムは持ち込み可なので、朝一に三浦清商店さんに寄って、帯揚げ用の生地をゲットする。こんなハシゴが出来るのも京都ならでは&真楽情報のおかげ。感謝!
さて、まず最初の構想としては、こんな感じ。
・フー/帯揚げ(絹)/紫根/みょうばん媒染/紫色に染まる予定
・オモ/帯揚げ(絹)/石榴/木酢酸鉄媒染/焦げ茶色に染まる予定
・えりりん/晒一反(木綿)/五倍子/木酢酸鉄媒染/葡萄鼠色に染まる予定

天然染料を煮出して布を染める....という作業は、なんだか料理に似ている。実際、柔らかく煮た紫根は、ほのかに甘くて美味しかった。(笑)先生は、キッチリとスケールで分量を量り、温度も計り、時間も計る。日々の染色データは、ノートにみっちりと記入されていた。そして、染色の仕組みを、分子レベルで科学的に説明してくださる。
染色は、化学なのだ!
私の作業自体は、熱い鍋の前で、汗をかきつつ根気よく布と格闘する重労働。でも、なんとなく嫌いじゃない作業だと思った。
白い布が染まっていく過程は、やっぱりわくわくする。

さて、染め上がった結果は....?
紫根はちょっぴりくすんでしまった。ま、難易度高いしね。
石榴は限りなく黒に近い深い色に染まった。予定外だけど渋くていいかも。
五倍子はそれらしい葡萄鼠色に染まった。木綿素材も面白かった。

三人一緒の体験は楽しさ三倍以上だった。
そして「基本」が体験出来たので、この先は自分でも色々な植物で続けてみるつもり。葉山は、染色には悪くない環境だと思うしね。

というわけで、手づくり体験京都の数日。
住んでる人は勿論、旅人にもこんな京都オススメです。



※写真は、
上:熱い鍋の前で帯揚げと格闘するオモさん。
中:屋根瓦に干された柿渋染めの商品イロイロ。工房からの眺め。
下:染め上がって一晩干された布。奥から五倍子、紫根、石榴。

2006.6.4 [日] 手描友禅教室

フーMAP出版に向けたフーさんの取材に便乗して「高橋徳 手描友禅染教室」を受講した。

こちらの工房では、京友禅の老舗「千總」の着物を製作している。皇室関係の着物も手がける「高橋徳」は、いわば京友禅に関する一流の技術を持つ一流の職人が揃う一流の工房だ。色々な意味で“本物”に触れる事ができるこの工房で、手描友禅染めが習えるのである。

一緒に受講したのは、フーさん、オモさん、hさん。四人とも初体験なので、まずは、二枚の小袱紗を製作する「小袱紗コース」を選択。あらかじめ全ての下準備が施された状態の布に、決められた色を挿していくだけの作業。単純に“それだけ”なのだけれど、ものすごく多くの事柄を学ぶことが出来た。
例えば、糸目糊の線のイキイキとした勢い、指定された配色の案配、作業しやすい様に伸子で張られた布、染料の調合など、長年培われた一流の職人技を目の当たりにする。そこに、職人さんが使うのと同じ様な筆を使って、布に染料を挿していく。色が広がる。乾いて変わっていく色目。途切れそうになる集中力。出来上がっていく過程の喜びと楽しみ。
“友禅”という布に絵を描き着物にする工程を通して、日本人の美意識が見えてくる。
この教室で教えてくれようとしているのは、私達が失いかけた“日本人の美意識”なのかもしれない。

教室終了後、友禅着物を纏わせていただく。衣桁に飾られているのとはまったく違う着物の表情に驚きながら感嘆する。絵をまとう感覚。そして、友禅には夢のような魔力がある。みんな、うっとりとメロメロになる。
以前、東京友禅の染色工房稲木を見学させてもらった時にも感じた事だけれど、友禅は、作り手と着手が直結するお誂え品であるべきだ。万人向けの趣味に合わせて作られた着物を百貨店で“選ぶ”のは、やっぱり変だ。友禅は友禅なのだから、いつか自分が纏いたい絵を着物にしてもらって、思いきり非日常なハレの気分を満喫したい。
とは言え、その前に貯金と、注文する為の感性を磨かなくちゃ....。
道のりは果てしなく遠い。

今日の体験は、“見る”だけでは感じ取れない事にたくさん気づかせてもらった。
作業した布は、水元や蒸しなどの後処理をされ、“小袱紗”に仕立てられ、送ってくださる。
絹の風合いが戻り、繊維に定着した色が輝きを放ち、糸目のラインが美しく伸びる様を、今からわくわくと勝手に想像している。
出来上がりがすごく楽しみ。



※写真は、
上:私の正面で黙々と作業するフーさん。
中:配色の見本(手前)と、作業中の布(奥)。
下:灰色と青とぼかしの白が大胆な社長夫人私物の訪問着(奥)。インスパイアされたのは、なんと和菓子屋さんの包装紙(手前)なんですって。笑。自由に発想していいんだね。

2006.6.3 [土] 友禅の絵付けと草木染め

今日は、どくだみを摘んでどくだみ化粧水を仕込んだ。
たくさん庭に生えてくるので作ってみることにしたのだ。
このまま来年まで待って使ってみようと思う。

そして明日から三日間、京都。
友禅の絵付けと、草木染めを体験しに行くのだ。
草木染め用の晒は、豆乳を馴染ませ下準備完了。
そんな準備は済んでいるのに、旅の準備はこれから。
私のプライオリティは、どこか変だ。(笑)

2006.6.2 [金] オアシスの地鎮祭

六月に入り、葉山の各海岸では海の家の建設が始まった。
いよいよ、葉山の夏がやってくる。わくわく。

さて今日は、森戸海岸にオープンする「海の家オアシス」の地鎮祭だった。
たった二ヶ月間の“家”だけど、たくさんの人がここに集い、楽しい時間を過ごす為に、ちゃんと神様にお伺いをたてて敷地を清めるのだ。ちなみに他の海の家で、地鎮祭までしている所はない様に思う。
今や、まともに家を建てる時だって、「地鎮祭?なにそれ?」って感じなのに、毎年こっそりこんな事してる海の家ってのも珍しい。
オアシスのこうゆうトコロ、大好き!

そして、そこに揃っているのはオアシスの建設スタッフ。
ラスタヘアにピアスなレゲエボーイや、手ぬぐいを頭に巻いた短パン兄ちゃん、私だってヘロヘロサロンにビーサンだ。そんなむちゃくちゃ“地鎮祭”には似つかわしくない格好の人々が、玉串を捧げ、柏手を打ち、祈る。
うん。人間、見た目じゃないよ、心だよ。
今年も、いい夏になるといいね。

KIMONO真楽四周年は、この場所でお祝いします。
滞りなく地鎮祭を終え、
「海の家オアシス」の建設が始まります。



※写真は、
上:地鎮祭の準備をするオアシススタッフと宮司さん。
下:まもなく。宮司さんはすぐ横の森戸神社から。

2006.6.1 [木] 衣替え

今日は、どくだみ化粧水を作るつもりだったけど、
天気が良くカラリと空気が乾燥しているので、
衣替えをすることにした。

今年一度も袖を通さなかった着物がずいぶんある。
順番に広げて着物ハンガーに吊るす。
窓から爽やかな風が部屋を渡る。
着物がふうわりとその風を孕む。
なんとなく繊維が喜んでいる様な気がする。
汚れの手入れと仕分けをしつつ、
またきちんと丁寧に着物を畳む。
こんな時間が、とても好き。しあわせ。

そして、衣替えの度に思う。
もぅ充分。
これ以上は増やさないぞ。
固く心に誓うのに、やっぱり増える。
着物マジック。

袖を通さなかった着物達に、「ごめん」と言って、
箪笥に仕舞った。



※写真は、
上:風を孕む着物たち。
中:とても可憐などくだみの花。薬用としては今が旬。
下:へびいちごは、見た目は可愛いけど味はいまいち。

2006.5.28 [日] 田んぼでどろんこ

放置された休耕地を開拓して、棚田にした谷戸がある。
色々なグループが少しずつ借りて、稲作している。
もちろんみんな農業のプロというわけではないが、“食べること”を大切に思っている人達がそれぞれの方法で、お米を作っている。
田んぼワークに誘ってくれた友人達は「不耕起農法」という福岡正信氏が推奨した自然農法を実験している。これは、無耕起、無肥料、無除草、無農薬、無剪定が基本。耕さない田んぼに育った稲は、固い大地に根を張るので野生化して丈夫に育つそうだ。今日の作業は雑草苅りなんだけど、本来は除草もしないのが基本なので、アバウトに適当に雑草を苅る。雑草とはいえ、生えていたのは野芹だったので苅った草はそのまま晩ご飯のおかずにした。
田んぼには、いろんな虫や植物がたくさんいて、ぐるりと輪っかで繋がった生態系を目の当たりにする。今、ニンゲン達はその輪っかをブチブチと分断して自然をめちゃめちゃにしているけれど、その結果、自分たちが食べる物を得体の知れない物にしてしまっている。

あきらめちゃっていいのかな?
どうすれば、次の世代にまで地球の恵みをつなげていけるのかな?
素足で大地と戯れながらそんな事を考えた。



※写真は、
上:谷戸を切り開いた棚田
中:苗床の苗
下:田んぼの脇の小さなお堂

2006.5.26 [金] 祝、“葉山空間Shop”開店!

六輝の友引、中段十二直のひらく、二十八宿の亢、下段の神よし、
選日の一粒万倍日、そして旧暦の四月廿九日であるところの本日、
2006年5月26日金曜日、葉山空間SHOPがオープンしました。

相棒が店主やってます。
葉山在住アーティストによるユニークな作品を扱うショップですが、
私のブランド「手ぬぐい りんりん」もここで取り扱ってもらいます。
先日のアート市でゲットしそびれた皆様、
これからはここでポチっと買えますので、どうぞよろしくお願いします。
あ、そうそう。
アート市では付けてなかった小さなパンフレットも付いてます。
昨日、夜なべして作成しました。いつも締め切りギリギリ。(笑)

先程、葉山空間Shop第一号のお客様に初荷を送りました。
ご注文の品は、手ぬぐいでした。嬉しいなぁ。うるうる。
アーティスト達の作品と供に、
葉山の葉山らしい空気感も届けられたら素敵だなぁ....と思います。

どうぞよろしくお願いします。

2006.5.22 [月] 月曜日の哀愁

夕方、ぽっかりと寂しい。
相撲が終っちゃったからだ。
ここんとこ、千秋楽の翌日はいつも。
今場所は、横綱不在だったけれど、
とても面白い場所だった。
盛り上がった分、終ると寂しい。

昔、あんなにトロくさい....と思っていたのに、
今はあのテンポがたまらなく好きだ。

縫い物をしたり、
型紙を彫ったり、
手ぬぐいを畳んだり、
手仕事をしながら観るのがいい。
「時間いっぱいです」を合図に顔を上げて手を休める。
取り組みを観て、また手を動かす。
そのテンポが、江戸っぽくて心地良い。

様式美と格闘技が溶け合う相撲。
伝統的な日本が凝縮され、どこまでも奥が深い。

....歳かな。(笑)



※画像は、「不知火と大鳴門の取組之図/歌川豊国」

2006.5.20 [土] 立てば芍薬

庭の芍薬が咲いた。
いつもより、ちょっと遅い。
真楽のトップページにした芍薬は去年の映像。
季節を先取りしたいから、
たいてい過去に撮影した写真になる。
庭の花達は、
毎年その季節になると、ちゃんと咲く。
たいした手入れをしているわけじゃないのに。
芍薬は、いつも突然大きく花開くので目立つけど、
地味で目立たない植物も、
毎年ひっそりちゃんと咲いている。
いつも黙って咲いて、楽しませてくれる。
ありがとう。

今週は、脱け殻だった一週間。
さてそろそろ動き始めないと....な。

2006.5.13 [土] ドシャ降り青空アート市

この日をターゲットに頑張ってきた「青空アート市」。
でも、天気予報が悪い方へころがって朝から雨。
そんな5月13日、手ぬぐいりんりんの手ぬぐい達を世に放った。
手ぬぐいりんりんデビューの日は、実は私の誕生日でもあった。今年は、アート市の日程が誕生日に重なったので、「これはもぉ運命よ」なんて勝手に決めて一人で盛り上がり準備してきた。4種類の手ぬぐい達はそれぞれなかなか評判も良く、雨の中わざわざ足を運んでくれた友人達や、真楽メンバーの皆さんがお買い上げくださった。どうもありがとうございます。今後は、まもなくオープンする「葉山空間Shop」で取り扱ってもらう予定です。これからもどうぞよろしく。

これまでも「こうしたい」という希望通りに生きてきた。自由に思うように暮らしてきた。今でもそう。そして、それはものすごく幸せな事で、たくさんの周りの人達の愛や支えがあって叶っているのだ。うまく言葉に出来ないけれど、ありがとうの気持ちでいっぱい。
佳き友に恵まれ、佳き時間を過ごし、またひとつ歳をとった。
だから私は、いい皴を刻んだ素敵なおバアちゃんになる自信があるよ。
みんなのお陰。
ほんとにどうもありがとう!

※写真は、しょうちゃん撮影。

2006.5.8 [月] 手ぬぐい達

青空アート市の準備が佳境。
「手ぬぐいりんりん」に並べる手ぬぐい達の詳細を
芸術祭サイトの日記に書いた。
全体像は、アート市のお楽しみに。
手をかけて、愛を込めて、準備も楽しい。

2006.5.7 [日] GW

長い付き合いの友人達が遊びに来たり、

手ぬぐいを畳んだり、

葉山芸術祭をさらにあちこち訪問したり、

手ぬぐいを畳んだり、

あっと言う間に連休がまもなく終る。




上:浜辺を散歩する地球放浪者
中:ジンバックを呑みながら畳む
下:自分で型彫りした柄の手ぬぐいも畳む

2006.5.3 [水] 皐月

私の場合、
イキモノとして過ごしやすい季節になると、
気分がソワソワしてやりたい事がたくさん溢れてきて、
魂が落ち着かない。
リアルワールドの活動が忙しいものだから、
電脳ワールドがおろそかになる。
そんな五月が、訪れた。

今年のGWも葉山芸術祭を堪能している。
いろんな人達と出会ってたっぷり刺激を受ける。
いい季節だから、客人も続々と訪れる。
アート市の準備もしなくちゃいけないし、
庭の雑草も元気に育ちまくるので大変だ。

アート市でデビューさせる手ぬぐいは四種類。
既に全部納品された。
我ながらけっこう満足な仕上がり。
むふふ、嬉しい楽しい。
でもあとまだ200枚くらい畳まないとイケナイ。
間に合うのか?(笑)

あれもこれも頑張りつつ、
お遊びの方もめいっぱい楽しむのだ。
五月はね、ウキウキそわそわ、心もふわふわ。



上:庭のつつじも満開
中:横須賀走水の浜辺に佇む漁師小屋「かねよ食堂」で、狩集広洋(RRAWING)&KAZZ(MUSIC)のライブ。ここ私的にはキニナルキニイルマーキングな場所。
下:「湘南ちゃぶ台ライフ」の広田家は秋谷の坂を登りつめた一番奥。千悦子さんのおじぞう天使を連れて帰る。

2006.4.28 [金] 足踏みミシン

葉山芸術祭のアート市に向けて、今年も越中褌をちくちく作った。
布の素材は、オリジナルの珍満つなぎだ。
むふふ、12枚。
ちくちく....とは言え、私は手縫いではなくミシン仕立てで制作。
でもね、ちょっと自慢なのは、足踏みミシンなんだ。
これこれこれね。
たぶん私と同じくらいの製造年月日。
直線縫いしか出来ないんだけど、やっぱり私はこれが好き。
いいよ、足踏みミシン。
カタカタと足と手で調子を合わせて縫っていく感じ。
油差しながら、ずっと使っていきたいな。
愛着のあるとっておきの、私の道具。
まだまだ充分現役です。



※写真は、
上:奥に見えるのが愛用の足踏みミシン
下:“珍満つなぎ”越中褌の紐部分

2006.4.23 [日] 立石から銀座へ

手ぬぐいの型紙教室。
今日は、型彫りした和紙に絹の紗を張る作業。
人工の漆である“カシュー”を刷毛で塗る。
シンナーを溶剤に使うので、半屋外で作業する。
あとは、吊りを切り離せば型紙の完成。

ところで、この教室に参加するために
初めて訪れた“立石”だけど、ここって、めちゃ面白い!
東京の下町風情がたっぷり残っていて昭和を感じる。
駅前から続く仲見世には、
お総菜屋やもつ焼一杯飲み屋、立食い寿司屋など、
昼間から地元の人々で賑わっている。
気取ってなくて物価も安くて暮らしやすそうだ。
「寅さん」の世界。好きだなぁ。

そんな場所から、ハイソな場所の銀座へ移動。
汚れまみれの作業着姿なので申し訳ないなと思いつつ
「久保紀波作品展」へお邪魔した。
実は彼女、真楽メンバーでもある。
お目にかかるのは初めてだったけれど、
「わぁ、カシューのにおい!」と、
場違いな私達を快く受け入れてくださった。
扇子の事、物づくりの事などたくさんお話を伺う。
作品を前にして創った人から話を聞ける幸せ。
うん、やっぱりこれだよな。

母の日が近いので扇子を色々拝見。
久保さんも大好きという梅柄の型染の扇子に、
目が奪われ、いただいて帰る。
色と図案がとても品良くて素敵なのだ。
やっぱりね、作品には人柄が出ますね。
どうもありがとうございました。



写真は、立石。
上:呑んべ横丁。路地裏に小さな飲み屋がひしめく界隈。看板とかもスゴク面白い。フォントも汚れ具合も光の具合も全部シビレル。
中:仲見世のメイン通り。けっこう狭い道幅の両側に色んなお店が並ぶ。
下:仲見世のもつ焼屋さん。真っ昼間なのに既にこの賑わい。(笑)

2006.4.22 [土] 葉山芸術祭ハジマル

今日から葉山芸術祭が始まった。

葉山町を中心に、この辺に住むアーティスト達が自宅などを開放して作品展示する芸術のお祭り。今年はなんと第14回目。このユニークなお祭りが、今日から5月14日まで開催されるのだ。私は、ゆるやかでのびのびとした葉山らしいこのお祭りが大好き。
今日は、天気もいいので、一日中あちこち回った。

そんなわけで、今日中に仕上げなければならない手ぬぐいの型紙が、ギリギリセーフでやっと完成。
間に合って良かった。
明日は、型紙教室なのだ。



上:秋谷海岸が目の前の「GOOD TIME」

中:「月のこどもサロン」は子供と一緒に是非

下:締め切りギリギリ完成の型紙

2006.4.21 [金] お江戸へ

一衣舎さんの春展へ。
目の前の布を創った作家さんとじかに話が出来る幸せ。
人と人との結びつきが、年々、波紋のように広がっています。
このままどこまで広がっていくのかな。
今回は冷静に手ぶらで帰りました。(笑)

青山に移動して、友人のイラスト展へ。
名古屋の友人はバリ仲間。
ちづるちゃんの絵は、
可愛くてパワーがあって好きなんだ。
そう言えば、布にも描いてくれるので、
「今度、帯に描いて」って頼んだまんま、
ベースの布を持ってっていないのだった。
黒地の半幅なんか可愛いかもね。



写真は、
上:着て行った吉野間道の帯の一部
下:伊藤ちづるのイラスト

着て行ったのは、
・オリーブ色の大島紬(うこん染め)
・叔母のピンク色の羽織を白緑色の染め直した羽織
・吉野間道の名古屋帯

2006.4.15 [土] 新芽

昨日の夕方、
庭から藤の新芽を切ってきて
玄関に活けたんですけどね。

朝起きて見たら、
「それって昨日と全然違うでしょ!」
というくらいに、成長してた。

新芽の伸びる速度って、
じっと見てたら肉眼でも分かるんじゃなかろうか?

いやぁ、どんどん春です。
うかうかしてられませんな。

2006.4.13 [木] えりりんの成分

web版ができたんだって?
そんぢゃ、わちきも....。

えりりんの43%は小麦粉で出来ています
えりりんの43%はアルコールで出来ています
えりりんの7%は心の壁で出来ています
えりりんの6%は理論で出来ています
えりりんの1%はミスリルで出来ています

やっぱりね。アルコールだったか。(笑)
まぁ、「毎日晩酌をするために生きている」と言っても過言じゃないわちき。
だから当然の結果だけど、すごい解析力。
なんで知ってんの?

2006.4.12 [水] 畳む

葉山芸術祭のアート市が近づいてきた。
今年は、ちくちく部の他にも手ぬぐい屋として参加する。
先週末に、二種類目の「砂浜縞」が納品され、
ここ数日は、せっせと手ぬぐいを畳んでいる。
検品を兼ねて、一枚ずつ、丁寧にきちんと畳む。
注染という技法で染められた手ぬぐいは、
一枚ずつ防染糊を置いていくので、
それぞれ一枚ずつちょっとずつ、違う。
かすれていたり、歪んでいたり、そこがなんとも面白い。
この布はどんな人の手を拭うのかな?
長く愛してもらえるといいな。
そんな事を思いながら、心を込めて畳む。
布目を揃えて、折って重ねて、同じ大きさに畳む。
....畳む。
この単純作業がなかなかハマル。
沖縄で糸を無心に紡いでいる時にも感じた心の状態。
なんと言うか、布を平らに畳んでいく作業は、
心も平らにしてくれる様な気がする。
手の平に木綿を感じる。
そう言えば、納品が一日遅れたのは雨のせいだった。
染め上がった手ぬぐいは、天日干しされるから、
お日さまが出ないと仕上がらないのだ。
手ぬぐい製作のそんなところもすごく好き。

“手”の可能性は、とても大きい。
シンプルだけど無限な気がする。
手ぬぐいを畳みながら、そんな事を考える夜。

2006.4.6 [木] かなまら祭り

4月2日の日曜日、川崎の奇祭「かなまら祭り」に
行ってきました。
どんなお祭りなのか....は、諸般の事情で省略。
気になる人は検索してください。(笑)

さて、このお祭り、海外メディアにもバンバン紹介
されている為、とってもインターナショナル。
色んな国の人達が集まっています。
言葉なんか交わさなくても、皆ニコニコ笑顔で
盛り上がってる。盛り上がれるのだ。
これはね、万国共通、平和の源!
いやぁ、サイコーに楽しかった一日でありました。

そんなインターナショナルなお祭りなので、
日本の伝統的な民族衣装“着物”を着てみよう!
というサービスもやっていました。
呼びかけのアナウンスは英語です。
裃姿の男性や足下スニーカーな金髪着物姿は、
やっぱりちょっとコスプレですが、
結構皆さん、いい気分で着物に親しんでいたみたい。

さぁて、皆さん、母国に帰って、
どんな風に日本のこのお祭りを紹介するのかな?
うふふ、ちょっと気になります。

でもね、今の世の中に足りないのは、
こうした「おおらかさ」なんじゃないかと思います。
けっこう真面目に、そう思います。


※写真は、
上:手ぬぐいを頭に巻いてピンクの神輿を激写するワタクシ。伊勢木綿に半幅。
中:着付けを終えた金髪の皆様。満開の桜をバックに。
下:三基ある神輿の中で、一番由緒正しい“かなまら大神輿”

2006.4.1 [土] 真楽の未来を考えて

既にお気付きのメンバーも多いと思いますが、
2006年4月1日より、登録メンバー数の上限枠を撤廃しました。

KIMONO真楽は、2005年6月1日より200人体勢で運営して参りました。
その時の思いは、当時の日記にも少し書きましたが、それまでの仲良しクラブ的な閉ざされたコミュニティーから、色んなタイプの着物好きが集うもっとオープンな空間へ進化する為の決断でした。着物に「これが正解」という答えが無いならば、集まれば集まった人の分だけ着物に対する“想い”や“着こなし”が存在するわけです。これは着物好きにはとても貴重な情報です。
そして、現在もとてもたくさんの方々がウェイティングの状態で、長い間、順番待ちをなさっています。きっとそれぞれの自分の想いを発信するために、辛抱強く待ってくださっているのだと思います。
一人ひとりのそんな想いを大切にする為には、きっと「枠」は必要無い。
そう判断しての決断です。

とは言え、KIMONO真楽は、少数のボランティアスタッフで管理運営されています。
それぞれの仕事の合間を縫っての作業ですから、状況を見ながら少しずつ増員していくのが精いっぱいです。どうかご了承下さいませ。

KIMONO真楽が、真楽の言葉通りに、
「自分も相手もその他の万人も、 ともにうるおう楽しみ。 」
....であるために、そして、
これからも楽しい空間であり続けられる様、
皆様のご理解とご協力をお願い致します。

__________えりりん@KIMONO真楽管理人

※写真は....、花も人もそれぞれ色々。みんなきれい。

2006.3.29 [水] 壊れた

本日突然、携帯が壊れました。
データのバックアップは取ってませんでした。
これまでに教えてもらったデータ、全部消失しました。
新しい季節に、一から出直しです。はぅん。(T_T)

2006.3.28 [火] ロゴが出来た!

葉山芸術祭でデヴューさせるつもりの
「手ぬぐい りんりん」

そのロゴを、
ラクガキング寺田克也に描いてもらった。
むふふ、カワイイぢゃねーか。
ありがとう〜!

さて、その寺田克也画伯、
まもなく公開される押井守の「立喰師列伝」
“フランクフルトの辰”として出演している。
絵描きの癖して、何故か役者としても出演作品多数。

ほんとにスゴイ奴なのだ。

※写真は、
上:描いてもらったロゴ
下:BLOODの小夜

2006.3.25 [土] 春の休日

鴬の鳴き声で起きる。
つんぬきと袷の久留米絣を洗う。
相棒に髪を切ってもらう。
葉山らしくわかめちゃんカット。
お弁当を持って浜ランチ。
もぅ泳いでいる人もいる。
帰ってきて掃除。
玄関の花を新しくする。
庭から雪柳と白い椿を手折り、
自作の器に活ける。
夕方は相撲。
夜、ホタルイカとわけぎと若布でぬた。
わけぎも若布もこの辺で採れた物。
くぃくぃと焼酎がすすむ。
気持ちよく酔っぱらう。

こんな暮らしをする為に、ここに居る。
何気ないけど、とても幸せな時間。

2006.3.24 [金] 宿題完了

“波待ち縞”の型紙が彫り上がる。
毎日、相撲を観ながら五日間。

実はもう一枚、紙がある。
伸びやかな唐草模様が彫りたい気分。
どうしようかな....。

2006.3.22 [水] 関心AWARDS

KIMONO真楽は関心空間エンジンを利用してここに存在させてもらってます。
今、その関心空間で「関心AWARDS」が行われているのをご存知ですか?

あなたを「これは!」と唸らせた、秀逸なキーワードを選び出してください。

....って、事らしいです。
で、でね。
後から真楽にも登録した「折る、贈る。」が予選通過して、
「関心アワード100」に残っているんです。
他にもあの人やその人のアレやソレも残っています。

関心空間ユーザーで、まだ投票してない人は、ゼヒ!
3月28日(火)が締め切りです。

2006.3.21 [火] 相撲と彫り彫り

先日受講してきた型紙教室では、彫り方までを教えてもらった。実際に型紙を彫る作業は、宿題である。期間はほぼ一ヶ月。手ぬぐい一枚分の型紙を彫るのに、素人はどのくらいの時間がかかるのだろう?
で、私はここのところ毎日、相撲を観戦しながら彫り彫り作業をしている。しょっちゅう手が止まるけど、このテンポはなかなかいい。これまで三日間、相撲を観ながら作業して、半分完成。この分なら、千秋楽までには彫り上がるかな。
のんびり相撲を観ながら、好きな作業をする。
こうした時間が過ごせるのは、とても幸せな事だと思う。
様々な事柄に感謝。

刃を持つ力が強いのか、ペンだこが痛い。
そう言えば、久しぶりな感覚だ。

※写真は、葉山の春の海と、まだ蕾の桜。

2006.3.21 [火] 三々九手挟式

天気もいいので、森戸神社で毎年行われる「三々九手挟式」を見に行ってきた。バスが行ったばかりだったので、海岸通りをぽてぽて歩く。
暖かくなったなぁ。
海はすっかり春の海。
普通の民家の軒先にも若布が干してある。
のどかな葉山の休日の朝。

弓馬術礼法小笠原流「三々九手挟式/サンザンクタバサミシキ」は、流鏑馬のような「騎射」と同様、「歩射」という鎌倉時代から伝わる小笠原流の古式弓道だ。
全ての動きに決まりがあり、細かな解説もあるのでとても分かり易かった。紐や袂の仕度の所作など、動きの流れが美しい。色鮮やかなそれぞれの装束が、風になびいて美しい。的を見つめる射手の眼差しが凛としていて美しい。
あまりに美しいので見とれてしまうが、「これらの式は見せる為に行うにあらず、邪魔退散の中に行われるものなるを注意すべし」とも伝承されている。とても厳格な弓の儀式なのだ。

こうした儀式がちゃんと毎年行われているのは素敵だ。
射手の中には高校生も居た。
今回、射手の半陣は女性だった。
なんだかとても頼もしい。

びゅんっと風を切る音と供に、的が射貫かれる瞬間は爽快だ。
私のココロの中に潜んでいた“邪魔”も、スカッと退散した感じ。
弓道ってカッコイイ。

2006.3.16 [木] 鉛筆と消しゴム

頭の中で出来上がっている手ぬぐいデザインの原画を起こす。二点。
これまでは、パソコンでデータ入稿というデジタルな流れで発注していた。イメージを具現化する道具として、私は今や、Mac&IllustratorやPhotoshopの方が使い易い。
一つ目の原画は、デジタルで起こす。
でも、二つ目の原画は、アナログに挑戦した。
まずは、手ぬぐいと同じ大きさの紙を作る。紙は、着物のお手入れ後によく入ってる白い紙を再利用した。34cm×100cmの真っ白い紙に向かって、鉛筆で線を描く。いつも眺めている一色の海の波を思い出しながら、線を描く。鉛筆と消しゴムで絵を描くなんて、とても久しぶり。手ぬぐい一枚分の絵をアナログで描くのは、けっこう大変な作業だった。夜遅くまでかかってしまった。でもね、やっぱり線が人間っぽくて柔らかい気がする。
出来た原画は、自分で彫って型紙にする。この段階で、デジタルで起こした原画も柔らかな線になるとは思うけど、最初から鉛筆で描いた線とはやっぱり何か違いが出るかな?
今週末は、型紙教室。とても楽しみ。

今は、34cm×100cmの四角い世界で頭がいっぱい。
これまで、3:4(TV画面の縦横比)とか、16:9(HD画面)という四角い枠の中に世界を作ってきた。これからは、手ぬぐいサイズにも世界を作りたい。
いずれにしても、四角い枠が好きみたいだ。(笑)

※今日生まれた手ぬぐいの柄
上:幸運豆絞り
下:波待ち縞

2006.3.11 [土] 手ぬぐい実染塾

手染めの手ぬぐい作成講座である「手ぬぐい実染塾」を受講してきました。注染工場の職人さんが先生となり、実際に手ぬぐいを染める体験をします。染料まみれになるので、ゴム手袋&長靴持参。かなりガテン系な出で立ちです。(笑)
講座では、二種類の柄を半反ずつ染めます。私は無理を言って、課題の型の代わりに持ち込んだ柄の型を使わせてもらいました。
朝10時から、予定を随分オーバーして、夕方の6時過ぎまで。
これがね、ものすごく楽しい一日でした。

職人さんも集まった生徒たちも、みんな熱い!
手ぬぐいが大好き、モノづくりが大好き....というオーラがビシバシ出てました。同じ課題の型を使っても、染める人の感性で全然違う仕上がりになります。面白いなぁ。
注染は、一枚ずつ糊を置いていくので、よく見ると一枚ずつ仕上がりが違います。そのアバウトでファージーな感じがとても味があっていいんです。効率良く大量に染められる技術ですが、手仕事の味も併せ持っています。体験してみてますます注染の手ぬぐいが好きになりました。

来週は、注染のもう一つの手仕事である“型紙”にチャレンジします。
こちらも和紙を手彫りして絹の紗を張るという昔ながらの技法です。
勿論、彫る柄は自分でデザインします。あぁ、楽しみ。

注染は、プリントの様にイメージ通りな仕上がりにはなりません。制約も色々あります。でも、そんなデメリットを軽々と越える魅力があります。
布に込められた人間っぽい味。
私はたぶん、注染の“人間っぽい味”が好きなんだと思います。

※写真は、
上:糊付けして重ねた布の上から染料を注ぐ。
中:染料を下から吸い取る減圧タンクの目盛り。工場中がやたらレトロ。
下:作成して持ち帰った二種類の作品。めちゃめちゃ愛しい!

2006.3.8 [水] circolo ITALIA

しょうちゃんが、イタリアの同好会を始めましたよ。
circolo ITALIAっていうそうです。

参加したい!って人は、しょうちゃんに伝言しましょう。
急がないと、
あっと言う間に定員になっちゃうかもよん。

※写真は、
2000年にしょうちゃんと一緒に旅したアマルフィー・ポジターノの路地。

2006.3.5 [日] 春色普段着

義妹の母が喜寿なので、家族が葉山に集結した。
葉山牛と参鶏湯をモリモリ食べて、健康を祈る。
一泊してお昼ご飯は、音羽楼の雛祭り会席へ。
100年前のお雛さまも素敵だったけれど、
板長が作ってくれたお雛さまも、可愛くて美味しかった。

この週末の葉山は、とても春らしい陽気で、
陽射しもキラキラ明るくて気持ちよかった。
朝、思い立って、春色格子の着物をおろした。
一衣舎・秋展で購入したうち織りおばあちゃんの布
生地だけ見てるとパジャマっぽいけど、
着物の形になって身に纏ってみると、
やっぱり葉山にぴったりだ。
うふふ、嬉しい...。

※着ていたのは、
・春色格子の綿&絹紬(一衣舎の洗える単衣仕立て)
・ベージュの小格子の半襟をかけた竹絹地の長襦袢(一衣舎)
・館山唐桟五十鈴縞と青地の更紗の昼夜帯を更紗を出してお太鼓(更紗と仕立は一衣舎)
・卵色の帯揚げ
・薄黄色の冠の帯締め
・青地の足袋に草色鼻緒の右近下駄(小松屋)

2006.3.3 [金] お雛さま

写真は、去年撮ったもの。
毎年、音羽楼に飾られる100年前のお雛さま。
小さいのに、全てが本物で、
じぃっっと引き込まれるお雛さま。
そして、ほぉぉぅっとひと息。

もうすぐ会いに行きます。
家族みんなで雛祭り。

2006.2.28 [火] 季節感

スズランのようですが、スノーフレークと言います。
ヒガンバナ科で、ユリ科のスズランとは別の仲間だそうです。
家の庭では、3月下旬から4月にかけて少しずつ咲きます。

葉山に越してきて四回目の春ですが、
自然に恵まれた環境は、
私の中の季節感をどんどん養ってくれています。
とてもたくさんの植物の名前を覚えました。
植物や昆虫などの小さな変化にも気がつくようになりました。
暮らしている環境はとても大切なんですね。

着物の好みも変わりました。
都会で暮らしていた頃は、
モダンで幾何学的なシャープなイメージが好きでした。
今は、自然光の中でさりげなく季節感を感じる様な、
柔らかい着姿が気持ちにしっくりくるようです。
まぁ、出かける先によって着こなしは変わりますけど。

そう言えば、今日は裏庭の豊後梅も
やっと蕾が開きました。
表の庭の白梅は、ぽわぽわとたくさん咲いています。

なんてぼんやりしてると、もう三月。
早いなぁ。

2006.2.21 [火] 注染

手ぬぐいを染める技法のひとつである「注染」。

「本染め」「注ぎ染め」とも言われ、手彫りした和紙の型を使い、色付けしない部分に糊を置いて折りたたんで重ねて、染料を注いで、反対側から減圧し、晒数反分をいっぺんに染める方法....の様だ。顔料を使い片面だけ染まるプリント手ぬぐいとは違い、注染は使い込むほどに味が出る手ぬぐいらしい仕上がりになる。三周年イベントとして制作した真楽手ぬぐいもこの技法で染め上げられた。手ぬぐい好きなので、結構な枚数の手ぬぐいを持っているが、「今日はコレ」と選ぶ手ぬぐいは、生地が良くて注染で染められた物が多い。使いやすいのだと思う。
さて、実はどうしても具体化したい手ぬぐいがある。(笑)
そして、こっそり進行中だ。
具体化させる為に、色々調べ「注染」の事も勉強した。でも、実際に自分でやってみないと分からない体育会系なので、ここで修業してみる事にした。かなり本格的。

全ては、葉山芸術祭でデビューの予定。

2006.2.19 [日] 雨水(うすい)

雪から雨の季節となり、草木の発芽を促し、
萌芽の兆しが見えてくる....という二十四節気“雨水”。

今日は、その“雨水”のとおり、
表の庭の白梅が咲いた。
咲いたのはまだ、みっつよっつだけれど、
蕾はたくさんほころんでいる。

毎日、縁側から「まだ咲かないかな?」と、眺めていた。
今年はだいぶ遅かったから、待ち焦がれてた。
だから、咲いたのを見つけた時は大騒ぎ。
嬉しいなぁ。

梅が咲いたり、桜が咲いたり、
小さな新芽が顔を出したり、
そんなささやかな自然の営みを
人が生きていく喜びにまで昇華する日本人の感性。
それを持つ自分の中のDNAに誇りを感じる。
自然をコントロールするのではなく、
自然と寄りそうための美しい知恵。

そんな“日本の美学”を大切に毎日を暮らしたい。

2006.2.17 [金] 朝刊で...

靴のデザイナーなのに、
裸足や下駄が好きだった高田喜佐さん。
朝刊の訃報で亡くなった事を知る。
残念で哀しい。

※昨秋、喜佐さんち辺りの浜で撮った写真

2006.2.15 [水] 夜叉五倍子

ヤシャブシ。
漢字で書くとかっこいい。
草木染めに使う定番の素材で、
黒からベージュ方向の色に染まるらしい。
お天気もいいのでこれを拾いに山へ。
「連れていって」とお願いして、
友人のとっておきの場所を教えてもらう。
山とは言っても、暮らす場所のすぐの裏山。
キラキラ輝く海を見下ろしながら坂道を登る。
そして、裏山の奥へ。
すると大きな夜叉五倍子の木々。
木の下には、ころりん、こっそり、いっぱい落ちてる。
なんとなく動物っぽい気分になって、もくもくと拾う。
柔らかな枯れ葉の下には、小さな草の葉っぱが顔を出してる。
「木の実拾いにはちょっと遅いねー」と友人。
木々の枝先の、小さな新芽が可愛らしい。
春だよ、春。

そしてどうやら葉山にも、染色に使える素材はたくさんありそう。
まずは拾い集めた夜叉五倍子で、染めてみよう。
春だから、新しい事にチャレンジするんだ。
とにかく自分でやってみるのだ。

2006.2.14 [火] 海辺の春

今日の葉山は暖かかった。
風が強いので、ワカメが打ち上がってないかと、
別珍の足袋を脱ぎ捨ててビーサンに履き替え、浜へ。
海草は多かったけれど、ワカメは無かった。
そのまま波打ち際を散歩した。
着物の裾をたくし上げ、今年初めての足だけ海水浴。
ゆるんだ海水が素足にとても気持ちいい。

あぁ...、春だなぁ。
サンルイ島の生チョコを相棒へ。

2006.2.11 [土] 鳥の糞

昨日、公園の中を歩いている時に、首筋に何か水滴が落ちてきた。頭上には大きな木。手で触ってみると茶色い液体。「うむむ、樹液ではないみたいだから鳥の糞?」と、上を見上げたら何かがバサバサと飛んでいった。
鳥の糞だね。ウンが付いちゃったなぁ....と、軽くぬぐってそのまま忘れていた。
今朝、昨日着た着物を片付けていて、思い出す。鳥の糞は、衣紋を抜いた半襟の内側に茶色く飛び散っていた。半襟は白い塩瀬なので目立つ。しかも、掛け替えたばかりだよ。(泣)とりあえず、ベンジンで拭きとってみた。余計にくっきりと茶色が浸透した。(大泣)水性のエリモトでもこすってみた。効果無し。
以前、最もシミ抜きが難しいのはカレーだと聞いた。何種類ものスパイスが渾然一体となって煮詰められたものだから、一筋縄にはいかないらしい。
そういう意味では、鳥の糞だって、何種類ものスパイスが渾然一体となって....。
この感じだとたぶん水洗いしても落ちないだろうな。
まぁ、着物や帯でなく半襟で良かった。不幸中の幸い。ラッキー!(いや、なんかそれは違う気もするが:笑)
皆様も、カレーや糞には、充分ご注意下さいませ。

※写真は、
上:大磯の道端に咲いていた臘梅。
下:着て行った着物/館山唐桟無地・結城紬地に型染の半幅帯(藤本染工芸)・錆青磁色の冠の帯締め

2006.2.10 [金] 大磯へ

地元のNPO仲間と一緒に、大磯町主催の“旧吉田茂邸見学会”へ。
敷地10,000坪、建物300坪の、「吉田御殿」と呼ばれた豪壮な邸宅は、現在ちょっと宙ぶらりんな状態らしい。元総理が亡くなった後、西武鉄道が所有しているが、維持費などの関係で、町や県に活用を打診。町や県もお金が無いから、国に打診。でも国だって、全国民が心配するほどの財政難。どうなるんでしょうねぇ。
見学会は、庭園のみの見学で建物内には入れない。しかも、三日間で、抽選に当たった延べ3000人が来場する為、けっこう混雑していて本来の庭の雰囲気は味わえない。保存活動の為の話題作り....という目論みがチラチラと垣間見える。
さくっと切り上げ、周辺を散策。
大磯も葉山と似た様な、別荘を軸とした近現代の歴史文化が残る町だ。田んぼや小路を歩きまわりながら、「鴫立庵」と、旧島崎藤村邸「静の草屋」にも行ってみた。茅葺き屋根の鴫立庵も素敵だったけれど、島崎藤村邸が素晴らしかった。わずか三間の潔いほどのシンプルな佇まいの建物。とは言え、八畳の和室の周りに十畳分の広縁が囲み庭に繋がっていたり、そのけして広くない庭も、草花や低木の低い目線で構成されていたり、随所に作家の好みが現れていた。ミニマムなのに無限。藤村は、この家で71歳の生涯を閉じたそうだ。
私がいいなぁと思う家は、政治家や実業家の家より、画家や音楽家や作家といった芸術家の住んだ家が多い。大きさや豪華さを競った家は、すごいなぁとは思うものの心が動かない。芸術家の住んだ家には、それぞれの美学があり見ていて刺激的だ。
未来に残すべきは、資産価値よりもそこに残された美学なんじゃないかなぁ....と勝手に思う。

ポカポカと暖かく、春の訪れを感じる一日だった。

※写真は、
上:吉田茂の銅像。/サンフランシシコに向かって立てられたはずがちょっとNY方面に向いちゃってるらしい。(笑)
中:車用に大理石が敷かれた庭園内の轍。
下:旧島崎藤村邸「静の草屋」の広縁。

2006.2.4 [土] Wedding Party

我らが真楽の技術係でもあり、関心空間を創った男....バスケさんのウェディングパーティー。馴れ初めは“着物”だったそうだ。友人の結婚式に、お互い着物で出席していて、気になって話が弾んで、この日に至ったというわけだ。あぁ、着物って素晴らしい。(嬉涙)

そんな二人だから、紋付羽織袴&アンティーク振り袖という晴れ姿で登場。花嫁も現在は真楽メンバーで、水浅葱色に古典柄のアンティーク振り袖がとても綺麗で可愛らしくて素敵だった。灯屋さんにヘアも着付けもトータルでお任せしたそうだ。日本髪っぽく結い上げたスタイルと、着物の雰囲気がとても本人に似合っていた。バスケさんの羽織袴スタイルも小豆色系のあたたかい色合いが似合っていて、カッコ良かった。最近は着こなしにも余裕が出てきて様になってて、男っぷりが上がったよなぁ....と、しみじみ。(笑)
おめでとう!
いい感じのじぃちゃん&ばぁちゃんになってね。


※写真は、
上:肖像権を考慮してあえてボケボケ写真。でも幸せなオーラは伝わるよね。
下:注がれるままにワインをカパカパ飲んでゴキゲンな私。

※着ていったのは、
・錦糸が織り込まれたレンガ色地の訪問着。肩と袖に辻が花。裾は絞りの技法かな?久々に着たら、若干身幅がヤバイ事に気づく。
・黒地に古典柄の袋帯。固くて扱いにくいけど好き。
・白塩瀬の半襟をかけた桜色の長襦袢
・金茶系にぼかしと刺繍の帯揚げ
・金茶とレンガ色の平組みの帯締め
・白足袋に緋色の草履

2006.2.1 [水] 枯れたベンジャミン

玄関のベンジャミンが、ついに枯れたみたいだ。
平成元年に会社を設立した時、それまで勤めていた会社からお祝いにいただいた鉢植えだ。日当たりの悪い地下のオフィスでもなんとか頑張っていたのに、枯れてしまった。17年の命は、短かったのか長かったのか。在籍していた会社は、社名に“ビデオ”の冠が付くビデオ制作会社だった。報道取材などがフィルムからビデオに移り変わろうとする頃に設立され、ニュースや企業プロモーションビデオ制作を業務にしていた。私はその会社で、たくさんの仕事を覚えた。そして、ビデオとコンピュータが仲良くなる兆しを見せ始めた頃、今の会社を相棒と一緒に立ち上げた。その後、メディアの進化はめまぐるしく、映像規格は複雑になり、アナログとデジタルが混在し、世界中の映像業界はカオスの様な状況になってしまった。何がスタンダードになるのか、まったく先が見えないし読めない。
でも、ベンジャミンが枯れて、ビデオテープの時代は終った気がした。
ビデオテープの編集はちょっと特殊で、頭からOKカットをダビングして完成させる。後から「あ、ここにこのカットを追加したい」という場合は、そこから先はやり直しになる。フィルムや現在のノンリニア編集の様に感覚的には出来ないのだ。だから、エディットシートを作って予め完成時間を計算して頭の中で組立をする。実時間と合わせるドロップフレームの計算など、徹夜続きで計算ミスしてよく怒られた。映像に文字を入れる為のテロップも、鋏やカッターで上手に切り張り出来る手先の器用さが必要だった。
今は、エディットシートもテロップも必要ない。
過渡期の短い技術に付き合ってしまったのかなぁ....という気持ちが、普遍的な伝統技術を守り伝える人や仕事に憧れを感じてしまうのだろう。
ここ数日、過去の遺物のようなメディアでの納品を求められ、昔のマシンやらSCSIやらボードやらOSインストールやらと相棒が格闘していた。仕事の道具が一貫していないから、こんな状況になるのだと思う。結局ディスク納品で受付られたから、骨折り損の作業だったけれど。
そんなわけだから、
手に馴染む道具で、一生コツコツと続けられる職人仕事に憧れてしまう。
着物まわりの様々な手仕事に触れる度、
憧れてしまうのだ。

ベンジャミンは、きっぱり諦めるか、
ダメモトで土に降ろしてみるべきか。

※画像は、
白黒2階調で描いたビデオカメラと、SMPTEカラーバー。

2006.1.29 [日] 旧元旦

ぽかぽかと暖かく、
初春を感じるお天気の葉山から、
旧暦でもご挨拶。

新年あけましておめでとうございます。

さて、お屠蘇でも呑んで、
ゆっくりしましょうかね。
と、飲ん兵衛は呑む為だったら、
何でも口実。(笑)


*****
写真は、とある羽織の裏と袖裏。
いい感じでお酒を飲んで、(羽裏)
ほろ酔い気分でお楽しみ。(右袖の裏)
反対側の袖の裏には琵琶法師。

この羽織。只今、仕立て直し中。

2006.1.22 [日] 新年会

雪の影響で、一時はどうなる事かと心配した新年会。
でも、集まってみたら真楽メンバーは全員が着物姿だった。
「雪になんか負けるもんか!」という気持ちがビシバシと伝わってくる。
すごいなぁ、嬉しいなぁ、さすがだなぁ。

今年で三回目の葉山・音羽楼での新年会。
昭和初期に建てられた日本家屋に、晴着姿の着物ビト達が集う。
キラキラ輝くウキウキな華やぎ成分が充満する空間。
どうしてこんなに夢のように楽しいのだろう?
着物効果?
真楽マジック?
理由は何であれ、たくさんの笑顔と笑い声に包まれて、
心の底から楽しい時間を満喫した。
お集まりくださった皆様、どうもありがとう。
また来年もみんなでここに集えるよう、
今年も一日一日を大切に過ごしましょう。

※写真は、
KURAさんが撮ってくれたゴキゲンな私と、キュートな玉すだれに湧く会場。

着ていったのは、
20代の頃に作ってもらった紫地に桜などが染められた小紋。
紫地の総絞りに花柄刺繍の名古屋帯。
三浦清商店さんの東雲の半襟をかけた紫地に梅柄の長襦袢。
苔色の絞りの帯揚げ
紫色の鮫小紋の細い丸ぐけの帯締め
白足袋
そして、当日のヘアメイクは義妹つまりコユミさん!
先日の振り袖着付けの時、美しく変身する娘達を目の当たりにして「私も綺麗にして〜!」と、お願いしちゃった。いけてたかしら、うふ。

2006.1.21 [土] 雪の葉山

朝、起きたら雪。
一面真っ白な景色。きれぃ。
天気予報では、みぞれと報じられていたけど、
本格的にしっかり降ってる。
ゴム張りの下駄を履いて外に出たら、
どんどんくっついて、ぽっくり下駄みたいになった。
水分の多い雪だとこうはならないから、
かなり雪らしい雪。
裏山も真っ白に雪化粧。
しーんとしてる。

いつもなら、「わぁい、きれぃ。」と犬のように大喜びだけど、
明日は葉山で新年会。
みんな遠くから来てくださる。
明日の天気は晴れるとの予報だけど、
今日、これ以上積もると足下が大変。
きっと晴着の人も多いだろうし。

神様、雪はもうこの位で勘弁してください。
お願いします。

※写真は、午前8時半頃撮影
上:家から音羽楼へ繋がる小路
下:庭の様子

2006.1.20 [金] 夜なべ仕事

かぁさんがよなべぇをしてぇ〜、
新年会の準備。

今年はお料理のメニューも用意。
音羽楼の板長からは、
「葉山の初春を感じてね」と....。

名札は、プリントアウト用の紙が無いので、
余ってる紙を切って、筆ペンで手書き。
読めなかったらごめんなさいね。
でも「これなんて読むんですか?」なんて、
話のきっかけになるかもしれないし。

そんな新年会の楽しい様子を想像しながら、
ニヤニヤしつつの夜なべ仕事。
もうすぐ会えるそれぞれの笑顔。
みんなどんな着物姿で現れるのかな?
楽しみ楽しみ、あぁ楽しみ。

※写真は、久留米絣につんぬき。

2006.1.14 [土] どんど焼き@一色海岸

夜明けに降った雨は上がっていた。
良かった。
今日は、浜でどんど焼き
門松と正月飾りを持って浜へ出る。
やってるやってる。
去年のどんど焼きは、冷たい雨が降っていた。
今年は風も無く、雨も上がって、気温も暖かい。
大きな炎に近づき、お飾りを投げ入れる。
福餅をもらって、竹竿の先に垂らして餅を焼く。
あちち、美味しいねぇ。
お言葉に甘えて、樽酒も一杯。
ご近所の老若男女が集まって、世間話に花が咲く。
「その藍染め、素敵ですね。」と外人さんから、
流ちょうな日本語で声をかけられる。
聞けば同じ頃に葉山に越してきたご近所さんだった。
「私も着物が好きで昔はよく着ていたの。」とおっしゃる。
わぁ、じゃあ一緒にどんどん着ましょうよと盛り上がり、
あっという間にお近づきになる。
嬉しいなぁ。
ここに越してきて四年目。
だんだんご近所の顔見知りも増えてきて楽しい。
同じ場所に暮らしているんだもの。
色々と分かち合えたらいいなぁと思う。

帰ってきてしばらくしたら、雨が降り出す。
ザーザーと久しぶりの大雨だ。
まるで、どんど焼きの間だけ、雨を止めててくれたみたい。
ありがとう。

2006.1.13 [金] 福寿草

仕事で過去の画像を探していて見つけた福寿草。
別名「元日草」とか「朔日草」とも言われるそうです。
この写真は、2002年2月21日に池上梅園で撮ったもの。
実際には2月初旬頃から咲き始めます。
それなのに何故「元日草/がんじつそう」なのか。
そうです。
これも“旧暦”のお正月頃に咲くから、そう呼ばれていたんです。
おめでたい名前なので、今でもお正月に飾られたりするそうですが、
それはハウス栽培されているんですって。

福寿草は、春一番新年を祝う花。
やっぱり、旧暦で暮らしたいなぁ....と、思います。

2006.1.9 [月] 成人式の晴着

先日の日記にも書いたけれど、今日は朝から我が家で振り袖の着付け。三人一緒に7時に来てもらって、ヘアメイクは義妹担当。着付けの助っ人として、今年はかおかおさんに手伝ってもらった。着付け自体は特訓のかいあって(笑)、けっこうスムーズに三人三様の振り袖娘が出来上がる。とてもかわいく素敵な振り袖姿なので、写真を載せたい!でも本人達の許諾をもらってないから、着付け風景と成人式会場前の様子で雰囲気を。本当に可愛くて綺麗でちょっぴり色気もあって、ふわぁ〜っと開いた花の様だった。女の旬だね。
そして、そうした節目に、お祝いの気持ちを込めて振り袖を着付けてあげられるのは、とても素敵な事だ。本人達も母親達も喜んでくれたけれど、私も幸せな気持ちを分けてもらった。ありがとう&おめでとう!

部屋をざっと片付けて、お祝い気分のまま、近所の蕎麦屋へ呑みに行く。あれこれつまみながら十四代をコップで二杯。蕎麦をたぐって帰ってきたら、疲れが出たのか激しい眠気に襲われて、そのまま昼寝。起きたらすっかり日が暮れていた。

さて、お正月気分をそろそろ日常モードに切り替えなくちゃ。

2006.1.6 [金] 受け継いで着る

お正月は、いつも明るい色の着物が着たくなる。
三が日の間、長着は生成り色に亀甲文様の結城紬で過ごす。
二日は東京の実家へ。
宮城から叔母が来ているので、叔母から譲られた羽織りを着て行った。
祖母が叔母に買い与えた反物で、ピンク色の羽織りだった物を、白緑に染め替えて私の寸法に仕立て直した。露芝の地紋が入ったシボの大きいちりめんで、適度な布の重みが羽織っていて心地良い。「あぁ、こうゆう色もいいねぇ。」と褒められ、生まれ変わった羽織りを集まった女達で愛でる。こんな時間が好きだ。

そして今年の成人式は、地元繋がりで頼まれてなんと三人も振り袖着付けをする。勿論、プロの様には出来ないが、近所のオバちゃんレベルで頑張ってみようと思う。実は義妹をモデルに特訓なども重ねてみた。あとは出来る範囲で精いっぱい力を尽くすだけだ。
さて、その中のひとりは、母親の振り袖を着る。昔の着物は、生地も技法も仕立ても全てが良くて、今の物とは明らかに違う。箪笥の中でずっと眠っていた母親の振り袖を、受け継いで娘が着る....。すごく素敵だ。今回、準備や相談で、それぞれの母娘と何度も話をした。そして、深い“母心”に度々心が動かされた。私に娘はいないけれど、娘を持つ母の気持ちが少し分かって、「振り袖なんかゼッタイいらない!」と頑なに拒否した二十歳の自分を反省した。今更だけど、ごめんなさい。

2006.1.1 [日] 迎春

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

心穏やかに着物をまとえる
平和な一年であります様に....。

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