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お正月を迎える準備をしながら、
“買わない”という豊かさをこの年の瀬に実感した。
■森山神社のしめ縄
12月の半ばに、森山神社のしめ縄を氏子会役員が本殿に集まって作る....と聞いて、見学させてもらった。葉山の棚田で育った稲藁の束が用意されていた。男衆がきりきりと凛々しく力強く綯えていく。「左向きに綯うんだよ。」と教えてもらう。普通の日用品は右向きに綯うそうだが、神様を迎える神聖なしめ縄は左に綯うとの事。ほほぉ、興味深いお話。しめ縄は結界の標識でもある様だし、地方によって様々な違いがあり、面白いなぁと思う。手水に飾る短い縄のれんの様な物も作っていて、それを“さがり”と呼んでいた。そう言えば、お相撲のさがりにそっくりだ。
こうした風習を葉山っぽい適当さ加減で、今も続けている森山神社が好きだ。
ここに暮らせて嬉しい。
でも、こうした集まりに宮司さんを見かけない。こちらは兼任だしね。つい先日までは葉山町の町長も兼任してたしね、忙しいんでしょうね。
ちなみに、宮司さんのお膝元の森戸神社は、丈夫なプラスティックしめ飾りだ。毎年こんな事をしなくても大丈夫なんだって。私は、神様の罰が当たりそうな気がするけど。
■門松
切り出した竹が余っているからミニ門松を作ってみるかぃ?と誘われて、作ってみた。太い竹を節を残してコップ状に二本切る。その中に入れる三本のマダケを斜めに切る。これが難しくてちょっとブサイク。畳を巻いて棕櫚縄で縛る。ここまでのパーツを揃えたところでタイムアウト。残りの作業は持ち帰り、今日続行した。三本に束ねた竹を入れ、周りを松や梅や千両で飾るとの事だったが、我が庭には万両の方が多いので万両を飾る。庭の梅はまだ咲いていないので、東京に住んでいた頃に買った梅の造花で代用。
あらやだ、素敵。
■黒豆
相棒の親戚から、自然薯と一緒に黒豆も届く。で、今年は黒豆に挑戦してみようかと思う。母に電話して、祖母の煮方を教えてもらう。「難しいのよ」という母も、確か祖母から習って作り始めたのは五十代になってからだったはず。今は亡き祖母の味を、私は受け継いでいけるだろうか。
お節料理は、いつも食べられる分だけを簡単に用意する。煮物だけはちゃんと作る。今年からは黒豆も。
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いろいろな物が、簡単に買って済ませられる今。
でも、裏を返せばそうしなければならない忙しい時代。
盆も正月も、ハレもケもない、いつだってコンビニエンス。
本当の豊かさって何だろう。
“買わない”という豊かさが、確かにある。
自分は、どう暮らしたいか....、
ちゃんと考えてみればきっとみつかる。 |