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2008.8.28 [木] 自然布

安房の國で着ていたきもの。

・黒地の上布
真楽バザーでnekomamaさんから譲っていただいた絣の着物
・八重山グンボウの帯
森伸子さん(故人)の帯を初めて降ろした。館山へはなぜかこの帯を締めて行きたかった。アローはイラクサだけど、麻と同じ様に古代自然布の素材と聞く。
・八重山の帯揚げ
津田明子さんの八重山のお蚕さんの布を帯揚げにした。森さんの帯にぴったりシンクロした。
・八木オリジナルの道明の帯締め
・麻の白半襟
寸法がマイサイズではないので、レースの筒袖半襦袢に半襟をかけて、簡略に。
・麻の湯文字
・航空絹布の裾除け
・麻の白足袋
・黒地エナメルに白い鼻緒の草履



今回の館山行きは、フェリーを利用した。
久里浜-金谷を35分で結ぶ。
海を渡る感覚が、ぐっと旅気分を盛り上げてくれて気持ちよかった。
海を渡ると、葉山と館山はとても近かった。

2008.8.28 [木] 海を渡って安房へ

館山へ。

一衣舎の木村さんに同行して、唐桟の斉藤さんを訪ねた。
以前工房で一度だけお目にかかった光司さんに、お線香をあげさせていただく。
織ってもらった布は、帯となってわたしの手元に、在る。
布を通して伝えていただいた事もたくさん、在る。
どうもありがとうございました。安らかに眠ってください。

まだ日も高いので、沖縄の素材展の頃から気になっていた場所を探索することにした。
予め決めていたわけではないのに、木村さんも私も気になっていたキーワードが同じで、少し驚いた。
それは、「布良」。
良い布と書いて、“めら”と読む。

古代、阿波(あわ)で開拓された麻の布は、忌部一族によって、麻や穀を作るために更に良い場所を求め、海を渡った。その渡った先の上陸地点が「布良」だと伝えられている。
そして、この周辺は安房(あわ)と呼ばれる。
シルクロードの様に、きっと“麻の布が伝わった道”もあるはずだ。
そんな浪漫を感じて安房を探索したかった。
念願かなって嬉しい。

布良崎神社を探していて、まずは安房神社へ行ってみる。
とても広くて立派な神社で、ものすごく清々しい場所だった。
植物が持つ静かなパワーが溢れていて気持ち良かった。
そこで、探していた布良崎神社の名を御仮舎に見つけた。
こちらも探して、ちゃんと参拝してきた。
海を見下ろす気持ちの良い神社だった。

この日、たまたまだったけれど、
まとっていた着物は、麻づくしだった。

そう言えば、
古代、安房からひろく関東へ、麻穀が伝搬された“産業の道”は、今、土砂を満載したトラックがたくさん走っていた。巨大な重機が、豊かな里山を削っていた。海を渡る土砂も多かった。土砂は、現在の千葉県の代表的な地場産業なのだそうだ。
麻や穀がよく育つ肥沃な土地、安房の、今。

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