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  八掛がすり切れた絹唐桟を、近所の悉皆屋さんに洗い張りと仕立て直し諸々をお願いしていた。
 
出来上がったとの連絡を受け、引き取りに行った。
 
 
お天気が良かったので、ちょうど店の庭先で伸子張りした反物に糊付けをしていた。
 
ここは、洗い張りや染めが専門の悉皆屋さん。
 
昔ながらのたたずまいがとても素敵な路地裏のお店は、昔ながらの私の体内時計にしっくり馴染んで、なんだか落ち着く。昭和な時間。
 
 
さて、八掛。
 
すり切れた八掛は朱色だった。
 
丈夫な白生地を色見本から選んで草色に染めてもらった。
 
写真よりもう少しくすんだ緑色系。
 
ぐっと落ち着いて年相応な雰囲気になった。
 
八掛の色遊びは楽しいなぁ。
 
 
表地の絹唐桟も、洗い張りで水をくぐったせいか艶も増してさっぱりと良い風合いになった。
 
生洗いや丸洗いといういわゆるドライクリーニングと、水で洗う洗い張りとでは、仕上がった布の風合いは違うと思う。私はやっぱり洗い張りの方が好き。
 
 
日常着として日々酷使してきたこの着物も、新品のように甦った。
 
これが着物のすごいとこ。
 
ふふふ、お出かけ着に格上げしよっと。  |