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藍染めワークショップ覚え書き。
貴重なトルファン綿の反物を福本先生がご提供してくださり、
一人約37センチ×33センチ四方の布で染め体験。
先生が実際にトルファン綿を染めるときの手順とは
違い、限られたワークショップの時間内ということで
それを幾つか端折ったものとなる。
布はすでに先生がジャバラに折ってくださっていた。
そこに小さな布を両側から当てて、木綿の太い糸、二本取りで
とめていく。このときかなりしっかり、布の間に隙間が
できないように留めること。ただし目のつまったトルファン綿に
針を通すだけでもたいへん。その都度先生にチェックして
いただくときっちり留めたつもりでも甘い。
お針仕事が苦手な私はデザインを考える余裕など一切なし。
ともかく、全部で5箇所に白く残す部分を作る。
藍甕は二つ。大きなポリバケツに藍が元気に立っている。
水道水だったし、いつもと環境が違う場所での作業なので
ご心配だったようですが、気温のせいか、たいへん元気。
(ただし本当の藍染めは冬の作業がいちばんきれいに
染まる、とのこと=寒染め)
まず作業の終わった布を水でもみあらい。
脱水して染め。また脱水して空気中で振る。中までよく
空気が行き渡るように(還元)。それを水洗いして脱水。
また染めて、以下同じ手順を繰り返す。結局五回染めた。
水洗いは灰汁を抜くため。なのでやさしくもみ洗い。
最後に脱水して、糸を外す。白い部分がちゃんと
残っているかどきどき。それをまた水洗いして脱水。
乾かす時間はないので、濡れたまま持ち帰った。
で、一晩たってアイロンをかけたものが写真のもの。
蛍のようにぽわっと、白い部分がちゃんと残ってうれしい。
それにしてもちょっとだけ福本先生の藍染めを体験して
思ったことは、これを一反作業するというのは本当に
たいへんなことだと言うこと。しかも一反分、ムラなく
染めるのだから、想像を絶する。今回の小さな裂だって
ムラムラですよ。帰り際キケンだったのは福本先生の反物が
とてもお安く思えたこと(笑)いやもちろん高価なんですが
あれだけの手間を考えたら、と。
水洗いのときに、つい汚れた水を取り換えようとしてしまう。
先生から、替えなくていいわよと言われ、そうだった!
一度出た藍は色移りしないのだった、と気付く。
四時間という短い時間でしたが、木灰で立てた藍で布を染める、
という貴重な体験ができて、本当によかった。
百聞は一見にしかず。そして百見は一経験にしかず、
見るだけより実際に作業することがいかに理解に役に立つか、と
改めて思いました。
トルファン綿覚え書き:20年前にトルファンから持ち帰った
手績みのトルファン綿を、絹機と木綿機で繻子に織ってみた。
(トルファン綿の特徴を生かすには繻子織がベストと考え)
絹機で織ったものは針を通してもその穴がすぐに元にもどったが
木綿機で織ったものはそのまま。結局絹機で生産ラインに。
しかしその頃よそ行きの木綿を買う人は滅多におらず、商業的
には失敗。織元は着物ではなく他のものに加工して販売することを
考え始めた。そこで福本先生が織元からそこにあった総ての反物を
B反ふくめすべて引き上げた、そうです。ちなみに今日使わせて
いただいた布は正反! |