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福知山へ。京都府に三軒のみ残る養蚕農家を訪ねるツアーに参加しました。といっても参加者は塩野屋さん社長とスタッフの石井さん、それに私の3名だけ(贅沢だ)。
この日は、夏繭の掃き立ての日。
卵(種/たねと呼ぶ)から孵ったばかりの蚕の赤ちゃんたちが、シート状の袋に入って、10時に宅急便で届く。ちょうど輸送中に卵から孵るようになっているのです。そしてその赤ちゃんたちに、はじめて桑の葉っぱをあげます。柔らかい桑を選んで、みじん切りにしてふわっとかぶせてあげると、わずか2ミリのお蚕さんたちはすぐに葉っぱにとりついて、しばらくすると葉の端っこはぎざぎざになっていく。目が開いてない赤ちゃんが誰に教えられなくともお母さんのお乳を飲み始めるのと同じように、葉っぱを食べ始める姿をみて、すごい!すごい!と大さわぎ。生命の神秘をじーんと感じるのでした。
写真の桑の葉の下にあるのは2シート分のお蚕さまの赤ちゃん。なんと1シートにつき1万3千頭です。虫はそれほど得意ではない(かといってものすごく苦手というわけでもない)私ですが、葉っぱをもしゃもしゃ(小さすぎてわからないのだけども...。)食べているお蚕さんたちをとても愛おしく思いました。これから5回の眠と脱皮を繰り返し、約50日後に繭を作り終えます。
そして今日は、真綿づくりも教えてもらいました。玉繭やくず繭(上繭と違って出荷できない繭)をひとつひとつ器用に引き伸ばして、それを重ねてきれいな角真綿を作る。これをたっくさんたっくさん作って、それを貯めて、お布団をこしらえていたんだよなあ...。教えてくださったのは黒田登喜枝さん。くず繭から糸を引くことも教えてもらいました。小一時間奮闘したものの、これはまた、たいぶ難しい...。けど、この作業は好きだなあ。
8時西陣出発、京都着18時。絹についてめいっぱい勉強した一日。すばらしい機会をつくってくれた塩野屋さんに感謝。またこのお蚕さんたちに会いにいこう。そしてちゃんとフィードバックできるように頑張ります。
夏繭ツアーはあと3回あります。興味のある方はぜひ塩野屋さんへ! |