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2007.10.29 [月] 佐藤竜子さんの紬 |
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佐藤竜子さんの個展へ、法然院。
夕暮れ前に、電気を消した暗がりの本堂。
色のグラデーションが本当に美しく。
植物で染めたやさしい色が心地よく。
お寺の鐘も長く鳴っていました。
うっとりするほどいい時間。 |
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2007.10.26 [金] 手しごと巡りの一日 |
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「京都きもの散歩」は少数精鋭に(笑)8人で染めの町をめぐりました。関東から参加してくれた方もあって、とっても嬉しかったです。
まずは伊勢型紙で染める京小紋(江戸小紋と基本的に同じ)の工房・大野國染工場へ。ハイライトたる「柄付け」を見せてもらったのは2度目なれど、みじん鮫の細かさやその技術の高さには、深くため息。きれいな色で染めてもらいたいなあ...。消費者とダイレクトでやりとりをする職人の大野さんは、先日、最近は薄いグレーやピンクベージュなんかが人気があるねえと、おっしゃっていました。
案内人でありますから、写真はほとんど撮っていないのだけど、その後にうかがった「伸子やさん」(友禅で生地を張るための棒)では思わずパチリ。染めに関わるあらゆる道具があるようで、キョロキョロじろじろ、あたりを見回しました。飴色になった店内の様子は、素晴らしかった。商品が少なくてと店主はしきりに言うけれど、私たちの目には十分にうつる。そして板場へゆき、地染めや蒸しの現場を見学。ここでの仕事はとてもダイナミック。
仏レストランのパスカル・ペニョに入ってまもなく、雨がざーっと降ってきて、お庭の緑や石たちはしっとりと濡れてよい風情。
最後に訪ねた高橋徳さんの工房には、普段にも増してぴりりとした空気が流れていました。なにやら緊張感。けれどもトークは軽妙に。印金で描くぼかしは、手品をみるよう。
人の手というのは、凄い。こういうものを考え出す頭も感性も、凄い。
当日は朝から雨でどうしようと思ったけれど、ちょうどよい具合に晴れ間があって、影響はほどんどなく。お天道様にありがとう。受け入れてもらった方々に感謝。参加してくれた方々に、より理解と愛が深まる一日になっていますことを。
参加してくれた方から、地図の部分だけコピーし綴じられた『京都きもの生活』を見せてもらいました。さらにハンディになって、こんなふうに役立っている我が子を誇らしく思う。
当日のレジュメをここにアップしてみました。
http://kimonomap.com/... |
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2007.10.22 [月] 「京都きもの散歩」間近 |
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今週の金曜日は、朝日カルチャーセンターの「京都きもの散歩」。ということで、訪問先の工房へゆきちょっと打合せ。そして当日の資料をせっせと作る。
楽しい一日になりますように。お天気がちょっと気がかり。
お席はまだ空いておりま〜す。 |
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2007.10.21 [日] 絵 |
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西陣のギャラリーで友人の描いた絵をみる。
鉛筆だけで描いた人の顔が5枚。その人たちの顔は太陽みたいにかがやいていて、この人のことがとても好きなんだろうな、薄っぺらい関係でなくて、つながりあっているんだろうな、ということも、よく解る。絵の5人について紹介する短文が置かれており、その表紙には「飽きるほど眺めたい。話したい。一緒に過ごしたい。」とあった。
いい絵だった。そして巧かった。
みていてとても満たされるものでした。 |
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2007.10.20 [土] 夜なべ |
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もりたさんのOBIワークショップに参加してから4年半。ようやく、はじめて、二部式帯を作ってみました。古いもので、前帯がだいぶ擦り切れてしまっていたから、必要に駆られて。もりたさんから貰った資料や「きものサロン」を見ながら夜なべでチクチク。何度かやり直して、なんとか出来ました。いろいろ調整できるから、自分でやってみてよかった。使ってみて、今度また作ることがあったら、次はもう少し工夫ができるかもしれない。
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ああ、これはちょっと、さすがに(泣)。 |
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2007.10.18 [木] メモ |
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伊勢型を使った京小紋ないし江戸小紋は、10%以下。
それ以外は大きく分けると、スクリーン擦染かロール擦染で染められている。
ロール擦染は文字通り輪転機と同じやり方で染めるもの。100反以上くらいの規模で染める場合に使われる。
型染は、細かな柄は伊勢型で、粗い柄はナイロン製の型を使う。 |
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2007.10.17 [水] 工場見学 |
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仕事である工場へ。
ウレタンマットを加工して寝具にしたり、お布団を作っている加工所です。毎日、一日に加工する分のウレタンの塊が運ばれてくるそうで、これを“パン”と呼ぶのだそうだ。ものづくりの現場はどこも興味ぶかい。けど私は石油の上で寝たくないな、などと思ったけれど、考えてみればベッドにはふんだんに使われているに違いないのだった。おお...。 |
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2007.10.15 [月] 川村成くん、関さん、二階堂さん |
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祇園で開かれていた五人展へ。川村成くんの新作には驚いた!写真を撮らせてもらいました。こんなです。すてきです。関美穂子さんの帯もまた可愛いものがたくさん増えていてぐらぐらと。それから出雲の青戸さんのところで修行をしたという二階堂晃子さんの木綿はきりりとして、手触りは柔らかく、とても良かった。弟子の展覧会をちょうど青戸柚美江さんが訪ねてきていました。
あれ、出雲織はKWになっていないのですね。
・・・ここはしょうさんの出番よね! |
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2007.10.15 [月] 奈良で茶の湯の一日 |
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縁あって、朝から奈良へ、お茶会へ。
空がどこまでも青く、うろこ雲がきれいな好い日でした。
大仏さんの前での献茶式を見学。
そして席が3つも。家元席に流れるきりっとした空気をとても心地よく思った。いいなあ。お茶。やっぱりはじめようかなあ...。
着ていったのは、最近出ずっぱりの桜の無地紬。そして母から送ってもらった「ひつじ草」の袋帯。
この唐織などを観てしまって眼が肥えすぎた私には(大変困ったことだ)頼りなく思えたこの唐織。しかし柄はやっぱりかわいー。絹の光沢もすてき。というわけでお気に入りになりました。そして軽いことが何より助かる。 |
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2007.10.14 [日] 自転車でいろんなところへ |
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新しい本『京都を包む紙』(井上由季子・村松美賀子共著)の出版記念展というものに出掛けてきました。ちょうど今日は本づくりに携わった人たちが一同に集まって、その制作についてお話をきかせてくれるという日。
アノニマ・スタジオ主宰の丹治さんが話していたこと、
50年、100年先にも本として存在して、手にした人たちとと共感し合えたり、通じ合えることのできる本を作りたいと常に思っている、それだけが何よりも基準、
という仕事への姿勢にぐっと。
会場では、思わぬ再会、予想された再会、新しい出会いがいくつも重なって、楽しい時間でした。
『京都を包む紙』は、とても素敵な本です。愛情あふれる本。これはKWに(KW候補が溜まっています)。
その後は3周年を迎えるもりたもとこさんのお店、OMOへ。木綿の印象が強かったOMOですが、最近は絹ものが増殖中。写真のチョコレイト色のちりめんの無地に、裂織の帯、な〜んて、クールでほっこりしていて、いいなあ、と思う。今までの印象とは異なるけれど、でもやっぱりもりたもとこさんらしい。
さて明日は6時起き。半襟つけをしなくちゃー。あたふたあたふた。 |
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2007.10.10 [水] 取材をいくつか |
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ゑり正さんで見せてもらったのは、とても半襟は思えない重厚な半襟。刺した風情は重厚で刺繍の厚みはおどろくほど。だけどいくつものピンクの糸の色の濃淡が可愛らしいのです。
長襦袢に縫い付けるのではなく、伊達衿のように仕立てられていました。そして折り目は一本ではなく二本。ふた通りの付け方ができる、これまで目にしたなかでもっとも豪華なものでした。
そして初めて目にして、しかも味見させてもらった「瓢箪のピクルス」。瓢箪を食べるなんて。食べられるなんて。お昆布が紐になってあしらわれています。大きさは親指大というところでしょうか。お味は胡瓜に近い感じ。何よりも姿が愛らしい!
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こんぶ土居さん、「良い食品づくりの会」というものに参加されています。全国のいくつかの場所にその会の売場あり、関東や他のエリアでも、土居さんのものが置いてある場所があると思います。特に日本橋高島屋は豊富にあるかもしれません。探してみてください〜。 |
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2007.10.7 [日] 昆布パワー |
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先日、大阪の空堀商店街の昆布店を訪ねました。佃煮やふりかけが、抜群においしかったから。むろん化学調味料フリー。原材料などを記載しているラベルにさりげなく書かれた「調味料(アミノ酸)や酵母エキスなどで人工的に強く味付けした食品を常食されている方には、当店の製品は物足りなく感じられることがあります。自然の素材と技術が醸し出す滋味をお楽しみください」という強いメッセージにも好感を持って。
あとで聞いたことには、こちらは本当に昆布の名店で、名だたる料亭が絶大な信頼を置く、上方を代表する昆布店なのでした。かつ、ただ商いをするばかりでなく、産地・川汲へ赴き、昆布漁に同行したり、地元の子どもたちへ「お父さんの取る昆布は日本一だよ」と語りかけているという。強く尊敬の念。
そして、いただいて帰った川汲産の昆布でお出汁をとってみたら、ちょっともう、のけぞるほどに旨かったです。いつもの鰹節で、いつものようにとって、これほどに違うものかと、昆布の持つ力を初めてずどーんと知る。いやすごい。ほんとに。ちなみにお徳用一人一点のみ、という昆布は110gも入って525円。何たる幸せ。もう土居さん以外で昆布は買うまい。
こんぶ土居
大阪市中央区谷町7-6-38(地下鉄谷町六丁目駅下車)
9:00〜18:00
日曜祝日定休
http://www.nhk.or.jp/... |
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2007.10.6 [土] アマでオペラ |
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ひさしぶりの着物。
しかしここ数ヶ月、柔らかもの旋風が吹きあれていて、紬を着る気になれない。困ったものだ。恨めしげに引き出しを開けたって、柔らかものが入っていたり…しませんから。自分につっこむ。しくしく。
…でも!
ニューフェイスの帯締を合わせたら、新たな気持ちの組み合わせがみつかって、なんとも嬉しい。やっぱりきものって偉いな。
して、出かけた先は尼崎(通称アマ)。アマでオペラですよ(この意外な感じは関西の人には分かってもらえるかと)。演目は今年二度目の「カヴァレリア・ルスティカーナ」「パリアッチ」。繰り返し聴いているとても好きなオペラです。日本人がイタリア人を、しかも激情のシチリア人を演じることに多少の違和感はおぼえつつも、なにより大事な唄がとても良かった。びっくりするほどに。いろいろあって公演がしばらく出来なかったという関西歌劇団。また観にゆきたいです。 |
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2007.10.5 [金] ついでに桂離宮 |
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いかにも桂離宮らしい市松の襖と壁。
だいぶ退色しているこの藍の色が好きです。
もみじでいっぱいの別の襖には「杼(ひ)」の引手。
ふっくらとした風情がとてもよく、本当にしゃれてる。 |
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2007.10.5 [金] 秋の京都 |
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さやさやと風が心地よい午後。
風鈴もそろそろ仕舞わなくてはと思うけど、まだ寒々しくは感じないし、いいかなあ。
ところで先日友人の来訪予定に合わせて十一月の修学院離宮の予約に京都御所へゆきました。御所にある窓口では、オンラインやハガキでは「×」(つまり予約不可)になっていても必ずといっていいほど枠があいていて、前日までにいけば許可を貰えるのです。
が。秋は事情がまったく異なるようで、11月〜12月初旬はもう全然ダメ。がびーん。秋の京都をなめてはいけないなあとしょんぼり。
さらに、ならばと月初に次月の予約を受け付ける料理店へその予約日の朝向かうも玉砕。2時間弱出遅れたことが悔やまれる...。
嗚呼残念。
写真は冬の修学院。この日はとても寒かった。
中離宮の霞棚は友禅染の光景。 |
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2007.10.2 [火] ぶどう染めのショール |
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先日のぶどう染めのショールが出来上がり、受け取りに。
仕上がりは、とってもきれい!
これはワンピースを着て、ふわりと肩にかけたい感じ。ハゴロモのよう。やっぱり帯揚げには勿体ないなあ...。
でもそれとは別に、飛び絞りの帯揚げのような雰囲気の、ちらり友禅の帯揚というのは、かなり素敵に違いない。そのうち出来上がることを心待ち。
ぶどうは昔から草木染めの材料として使われてこなかったことから分かるように、堅牢度はよくなく、今の色が保たれるわけではないそうです。
“ワインと同じく、変化をお楽しみください”とは高橋さんのメッセージ。染めたときの色、今の色、これからの色。よく覚えておこう。
写真上はそのショール。色はあまりきれいに撮れていない。
写真下は今日の賀茂川。
桜の葉は少し黄色く、落ち始め。雑草たちも、少しずつ秋。 |
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