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2009.3.31 [火] 三月

三月は丹後半島。森林ノ牧場という、とてもユニークなところで、体を動かしながらさまざまなことを考える日々でした。

ここはもはや牧場とは呼べない牧場。食料の残り物でバイオガスを発生させ発電し、残った有機物は堆肥と液肥にしている。液肥をつかってお米をつくる。山に牛を放ち草を食べてもらって乳をもらう。荒れた山から最初に切り出した木はきのこの原木にする。これからもっと広がっていくに違いない。
その昔は当たり前に循環していたけれど、いまはその輪が切れてしまっている。彼らは里山をもういちどまわっていくようにチャレンジしているのだった。まだまわっていない。つっこみどころはいくつもある。でもとにかく、それって理想だけど無理だよね、と言われてしまうことを真面目に真正面から取り組んでいるのだった。

なぜそのようなところへ突然、というと、農水省の「田舎で働き隊!」(ああこのネーミングといったら...)というプログラムに参加したのでした。ちなみにこのプログラムは、ストレートに田舎で働く人を発掘することだけが目的ではなく、外から一時的に人が入ってくることによりその地域が新たな目線を得るきっかけにする、というのがもうひとつの目的。

牛は愛くるしい。頼もしい。お乳すごい。ノックアウト。ますます牛好きに。
「森林ノ牛乳」はとても美味しいです。京都伊勢丹で売ってます。500ml630円と価格が高すぎて話にならない、と行く前は思ったけれど、今はそれでもたまに買いたいと思うようになった。不覚にも納得してしまった。だって牛舎に閉じ込められた牛ではなく、山でのびのび暮らしている牛のお乳が飲めるのならば。でもこう思うのは私が牛好きすぎるからだ。価格を抑えるための努力は必ず必要だと思う。しかし一方で、それほど好きでないものを、無闇に食べたり飲んだりすることのほうがおかしいんじゃないか?牛乳は乳なのだ。水じゃない。がぶがぶ飲むな。カフェラテ・グランデなんて愚の極み(過去のわたし)。と根本的なことも思う。牛乳に限らずたぶん全てのものを無闇に消費している。以下略。止まらなくなりそう。

丹後はいいところでした。降り立った駅は「峰山」。丹後ちりめんの祖・森田治郎兵衛の町。最初に買った道明の帯締めの銘でもある。
お魚がおいしかった。毎日温泉に入らせてもらった。町の様子はやはりうら淋しい。ちりめんの話をすると「昔はよかった」と皆一様に暗い顔をすることが気になった。きものブームきてますよ、いいものをつくってください、中国製の生地を洗うだけで丹後の判子おさないでください、などと数人に語りかけてみました。

実質は10日間なのに、もっと長い日々だったような気がする。
京都(市)に戻ってからも、しばらく心ここにあらずだった。
さあ、これをどうこれからに繋げていくかだ。

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