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2011.8.17 [水] 一夜明けて

昨晩の送り火。とくべつな気持ちで火を眺めました。

法然院や真如堂から鐘の音がきこえはじめ、20時になったことがわかる。例年なら20時ぴったりに一斉に火がつくのに、なかなかはじまらない。どうしたんだろう、どうしたんだろうねと言いながらしばらく待つ。すると2〜3分おくれて(体感で)ようやく点火された。燃え上がり、消えるまでずっとみていた。30人ちかい家族友人たちと、皆で静かに。そのなかには福島から京都へ避難してきた人も。

今朝の新聞で20時から黙祷の時間があったことを知る。新聞ではさらっと書かれているけども、この「間」に保存会のひとたちの強い思いを感じました(20時きっかりに、一気に大の字が浮かび上がるよう点火することに、彼らの美学があると思う)。二転三転いろいろあって、そもそも判断を誤っていたと思うし、京都市の対応にもひどくもどかしかった。だけど保存会のひとたちは陸前高田のひとたちと心を通わせながら、昨晩の送り火につなげたんだろうなあと思っている。想像するに、当事者間では、しっかりとした絆ができているのではないだろうか。たぶん、きっと。

2011.8.4 [木] 渓谷へ

二度目の無鄰菴は別のところへ行ったみたいだった。ひろびろとした芝生のあたりを通って、木々が生い茂る遠くのほう、奥のほうへゆくと、そこはうつくしい日本の渓谷。なんともいえないほっとする感じがしたのは、そうだ上高地の小梨平の感じと似ているんだ。

またここに来よう。見方が変わるのは、おもしろいな。

2011.8.2 [火] クマゼミ

今朝も蝉の大合唱。
このあいだおもしろいことがありました。二階の窓の手すりに一匹の蝉が止まっていて、それは珍しいことではないけれど、蝉は鳴くでもなく、じっとしている。

網戸ごしに間近で観察。蝉って目がくりくりして意外にかわいいな。腰のあたりが動いてる。それと手すりの木にひっかけたような跡がたくさんついている。むむ、これは!?
調べてみると、それはまさにクマゼミの産卵なのだった。蝉は枯れ枝(生きている樹ではなく)に卵を産みつけるのだそうな。おなかの下のあたりから「産卵管」なるものがにょきっと出て、枯れ木に穴をあける。鋭利な錐みたいなものなのかしら。そして卵をうみつけているらしい。すごいな〜。手すり的にはちょっとしたダメージだけども。

クマゼミの母、じっくり時間をかけて産卵を終え、びゅっと飛んでどこかへいきました。

2011.8.1 [月] ぶきみな気配

八朔。今日はなぜだか肩や背中がじわりと痛くて、なにやらだるい。まさかぶらぶら病?そういえば膝にはぶつけた覚えのない小さな青あざ。よからぬことが頭をよぎる(ちなみにどちらも低線量被曝の症状のひとつ)。まず単に寝違えたとかそんなところだと思うけども…。

5月の末はこんなだった畑はもりもり成長していて、ぴちぴちの野菜を毎日収穫し、食べている。おいしい。日々成長する様子を観察するのも楽しい。トマトはこんなふうに軸に近いところから順番に赤くなるわけさ。
日々の糧を得られるのはすごくうれしいこと。なのに気がかりなことがある。目には見えない、匂いもないけど、この野菜にも○△ベクレルの放射性物質が含まれているのかもしれない(550km離れてたって、たぶん「かも」じゃない)。よかれと敷いた藁にも濃縮され蓄積しているのかもしれない。藁はいずれ土に戻るようにと思っているわけだけど、そしたら放射性物質は土に移るだけなんだよね。生ゴミみたいに分解されない。水で流したって、水に溶けてなくなるわけでなく、移るだけ。じゃあ燃やそう。いや燃やしたってなくならない…。そんな物質、手に負えない。小さな国土にこんなにたくさんの原発がある。住めるところがなくなっちゃうよ。

なにを京都でそんな、と思うよね。でも、ひたひたと忍びよる放射性物質を意識しはじめてます。覚悟しないといけない。と同時に、原発と隣り合わせの状況を変えなくては。

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