| | 着物が世界にどう影響を与えたかをファッションに絞って検証した本です。十九世紀ヨーロッパに沸き起こった日本趣味(ジャポニスム)とはなんだったのか?
よく外人に、着物の受けがいいと言いますが、何故ある種尊敬を含んで見られるかを歴史を辿って書かれています。
鎖国時代に出島を通して輸出された着物がオランダの上流階級のステイタス・シンボルのガウンとして着られていたことから着物が世界に影響を与え始めます。
他リバティ・プリントで有名な生地がありますが、そこが着物の柄を取り入れてどんどん有名になっていったなんて、ワクワクしながら読んでしまいました。柄も菊、つばめなど取り入れられていました。
そして外せない、パリ万博で日本初の女優「貞奴」の人気ぶり。彼女が、動く着物でありカリスマであったのがわかります。以前他の本で読んだ、外人の日本のイメージ「ゲイシャ・フジヤマ・ハラキリ」の世界はやはりパリ万博の貞奴が原点だったのかとつながっていったり。パリ万博、貞奴さらに知りたくなりました。
最後には着物のカタチ自体がファッションに取り入れられていく過程がドラマチックに描かれています。
アールデコ、アールヌーボーも実は着物の影響なくしては生まれてこなかったなんて知ったらデザイン観が変わるかも。
着物が世界へ与えた影響は日本人の想像以上だったと実感する本です。
ちなみに、著者の深井晃子氏は、京都服飾文化研究財団のキュレーターです。
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| | | 【ジャポニスム・イン・ファッション ウミヲワタッタキモノ】
2,330円 平凡社 深井晃子
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2003/8/13更新 2003/8/13 登録 5162クリック/ 1回更新 |
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