| | 題名の通り服飾小事典ですが、
和服にまつわる物・言葉の意味、由来、歴史、どのような使われ方をしたか、などが、
浮世絵や博物館蔵の実物カラー写真、古典文学、歴史書などを資料として紹介されています。
目次を見ると、
雨コート、色直し、色無地、打掛、産着、江戸褄、絵羽、帯、・・・・襦袢、ショール、セル、伊達紋、足袋・・・・半襟、半纏、単衣・・・・矢絣、浴衣、湯巻
といった具合に、46語が五十音順に並んでいます。これを見て最初に思ったのは、まるで真楽キーワードみたい!ということです。してみると、真楽キーワードも服飾小事典である訳ですね。
それぞれの解説は実用として役立ちますが、単に読み物としても楽しめます。
例えば、先日来話題になった「昼夜帯」の頁では、
『黒繻子と紫の花絞りの縮緬を、腹合はせにしたる帯を結び・・』という為永春水「春色辰巳園」の文をひきながら、
『二種の異なった裂を縫い合わせて作った帯』等と説明し、
「江戸名所百美人 浅草寺」の絵を載せて昼夜帯を身に付けた女性の着姿を例にだしています。
このように、いつ頃発生したか、どう流行したかなどを様々な文献や絵を引き合いにだして説明するあたり、読んで楽しい本にしてあるだけでなく、作者の教養の深さ、研究熱心さにも感心しきりです。
ちなみに、この本は「北村哲郎染織シリーズ4」となっているように、他にも
「日本の文様」
「続・日本の文様」
「日本の織物」
「日本の染物」
が同じシリーズで出ています。こちらも気になるところです。 http://www.amazon.co.jp/...
| | | 【にほんふくしょくじてん きたむらてつろうせんしょくしりーず4】
1800円(税別) 源流社
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