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えりりんの空間
正藍染 素材 素材



麻種をまいて麻糸を紡ぐ。
藍種をまいて藍を育て、
葉を摘んで、藍玉を作る。
そして、機を織る....。

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正藍染は、わが国最古の染色技術で、昔は浸染と言い、平安時代には完成の域に達し、全国に普及した。その後、日本の各地では藍染め技術が発達し、化学染料も輸入され、衣料の量産時代を迎えたが、東北の山奥である栗原地方では、昭和の初期までこの古代の染めの技法が細々ながら伝えられていた。この技法を受け継ぎ、守り伝えたのが、明治22年生まれの千葉あやのさんで、1955年、重要無形文化財保持者に指定される。麻種をまいて麻糸を紡ぎ、藍種をまいて藍を育て、葉を摘んで藍玉を作り、乾燥貯蔵して染水を作るための藍だてをし、適期に麻布を染める。これらをすべて自分の手でやってきた。特に藍だてにあたっては、木灰以外の媒体を使用せず、自然の温度で発酵させるのが特徴。この一貫作業をひとりの女性が完全に保持している事が、分業が当たり前となった藍染めの常識を覆したと言われる。現在はこの貴重な技法を後世に残すべく、娘のよしのさんを始め、千葉家の子孫が代々継承している。

実は、私の両親の里も栗駒山にほど近い。代々農業を営みながらこの技法を伝えてきた千葉家を初めて訪ねたのは、1999年6月。祖父の三十三回忌で帰省した時だった。その時運良く、千葉よしのさんとまつ江さんにお目にかかることができた。傍らの藍の桶も覗かせてもらった。風呂桶の様な大きな桶の中で、泡が咲き、藍独特の臭いがしていた。普通の藍染めは藍瓶を火で調整しながら一年中染めるが、ここではいっさい火を使わない。5月初旬から7月半ばまでの自然発酵する時期だけ染めるという。自然のサイクルと共に、無理なく素朴に染められた布は、人のぬくもりと自然そのものが感じられる優しい藍色で心が和む。そして、正藍染からは、地味で寡黙で働き者の東北の女みたいな強さを感じる。

千葉家に併設されている「愛藍人・文字/アイランドもんじ」では、この“正藍染”の藍染体験が出来る。ただし、期間は5月〜7月。美しく染めるには、やはり藍が元気な6月がベストだと言う。次は、白生地を持参して藍染体験してみたい。

http://www2.neweb.ne.jp/...

【ショウアイゾメ】

愛藍人・文字
宮城県栗原市栗駒文字鍛冶屋103


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2005/9/6 登録
8313クリック
感想
05/9/6 しょう  火入れをしない藍染めを見た時になんというか、火を入れて立てている藍に比べて「深い」という印象を受けました。すっきりとした藍色なのに深みがある。自然の力を感じる藍色ですね。
えりりん  うん、濃い藍色ではないんだけど、深さと強さを感じる色。一見バラつきがあるんだけど、どれも素朴で優しい印象。藍の品種も「ちぢみあい」という阿波藍や琉球藍と違う種類だそうです。
05/9/7 陶子  偶然見つけました。青山みともで11日まで展示やってるみたいですね。
えりりん  偶然と言えば、今書店に並んでる「きものサロン/秋号」にも“人間国宝の全しごと”で掲載されてますね。
05/9/8 はな(萩の月)  私も千葉さんの藍染めが大好きです。いつかは求めたいなーと思うくらいです。すごく濃い色の藍ではなくて、透明感のある水色にちかい、藍色が独特の雰囲気ですね。
10/5/20 しょう  藍瓶は陶器だけれど、千葉さんは木桶で藍を建てていた(今もそうでしょうか)と耳にしました。だから火を使えないのですね。使わないから木桶なのか、木桶だから使えない、のかはわかりませんが、結果「正藍冷染」というものが出来た。そこでできるやり方で素晴らしいものを生み出す知恵と工夫、忍耐に今さらながら敬服。
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