| | ブックオフの文庫棚から、タイトルの”悉皆屋”という言葉に惹かれて、抜いた小説です。
主人公が、まさに悉皆屋さんで(といっても、図案を考え、染めや刺繍のアイディアを出し、新しいモードを提案するという、デザイナーのような位置づけの、悉皆屋さん)、様々な色や柄、そして素材の記述がふんだんに出て来ました。言葉だけは知っていても、実際にどんな色なのか、どんな生地なのか、???というものも少なくはなかったのですが、とても興味深く読むことができました。
大正から戦前にかけてのきもののこと、業界のことなどが事細かに描かれていて、きもの好きの方なら、きっと楽しめると思います。
わたしが読んだ、文春文庫版も含め、新刊書店では手に入らないようなのが、残念ですが、ブックオフや古本屋さんの均一コーナーに転がっている日本文学全集の舟橋聖一の巻には、結構収録されている作品のようです。
<追記>
2008年6月に講談社文藝文庫から、復刊されました。 http://www.amazon.co.jp/...
| | | 【シッカイヤ コウキチ】
文春文庫 他 舟橋聖一 1365円
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2008/7/17更新 2005/10/15 登録 3395クリック/ 1回更新 |
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