| | 母である作家・幸田文さん(故人)の遺した着物の悉皆=メンテナンスを通じて、自身も作家となった青木玉さんが現代の着物事情と呉服の周辺産業に想いを寄せ、ときには直に作業や生産の現場を訪れて綴ったエッセイ集。
そのトピックの元となる着物の写真も美しく、文章だけでなく眼をも楽しませてくれます。
祖父である明治の文豪・幸田露伴や娘であるエッセイスト・青木奈緒さんのエピソードも随所に織り込まれ、幸田家4代の「きものとの付き合い」を垣間見ることのできる一冊です。
とはいえ、その内容は特別なものでなく、戦後から現代に至るまで、着物が普段着から「ちょいよそ行き着」へ、役割は変化しながらも時間をかけて普通に着物と付き合ってきた家庭の中で、譲られた着物をいかに自分のものとして受け継いでいくか…というテーマに終始しています。
ちょっとしたことで着られなくなっている着物を復活させる様々な"呪文"のアイデアブックとしても参考になると思います。
新潮社 刊 http://www.amazon.co.jp/...
| | | 【あおきたま きものあとさき】
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