| | 先週のことなのですが、北海道立美術館で開催していた「アイヌ文様の美」を見てきました。アイヌの人々の衣装も日本の民俗衣装ですから、広い意味では着物になると思いキーワードとして登録することにしました。
会場にはアイヌの人達が実際に着ていた衣装や使っていた工芸品などが多数展示されており、そのすべてが緻密で手の込んだ手仕事によるもので、ひとつひとつの作品に込められたアイヌの人々の愛情を感じずにいられませんでした。
展示されていた衣装のほとんどが、ゴワッっとした厚手の生地でできており、オヒョウやシナノキ、ハルニレなどの内皮を繊維にして織った樹皮衣というものと木綿衣でした。そのほかには毛皮や魚の皮や鳥の羽でできた衣服も着ていたそうです。
この樹皮衣や木綿衣は振りのない半天のような形をしており、どこかでこんな形の着物を見たな..と考えたら、「よさこいソーラン」の踊り子の衣装(調べてみたら長半天というらしい)にちょっと似ていたのでした。中にはアイヌの人が交流のあった和人の奥様にプレゼントしたものあり、それはアイヌ独特の文様がありながら、振りがあって身八つ口のあいた普通の着物の形をしていました。
アイヌ衣装の文様は、染めによるものではなく、刺繍とパッチワークによるもので、細い太いはあってもそのほとんどが左右対称の線で表される抽象的なもので、その文様の一つ一つに意味のあるものなのだそうです。刺繍は細かいチェーンステッチによるものが多く、パッチワークはインディオのモラやハワイアンキルトに似ているところもあり、そのどれもが恐ろしく根気のいる細かい手仕事によるものでした。
今、アイヌの衣装は何かのイベントでもないかぎり、着ることはないと思いますが、このすばらしい手仕事による文様は、私達の生活の中にとりこんで生かしていけたらいいのに..と思いました。洋服の模様やクッションなどのインテリアにもいいし、また私の大好きなお着物なら、帯や半衿など素敵に使えそうなところはありそうです。
北海道立美術館での展示は残念ながら1月28日で終わってしまいましたが、常設展示をしている施設は結構あるようです。さすがに北海道がほとんどなのですが、道外にもいくつかあるようです。すばらしいアイヌの文様は写真ではなく是非実物をご覧になることをお勧めします。
アイヌ文化関連施設等分布マップ
http://www.frpac.or.jp/...
北海道立美術館特別展「アイヌ文様の美」
http://www.aurora-net.or.jp/...
| | | 【アイヌモンヨウノビ】
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2007/2/1更新 2007/2/1 登録 8323クリック/ 5回更新 |
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