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えりりんの空間
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子供の着物に縫い付けられた“背守り”という糸の印をご存知ですか?
その昔、背中は霊魂の守りの要で、着物は背縫いによって身を守ると信じられていたそうです。しかし、子供の着物には背縫いがありません。そこで、背後から魔物が入り込まないよう糸で縫い、魔よけとした印が“背守り”です。土地により意匠は様々で、江戸時代頃から全国的にあった習慣だそうですが、母親が大切な子供を守るために込めた思いは共通でしょう。
以前、背守りの着物を集めていらっしゃる鳴海さんのコレクションを拝見し、背守りに込められたメッセージに心魅かれました。昔は、赤ちゃんを授かっても、病や事故から逃れ無事に生き延びる事は容易ではありませんでした。だからこそ、子供が成長する節目節目に、お宮参りや初節句などをして神に感謝したのです。背守りは、母親が子供を思う“祈りの形”として、時代を超えて大切なメッセージを発していると思いました。

藍染めの縞の着物に施されたものが、典型的な背守りです。
(※写真はクリックすると少し大きくなります。)
絹糸で背の中央に十二針縫い、男の子は左斜めに三針縫い下り、女の子は右斜めに三針縫い下ります。他にも、針目が男の子は「- - - - - -」、女の子は「—・—・—」という違いがあるとか、絹糸が、五色であったり紅白であったり白だったりなど、説は色々あるようですが必ずしも一定した決まりがあったとは言えない様です。また、縫い糸が長く垂れていますが、病であの世にいきかけた時、この糸を辿って戻ってこられるようにという意味があるそうです。

その他にも、縁起のいい形に刺繍したもの、加賀地方で多い縮緬の押し絵のもの、結びを施したものなど、様々な背守りがあるようです。

(※鳴海さんのコレクションより)

最近、針を持って縫う....という作業に、おまじない的な意味を感じています。家族の為に、一針一針願いを込めて縫った着物は、ミシンで大量生産された吊るしの浴衣には無いナニカがあります。願いや思いを込めた手仕事には、“力”があります。
豊かで便利になった現代の生活の中でも、そうゆう目に見えない力を感じとる感性が鈍ってしまわないように暮らしたい。背守りを知って、そんな事を考えました。

★2016.07.30追記
時代を超えて、今も伝えたいこと。


【セマモリ・セモリ】


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2016/7/30更新
2007/9/10 登録
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感想
07/9/10 ねこ  背守、私も今年の春に東急本店であった三瓶清子さんのコレクション「布が伝える和のこころ」展でいくつか拝見して知りました。確か山形県が出自のお着物でしたが、本当に、一針一針に込められた子の無事と成長を願う親の気持ちがひしひしと伝わってきて、とても印象的でした。
えりりん  ほぉ、三瓶さんのコレクションも拝見してみたいです。なんというか、伝わってきますよね。親の愛が。背守りの事は、昔の銀花でも特集されていたそうです。
しょう  たいへん興味深いKWです。思いやメッセージを「形」にすることはとても大切だと思うし、それがひとつの文化になっていくところにも興味が涌きます。現代に生きる我々も昔の人のように目に見えないものへもっと目をそして五感を向けるべきですよね。ところで、コレクションの左下は「六芒星」(ダビデの星)?
えりりん  他の着物にも同じ文様があり調べてみました。日本では「籠目紋」と言うそうで、竹で編んだ籠の編み目のような形が“魔よけ”を意味するらしいので、背守りにもよく使われたのではないでしょうか?背紋用の図柄がたくさん描かれた背紋帳も拝見しました。探せばきっとその中にも出てくるのかな?
しょう  えりりん、ありがとう。日本では「籠目紋」と言うのですね。洋の東西を問わず同じ形が魔よけの形、というのも興味深いです。この辺り、もっと知りたい!
かおかお  祝!2000キーワード!
07/9/11 かんから  衣食住、すべてが民俗としてつながっているようで、日本の暮らしの興味深いところですね。異国のどこかで同じような伝承があるのも面白いです。
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