| | 杉浦さんのKWは“お江戸でござる”を初めとして多々ありましたが、本でいえば楽しさという点で、やはりこの本が一番と感じておりますので、KW化します。(一応、今までのKW内容チェックしたつもりですが、もしも重複があったらお許しを!)
この本は06年の5月にPHP文庫から出ました。もともとは97年に『対談 杉浦日尚子の江戸塾』が単行本で出て、そこに98年の『東京人』に掲載された北方謙三さんとの対談を追記してまとめられた文庫本(590円)です。
北方さんが杉浦さんを「師匠」と呼んでいるとは知りませんでした。また宮部みゆきさんも杉浦さんとお話するのが嬉しくてたまらない…という風情です。
何がおもしろいって…すべてですが、池波正太郎さんの『半七捕物帳』の評価は、その理由とともに本当に面白いです。池波さんを「嘘をつく名人〜最高に上手で気持ちよく騙されます」なんて杉浦さんでなきゃ言えません。
もちろん馴染みやすい話〜食・酒・ファッション・化粧やデート・風俗の話も、その確かな根拠が素晴らしい。まるで見てきたような口ぶりですが、すべてきちんと研究されたのだとシミジミ感じます。
ちなみになぜ家(近所一帯みな)では、「お味噌汁」といわず「おみおつけ」と言っていたのか、やっとわかりました。「おみおつけ」は“御御御汁”と書くのですね。そのぐらい、朝の具2品のおみおつけは重要だったとあります。
ちなみに祖父の昔の日記に“御御御汁”をなんと読むのだろう…と幼い時に考えたことを、突如、ここを読んだ時、思い出しました。
また祖父が時々、人を怒る時に「この一合野郎!」と言っていたのも思い出しました。お米を計る升は二合半の升が普通、どこにもあってこれが、一人の一日分だって祖母が言ってました。つまり「一合野郎」は半人前、という意味です。
こーんな楽しいことが一杯、対談で詰まっている本です。
本当に「目から鱗」だらけです。
お江戸に興味のある方、ぜひご一読を。
| | | 【スギウラヒナコのエドジュク】
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