| | 発行:たつの市立龍野歴史文化資料館
発行年:2008年10月
A4版 111頁
価格:1,500円
たつの市立龍野歴史文化資料館にて販売(通販可)
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2008年秋に開催された展覧会の図録です。
展覧会には行けなかったのですが、某アンティークショップでこの図録を見せてもらいました。
そしたら、あまりにもおもしろい!
自分でも取り寄せて、以後、くりかえしくりかえしページをめくっています。
見るたびに発見することがあり、興味が尽きません。
この展覧会で展示されたのは、笹岡洋一氏の個人コレクションです。
笹岡氏は幼い頃から布に魅せられ、十代から八十八歳の現在まで、収集・創作を続けているそうです。
小さな裂を貼り集めた「裂手鑑」、骨董市で求めたぼろぼろの小袖を和紙で裏打ちし、屏風に貼ったもの(表装も自身でしてしまうそう)。
さらには十二単の袖を染色から復元したり、江戸時代の人形を模倣して作ったり。
中でも私が感動してしまったのが、笹岡氏が奥さんのために用意した婚礼衣裳です。
昭和19年という時節柄、気に入ったものが見つからなかった氏は、白生地に自分で描いたり染めたりして、好みの衣裳を作ってつくってしまったそうです。
同じように、お孫さんの晴れ着を、古いきものを脱色し、自分で友禅して作ったりもしています。
そして、それぞれの作品画像につけられたキャプションや解説文、まえがきやあとがきが、またすばらしい。
江戸末期に三襲の花嫁衣装を着て婚礼をあげたおばあ様のこと、その三襲の裾がどうなるのかを見たくておばあ様から「強奪」してまとってみたりした少年時代、戦前戦中の青空市や京都の時代裂の店のことなどが、つづられています。
文章だけを読んでも味わい深く、しみじみとさせられます。
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笹岡洋一氏の紹介記事がこちらに。
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笹岡氏のコレクション・作品展示は昭和女子大学光葉博物館でも開かれていたそうです。
(2009,10/26〜11/21、秋の特別展『姿を変えた着物たち』 http://www.city.tatsuno.hyogo.jp/...
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2010/1/10更新 2009/5/31 登録 2651クリック/ 5回更新 |
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