ホームシあター
去年の話なんだけど、友人宅でDVDの「5.1サラウンド」を体験してきた。
皿運動でも皿うどんでもないからね。
技術的な事は、まぁおいといて、要するにスピーカーが5個あって、映画館と同じ様な音環境が再現できる...とおおざっぱに理解してる。え?おおざっぱ過ぎ?ま、いいぢゃん。友人は、体験用にと、新着DVDの「プライベードライアン」を用意してくれた。リミッター全部とっぱらって、大音響で鑑賞させてもらったら、和室の八畳間がノルマンディー上陸のまっただなかにワープした。リアル。左後方から耳をかすめて弾丸が通り過ぎていった。右前方で手榴弾が炸裂し、振動が肛門に伝わる。あぁ、水面下は急に静かなんだけど、チュンチュンと水を切って弾が飛んでくる。上も下も地獄だぁ!いや、違う、ここは静かな住宅街に建つ築30年の日本家屋の八畳間だってば。
リアルな臨場感は音だけの世界ではない。映像の方も、ソフトはまだないけれど、DVDで3D映像の再生も技術的には既に可能らしい。さらに、鑑賞画面は、プラズマディスプレイなんかも登場し、より薄く&明るく&大きな画面になりつつある。だからこれからは、一般家庭がどんどんホームシアター化していくと思うのね。わざわざ映画館に出かけなくてもリアルな臨場感がお手軽に体験できてしまう。
こうして考えると、こういった技術は、いかに生体験をリアルに再現するか...という事を目指しているのかもしれない。お茶の間が、そのままアフリカだったり、宇宙空間だったり、戦場だったりするわけで、それはそれで何だか感覚が麻痺してしまわないかチト心配。とくに成長途中の子供とかね、スゴク心配。
人間の脳は、バーチャルな体験と生体験の区別をつけられるのだろうか。そもそも技術は、区別を感じさせない感覚麻痺を目指しているのか。なんだかP.K.ディックの世界だな...。
そんなことを考えていたら、ますますもっともっと生体験しなくては...と思ってしまった。旅に出る。おいしいものを食べる。痛い目にあう。つまらない時間を過ごす。そういう素の心で感じる生の体験が実は大切だよ。
感性や感覚を編集してはイケナイ。命はリスタートできない。生はイイけどアブナイ。ん?
ま、それはそれで置いといて、ホームシアター計画は我が家でも進行中。 |