17歳の頃、きっともうすぐ世界は滅びると思っていた。ノストラダムスの大予言を信じていたわけじゃなく、地球が保有する核爆弾の大量さを知って、恐くなったから。
大人は私を、悲観的で世の中を斜に構えている...と言った。
未来は不安で、毎日は楽しくなかった。きっと愚かな権力者が、私が大人になる前に地球を滅ぼすと思っていた。1970年代の半ばのハナシ。
でもいつからか、自分のまわりの小さな出来事を楽しめるようになってから、そんな恐さも不安も忘れていた。いつのまにか大人になっていたらしい。
そして2002年の今、楽観的に世界を眺めてみても、何だか再び未来が不安だ。
ブッシュはイラクに戦争をしかけようとしているし、スーパーに並ぶ食品たちは信用できない。異常気象で欧州は大洪水だし、日本人は11桁の番号で管理され始めた。
でも、17歳の頃のように、ただ悲嘆に暮れてるわけにもいかない。大人は、未来に責任がある。何も出来ないわけはない。間違った流れに飲み込まれないよう、自分の位置に凛と立ちたい。それが大人の責任だと思う。
私の故郷は地球。そして全てのニンゲンの故郷も地球。
この星の未来を、いま南アフリカで論議している。 |